Document 753088

ア ン コー ル ・ ワ ッ ト 研 究 会
科研『検証
アンコール・ワットへの道』第8回
第 8回研究会のご案内を申しあげます。
今回は、新進気鋭の若手研究者 朝日由実子先生に、カンボジアにおける手織物業とその
担い手の民族性との関係について、最も新しい研究成果をご発表いただきます。
朝日先生は2003年からカンボジア現地に滞在し、絹織物について村々を廻り、女性労働
と副業的織物、地場産業を丹念に調査し、これまでに注目されるご高論を発表されました。
そもそも東南アジア地域は、古来より布の「生産地」としてより、インドや中国などの外
来の布を交易により積極的に手に入れる「輸入国」でありました。13世紀末の元朝の使者
周達観の書『真臘風土記』にも、王族などのエリートが使用する豪奢な輸入布と、庶民の使
用する苧麻などで織られた素朴な地元産の布に言及する記述があります。その後17世紀、
18世紀に入ると東南アジア各地の王宮で、独自の布地を生産するようになりました。
カンボジアにおいて、今日につながる絹絣織物生産は、約300年前に成立したといわれ
ます。調査の結果、絹絣織物は、カンボジアの文化的アイデンティティを象徴する作品を創
り出しています。しかしながら、その主な担い手は、農村地域の華人系クメール人や、チャ
ーム人などの「エスニック・マイノリティ」と呼ばれる村人たちです。
朝日先生は、地場産業として織物業を捉え、織物に培われた民族性の深い意味を提起して
お話くださいます。カンボジア現地に密着した民族性に言及した貴重な研究報告会です。
ご多忙のことと存じますが、ぜひ出席いただきたくご案内申しあげます。
記
日
時:2015 年1月 22 日(木)
18:30~20:00
会
場:上智大学四谷キャンパス
中央図書館912会議室
テーマ
「カンボジアにおける絹織物業と民族性」
日本女子大学人間社会学部現代社会学科 助教
朝日
由実子氏
JR、地下鉄「四ツ谷駅」下車 3 分
入場無料
【主催・連絡先】上智大学アジア人材養成研究センター
Tel:03-3238-4136/Fax:03-3238-4138
Email: [email protected]