理 科

1
指導のねらい
中学受験新演習 小5下 理科 指導のポイント
動物のからだのつくりとはたらき⑴
▼指導ページ 学習編P 4 ~ 13,問題編P 4 ~ 9 ▼
★動物のからだをつくりによって様々な種類に分けられることを理解する。
★ヒトと動物の呼吸の仕方を学習する。
重要事項の確認
1 動物のからだ
【㊫基本1問練習1】
⑴ 無せきつい動物のからだ
表面にかたいから( 外骨格 )…こん虫,エビ,カニ
表面がうすいまく…ミミズ,マイマイ,イカ
⑵ せきつい動物のからだ
内骨格 …内側にある骨組み(体を動かすしくみ)
①魚類… 水中生活
えら …水中の酸素を取り入れる
ひれ …ひれを動かして運動する
うきぶくろ …中の気体の量を変えて浮き沈み。
②両生類
子どものとき, 水中生活 。親は, 陸上生活 。
かんそうに弱く,からだの表面が湿っている。
③は虫類… 陸上生活 。体の表面はかたいうろこ。
④鳥類…
(空を飛ぶため)軽い体のつくり
⑤ほ乳類 ヒトの特徴
背骨で頭を支える→脳の発達
二足歩行→手が自由に使える→道具の使用
⑶ 肉食動物と草食動物のからだ
①肉食動物 目が前面 ,立体的に(両目で)見て,
えもののきょりをはかる。
歯…犬歯でえものをしとめ,臼歯で ひきさく。
②草食動物 目が左右 ,広い範囲を見て,肉食動
物を探す。
歯…門歯で草をちぎり,臼歯で,草をすりつぶす。
2 ヒトの骨と筋肉
【㊫基本2問練習6】
⑴ 骨と筋肉
関節 …骨と骨をつなぐ筋肉
けん …骨と筋肉をつなぐまく,内側にかつ液
軟骨 …骨の先のやわらかい骨
⑵ 骨どうしのつながり方
ほう合接合 …頭骨,板状の骨がかみ合う。
軟骨接合 …背骨,うす状の骨が軟骨でつながる。
3 動物とヒトの呼吸
【㊫基本3問練習3,4】
⑵ いろいろな動物の呼吸
① えら呼吸 …魚,イカ,タコ,貝,ヤゴ
② 肺呼吸 …ほ乳類(ヒト,犬),は虫類(トカゲ,ヘ
ビ),両生類(カエル)
③こん虫の呼吸 呼吸管で呼吸
…水中のこん虫(タガメ,ミズカマキリ)
⑶ ヒトの肺のつくり
鼻,口→気管→気管支→肺胞
肺胞 …多数のふくろと毛細血管,広い表面積
⑷ ヒトの呼吸運動
腹式呼吸 …横かくまく, 胸式呼吸 …ろっ骨
・息をはく 横かくまくを上げ,ろっ骨を下げる。
・息をすう 横かくまくを下げ,ろっ骨を上げる。
⑸ 呼吸運動のモデル(図で確かめる)
ガラス管= 気管 ,ゴム風船=肺,ゴムまく= 横かくまく
⑹ はく息
(呼気)とすう息(吸気)のちがい
呼気 …酸素が少ない。二酸化炭素や水分(水蒸気)
が多く含まれる。
吸気 …酸素が多い。(吸った空気の約 5%を肺から
体に取り入れる)
4 ヒトの感覚器官
【㊫基本4問練習2,5】
⑴ 目のつくり
光→ 角まく → レンズ(水晶体)
→ もうまく(光を感じる細胞)→ 視神経 →脳
⑵ 耳のつくり
音→ 耳の穴(外耳道)→ こまく → 耳小骨 →
うずまき管(音を感じる細胞)→ ちょう神経 →脳
三半規管 …かたむきや回転を感じて,体のバランスを保つ
⑶ 皮ふや鼻・舌のつくり
皮ふ…皮ふの内側の神経・血管でし激を感じる
汗腺 …汗を出して体温を調節
鼻…においのし激を感じる細胞(鼻の奥にある)
舌…味を感じる細胞(舌の表面)
補足知識・留意事項など
1 動物のからだ
⑴ 無せきつい動物…背骨をもたない動物で 外骨格(表面のかたいか
ら)をもつものと 表面にうすいまく をもつものに大きく分けられる。
⑵ せきつい動物… 背骨 をもつ動物。 内骨格 に特徴がある。
①魚類…えらやひれ,うきぶくろのはたらきをおさえる。
泳ぐようす:尾ひれをはげしく動かしスピードをあげる。胸
ひれや尾ひれをゆっくり動かしてゆるやかに泳
ぐ。
②両生類…子どもは水中で,親は陸(水辺)で生活する。親も湿気がな
いと生きられない。いつもからだの表面はぬれている。
③は虫類…からだの表面はかたいうろこでつつまれている。
④鳥類…空を飛ぶために前足はつばさになり,体重は軽い。骨もスト
ローのように中が空どうで非常に軽い。
⑤ほ乳類…たい生で,卵を産まない。母乳を与え,子育てする。
ヒトの特徴:二足歩行するので手は自由に使える。背骨が頭を支え,
脳が発達,手で道具を使い,言葉を話す。
⑶ 肉食動物と草食動物 目と歯の特徴から見分ける。
〔目の特徴〕 肉食動物は,両目が前面にあって,両目で立体的に見る
ことによって,えものとのきょりをはかりながら,えもの
をおいかける。草食動物は,左右に目が分かれているので,
広い範囲が見渡せ,肉食動物をはやく見つけて逃げること
ができる。
〔歯の特徴〕 肉食動物の犬歯,草食動物の門歯に注目する。
肉食動物は,するどい犬歯でえものをとらえ,ぎざぎざのあるきゅ
う歯で,肉をひきさく。草食動物は,門歯で草をちぎって,ひらたい
きゅう歯ですりつぶす。
2 ヒトの骨と筋肉
⑴ 骨と筋肉 関節のしくみを図解などでおさえる。
⑵ 骨どうしのつながり
頭骨(ほう合)は,脳を板状の骨をかみ合わせて,保護する。
背骨(軟骨接合)は,うす状の骨が軟骨でつながり合っている。
3 動物とヒトの呼吸
⑵ カエル …子ども(おたまじゃくし)→えら呼吸
おとな(カエル)→肺呼吸・皮ふ呼吸
⑶ 肺胞のつくりで,多くのふくろや毛細血管にわかれるのは,表面積
を広くして,効率よく多くの酸素を二酸化炭素と交換するため。
⑷ 腹式呼吸の方がより効率よく,より多くの空気を出し入れできる。
4 ヒトの感覚器官
⑴ 目…目は 水晶体 という 凸レンズ を通してもうまくというスクリー
ンに像を結ぶ。これをもうまくにある光を感じる細胞で受け取り,視
神経を通って脳に伝える。 毛様体 は,レンズのふくらみを調節して
もうまくに正しく像を結ばせる。 こうさい は,カメラのしぼりと同
じはたらきをする。
⑵ 耳…音は こまく のしんどうが 耳小骨 を通って うずまき管(音を感
じる細胞がある)や ちょう神経 を通って脳に伝わる。耳の奥にある
三半規管 は,からだのかたむきや回転を感じ取って,からだのバラ
ンスを保つ。
⑶ 皮ふ,鼻,舌
皮ふ…皮ふのすぐ内側の神経や血管で熱や物にふれるしげきを感じとる。
汗腺のはたらき …皮ふの表面にある汗腺からは,汗を出して体温を調
節する。
舌…舌の表面にはいろいろな味を感じる細胞がある。
2
指導のねらい
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
動物のからだのつくりとはたらき⑵
▼指導ページ 学習編P 14 ~ 23,問題編P 10 ~ 15 ▼
★身栄養素の種類とそのはたらきを学ぶ。
★ヒトや動物の消化器官とヒトの消化の道すじや仕組みを理解する。
重要事項の確認
1 栄養分とそのはたらき
【㊫基本3】
⑴ 栄養素とそのはたらき
①でんぷん…活動する力,熱をつくる。
②たん白質…からだをつくる材料。熱のもとにもなる。
③しぼう…熱や力のもと。
④ビタミン…からだの調子をととのえる。
⑤ミネラル…骨・歯・血液をつくる成分。
⑵ ヒトのからだをつくっているもの
・水や栄養素→ 65%が水,たん白質・しぼうが約 15%
・筋肉や内臓→ 40%以上が筋肉
2 消化と消化器官
【㊫基本3問練習1~3】
・ 消化 …養分を体内に吸収しやすいものに変えること。
・ 消化管 …食べ物の通り道
※ヒトの場合…口→食道→胃→小腸→大腸→こう門
⑴ フナのからだと消化器官
・養分は消化管(腸)から血液中に吸収。
・かん臓…消化液をつくる。養分のたくわえなど。
フナのからだ…うきぶくろ,卵巣,えら,ひれ,心臓
⑵ 解ぼうのしかた…教材を参考に手順を教える
⑶ いろいろな動物の消化器官
・草食動物の消化管は肉食動物より長い
→草は消化に時間がかかるため。ウシは 4 つの胃。
・消化管の長さ…肉食動物は体長の約 4 倍
