豪州準備銀行は予想外の利下げ決定 - レッグ・メイソン・アセット

<マーケット・レター>
2015年2月3日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
豪州準備銀行は予想外の利下げ決定
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豪州準備銀行(RBA)は予想外となる0.25%の利下げを決定。政策金利は史上最低水準の2.25%へ引き下げ。
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RBAは先行きの金融政策の方向性を示さず。今後は景気動向を注視しつつ、追加利下げの必要性を慎重に判断へ。
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RBAの利下げに対して、金融市場は豪ドル安・株高で反応。豪州株は2008年5月以来の高値水準に上昇。
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今後は、①RBAによる利下げ、②ガソリン価格下落、③豪ドル安による景気刺激効果が豪州景気の回復を後押しへ。
RBAは景気下支えのため予想外の利下げを決定
豪州準備銀行(RBA)は2月3日の金融政策理事会にお
いて、予想外となる0.25%の利下げを決定しました。政策
金利(キャッシュ・レート)は2月4日より史上最低水準の
2.25%へ引き下げられます。RBA総裁は声明文の中で、
図1:豪州の政策金利とインフレ率の推移
(%)
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(注)基調インフレ率は消費者物価指数(CPI)の
トリム平均値と加重中央値の平均により算出。
7
6
政策金利
(キャッシュ・レート)
豪州の内需の回復の遅れを指摘し、景気下支えのための
利下げ判断であったことを明らかにしました。
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RBAは先行きの金融政策の方向性は示さず
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また、RBAの声明文では、先行きの金融政策に関する
基調インフレ率
(前年比)
3
方向性は示されませんでした。今後は国内外の景気やイ
ンフレ動向などを注視しながら、RBAは追加利下げの必要
性を慎重に判断するものとみられます。
追加利下げに対して市場は豪ドル安・株高で反応
RBAの利下げに対して、金融市場は豪ドル安・株高で反
応しています。為替市場では、RBAの利下げは早晩実施
2.25%
2
1
05
=89円台)へ豪ドル安が進行しました(図2)。一方、豪株
式市場では、利下げを受けてS&P/ASX200指数(主要株
価指数)は2008年5月以来の高値水準へ上昇しました。
3つの景気刺激効果が豪州景気の回復を後押し
今後は、①RBAによる利下げ、②ガソリン価格の下落(個
人消費への恩恵)、③豪ドル安という3つの景気刺激効果
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07
08
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15 (年)
(出所)豪州準備銀行、豪州政府統計局(ABS)
(期間)政策金利:2005年1月1日~2015年2月3日
基調インフレ率:2005年1-3月期~2014年10-12月期
図2:豪ドルの対米ドル、対円相場の推移
される可能性が高いとの見方が既に広まっていたものの、
政策決定後は1豪ドル=0.76米ドル台(対円では1豪ドル
2 .3%
2 014年4Q
インフレ目標レンジ(2~3%)
(米ドル)
1.2
(円)
120
対米ドルレート(右軸)
110
1.1
100
1.0
90
0.9
80
0.8
が豪州景気の回復を後押しすると考えられます。
これらの景気刺激効果によって、今後、豪州の内需回
復がより明らかとなれば、豪ドルや豪州株への見直し余地
70
豪ドル高
60
0.6
が広がるものと期待されます。
豪ドル安
50
(参照)2015年1月26日付マーケット・レター
「足元での豪ドル安の背景と当面の注目点」
0.7
対円レート(左軸)
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08
0.5
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15
(年)
(出所)ブルームバーグ (期間)2006年1月1日~2015年2月3日
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