発表・掲載日:2015 年 2 月 5 日 キヤノンアネルバ株式会社 <新発売>キャパシタンスゲージ“M-342DG-1N” 半導体成膜プロセスの圧力測定に対応する 133Pa 仕様をラインナップ化 キヤノンアネルバ株式会社(社長:酒井純朗、本社:神奈川県川崎市麻生区栗木 2-5-1、以下: キヤノンアネルバ)は、真空計の新製品として「キャパシタンスゲージ“M-342DG-1N”133Pa 仕様」を発売しました。 キャパシタンスゲージ M-342DG-1N(133Pa 仕様) ※上記クリックで製品紹介資料(PDF:294KB) を表示 キャパシタンスゲージ“M-342DG”シリーズは、圧力センサ部に独自開発の小型シリコン MEMS チップを採用することにより、温度、振動、取付け方向などの外部環境から受ける影響を最小限 に抑え、ゼロ点調整頻度の最少化と、長期間安定測定を可能にした隔膜真空計です。 2013 年の発売以来、様々な産業分野で採用実績を増やしている“M-342DG”シリーズに、半導体 成膜プロセス圧力に対応可能なフルスケール圧力 133Pa 仕様※1 の“M-342DG-1N”が加わりました。 低圧側のラインナップ拡充により、半導体、電子部品、分析、医療、食品など、これまで以上に 幅広い用途で「高精度で長期間安定した圧力測定」を提供します※2。 ※1 実用測定圧力レンジは 0.5Pa~133Pa です。 ※2 ガス種によっては使用できない場合があります。詳しくは弊社までご相談下さい。 ■高精度で長期間安定した圧力測定 キャパシタンスゲージ“M-342DG”は、圧力センサ部に独自開発の小型シリコン MEMS チップを 採用し、温度、振動、取付け方向、気圧変動、汚れなど外部環境の影響を受けにくく、また、測 定の基準となるゼロ点のズレが少ないため、高精度で長期間安定した圧力測定が可能です。 一般的に、隔膜真空計は測定圧力レンジが低圧側であるほど外部環境の影響を受けやすくなり ますが、 “M-342DG-1N”は、同シリーズの高圧側機種と同等の高い測定安定性を実現しています。 ■使いやすさと高い測定性能を両立 短い起動時間、クラス最少サイズ※3、低消費電力、センサ部とコントローラ部が一体化した構 造(トランスデューサ)など、使いやすさに配慮した製品です。 ※3 キヤノンアネルバ調べ。精度が≦0.25% of Reading の隔膜真空計における比較です。 製品名 標準価格(税別) 発売時期 目標販売台数 キャパシタンスゲージ M-342DG-1N(133Pa 仕様) 20 万円~ 2015 年 1 月 3,000 台/年 M-342DG 1.33k/13.3k/133kPa 仕様 16 万 8 千円~ 発売中 (2015 年) 1 <キャパシタンスゲージ“M-342DG”の主な特長> 1.最高水準のスペックと使いやすさ ・最高水準の測定安定性 測定性能 ■測定精度 0.20% of Reading ■ゼロ温度係数 0.002~0.005% of Full-scale/℃ ■スパン温度係数 0.005~0.010% of Reading/℃ 温度変化に強い ・圧力測定における温度依存性を低減した小型シリコン MEMS チップを開発、圧力センサ部に 採用することで、優れたゼロ点の安定性を温度調整機構なしで実現。ゼロ点調整頻度の低減 が可能。 環境を選ばない ・圧力変動の繰り返しによるゼロ点変化量を最小化し、優れた測定再現性を実現。 ・優れた耐振動性。振動の大きい環境下でも安定した圧力測定が可能。 ・取付け方向に起因する測定誤差が小さく、任意の方向への装着が可能。 広い実用測定圧力レンジ ・低圧側に広い実用測定圧力レンジ。 133Pa 仕様の M-342DG-1N で低圧側は 0.5Pa から測定可能。 短時間で起動 ・小型・小容量化により電源投入から短時間でゼロ点が安定。