雑食動物は体長の約 5 倍
草食動物は体長の約 20 倍
⑷ ヒトの消化器官
①口…だ液がでんぷんを消化。永久歯は 32 本。
②食道…口から胃に食物を送る。
③胃…胃液がたん白質を消化。塩酸がふくまれる。
④小腸…腸液はでんぷん・たん白質・しぼうを消化。
小腸は養分・水の吸収を行う。
⑤大腸…水分の吸収。
3 養分の消化の道すじ
【㊫基本2,4問練習4】
⑴ 消化の道すじ
①口
(だ液)… アミラーゼ :でんぷん→麦芽糖
②胃
(胃液)… ペプシン :たん白質→ ペプトン
③かん臓・ たんのう
たんじゅうはかん臓でつくられ,たんのうにた
くわえられる。しぼうを水にまざりやすいもの
にかえる
④すい臓
(すい液)
アミロプロシン :でんぷん→麦芽糖
マルターゼ :麦芽糖→ブドウ糖
リパーゼ :しぼう→しぼう酸,グリセリン
トリプシン :ペプトン→アミノ酸
⑤小腸…消化の仕上げ
⑵ でんぷんの消化の実験
<結果>・だ液は体温ぐらいでよくはたらく(B)
・だ液は,でんぷんを糖に変える(B)
⑶ 消化こう素の性質
消化こう素 は低温ではよくはたらかない→ 40℃く
らいに戻すと再びはたらく。
4 養分の吸収
【問練習5,6】
⑴ 小腸のじゅう毛(じゅうとっ起)…養分を吸収する。
効率的にするため,表面積が大きい。
⑵ 吸収された養分のゆくえ
・毛細血管…水にとけるもの。ブドウ糖,アミノ酸,
ビタミンB,ビタミンCなど。
・リンパ管…水にとけにくい栄養素→しぼう酸・グリ
セリンなど
補足知識・留意事項など
1 栄養素とそのはたらき
⑴ 栄養素とそのはたらき
・ 3 大栄養素 →でんぷん(炭水化物),たん白質,しぼう
①でんぷん…米や麦などの穀物,いも類,豆類
②たん白質…ニク,魚,卵,牛乳,ダイズ
③しぼう…バター,肉のあぶら身,卵黄
④ビタミン…野菜,果物,豚肉,しいたけ
⑤ミネラル(灰分)…小魚,レバー,食塩,野菜,果物
◎ビタミン不足→かっけ,鳥目
⑵ ヒトのからだをつくっているもの
ヒトがどのようなものを口にして,それをどう生かして体をつくり
上げているか,資料から説明。
2 消化と消化器官
・消化の用語を記憶させ,ヒトの消化の流れを理解させる。
⑴ フナのからだと消化器官
・フナの資料を見て,各器官の名称を記憶。ひれの形,枚数は重要。
⑶ いろいろな動物の消化器官
・消化管の長さを体調との比かくを行い,なぜ草食動物の消化管が長
いかの理由を理解させる。
⑷ ヒトの消化器
①口…消化の入口。食物をかみくだき,だ液と混ぜて食道へ送る。
②食道…食物の通り道。消化のはたらきはない。
③胃…たん白質の消化。塩酸がふくまれ,殺菌作用がある。
④小腸…消化の仕上げ。3 大栄養素のすべてを消化。養分の吸収の場
である。水分も主に小腸で吸収される。
⑤大腸…小腸で吸収されなかった水分を吸収。残りかすは肛門から体
外へ出される。
3 養分の消化の道すじ
・消化こう素は,はたらく相手がきまっていて,体温と同じくらいの温
度で最もよくはたらくことを理解させる。
⑴ 消化の道すじ
・養分の消化の図より,消化器官,消化液,栄養素の関係を正確に記
憶させる。
・かん臓のさまざまなはたらきは重要項目。
・すい液は十二指腸に出され,さまざまな栄養素の消化を行うことを
理解させる。
⑵ でんぷんの消化の実験
・各試験管がどのような点で異なっているか,注入する物質と温度の
観点からおさえる。
・なお,ヨウ素液はでんぷんにはたらき,ベネジクト液は糖にはたらく。
・実験結果より,どの試験管を比べれば何が推測されるか,十分に理
解させる。
⑶ 消化こう素の性質
だ液を 100℃近くまで熱したものは(その後,体温くらいの温度に
しても)消化こう素が分解してしまうので,はたらかない。
4 養分の吸収
・じゅう毛の図は重要。リンパ管,毛細血管の位置に留意。
・じゅう毛がなぜこのような形になっているか,効率面で理解させる。
・養分それぞれの吸収される場を毛細血管とリンパ管に分けて記憶させ
る。
3
指導のねらい
中学受験新演習 小5下 理科 指導のポイント
動物のからだのつくりとはたらき⑶
▼指導ページ 学習編P 24 ~ 33,問題編P 16 ~ 21 ▼
★ヒトの心臓のつくりと血液の流れるしくみを学ぶ。
★血液のはたらきを理解する。
重要事項の確認
1 ヒトの心臓と血管
【㊫基本1,2問練習1,4】
⑴ 心臓のつくり
・ 右心房 , 右心室 , 左心房 , 左心室 の 4 つの部
屋からできている。
・ 動脈 と 静脈 の間には 弁 があり,血液の逆流を
防ぐ。
・左心室は特に大きい。(全身に血を送るため) ⑵ 心臓のはたらき…血液を循環させるポンプ
心臓のはく動 …血の出入りする心臓の伸び縮み
1 分間につき,大人 約 70 回,子供 約 80 回。
脈拍 …動脈に伝わる心臓のはく動
⑶ 血管のつくりとはたらき
①動脈…心臓から血液を送り出す血管
かべが厚い
(流れる血の圧力が強い)
②静脈…からだから心臓に血液がもどる血管
かべはうすく,弾力がない。弁は逆流を防ぐ。
③毛細血管…動脈と静脈をつなぐ細い血管
非常に細く,網の目状に全身に広がる。
⑷ 動脈血と静脈血
① 動脈血 …酸素を多く含む,鮮やかで明るい赤色
肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身
② 静脈血 …二酸化炭素を多く含む,暗赤色
大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺
2 血液のじゅんかん
【㊫基本3問練習2~4,6】
⑴ 体じゅんかんと肺じゅんかん
① 体じゅんかん …左心室→大動脈→全ての器官(に
酸素や養分を送る)→大静脈→右心房
② 肺じゅんかん …右心室→肺動脈→肺
(二酸化炭素
を酸素と交換する)→肺静脈→左心房
⑵ 養分や不要物の移動
①養分: ブドウ糖・アミノ酸 …小腸→門脈→肝臓
肝臓で,養分は グリコーゲン として貯えられる。
②不要物:全身の不要物を多く含む血→じん臓(不
要物をこしとる。)
→不要物の少ない血液
⑶ フナの血液のじゅんかん
1 心房 1 心室 …心房と心室がつながっている。
3 血液のつくりとはたらき
【問練習3,5】
① 赤血球 …赤い色素(ヘモグロビン)は肺で酸素と結
びつき,体の各器官に酸素を運ぶ。
② 白血球 …有害な細菌を殺し,病気を防ぐ。
③血小板…破れた血管で血を固め,出血を防ぐ。
④血しょう
(血液の約 55%)…養分を全身に運び,二
酸化炭素や不要物を肺やじん臓に運ぶ。
4 不要物のはい出
【㊫基本4問練習4】
・血液中の不要物は,肺,じん臓,かんせんなどを
通ってはい出される。
⑴ アンモニア(有害)…かん臓でアンモニアをにょ
う素に変えて→じん臓でこしとる。
⑵ じん臓 …腰の背中側に左右 1 つずつある。血液
の水分,塩分の濃さを一定に保つ。血液中の不要物
をこし出し 尿
をつくる。
⑶ ぼうこう …骨ばんの上部にある。尿を一時ため
ておく→尿道→体外
⑷ かんせん …毛細血管とつながり,血液から水分
や不要物を取り出して,あせにする。
・あせ…蒸発するとき熱をうばい,体温を調節する。
補足知識・留意事項など
1 ヒトの心臓と血管
⑴ 心臓のつくり
P.24 の図を利用して心臓のつくりを覚える。
左心室の筋肉は全身に血液を送るため特に厚い。
⑵ 心臓のはたらき
・心臓は血液をじゅんかんさせるポンプのはたらきをしている。
・血液の流れで左右を区別しよう。(右)全身からの血液は右(右心房
→右心室)を通って肺に送られ,(左)肺からの血液は左(左心房→左
心室)を通って全身に送られる。
⑶ 血管のつくりとはたらき
① 動脈 …心臓から体の各部に血液を送り出す丈夫で厚い血管。
② 静脈 …身体の各部から心臓に血液をもどす血管。逆流を防ぐため
