仙台市インフルエンザ・感染性胃腸炎等流行情報(第 3 号) 発行 平成 26 年 12 月 22 日 1 インフルエンザ 1-1 仙台市内インフルエンザ発生状況 2014 年 第 50 週(12/8~12/14) 2014 年第 50 週における仙台市全体の定点当たり報告数は 7.93 と,前週の 3 倍以上に増加しました。地域別では,泉区で 注意報基準値 10 を上回りました。累積報告数年齢群別割合では,10 代前半が一番多くなっています。 第 50 週インフルエンザ定点報告 仙台市合計 333(定点当たり 7.93) 青葉区 67(定点当たり 6.09)宮城野区 50(定点当たり 6.25)若林区 62(定点当たり 8.86) 太白区 42(定点当たり 5.25)泉区 112(定点当たり 14.00) (※第 49 週インフルエンザ定点当たり報告数:仙台市合計 2.36 青葉区 1.64 宮城野区 1.00 若林区 1.29 太白区 2.63 泉区 5.38) ※定点当たり報告数:インフルエンザ・感染性胃腸炎などの定点把握対象感染症については,あらかじめ指定された 仙台市内の医療機関(定点医療機関)から患者数の報告を受け,流行状況を把握しています。 報告数実数を定点医療機関の数で割った,1 医療機関当たりの報告数が定点当たり報告数です。 第 50 週市内インフルエンザによる入院患者発生状況(基幹病院定点) :7 例(男性 3 例,女性 4 例) 内訳:宮城野区 3 例(男性 43 歳,女性 61 歳,女性 88 歳) ,太白区 4 例(男児 8 歳,男児 8 歳,女児 1 歳,女性 84 歳) インフルエンザ定点当たり報告数 過去5 年の推移(仙台市) 60.00 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 50.00 定 点 当 た り 報 告 数 40.00 30.00 20.00 10.00 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 週 53 仙台市インフルエンザ定点当たり報告数推移(2014年) 15.00 定 10.00 点 当 た り 報 告 5.00 数 総数 青葉 宮城野 若林 太白 泉 0.00 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 週 インフルエンザ年齢群別割合の推移(仙台市,2014年) 100% 5.7 10.0 8.6 25.0 80% 20.0 0.0 5.1 2.0 1.0 2.9 50歳以上 4.8 5.1 6.1 8.1 4.2 5.7 1.5 0.0 30~39歳 11.4 60% 25.0 47.5 50.0 40% 0.0 20~29歳 0.0 0.0 0.0 15~19歳 33.9 48.6 50.0 0.0 10~14歳 0.0 32.1 26.3 0.0 5~9歳 0.0 0.0 0~4歳 20% 20.0 17.1 12.1 10.2 第49週 第50週 0% 第46週 第47週 第48週 40~49歳 インフルエンザ累積報告数年齢群別割合(仙台市) 40~49歳 4.3% 30~39歳 7.4% 20~29歳 2.1% 50~59歳 2.3% 60歳以上 2.5% 0~4歳 11.6% 15~19歳 3.3% 5~9歳 32.2% 10~14歳 34.3% (2014 年第 36 週~2014 年第 50 週)N=484 仙台市立小学校における平均欠席率の推移 3.50% 2014/12/16 ( 20 1 4 年10 月1 7 日~20 1 4年1 2 月1 6日) 3.00% 2014/12/12 2.50% 2.00% 1.50% 2014/10/28 2014/11/4 2014/10/21 1.00% 2014/10/17 0.50% 2014/11/25 2014/11/21 2014/11/18 2014/11/11 2014/11/14 2014/11/7 2014/10/31 2014/12/9 2014/12/5 2014/12/2 2014/11/28 2014/10/24 0.00% ※ 怪我・不登校など明らかに感染症でない例を除いた欠席者の割合 *インフルエンザ様疾患による仙台市内学級閉鎖等状況(50 週) 休 校 0 0 0 0 0 0 0 保育所 幼稚園 小学校 中学校 高等学校 その他 合計 学年閉鎖 0 0 2 1 0 0 3 学級閉鎖 0 2 15 5 0 0 22 ※同一校で同一週に休校・学年閉鎖・ 学級閉鎖が重複した場合,休校・学年 閉鎖・学級閉鎖の優先順で掲載 *仙台市インフルエンザウイルス検出状況(平成 26 年第 36 週~平成 26 年第 48 週検体採取) AH1pdm09 0 件,AH3 亜型 4 件,B 型 0 件(AH1pdm09 0%,AH3 亜型 100%,B 型 0%) (仙台市内病原体定点医療機関提出検体を仙台市衛生研究所にて検査したもの) 仙台市内の医療機関の協力を得て実施している感染症発生動向調査事業*において,今シーズン検出されたインフル エンザウイルスは全て A 香港(H3)型です。 