特集 Cover Story Olivier Gouin(オリビエ・グアン)氏 インタビュー オリビエ・グアン氏 航空エンジンを検査するメカニカルエンジニアと してキャリアをスタート。その後、MBA(経営学 修士) を取得し、IT分野を専門とする戦略コンサ ルタントに転身した。約 5 年間のコンサルタント 経験を経て、1987年世界最大の食品会社スイ ス・ネスレに入社。 2000 年、ネスレのグループ CIOに就任。グループ150 社の業務プロセス やデータ、ITシステムを世界で統合する大規模 をけん引した。 2014 年 プロジェクト 「 GLOBE 」 1月から現職。 58歳。 武田薬品工業 チーフ インフォメーション オフィサー 重要なのは1対1の話し合い 技術より組織や人の管理が困難 世界最大の食品会社であるスイス・ネスレでCIOを10年以上務めた。 その手腕を買われ、武田薬品工業のCIOに就任して約1年が過ぎた。 世界屈指のCIOが重視するのはトップや幹部との1対1の会話だ。 技術よりも組織や人との対処が難しいと話す。 うした状況を改めます。具体的には、ビジネ ションを提供すべきかを考えていきます。 だと考えていますか。 スプロセスを検証しながら、SAP製ERPパッ 高い頻度で会い、問題を理解して、さらに 当社は過去10年の間に、多くの会社を買収 ケージで標準化します。 ビジョンを達成できるようにサポートしてい してきたこともあり、様々な I T ソリューショ 難しいかもしれませんが 4 年間で統合する く。これが我々の任務です。 ンを使っている状況です。まずは全社の効率 計画です。インフラの領域については、今後 を高めるため、統合を急がねばなりません。 2年間で統合する予定です。 ̶̶ 武田薬品工業のCIOとして何を実行すべき ビジネス部門との幹部と、どれくらいの頻度 ̶̶ で1対1で議論しているのですか。 難易度の高いプロジェクトを進めるには、経 できるだけ 1 カ月に一度は面会するように 多くの幹部と話し合い、課題を共有しまし 営トップやほかの幹部とゴールを共有するのが重 しています。出張した際は、必ずその国のマ た。その結果、データセンターやハードウエ 要というのが、持論です。 ネジャーと議論します。 ア、ソフトウエア、ネットワークなど ITイン システム部門にとって重要なことは、ビジ 各国の販売会社の方々とも会うようにして フラ部分を統合することにしました。優先順 ネス部門の幹部との関係作りです。私は、い います。これまでロシアや韓国、フランス、 位を付けて、プロジェクトを進めています。 ろいろな幹部と頻繁に 1 対 1 で議論すること ̶̶ 020 NIKKEI COMPUTER 2015.1.8 ITの統合には様々なテーマがあります。 ̶̶ を重視しています。 ERPを標準化、4年後に統合 幹部全員を集めて会議、というのも良いの もう一つやらなければならないのが、ERP ですが、各ビジネスで要件が違いますから、 (統合基幹業務システム)の統合です。当社は、 マン・ツー・マンで話すほうが有効です。個 SAP 製品やオラクル製品などいくつかの種 別に会って、それぞれのビジネスについて課 類の ERPパッケージを使っていましたが、こ 題や計画を聞き出し、どのようなITソリュー 写真:村田 和聡 2015.1.8 NIKKEI COMPUTER 021
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