の弁があるのが特徴。
③ 毛細血管 …動脈と静脈をつなぐ。養分と不要物の交換にはたらく。
⑷ 動脈血と静脈血
・肺静脈を流れるのは,動脈血(酸素が多い血液)で,肺動脈を流れるの
は静脈血(二酸化炭素が多い血液)であることに注意。
・動脈は心臓から血液を送る血管。静脈は心臓に向かう血管。
2 血液のじゅんかん
⑴ 体じゅんかんと肺じゅんかん
① 体じゅんかん …送り出された血液は,養分と酸素を全身に運び,
各器官の不要物や二酸化炭素を受け取り,心臓にもどる。
② 肺じゅんかん …肺に送られた血液は,肺の毛細血管で二酸化炭素
を出し,酸素を受け取り,心臓にもどる。
⑵ 養分や不要物の移動
①養分は…門脈
(静脈)からかん臓に送られ,グリコーゲンとしてかん
臓に貯えられる。門脈を流れる血液は多くの養分を含む。
②不要物…血液中に集まり,じん臓に送られ,こしとられる。
⑶ フナの血液のじゅんかん
・ 魚類 … 1 心房 1 心室
・ 両生類 … 2 心房 1 心室
・ は虫類 …不完全な 2 心房 2 心室
・ 鳥類・ほ乳類 …完全な 2 心房 2 心室
3 血液のつくりとはたらき
酸素を運ぶしくみ
赤血球の色素ヘモグロビンは,酸素が少ないと酸素と結びつき,酸素
が多いと酸素をはなす性質がある。この性質を利用して体の各器官に酸
素を運ぶことができる。
・白血球と細菌が戦った死がいやかすが「うみ」である。
・血小板のせんい質に血球がからみつき固まり,出血を止める。
・血しょうの約 90%は水で,養分をとかし,タンパク質や糖分(血 糖
ともいう。主にブドウ糖)などを含み,各器官に運ぶ。
4 不要物のはい出
⑴ かん臓は,有害なアンモニアを尿素に変えて,じん臓に送る。
⑵ じん臓では,尿素を含め,不要物をこしとり,尿にかえる。尿は,
輸尿管→ぼうこう(尿を一時ためておく)→尿道→体外という経路を経
て排出される。同時に,じん臓は,不要物をこしとるのと同時に,血
液の水分や塩分濃度を一定に保つはたらきもしている。
⑶ ぼうこうで尿を一時ためておき,体外へはい出する。
⑷ かんせん…皮ふの下,毛細血管がとりまく。かんせんで不要物を受
け取り,あせをつくる。あせから水分が蒸発するときにからだから熱
をうばうので,体温を一定に調節するはたらきもしている。
中学受験新演習 小5下 理科 指導のポイント
4
豆電球の回路
▼指導ページ 学習編P 34 ~ 43,問題編P 22 ~ 27 ▼
★ものによって電気の通しやすさの違いを理解する。
★直列,へい列,それぞれのつなぎ方の違い,特徴を学習する。
指導のねらい
重要事項の確認
1 豆電球が光る理由
補足知識・留意事項など
【問練習1,2】
⑴ 電気を通しにくいもの→電流を流すと光る
1 豆電球が光る理由
⑴ 電気を通しにくいもの…シャープペンシルのしんに電流を流すと,
・絶えん体…電気を通さない=光らない
しんは赤くなって光る。
・導線…電気を通しやすい=光らない
導体 …電気を通すもの(金属)
・ていこう…電気を通しにくくするはたらき
絶えん体 …電気を通さないもの(雲母,ガラス,せと物)
⑵ 豆電球が光る理由
・豆電球の光る部分を フィラメント という。
・フィラメントは,ていこうが大きい タングステン
でできている。
・ ガラス球 …燃えないように真空,またはちっ素
やアルゴンをつめる。
・タングステンの電気ていこうは 4.9。銅の電気ていこうは 1.55。
・フィラメントが光るときに,同時に熱も発生する。
2 電流計
・豆電球 1 個とかん電池 1 個の回路に流れる電流→ 230mA
・-端子には 5A,50mA,50mA の 3 つがある。
⑶ タングステンとニクロム
・ ニクロム …電気エネルギーを熱にかえる。
・ タングステン …電気エネルギーを光にかえる。
2 電流計
・ 電流計 …回路を流れる電流を調べる
(+と-の端子)
・ 1A = 1000mA(+極は端子,-極は-端子につなぐ)
・ 直列 につなぐ
3 豆電球のつなぎ方と豆電球の明るさ 【㊫基本1~3問練習2~4】
⑴ 直列つなぎ
・豆電球を直列につなぐ…ていこうが大きくなる。
→流れる電流は減り,豆電球は暗くなる。
⑵ へい列つなぎ
・豆電球をへい列につなぐ…それぞれの豆電球に流
れる電流は同じ→豆電球 1 つひとつは 1 個だけの
ときと同じ
⑴ 直列つなぎ …豆電球などが 1 本の回路になっているつなぎ方。
・電池は長持ちする。
・途中の通り道がなくなるとすべて豆電球は消える。
⑵ へい列つなぎ … 2 個以上の豆電球が別々の回路でかん電池につな
がっているつなぎ方を,豆電球のへい列つなぎ方。
・電池は早く消耗する。
・1 つの豆電球がはずれても,1 つのフィラメントが切れても,残り
の豆電球は消えない。
・全体のていこうが小さくなり,電流は流れやすい。
⑶ ふくざつな回路(直へい列つなぎ)
ふくざつな回路①(図 7)
・Aを流れる電流=Bを流れる電流+Cを流れる電流。
・また,Bを流れる電流=Cを流れる電流。
ふくざつな回路②(図 8)
ふくざつな回路①(図 7)
1
Aの電流を 1 とすると,Bの電流=Cの電流= 2 ,
3
2
かん電池を流れる電流= 2 ,回路全体のていこうは 3 。
ふくざつな回路②(図 8)
・Aを流れる電流=Bの電流+Cの電流。
・また,Bを流れる電流=Cを流れる電流。
・その結果,B,Cを流れる電流はAを流れる電流より小さくなるの
で,B,CはAより暗くなる。
・この回路でBをはずすとAとCの豆電球 2 個の直列つなぎになり,
Aのていこうを 1 とすると,
1
3
Bのていこう=Cのていこう= 2 ,あわせて 2 ,
2
2
回路の電流の大きさ= 3 ,Aを流れる電流= 3 ,
1
Bを流れる電流=Cを流れる電流= 3 になる。
4 かん電池のつなぎ方と豆電球の明るさ
3 豆電球のつなぎ方と豆電球の明るさ
・回路全体のていこうは,へい列回路では小さくなる。
⑶ ふくざつな回路(直へい列つなぎ)
【問練習3,4】
⑴ 直列つなぎ…電圧が大きく豆電球は明るい。
⑵ へい列つなぎ…電圧・電流の大きさは変わらない。
豆電球の明るさは変わらない。
⑶ ショート(短らく)…かん電池の+極と-極を導線
で直接つなぐ。かん電池は使えなくなる。
5 いろいろな回路
⑵ 豆電球が光る理由
【㊫基本4問練習3,4】
⑴ いろいろな回路(P.38 の図①~③)
1
①豆電球がへい列つながりで,ていこうは 2 倍。
②かん電池が直列つながりで電圧は大きくなる。
③Aの電流=Bの電流=Cの電流+Dの電流
⑵ スイッチのある回路(P.39 の図⑤~⑦)
⑤の回路では,Aは明るくB,Cは暗い。
⑥の直へい列回路では,Bは少し暗くA,Cはかな
り暗い。
⑦は豆電球がへい列で,A,Cは明るい。
Aは暗くなり,Cは明るくなる。
4 かん電池のつなぎ方と豆電球の明るさ
⑴ 電流を流すはたらきを 電圧 という。
⑵ へい列つなぎ…かん電池 1 個のときと同じ強さの電流が流れる。か
ん電池の数が多いほど長時間使うことができる。
⑶ ショート(短らく)…導線に決まった量よりも多くの電流が流れてし
まう。これをショートという。
5 いろいろな回路
⑴ いろいろな回路(P.38 の図①~③)
・かん電池が直列つなぎの場合流れる電流は大きくなり,へい列つな
ぎの場合は流れる電流は変わらない。
・豆電球が直列つなぎの場合ていこうは大きくなり,へい列つなぎの
場合はその部分のていこうは少なくなる。
⑵ スイッチのある回路(P.39 の図⑤~⑦)
・⑤の場合,B,Cの部分のていこうが大きくなり,Aの部分に大き
な電流が流れる。
・⑥の場合,Aの電流=Cの電流であり,またAとCの電流の合計が
Bの電流となる。BはA,Cより明るくAとCは同じ明るさ。
