講演タイトル:有機水銀測定用バイオセンサーの構築 水俣病の元凶をセンサー微生物で検知! 摂南大薬 ○邑岡俊明、長田 北里大薬 武、芳生秀光 清野正子 廃棄などが法的に厳しく規制されている水銀化合物は、化石燃料の消費や人間の社会 活動により依然として微量ながらも持続的に環境に排出され続けています。環境に排出 された微量水銀による人の健康障害を予防するために、環境中の水銀を迅速かつ簡易に検 出するシステムの構築が求められています。われわれは、大腸菌に水銀耐性菌由来の水銀 輸送遺伝子(merT)と海洋性発光微生物由来のルシフェラーゼ遺伝子 (luxAB)を導入して、 無機水銀に対して高感度にかつ、特異的に測定できるバイオセンサーを構築してきました。今 回さらに、水俣病の元凶であるメチル水銀の検出も可能にするため上記のバイオセンサーに、 緑濃菌由来の有機水銀分解酵素遺伝子(merB)を導入した新規水銀バイオセンサーの構築を 試みました。本水銀バイオセンサーの構築より、従来の物理化学的な方法で必要であった長 時間および分離精製の煩雑さなどの問題点を解決し、環境試料中の無機水銀・メチル水銀と もに分離精製操作を加えることなく、短時間で原子吸光光度法と同程度の感度で測定するこ とができました。
© Copyright 2024