インフルエンザウイルス検出状況(仙台市衛生研究所,2014年) 3 3 検出検体数 2 2 A香港(H3)型 AH1pdm09型 1 1 B型 0 0 36 37 38 39 40 41 42 43 検体採取週 44 45 46 47 48 *感染症発生動向調査事業 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき,インフルエンザなどの感染症について,流行情報及び ウイルスの型などの情報を医療機関の協力のもと収集,分析し,広く情報提供しています。 平成 26 年 12 月 18 日 インフルエンザ注意報が発令されました(注意喚起) 仙台市が実施する感染症発生動向調査において,平成 26 年第 50 週(12 月 8 日~12 月 14 日)泉区でのインフル エンザ定点医療機関あたり患者数*が 10 人を超えたことから,インフルエンザ注意報が発令されました。 前週(第 49 週)に比べ市内全域で患者数が増加しております。また,小・中学校の学級閉鎖も増えております。 今後さらに患者数が増えることが予想されますので,予防対策および有症状時の早期受診を心掛けてください。 * 定点あたり患者数(人/定点) 市内の小児科(26 ヵ所) ・内科(16 ヵ所)定点医療機関で当該週にインフルエンザと診断された患者数を, 報告医療機関数で割ったもの インフルエンザの感染予防対策 ○流水と石鹸で手洗いをし,うがいをしましょう。 ○「咳エチケット」を守りましょう。 ・咳やくしゃみの症状がある方は,マスクを着用しましょう。 ・マスクが無い時は,ティッシュやハンカチで口と鼻を覆いましょう。 ・咳やくしゃみ等で手が汚れた時は,手を洗いましょう。 ○栄養と休養を十分にとり,免疫力を高めておきましょう。 ○発熱や咳,鼻汁といった症状がある場合は,早目に医師の診察を受けましょう。 1-2 日本国内におけるインフルエンザ流行状況(参考:国立感染症研究所ウェブサイト等) 2014 年第 50 週の定点当たり報告数は 7.38(患者報告数 36,455)となり,第 42 週以降増加が続いています。 第50 週に於ける都道府県別の定点当たり報告数については, 宮城県が7.40 (全国12 位) でした。 宮城県内では, 仙南 (12.38) , 大崎(14.25)及び泉保健所管内(14.00)で,インフルエンザの定点医療機関当たり患者報告数が注意報発令基準値(10.00) を超えたため,平成 26 年 12 月 18 日付けで宮城県からインフルエンザ注意報が発令されました。 2014/2015 シーズンの国内インフルエンザウイルス検出状況(457 検体検出)を型別に見ると,A(H1)pdm09 が 7 件 (1.5%) ,A 香港(H3)型 433 件(94.7%) ,B 型 17 件(3.7%)と,A 香港(H3)型の割合が最も多く検出されています。 (2014 年 12 月 22 日現在) 全国インフルエンザ定点当たり報告数推移・過去との比較 45 40 35 2010年 定 30 点 当 25 た り 20 報 告 15 数 2011年 2012年 2013年 2014年 10 5 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53週 インフルエンザ定点当たり報告数推移(2014年) 10.00 9.00 仙台市 8.00 定 点 当 た り 報 告 数 7.00 宮城県 6.00 全国 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 週 都道府県別インフルエンザ定点報告状況(2014 年第 50 週) 報告数 総数 埼玉県 岩手県 北海道 奈良県 神奈川県 千葉県 東京都 福島県 京都府 山形県 愛媛県 宮城県 大阪府 長崎県 長野県 鳥取県 兵庫県 滋賀県 茨城県 群馬県 沖縄県 福井県 香川県 36455 4607 1010 3237 764 4208 2317 4192 769 1129 421 492 688 2204 453 549 181 1172 312 687 557 328 166 249 定点当た り報告数 7.38 18.80 15.78 14.26 14.15 12.52 10.93 10.15 10.12 9.18 8.77 8.07 7.40 7.18 6.47 6.31 6.24 5.92 5.89 5.73 5.68 5.66 5.19 5.19 報告数 