・⑦の場合,AとCがへい列で,ていこうが小さくなる。
5
指導のねらい
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
第 1 回~第 4 回のまとめ
▼指導ページ 学習編P 44 ~ 47,問題編P 28 ~ 33 ▼
★各回の復習を総合的に行う。
★要点となる部分の名称や性質を正確にとらえるようにさせる。
重要事項の確認
1 第 1 回の復習
【問練習1】
⑴ 肺は気管支とつながっている。
⑵ 肺から心臓に向かう血管である。
⑶ 毛細血管と空気の接する面積が広くなるようなつ
くりになっている。
⑷ 肺で酸素を取り入れている。
⑸ 胸と腹の間のまくを横かくまくといい,これを上
下して呼吸をする。
⑹ 吸気:酸素,呼気:二酸化炭素,水蒸気
⑺ 石灰水 →二酸化炭素に反応して白くにごる
⑻ 支える骨→背骨・骨ばん,折れ曲がる部分→関節
2 第 1 回・第 2 回の復習
⑴ 呼吸とは栄養分と酸素でエネルギーをつくり出す
こと。
⑵ たんぱく質は肉や魚にふくまれ,からだをつくる
もととなる。
⑶ たん白質は胃で消化される。
⑷ かん臓:たんじゅう,小腸:消化こう素
⑸ じゅう毛のつくりのおかげで小腸の表面積は広く
なっている。
⑹ たん白質→アミノ酸
⑺ たん白質は体をつくる材料
3 第 2 回の復習
【問練習2】
⑴ ヨウ素液 はでんぷんに反応→青むらさき色
⑵ だ液は体温に近い温度で活発になるはたらきがある。
⑶ 温度の条件は同じなので,だ液の作用によってヨ
ウ素液の反応が違うというのが分かる。
⑷⑸ だ液は一度高温になると,二度とはたらかなくなる。
4 第 3 回の復習
【問練習3】
⑴ 肺で酸素を取り入れる。からだの各部は血液中か
ら酸素を取り入れる。
⑵ 右心房→右心室と流れる
⑶ 左心房→左心室と流れる
⑷ 養分や不要物を運ぶのは血しょうである。
5 第 3 回の復習
⑴ 心臓→肺,小腸とつながる→肝臓
⑵ 全身から戻ってきた血液だということを図から読み取る。
⑶ 左心室の筋肉は特に厚い。
⑷ 肺じゅんかん,体じゅんかんの血液の流から考える。
6 第 4 回の復習
【問練習4,5】
⑴ 豆電球はへい列つなぎ,電池は直列つなぎ。
⑵ 同じ極どうしをつなぐと電流は流れない。
⑶① 豆電球を直列につなぐと,全体の抵抗が大きく
なり,電流は流れにくくなり,豆電球は暗くなる。
② 豆電球をへい列につなぐと、豆電球 1 個のとき
より,かん電池は消耗する。
⑷ かん電池は直列つなぎ、豆電球はへい列つなぎな
ので明るい。
7 第 4 回の復習
【問練習4,5】
⑴ 豆電球がどのようにつながっているかを元に抵抗
や電流の大きさを考える。
⑶ Aの豆電球のソケットをはずしても、他の豆電球
はついたまま。
⑷ かん電池をへい列にならべかえると豆電球は暗く
なる。
⑸ BとCは直列つなぎなので、BをはずすとCも消
2
える。Aはもともと全体の電圧の 3 がかかっていた
1
2 1
が,Bをはずした後は全体の 2 になる。 3 > 2 より
1
1
Aは暗くなる。同様にDは全体の電圧の 3 から 2 に
なるので,Dは明るくなる。
補足知識・留意事項など
1 第 1 回の復習
⑴ 口や鼻→のど・気管・気管支→肺とつながっている
⑵ 肺胞で気体の交換をしている。
⑶ 肺胞のつくりは肺のはたらきを効率よくできるように作られている。
⑷ 肺での気体の交かんの内容を確認させること。
⑸ ろっ骨と横かく膜を使って呼吸をするしくみを確認させておく。
⑹ 呼気と吸気の特徴を確認させること。
⑺ 石灰水は二酸化炭素に反応する。
⑻ 骨のはたらき,骨と筋肉について確認させること。
2 第 1 回の復習
⑴ ヒトがエネルギーをつくり出すはたらきをまとめる。栄養分は食物
から酸素は肺からそれぞれ取り入れる。
⑵ 米や麦はでんぷんであり,熱やエネルギーになる。
⑶ 消化液には消化こう素がふくまれ,はたらく相手がきまっている。
⑷ 消化器官の特徴とつくられる消化液をまとめて確認させること。
⑸ じゅう毛の利点とリンパ管・毛細血管の名前は重要項目なので,必
ず図に目を通させておくこと。
⑹ それぞれの栄養素が何に分解されるか確認させること。
⑺ 栄養素とそのはたらきをまとめて確認させること。
3 第 2 回の復習
⑴ ヨウ素液はでんぷんがあれば加えるだけで青むらさき色に変化する。
⑵ だ液の特徴をポイントに試験管を比較する。
⑶ だ液はでんぷんを糖に変えるはたらきがある。
⑷⑸ だ液は低温から体温近くの温度にするとはたらくが,一度高温に
すると分解されてしまい,二度とはたらかなくなる。
4 第 3 回の復習
⑴ 全身の酸素・二酸化炭素の出入りの流れを確認させる。
⑵⑶ 肺→左心房→左心室→全身→右心房→右心室→肺へと戻る。
⑷ 血液の各成分の名前とそのはたらきはしっかり暗記させる。
5 第 3 回の復習
⑴⑵ 血液循環の模式図を確認させること。
⑶ 全身に血液を送るため,左心室の筋肉は厚い。
⑷ 肺循環(肺動脈には静脈血,肺動脈には動脈血が流れる)
体循環(大動脈には動脈血,肺静脈には静脈血が流れる)
6 第 4 回の復習
⑴ 並列つなぎと直列つなぎのちがいを確認させること。
⑵ かん電池の+極と+極をつなぐと電流は流れない。
⑶ 豆電球の並列つなぎと直列つなぎの特徴を確認させること。
⑷ あわせて乾電池の並列つなぎと直列つなぎの特徴を確認させること。
7 第 4 回の復習
⑴ BとCは直列つなぎであり,Aはへい列つなぎ。
⑵ Bの電流+Cの電流=Aの電流であり,B(C)の電流+Aの電流=
Dの電流となる。
⑶ 豆電球の並列つなぎでは,1 つの電球がはずれても他の電球が消え
ることはない。直列つなぎでは,途中の電気の通り道がなくなると,
全ての豆電球がきえる。
⑷ 2 個直列つなぎの電池を並列つなぎに変えると電圧が半分になり,
流れる電流も半分になる。
⑸ AとDがつながった直列回路を考える。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
6
指導のねらい
物の燃え方と気体
▼指導ページ 学習編P 48 ~ 57,問題編P 34 ~ 39 ▼
★身近な気体である酸素と二酸化炭素について学習する。
★各気体の集め方と,その方法を使う理由も合わせて覚えさせたい。
重要事項の確認
1 空気とろうそくの燃え方
【㊫基本1問練習1】
⑴ 空気の量と燃え続ける時間…燃えるには空気が必要。
⑵ 空気の流れとろうそくの燃え方
・燃え続けるには新しい空気が必要。
・新しい空気が入ってくるつつや,空気の通る道が
あるつつは燃え続ける。
2 燃焼による空気の変化
【㊫基本2問練習3,4】
⑴ ろうそくを燃やす気体
1
4
①空気の成分…約 5 が酸素,約 5 がちっ素
②燃えることを助ける気体…燃えることを助ける気
体は酸素
⑵ ろうそくが燃えた後の空気
・酸素が使われ,二酸化炭素ができる。
・二酸化炭素→石灰水の中で白くにごる。
⑶ 燃える前と燃えた後の空気の変化
①気体の測定…ろうそくの燃焼の場合
・酸素…燃えた後でも多く残っている。
・二酸化炭素…燃えた後は約 100 倍以上も多い。
②気体検知管…薬品の色が変化して量を知る。
③燃焼による空気の変化
・燃える前…ほとんどちっ素と酸素。
・燃えた後…酸素は減る,二酸化炭素が発生。
3 酸素の発生と性質
【㊫基本3問練習6】
⑴ 酸素のつくり方と集め方
・二酸化マンガンにうすい過酸化水素水を加える。
・集め方…水上置かん法 ※水にとけにくい。
⑵ 酸素が発生するしくみ
・
〔過酸化水素水〕→〔酸素〕+〔水〕
※二酸化マンガンは触媒(それ自身は変化せず)。
⑶ 酸素の発生量
・過酸化水素水をこくすると酸素は多く発生。
※二酸化マンガンを多くしても,酸素は早くはげ
