技術を用いた電子コンパスに関する JIS 制定

資料2
MEMS(微小電気機械システム)技術を用いた電子コンパスに関する JIS 制定
−特性や性能評価方法の共通化による市場拡大を目指して−
平成26年12月22日
携帯電話等に内蔵され方位角の測定等に広く用いられている、先端技術である MEMS(微小電気
機械システム)技術を用いた電子コンパスについて、特性や性能を評価するための日本工業規格
(JIS C5630-19)を制定しました。
今回制定した JIS とともに、日本提案を基に策定された国際標準(IEC 規格)により、MEMS 技術を
用いた電子コンパスの性能や特性評価方法が国内外で共通化されることで、電子機器等を設計・開
発する企業等による評価がしやすくなり、今後の用途や市場拡大が期待されます。
1.規格制定の背景・目的
電子コンパスは、磁気センサを用いて地磁気を測定
し、その信号を処理することで方位角を示す電子デバ
イスです。MEMS(微小電気機械システム)技術とは、
半導体プロセス技術を応用して超小型な機械デバイ
スを作製する技術です。MEMS 技術を電子コンパスの
磁気センサ等に用いることで、電子コンパスの超小型
化が実現しています。
(出典:マイクロマシンセンター)
MEMS 技術を用いた電子コンパスは、スマートフォン
などの携帯用電子機器や自
動車のナビゲーション機器等に内蔵され、GPS(衛星測位システム)と組み合わせて自らの
位置を表示したり、進んでいる方向を明らかにする用途等で広く用いられています。
これまで、電子コンパスに関して、特性や性能の評価方法が規格化されておらず、電子
コンパスを活用しようとする電子機器メーカ等は、電子コンパスメーカ毎に異なる特性や
性能に合わせて、電子機器を設計せざるを得ませんでした。そのため、MEMS 技術を用いた
電子コンパスの性能や特性の評価方法を共通化するため、新たに JIS を制定しました。
2.今回の制定の主なポイントと期待される効果
今回制定した日本工業規格(JIS C5630-19)は、
2013 年に日本提案を受けて策定された IEC
規格(IEC62047-19)を基に、MEMS 技術を用いた電子コンパスについて、内蔵する磁気セ
ンサの感度等の特性や性能の測定方法や表記方法を規定しました。
IEC や JIS 制定により、MEMS を用いた電子コンパスについて、それを自社の電子製品に
活用しようとする電子機器メーカ等が、共通化された手法で特性や性能を測定・評価でき
るようになり、MEMS を用いた電子コンパスの今後の一層の市場拡大が期待されます。
【担当】 産業技術環境局 国際電気標準課(直通:3501-9287、内線:3428∼3429)
(課長)和泉 章
(補佐)高橋 聡