三重県 福岡県 山梨県 新潟県 徳島県 栃木県 静岡県 愛知県 秋田県 和歌山県 大分県 青森県 岡山県 宮崎県 富山県 岐阜県 熊本県 佐賀県 広島県 島根県 石川県 鹿児島県 山口県 高知県 346 928 186 429 145 289 493 671 169 149 167 183 232 162 124 219 193 92 247 77 80 96 62 24 定点当 たり報告 数 4.81 4.69 4.65 4.47 3.82 3.80 3.55 3.44 3.13 3.04 2.88 2.82 2.76 2.75 2.58 2.52 2.41 2.36 2.15 2.03 1.67 1.03 0.90 0.50 (定点当たり報告数多い順に配列) 1-3 世界のインフルエンザ流行状況 (WHO ウェブサイト 2014 年 12 月 15 日更新分より) 世界におけるインフルエンザの活動性は,北半球で高まり,数カ国で流行期の閾値を超えてきました。今のところ,インフ ルエンザ A(H3N2)ウイルスが優勢です。 ・北米におけるインフルエンザの活動性の水準は,主に A(H3N2)により,流行期の閾値を超えました。 ・ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は,流行シーズン開始の徴候がはっきりと示されていませんが,全域で継続し て高まりました。 ・東アジアにおけるインフルエンザの活動性は高まり,インフルエンザ A(H3N2)が優勢でした。 ・アフリカの北部及び西部地域におけるインフルエンザの活動性は高まり,インフルエンザ B 型ウイルスが優勢でした。 ・アメリカ大陸の熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は,カリブ海沿岸の数カ国では高まり,中央アメリカでは減少し, 南アメリカの熱帯地域では低い状態でした。 ・アジアの熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は,低い状態でした。 ・南半球では,インフルエンザの活動性は依然として低い水準でしたが,太平洋諸島の数カ国では ILI(インフルエンザ様疾 患)の活動性が高いままでした。 ・Flu Net の報告(2014 年 12 月 11 日時点)によると,第 47 週から第 48 週(2014 年 11 月 16 日から 2014 年 11 月 29 日まで) の間,49 カ国等における国立のインフルエンザセンター(NICs)とその他の国立のインフルエンザ研究機関から,インフルエ ンザの動向調査データが報告されました。WHO 世界インフルエンザサーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では 59,940 例以上の検体を検査しました。7,227 例がインフルエンザウイルス陽性で,その内訳はインフルエンザ A が 6,603 例 (91.4%) ,インフルエンザ B が 624 例(8.6%)でした。亜型が解析されたインフルエンザ A ウイルスの内,84 例(2.4%) がインフルエンザ A(H1N1)pdm09,3,472 例(97.6%)がインフルエンザ A(H3N2)でした。解析された B 型の内,140 例(97.2%) が山形系統,4 例(2.8%)がビクトリア系統でした。 2 感染性胃腸炎(小児科)流行状況 2014 年 50 週(12/8~12/14) 2014 年第 50 週における仙台市全体の定点当たり報告数は 7.42 と,前週より減少しました。地域別では,若林・泉区で報告 が多い状態です。 また,全国感染性胃腸炎定点当たり報告数は 10.80 と,5 週連続で増加しました。 なお,宮城県においては 6.95 と全国 38 位でした。 第 50 週感染性胃腸炎定点報告 仙台市合計 193(定点当たり 7.42) 青葉区 43(定点当たり 6.14)宮城野区 36(定点当たり 7.20) 若林区 40(定点当たり 10.00)太白区 26(定点当たり 5.20)泉区 48(定点当たり 9.60) (※第 49 週感染性胃腸炎定点当たり報告数:仙台市合計 8.62 青葉区 6.71 宮城野区 9.80 若林区 13.00 太白区 6.20 泉区 9.00) 感染性胃腸炎定点当たり 報告数 過去5 年の推移( 仙台市) 24.00 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 20.00 定 点 当 た り 報 告 数 16.00 12.00 8.00 4.00 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 週 感染性胃腸炎(小児科) 定点当た り報告数各区別推移( 2 