しく発生するだけで総量は変化なし。
⑷ 酸素の性質…主な性質
①無色とう明,においなし②空気よりやや重い
③水にとけにくい
④助燃性がある
⑸ 酸素中での物の燃え方
酸素がこい→強い光や熱を出して燃える
4 二酸化炭素の発生と性質 【㊫基本4問練習2,5】
⑴ 二酸化炭素のつくり方と集め方
・炭酸カルシウムにうすい塩酸を加える。
・集め方…水上置かん法 ※水にとける量は少ない
下方置かん法 ※空気より重いから
⑵ 二酸化炭素が発生するしくみ
・
〔炭酸カルシウム〕+〔塩酸〕
→
〔二酸化炭素〕+〔水〕+〔塩化カルシウム〕
⑶ 二酸化炭素の発生量
炭酸カルシウムと塩酸の量で決まる
→一方がなくなると発生しなくなる
⑷ 二酸化炭素の性質…主な性質
①無色透明,においなし ②空気より重い
③水にとけ炭酸水になる ④石灰水は白くにごる
⑤水酸化ナトリウム水よう液に,非常によくとける
⑦固体
(ドライアイス)になる
補足知識・留意事項など
1 空気と燃え方
⑴ 大きいびんの中のろうそくの方が長い時間燃え続ける。
→火が燃え続けるには空気の量と関係がある。
⑵ 空気の流れと燃え方
・ろうそくが燃え続けているときには,新しい空気がいつも流れこむ。
燃えた後のあたたかい空気は上にのぼっていく。
・家庭用の暖房器具や加熱器具でも,新しい空気が入りこむためのく
ふうがなされている。
2 燃焼による空気の変化
⑴ ろうそくを燃やす気体
①空気の成分…酸素・ちっ素以外に二酸化炭素・アルゴン・水蒸気な
どがある。しかし,酸素・ちっ素の気体はほんのわずかである。
②酸素そのものは燃えない。火が燃え続けていくには酸素が必要であ
り,酸素が不足すると火は消える。
⑵ ろうそくが燃えた後の空気
・二酸化炭素ができるのは炭素をふくんでいるもの(植物からできた
もの)が燃えるときである。鉄など炭素をふくんでいない物が燃え
ても二酸化炭素はできない。
・石灰水に入れたときの白いにごりは炭酸カルシウムである。
⑶ 燃える前と燃えた後の空気の変化
①気体の測定…ろうそくの燃焼の場合,酸素が使われて二酸化炭素が
できる。
②気体検知管…酸素検知管・二酸化炭素検知管などがある。
③燃焼による空気の変化
・ろうそくの燃焼の場合,ほかに水蒸気ができる。
・ちっ素はものを燃やすはたらきはないので量は変化しない。
3 酸素の発生と性質
⑴ 酸素のつくり方と集め方
・このとき初めに出てくる気体は三角フラスコ内の気体をふくんでい
るので捨てる。 ⑵ 酸素が発生するしくみ
・過酸化水素水はオキシドールともいう。
・過酸化水素水は二酸化マンガンのはたらきで水と酸素に分解する。
・二酸化マンガンは変化しないので,何回でもくり返し使用できる。
⑶ 酸素の性質…空気の約 1.1 倍の重さがある。物をよく燃やすはたら
きがあるが,酸素そのものが燃えるのではない。
4 二酸化炭素の発生と性質
⑴ 二酸化炭素のつくり方と集め方
・貝がらや大理石にうすい塩酸を加えてもよい。
・下方置かん法は二酸化炭素を集めた量が見てわからないのが欠点で
ある。
⑵ 二酸化炭素が発生するしくみ
・二酸化炭素は炭酸カルシウムと塩酸とが反応することによってでき
る。従ってどちらかがなくなると,二酸化炭素は発生しなくなる。
⑷ 二酸化炭素の性質…空気の約 1.5 倍の重さ。サイダーやラムネなど
の炭酸飲料は,二酸化炭素がとけたもの。二酸
化炭素は物を燃やすはたらきはない。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
7
指導のねらい
気体の性質
▼指導ページ 学習編P 58 ~ 67,問題編P 40 ~ 45 ▼
★空気に含まれる様々な気体について学習する。
★実験器具の使い方や,使用手順の注意について確認する。
重要事項の確認
補足知識・留意事項など
1 空気の成分
【㊫基本2】 1 空気の成分
⑴ 空気にふくまれる気体…主にちっ素と酸素
⑴ 空気の成分…水蒸気も多くふくまれるが,場所によって量のちがい
①ちっ素…無 色透明。においなし。たん白質など
が大きい。
のもと。
4
①ちっ素は空気中に約 5 ふくまれる。水にとけにくい。
ちっ素酸化物…雨にとけると酸性雨となる。
ちっ素酸化物はちっ素が高温で酸素と結びついたもの。二酸化いお
②アルゴン…空気中で 3 番目に多い。電球の中につ
うとともに酸性雨の原因となる。
める。
④メタンと同じように燃料用ガスにプロパンがある。メタン・プロパ
③ヘリウム…全ての気体で 2 番目に軽い気体。
④メタン…天然ガスの主な成分。同類にプロパン。
ンはどちらも炭素と水素からできている。
⑤一酸化炭素…不完全燃焼で発生。体内に入ると毒
⑥地球上空にはオゾン層があり,人が生活の中で使うフロンガスに
になる。
よって,オゾン層にオゾンホールというあながあき紫外線を防ぐ役
⑥オゾン…酸 素に し外線 があたるとできる。し外
割が小さくなっている。
線を防ぐ。
2 気体の発生と性質
【㊫基本1,3問練習1~5】
2 気体の発生と性質
⑴ 気体の集め方
①水上置かん法…水にとけにくい気体を集める。
⑴ 気体の集め方
②上方置かん法…空気より軽い気体を集める。
・水上置かん法…気体を水とおきかえて集める方法。
③下方置かん法…空気より重い気体を集める。
・上方置かん法…アンモニアなど空気より軽い気体を集める方法。
⑵ 水素
・下方置かん法…塩素・二酸化炭素など空気より重い気体を集める方法。
①水素の発生
⑵ 水素…金属はマグネシウムでもよい。水素は水にほとんどとけない。
あえん
〔アルミニウム・鉄などの金属〕
+うすい塩酸
⑶ アンモニア…塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜて加熱し
②水素の性質
てもよい。水にとてもよくとけて,水溶液はアルカリ性。水にとけや
無色透明・においなし,最も軽い気体。
音をたてて燃えて水になる。酸化銅を銅にかえる。
すいことはふん水実験で確かめられる。
③ 水素の利用
⑷ 塩化水素…無色透明,有毒。空気より少し重い。水にとけやすく水
水素燃料電池,水素エンジンに利用。
溶液は塩酸であり酸性を示す。
⑶ アンモニア…アンモニア水を熱する。無色で鼻を
⑸ 二酸化いおう…水にとけやすく水溶液は亜硫酸であり酸性である。
さすようなにおい,有毒。空気より軽く水にとても
火山ガスにもふくまれている。空気より重い。
よくとける。フェノールフタレイン液で赤くなる。
・いろいろな気体…酸素は助燃性。二酸化炭素は不燃性。一酸化炭素は
⑷ 塩化水素 …塩酸を熱する。無色で鼻をさすよう
なにおい,水にとけ塩酸になり酸性を示す。
木炭などの不完全燃焼で中毒になる。水素は酸素
⑸ 二酸化いおう …いおうを燃やす。特有のにおい
と結びついて水になる。アンモニア・塩化水素・塩
で有毒,漂白作用がある。自動車などの排気ガスと
素・二酸化いおうはいずれも鼻をさすにおいがある。
して出される。大気汚染や酸性雨の原因の一つ。
3 実験器具の使い方
【㊫基本4問練習2】
3 実験器具の使い方
⑴ アルコールランプの使い方
⑴ アルコールランプ…アルコールの量が少ないと爆発することがある。
・アルコールの量は 8 分目。しんは 5mm ほど出す。
火は横からななめ上に近づける。消すときはふた
マッチの火は手前から近づけて火をつける。
をする。
⑵ ガスバーナーの使い方
⑵ ガスバーナーの使い方
①必ずマッチに火をつけてからガスを出し点火すること。空気が不足
①火のつけ方
しているとほのおの色は黄色になる。
1. 2 つのねじが閉じていることを確認。
②消すときに元せんを先に閉めるとガス管の中に火がもどって危険で
2. マッチをつけ,ガス調節ねじを少しずつ開き
ある。
火をつける。
⑶ 試験管での液体の熱し方