短時間で測定開始可能。 2.コンパクト・低消費電力 ・質量 200g で、外形寸法は 46mm×49mm×106mm と軽量コンパクト。※4 ・消費電力は 0.5W と、装置の省エネ化に貢献。 ・センサ部とコントローラ部を一体化したトランスデューサ型なので、省配線、省スペースで 装置への取付けも容易。 ※4 継手 NW16 仕様の重さとサイズです。 3.その他の特長 ・ゼロ点調整は、本体のプッシュボタンでもリモート操作でも実行可能。 ・マイナスオートゼロ機能やベース電圧調整機能により、用途に合わせた使用方法を選択可能。 ・RoHS 指令、IP40、CE マーキングに準拠。 ・安全保障貿易規制の非該当製品。 ・キヤノンアネルバのトランスデューサ型真空計シリーズ専用表示器「M-601GC(1 チャンネル)」 「M-603GC(3 チャンネル)」に適合。 ・業界標準仕様の 0-10V リニア出力方式を採用。 4.ラインナップ ・フルスケール圧力で、133Pa(1Torr)、1.33kPa(10Torr)、13.3kPa(100Torr)、133kPa(1000Torr) の 4 種類をラインナップ。 ・継手は NW16、NW25、8-VCR、φ70ICF の 4 種類から選択可能。 <下線部は 3 ページ目の用語の解説をご参照ください。> 2 用語解説 <隔膜真空計(キャパシタンスゲージ)とは> 真空計は、圧力センサの一種で、大気圧よりも低い圧力(負圧、真空)を測定する計測器です。 圧力測定領域やその特長(原理)によりいくつかの種類があります。その中で隔膜真空計は、手に 持って上下させると気圧の変化が分かる(測定圧力領域が大気圧対応のもの)程の「高い精度」 、測 定するガスの種類に依存しない「絶対圧力が測定可能」といった特長があり、真空プロセス中の 圧力モニタをはじめとする様々な用途で広く使われています。その原理は、挟んだ二つの部屋の 圧力差により隔膜のたわみ量が変化することを利用し、電極間の静電容量を計測して圧力を電圧 信号に変換します。 電極端子1 電極端子2 真空 気体圧力 ダイヤフラム 隔膜 静電容量 小 静電容量 大 真空室側 真空室側 隔膜真空計の測定原理 <ゼロ点、ゼロ点調整について> 隔膜真空計は、使用している環境温度や振動などの影響を受け、基準点として定めた点「ゼロ 点」が変動します。また、一定期間使用していると、隔膜部分などの汚れや変形が原因で、 「ゼロ 点」が圧力の高い側に変移していきます(ゼロ点のドリフト)。この「ゼロ点」の変動やドリフト により圧力指示値の信頼性は低下します。また、ドリフトした際にはユーザにて都度ゼロ点の再 調整作業が必要となります。隔膜真空計の運用において、 「ゼロ点の安定性」は圧力指示値の信頼 性や調整頻度に大きく影響します。 <小型シリコン MEMS チップの優位点について> 隔膜真空計の隔膜部に温度や応力による変形や汚れなどが生じると、測定精度が低下します。 高精度で安定した圧力測定を実現するためには、これらの影響を少なくする必要があります。キ ャパシタンスゲージ“M-342DG”の隔膜を形成する単結晶シリコンは、熱膨張係数が小さい上に、 熱伝導率が高いので、環境温度が変化しても温度の均一性を維持しやすく、過剰な応力が生じに くい特長を持っています。こうした隔膜材料に適した物性的特長を持つ単結晶シリコンを用いて、 小型の MEMS チップセンサを開発しました。あわせて、チップセンサにかかるストレスを最小化す るマウント方法を確立することで、外部環境から受ける影響を最小限に抑えることに成功しまし た。この新開発の小型シリコン MEMS チップ圧力センサにより、精度が高く安定した圧力測定が可 能となりました。 3
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