0 1 4 年) 14.0 総数 宮城野 太白 12.0 青葉 若林 泉 10.0 定 点 当 8.0 た り 報 6.0 告 数 4.0 2.0 0.0 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 感染性胃腸炎(小児科)年齢群別割合の推移(仙台市, 2014年) 100% 90% 1.6 0.6 8.7 80% 70% 1.7 1.6 5.2 36.4 5.4 2.7 2.1 6.9 36.2 40.9 3.6 1.6 1.3 9.4 15.0 43.0 50% 50 30% 47.2 56.1 52.1 40~49 歳 20~29 歳 10~14 歳 52.7 36.8 5~9歳 10% 0~4歳 0% 第46週 第47週 第48週 第49週 第50週 週 50歳以上 15~19 歳 40% 20% 49 30~39 歳 31.3 60% 48 感染性胃腸炎(小児科)累積報告数年齢群別割合 (仙台市) 30~39歳 15~19歳 2.4% 10~14歳 9.0% 20~29歳 3.5% 0.0% 40~49歳 0.0% 50~59歳 0.0% 60歳以上 0.0% 0~4歳 51.7% 5~9歳 33.4% (2014 年第 36 週~2014 年第 50 週) N=1,639 全国感染性胃腸炎定点当たり報告数推移・過去との比較 20 18 2010年 16 2011年 14 定 点 12 当 た 10 り 報 告 8 数 6 2012年 2013年 2014年 4 2 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 週 感染性胃腸炎定点当たり報告数推移(2014 年) 12.00 仙台市 10.00 宮城県 全国 定 点 8.00 当 た 6.00 り 報 告 4.00 数 2.00 0.00 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 週 都道府県別感染性胃腸炎定点報告状況(2014 年第 50 週) 報告数 総数 大分県 鹿児島県 宮崎県 福井県 山口県 佐賀県 福岡県 熊本県 島根県 広島県 岡山県 三重県 埼玉県 東京都 千葉県 兵庫県 神奈川県 愛媛県 山梨県 山形県 長崎県 大阪府 静岡県 34074 835 1087 687 373 811 385 1936 790 328 979 712 592 2028 3281 1632 1557 2524 448 286 350 493 2174 965 定点当た り報告数 10.80 23.19 19.76 19.08 16.95 16.90 16.74 16.13 15.80 14.26 13.60 13.19 13.16 13.00 12.52 12.27 12.16 12.13 12.11 11.92 11.67 11.20 10.87 10.84 報告数 富山県 石川県 滋賀県 群馬県 香川県 愛知県 京都府 徳島県 岩手県 茨城県 長野県 栃木県 奈良県 新潟県 宮城県 青森県 鳥取県 和歌山県 岐阜県 高知県 秋田県 福島県 北海道 沖縄県 312 305 326 607 282 1618 639 190 321 595 408 345 244 432 403 271 110 159 244 134 130 157 489 100 定点当た り報告数 10.76 10.52 10.19 10.12 9.72 8.94 8.64 8.26 8.03 7.93 7.56 7.19 7.18 7.08 6.95 6.45 5.79 5.13 4.60 4.47 3.71 3.49 3.42 2.94 (定点当たり報告数多い順に配列) 参考ウェブサイト 仙台市衛生研究所:感染症情報(小学校児童欠席率の地理的分布状況(東京大学空間情報科学研究センターとの共同研究に より作成)等掲載) http://www.city.sendai.jp/shoku/1194958_2482.html 仙台市:感染症情報・予防接種 http://www.city.sendai.jp/fukushi/kenko/kansensho/index.html 厚生労働省:インフルエンザ(総合ページ) http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html 国立感染症研究所感染症疫学センター :全国でのインフルエンザウイルス分離・検出報告状況 http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-inf.html WHO http://www.who.int/en
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