3. 空気調節ねじを開いて,ほのおの色を青色にする。
②火の消し方
・ふっとう石は液体が急にふっとうすることを防ぐはたらきがある。
空気調節ねじ→ガス調節ねじ→元せんで閉める。
試験管を落とさないように,試験管ばさみの間に親指の先を入れて
⑶ 試験管での液体の熱し方
固定する。
1 1
・液体の量は,全体の 5 ~ 4 にし,こきざみにふり
⑷ メスシリンダーでの液体の量の測り方
ながら熱する。
・メスシリンダーは水平な台の上におくこと。目もりは液面のへこん
・ふっとう石…とっぷつを防ぐ。素焼きのかけら。
1
だところを読む。目もりは目分量で 1 目もりの 10 まで読み取る。
⑷ メスシリンダーでの液体の量の測り方
⑸ フラスコの使い方
・ 目を液面と水平にする。液面のへこんだところ
を,目分量で読みとる。
・丸底フラスコ…熱に強いが底が丸いのでスタンドで支える。
⑸ フラスコの使い方
・三角フラスコ…すわりがよいが熱に弱い。
・丸底フラスコ…スタンドで支え,金あみを通して
熱する。
・三角フラスコ…熱に弱いので熱する必要のない実
験に使う。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
8
太陽の 1 日の動きと地球
▼指導ページ 学習編P 68 ~ 77,問題編P 46 ~ 51 ▼
★太陽と地球の時刻の関わりについて学習する。
★太陽高度の変化や 1 日の気温の変化を学習する。
指導のねらい
重要事項の確認
1 地球上の位置
補足知識・留意事項など
【㊫基本1】
⑴ 緯度と経度
1 地球上の位置
⑴ 緯度と経度
①緯度…赤道面をもとにした角度。0 度から 90 度
のはんい。赤道より北が北緯,南が南緯。
※北回帰線…北緯 23.4 度,南回帰線…南緯 23.4 度。
②経度…グリニッジ(イギリス)を経度 0 度。0 度か
ら 180 度のはんい。※東が東経,西が西経。
⑵ 時こくと太陽の方向…太陽の光があたっている方
①緯度…同じ緯度の地点を結ぶ赤道に平行な線を緯線という。太陽は
北回帰線と南回帰線との真上を,往復しながら動いて見える。
②経度…経 線は子午線ともいい,北極と南極を結ぶ地球表面上の線
である。また,太平洋の真ん中には経度 180 度にそって日付
変更線がある。
⑵ 時こくと太陽の方向…北極の上空から見て地球は反時計回りに自転
が昼で反対側が夜。
している。太陽の光が当たらない場所から当
2 太陽の南中時こくと経度 【㊫基本2問練習1,3,5】
・太陽が南中する時こく…東の地方ほど早い
⑴ 経度のちがいと時差
たる場所に地球が回転する時が明け方になる。
2 太陽の南中時こくと経度
・太陽が南中する時こく…南中時こくは場所によって異なり,12 時と
・日本標準時…兵庫県明石市(東経 135 度)で太陽が
南中した時こくを正午とする。
・経度 15 度で 1 時間の時差が生じる。
・世界各地の標準時… 15 度か 7.5 度の倍数の経度
をもとにする。
は限らない。
・明石市は日本のほぼ中心にあたり,また 15 度の倍数の経度が通る地
点であるので日本標準時の地点となっている。
⑴ 経度のちがいと時差
・世界標準時はイギリスのグリニッジを通る経線が基準。
・経度 15 度で 1 時間,7.5 度で 30 分ずつずれる。
・日本とイギリスの時差は 9 時間ある。
・日本より東の国…標準時が日本より早い
・日本より東の国ぐにの標準時…時間を進める。
日本より西の国…標準時が日本よりおそい
・日本より西の国ぐにの標準時…時間をもどす。
⑵ 日本国内の南中時こくのちがい
・日本の正午…東経 135 度で太陽が南中のとき。
・東経 135 度より東…正午前に太陽が南中。
・東経 135 度より西…正午すぎに太陽が南中。
※経度 1 度で南中時こくは 4 分ちがう。
⑶ 日の出・日の入りの時こくと太陽の南中時こく
⑵ 日本国内の南中時こくのちがい
・たとえば北海道では明石より東にあるので,12 時よりも早く南中
し,九州では明石より西にあるので,12 時よりもおそく南中する。
・地球が 15 度自転するのに 1 時間かかるため,経度が 1 度ちがうと
南中時こくは 4 分ちがう。
⑶ 日の出・日の入りの時こくと太陽の南中時こく
・日の出の時こく+昼の長さ÷ 2
・太陽の動く速さが一定であることを利用して求める。
=日の出の時こく+(日の入りの時こく-日の出の時こく)÷ 2
・南中時こくは日の出と日の入りの時こくのちょうど中間。
=
(日の出の時こく+日の入りの時こく)÷ 2
3 太陽の日周運動の観察 【㊫基本1,3問練習2,4】
⑴ 太陽高度と太陽の南中,南中高度
・太陽高度…地平線と太陽がつくる角度。
・太陽の南中…太陽が真南にくること。
・南中高度…太陽が南中したときの太陽高度。
⑵ 太陽の日周運動の観察
3 太陽の日周運動の観察
⑴ 太陽高度と太陽の南中,南中高度
・太陽は東から出て,南の空を高く通って西に沈む。太陽が真南の方
向にきたとき,太陽の高度は最も高くなる。
・南中高度は季節や緯度によって変化する。
⑵ 太陽の日周運動の観察
・長さ 1m のぼうを地面に垂直に立てる。
・紙をはった板にぼうを垂直に立て,かげの先たん
の位置を調べる。
①太陽の方向…光線のあたる方向と反対側にかげができる。
②太陽高度
①太陽の方向…ぼうのかげと反対の方向。
・太陽が南中するとき一番かげは長くなる。
②太陽高度…太陽高度測定器でも調べられる。
・かげのでき方は季節や緯度によって変化する。
・太陽高度が低い→かげの長さは長くなる。
・太陽高度が高い→かげの長さは短くなる。
4 地温・気温の 1 日の変化
【㊫基本4問練習2】
⑴ 太陽高度と地面のあたたまり方
・太陽が南中…受ける熱の量が最も多くなる。
⑵ 地温の変化…日の出~午後 1 時ごろは地温は上が
り,午後 1 時ごろ~翌日の日の出…地温は下がり続
ける。
⑶ 太陽高度と地温,気温の変化
・太陽からとどく熱や光の量が最も多いのは正午ごろ
・地温が最高になるのは 1 時ごろ
・気温が最高になるのは 2 時ごろ
4 地温・気温の 1 日の変化
⑴ 太陽高度と地面のあたたまり方
・同じ面積にあたる光や熱の量は,太陽高度が高くなるほど大きくなる。
⑵ 地温の変化
・地面は太陽の熱を受けるとともに,つねに一日中空気中に熱を放射
している。
・地温は受ける熱と放射する熱の量の差によって変化する。
⑶ 太陽高度と地温,気温の変化
・1 日の地温や気温の最高と最低の差を日較差といい,日較差は地温
の方が気温より大きい。※くもりや雨の日は日較差は小さい。
9
指導のねらい
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
太陽の 1 年の動きと地球
▼指導ページ 学習編P 78 ~ 87,問題編P 52 ~ 57 ▼
★太陽の年周運動と太陽高度の変化について学習する。。
★地温と気温の変化のずれとその仕組みについて理解させる。。
重要事項の確認
1 季節の変化
【㊫基本1,2問練習1,3】
⑴ 太陽の年周運動…太 陽は黄道 12 星座の間を 1 年
で 1 周 す る。 → 地球の 公転 の
ためのみかけの運動。
⑵ 地球の公転 ・地球は 1 年に 1 回太陽のまわりを公転する。
・向き…北極上空から見て反時計回り。
・地軸は公転面に対して 66.6 度傾いている。
→光・熱のあたる量の変化→季節ができる。
⑶ 地じくのかたむきと太陽からの光と熱
・夏至のころ…光や熱は北半球に多くあたる。
・冬至のころ…光や熱は南半球に多くあたる。
⑷ 季節による太陽高度と昼の長さ
・夏至(6 月 22 日ごろ)
→北半球は太陽高度は最も高い。
・冬至(12 月 22 日ごろ)
→北半球は太陽高度は最も低い。
