国際条約の改正案発効に伴う船員法施行規則および 船員労働安全衛生規則の改正について 昨年6月のIMO第 92 回海上安全委員会において、1974年の海上における人命の 安全のための国際条約(以下「SOLAS条約」)及び同条約に基づく国際海上固体ばら 積み貨物規則(以下「IMSBCコード」)の一部改正案が採択され、年明けの1月1日 発効に伴う、船員法施行規則および船員労働安全衛生規則を改正しましたので周知します。 1.「SOLAS条約」関連の改正事項 ①非常配置表(船員法施行規則第3条の3関係) 非常配置表に、密閉された区画(以下「密閉区画」)における救助作業について海員の 配置を定めること。 ここでいう「密閉区画」とは、以下の3つの性質のうち、いずれかを有する区画をいう。 ・出入り口の開口部が十分でない ・換気が不十分 ・作業員による継続的な使用が意図されていない 例…貨物区画、二重底、燃料タンク、バラストタンク、貨物ポンプ室、貨物圧縮機室、 コファダム、錨鎖庫、ボイドスペース、ダクトキール、インターバリアスペース、 ボイラー、機関クランク室、機関掃気だめ、汚水槽、隣接する関連区画など (なお、当該区画は、各船舶の構造を考慮した上で、各船舶ごとに決定することを 要する。) ※平成 27 年 2 月 28 日までの間は、指導啓蒙(けいもう)期間 ②「密閉区画」における救助操練 (船員法施行規則第3条の4関係) 「密閉区画」における救助操練として、有効な保護具、船内通信装置及び担架などの 救助器具を使用するとともに、けがの応急手当や心肺蘇生などの救急措置の操練を 行うこと。 なお、「密閉区画」での救助操練に代えて、「密閉区画」と仮定した場所で実施 して差し支えない。 また、呼吸具などの保護具の備え付け義務がある船舶にあっては、当該保護具を用 いて救助操練を実施することとし、それ以外の船舶にあっては、救急措置の実施可 能な 範囲で救助操練を実施すること。 ③避難の操練(規則第3条の4第7項関係) 旅客に対する操練の実施時期を「旅客の乗船後 24 時間以内」から「旅客の乗船後最 初の出港の前または当該出港の後直ちに」へ変更した(対象船舶に、変更はありませ ん)。 2.「IMSBCコード」関連の改正事項 ①航海中におけるくん蒸(船員労働安全衛生規則第71条、船員法施行規則第11条 関係) 三国間輸送を行う船舶などで航海中に貨物のくん蒸を船員が実施する必要がある場 合、くん蒸を実施する区画に隣接した区画や居住区等のくん蒸に使用した薬品が漏れる ことにより危害が発生する恐れのある場所において、航海中少なくとも8時間に1回く ん蒸に使用した薬品の量について検知を行い、検知した結果を航海日誌に記載すること。 また、当該区画において、くん蒸に使用した薬品を検知した場合、船内の換気、薬品 の漏れ出した箇所の特定、薬品漏出防止措置などの安全策を講じること。 -1-
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