・春分の日(3 月 21 日ごろ)…冬至と夏至の中間。
・秋分の日(9 月 23 日ごろ)…夏至と冬至の中間。
※春分・秋分の日は昼と夜がちょうど 12 時間。
⑸ 太陽の南中高度の変化
太陽高度…春分の日から秋分の日の間は北半球上を
動き,秋分の日から春分の日の間では南
半球上を動く。
⑹ 太陽の南中高度の求め方
①春分・秋分の日
春分・秋分の日の南中高度= 90°
-その土地の緯度
②夏至の日
夏至の日の南中高度=春分・秋分の日の南中高度+ 23.4°
③冬至の日
冬至の日の南中高度=春分・秋分の日の南中高度- 23.4°
2 季節による太陽の動き
【㊫基本3問練習4,5】
⑴ 季節による太陽の動き…透明半球状で記録
①春分・秋分の日…真東からのぼり真西にしずむ。
②夏至の日…日の出・日の入りの方角は北より。
③冬至の日…日の出・日の入りの方角は南より。
⑵ 日かげ曲線の観察…垂直に立てた棒のかげの動き
で記録。
①春分・秋分の日…直線になる。
②夏至の日…かげが南側で,長さが短い曲線となる。
③冬至の日…かげが北側で,長さが長い曲線となる。
3 地温と気温の 1 年の変化
【問練習2】
⑴ 春から夏…地温や気温は上がる。
⑵ 夏から冬…しばらくは地温や気温は上がり続け,
その後下がり始める。
⑶ 冬から春…地温や気温は下がる。
4 地球各地の太陽の動き
【㊫基本4問練習6】
⑴ 北極
(北緯 90 度)での太陽の動き
・春分・秋分の日=地平線のまわりを 1 日 1 周。
・夏至の日= 23.4 度の高さを 1 日 1 周。
・秋分から春分まで=地平線の下にある。
⑵ 北緯 66.6 度での太陽の動き
・夏至の日=太陽が 1 日中しずまない。=白夜
⑶ 北緯 23.4 度での太陽の動き
・夏至=南中高度は 90 度で頭の真上にくる。
⑷ 赤道
(緯度 0 度)での太陽の動き
・春分・秋分の日=南中高度は 90 度。
・夏至・冬至の日=南中高度は 66.6 度
・昼と夜の長さは1 年中 12 時間で同じである。
⑸ 南緯 36 度(キャンベラ)での太陽の動き
東京と比べると,太陽高度は春分・秋分の日は同じ
で,夏至・冬至の日は逆の数値になる。
⑹ 南極
(南緯 90 度)での太陽の動き
太陽の動きは北極と反対。
補足知識・留意事項など
1 季節の変化
⑴ 太陽の年周運動
・太陽は西から東に星座の間を 1 年で 1 周するように見える。
・日の入り直後の西の空の星座と太陽の位置関係を調べることで太陽
の見かけの動きがわかる。
⑵ 地球の公転
・地球の公転の向きと太陽の動く向きは同じである。
・地軸が傾いているために,昼の長さや太陽の南中高度が変化するた
めに季節が生まれる。
・もし地軸がまっすぐであるとすると季節は変化しない。
⑷ 季節による太陽高度と昼の長さ
・夏至・冬至・春分の日・秋分の日の名前といつごろの日であるかは
確認させておく。
・太陽高度が高くなると,昼が長くなり気温も上がる。 ⑸⑹ 太陽の南中高度の変化と求め方
①春分・秋分の日…太陽は赤道上の真上にある。
※南中高度からその土地の緯度を求める方法は重要。
②夏至の日…太陽は北回帰線(北緯 23.4 度)の真上にある。
※春分の日と比べると,日本の天頂に 23.4 度近づく。
③冬至の日…太陽は南回帰線(南緯 23.4 度)の真上にある。
※秋分の日と比べると,太陽高度は日本の天頂から 23.4 度はなれる。
2 季節による太陽の動き
⑴ 季節による太陽の動き
①春分・秋分の日…このとき昼の長さと夜の長さは同じ。
②夏至の日…太陽は,真東より北よりの地点からのぼり,真西より北
よりの地点にしずむ。昼の長さは最も長い。
③冬至の日…太陽は,真東より南よりの地点からのぼり,真西より南
よりの地点にしずむ。昼の長さは最も短い。
⑵ 日かげ曲線の観察
①春分・秋分の日はぼうのかげが直線になるのがポイント。
②夏至の日…太陽高度が高くなるのでかげの長さは短くなる。
③冬至の日…太陽高度が低くなるのでかげの長さは長くなる。
3 地温と気温の 1 年の変化
⑴ 地面が受ける太陽の熱や光の量が多いほど気温は高くなる。
⑵ 太陽からの熱が地面をあたためて,その後空気があたためるため。
太陽の高度変化と地温の変化と気温の変化には,それぞれおよそ
1か
月のずれが生まれる。
4 地球各地の太陽の動き
⑴ 北極(北緯 90 度)での太陽の動き
・いずれの日も地平線と平行に太陽は動いているように見える。
・夏至の日は太陽は高い所,冬至の日は低い所を動く。
⑵ 北緯 66.6 度での太陽の動き
・太陽が 1 日中しずまない日を白夜という。
⑶ 北緯 23.4 度での太陽の動き
・春分・秋分の日の南中高度は 66.6 度である。
⑷ 赤道(緯度 0 度)での太陽の動き
・いずれの日も太陽は地平線から直角にのぼり,直角にしずむ。
⑸ 南緯 36 度(キャンベラ)での太陽の動き
・南半球では,太陽は東からのぼり,北の空を通って西にしずむ。
⑹ 南極(南緯 90 度)での太陽の動き
・春分・秋分の日は太陽は地平線のまわりを 1 日で 1 周する。
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10
第 6 回~第 9 回のまとめ
▼指導ページ 学習編P 88 ~ 91,問題編P 58 ~ 63 ▼
★各回の総合的な復習を行う。
★それぞれの気体の性質や,夏至,冬至のときの特徴を確認させる。
指導のねらい
重要事項の確認
補足知識・留意事項など
1 第 6 回の復習
【問練習2】
⑴⑵ Cは空気の流れができている。
1 第 6 回の復習
⑴⑵ 物が燃え続けるためには空気の流れが必要。Cは下のあなから上
⑶ 酸素は減り,二酸化炭素が出来ている。
2 第 6 回の復習
⑴ 酸素を発生させるには,オキシドールと二酸化
マンガンを利用する。
のあなに空気が流れていく。
⑶ ちっ素は空気中で最もたくさんあるが燃焼には関係しない。物が燃
えると酸素が減り,二酸化炭素が増える。
⑵ 酸素は水に溶けにくいため水上置かん法を用いる。 2 第 6 回の復習
⑶ オキシドール(過酸化水素水)は分解により酸素を
⑶ 二酸化マンガンは触媒。酸素の発生のときには量は変化しない。過
発生させるが,二酸化マンガンは酸素の発生する量
には関係しない。
5
8
⑷ 過酸化水素水のこさは 6 倍,体積は 5 倍なので
5 8
1080
(cm³)× 6 × 5 = 1440(cm³)
3 第 6 回の復習
⑴ 塩酸+石灰水→二酸化炭素が発生する
⑵ 二酸化炭素は空気より重く,水に少し溶け炭酸水
となり,温室効果をもっている。
酸化水素水が分解して酸素が発生する。
⑷ 過酸化水素水が濃さ・量ともに変化している。二酸化マンガンの量
は関係ない。濃度がうすくなっているため,発生が止まるまでの時間
は長くかかる。
3 第 6 回の復習
⑶ 重そうは加熱すると,二酸化炭素と水と炭酸ナトリウムを発生させる。
⑷⑸ 気体の発生が 0.16g で止まっていることから,石灰石が 0.4g で過
⑶ 重そうは炭素を含んでいる。
⑷ 表からグラフに点をとり線を結んでいく。
⑸ 作成したグラフから,石灰石が 0.4g のときに気
体の発生が止まることがわかる。
⑹ この実験と比べて,2.5 倍の量の石灰石を使用し
ていることから,塩酸と気体も 2.5 倍すればよい。
4 第 7 回の復習
【問練習1】
⑴ 刺激臭を持つのはアンモニアと塩化水素。
⑵ 水素は水に溶けにくく,塩化水素は水に溶けやすい。
⑶ 酸性は青色リトマス紙を赤色に変える。
⑷ 酸素は金属のさびをつくり,二酸化炭素は光合成
の材料。
不足なく反応することがわかる。
4 第 7 回の復習
⑴ 水素,酸素,二酸化炭素にはにおいはない。アンモニアと塩化水素
は強い刺激臭をもつ。
⑵ 水に溶けにくいものは水上置かん,空気より重いものは下方置かん,
空気より軽いものは上方置かんで集める。
⑶ 酸性は他に BTB 液を緑色から黄色に変える。
⑷ それぞれの気体の性質をまとめておきたい。
5 第 8 回の復習
⑴ 太陽から熱がどのような順に地面・空気をあたためるか確認。
5 第 8 回の復習
⑴ 太陽高度→地温→気温の順に高くなる。
⑵ くもりや雨の日の気温はあまり変化しない。
⑵ 晴れの日は温度の変化が大きくなる。
⑶ 太陽からの熱は最初に地面をあたためる。
⑶ 太陽からの熱は地面→空気の順に伝わる。
⑷ 南中時刻=(日の出+日の入り)÷ 2
⑸ 北に行くほど南中高度は低くなり,東にいくほど
時刻は早くなる。
⑴ 半球の左側が南,向こう側が西の方角になる。
⑵ 太陽が東から昇って見えるのは,地球が東に向かって回っているこ
6 第 8 回の復習
⑴ 太陽は南の方角にかたむいて動く。
⑵ 地球は西から東に自転している。
⑶ 南中高度は冬至の日に 1 年で最も低くなる。
⑷ 太陽の光に向けて地球が傾いているときに,光や
熱を高い角度で受けることになる。
⑸ 北と南に 23.4 度ずつ傾くことから計算できる。
7 第 9 回の復習
6 第 8 回の復習
【問練習3~5】
⑴ 地球の自転・公転の向きは同じで北極の上空から
見て反時計回りである。
⑵ 夏至の日のことであり,Bの地点である。
⑶ 気温が最も低くなるのは冬至をすぎた後となる。
⑷ 冬は太陽に向けて地球が面を背けているときになる。
⑸ 夏至のころ,北極地方では太陽が 1 日中しずまない。
⑹ 地球が傾いて公転しているため,地温や気温に変
化が生まれる。
⑺ 東京では夏にかげは南側にできる。
⑻ シドニーは南半球なので北向きに太陽が動く。
とによる見かけの運動である。
⑶ Aは冬至の日,Bは春分・秋分の日,Cは夏至の日。
⑷ 地軸に太陽の光が垂直になるときが春分・秋分である。
⑸ 夏至と冬至の角度はそれぞれ赤道から 23.4 度なので,その差は
23.4 × 2 = 46.8 となる。
7 第 9 回の復習
⑴ 地球の自転と公転の向きは記憶させること。どちらも同じで北極上
空から見て反時計回りである。
⑵ 同じ面積の地面が受け取る太陽の熱が最大になるのは,太陽高度が
最も高くなる夏至の日。
⑶⑷ 地温や気温が最大や最小になるのは,夏至や冬至を 1,2 か月過
ぎたあとになる。
⑹ 毎日太陽高度が変化するため,受け取る熱や光に変化が生じる。
⑺ 夏至のころは太陽高度が高いので,棒のかげは短くなる。
⑻ Dの位置のとき,赤道上では南よりに太陽が昇り,南よりに太陽が
しずむ。
11
指導のねらい
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
いろいろな物の燃え方
▼指導ページ 学習編P 92 ~ 101,問題編P 64 ~ 69 ▼
★ろうそく,アルコールの燃え方について学習する。
★金属の燃え方と酸素との反応について区別をつけさせる。
重要事項の確認
1 物の燃焼
【㊫基本1~4問練習1】
⑴ 物の燃焼の 3 つの条件
①燃える物がある。
②空気
(酸素)がある。
③物の温度が発火点
(燃え始める温度)
以上になること。
以上の 3 条件全てが必要。
⑵ 消火の方法…燃焼 3 条件を 1 つでも取りのぞけば
よい。〈例〉・水をかける。火をふき消す。
2 ろうそくの燃え方
【㊫基本1問練習2,3】
⑴ ろうそくのほのお
① 外えん(約 1400℃)…最も外側で,温度が高く,
光は目立たない。→完全燃焼
② 内えん(約 1200℃)…外えんのすぐ内側で,少し
温度は低く,明るい。→不完全燃焼
③えん心(約 900℃)
…最も内側で,温度は低く,暗い。
⑵ ろうそくが燃えるときの変化
ろうは固体,液体,気体と変化しながら燃えている。
⑶ろうそくの燃え方
①ほのおにふくまれるもの…えん心ではろうの気体
が冷やされて液体や気体になったもの。内えんは
黒いすすが出ている。
②ほのおのかげ…日光を当て,かげを作ると内えん
がこくなる。(炭素のつぶがかげを作る。)
③ろうが燃えてできるもの…〈水〉ろうの成分である
水素+空気中の酸素=水,〈二酸化炭素〉ろうの
成分である炭素+空気中の酸素=二酸化炭素。
3 いろいろな物の燃え方
【㊫基本2,3問練習2】
⑴ アルコールの燃え方
①アルコールのほのお…気体のアルコールは空気と
よく混ざり完全燃焼しやすく,明るくかがやく。
②アルコールが燃えるときの変化…しんに火がふれ
なくとも,近づけると火がつく。
③アルコールが燃えてできるもの…燃やすと水と二
酸化炭素が出来る。
⑵ 木炭の燃え方
①木炭の燃え方…ほのおを出さずに固体のまま燃える。
②木炭の作り方…むし焼き
(かん留)
と呼ばれる方法。
〈結果〉
・木炭(固体)
・木タール(液体)
・木さく液
(液体)
・木ガス(気体)に分解できる。
4 金属の燃え方
【㊫基本4問練習2,4~6】
⑴ マグネシウムの燃え方
・酸素と一定の割合で結びつき別の金属になる。マ
グネシウム(銀白色)+酸素→ 酸化マグネシウム
(白)
。※明るく白っぽい光
⑵ 鉄
(スチールウール)の燃え方
・鉄
(銀)
+酸素→酸化鉄(黒)。※パチパチ花火。
⑶ 銅の燃え方
・銅
(赤かっ色)+酸素→ 酸化銅(黒)。※おだやか
に燃える。
5 金属のさび
【㊫基本4問練習6】
空気中でゆっくり結びつき,熱を出すが,光は出さない。
⑴ 鉄の赤さび
空気中の酸素と水分が鉄と結びつき内部までボロ
ボロにする。
⑵ 鉄の黒さび
空気中の酸素と鉄が結びつき,内部を守る。
⑶ 銅のさび
①銅の青さび(緑青)
…銅+水分+酸素→酸化銅
②銅の黒さび…酸素が多いところで熱するとできる。
表面がはがれやすくなる。
⑷ アルミニウムのさび…灰白色の酸化アルミニウム。
内部を守るはたらきから人工的にさびをつける
→アルマイト
補足知識・留意事項など
1 物の燃焼
※物が燃えるときには酸素が必要,物と酸素が燃えることで結びつく。
そのときに熱と光がともなう変化を燃焼と理解させる。
⑴ 物の燃焼 3 つの条件
①燃えるものがある(有機物)。
②酸素がある。
③発火点を超える温度になる。
これを確実に覚えさせる。
⑵ 消火の方法… 3 条件がそろってはじめて燃えるので,1 つでも除け
ばいいことを理解させる。
①ものを取り除く,燃えないもので遮断する。
②酸素がない状態をつくる。
〈例〉ランプのふたをする,燃えている物をガラスなどでおおう。
③燃えている物質そのものの温度を下げる。
2 ろうそくの燃え方
⑴ ろうそくのほのお
①外えん…ほのおの外側なので酸素にふれあえる。温度は高い。完全
燃焼と覚えさせる。
②内えん…外えんのすぐ内側だが酸素不足により,温度は低い。
不完全燃焼と覚えさせる。
③えん心…最も内側でろうが気化している。温度と明るさは図を使っ
て説明する。
⑵ ろうそくが燃えるときの変化…固体→液体→気体への状態変化を定
着させておきたい。
⑶ ろうそくの燃え方
①ほのおにふくまれるもの…えん心はろうが気化されているところな
のでそれを取り出す方法や,取り出したものが何かを理解させる。
②ほのおのかげ…内えんの中にある炭素のつぶがかげとなることを説
明する。
③ろうが燃えてできるもの…水が発生する。確認方法も必ず説明する。
二酸化炭素が発生する(石灰水を白くにごらせる)。
3 いろいろな物の燃え方
⑴ アルコールの燃え方…空気と混じりやすいから完全燃焼しやすい。
気化しやすいのでしんにふれなくても火がつく。
⑵ 木炭の燃え方…木炭の作り方は図を必ず使う。
①ほのおを出さずに固体のまま燃焼する。
②木をむし焼きにすると(かん留),気体・液体・固体に分解される。
その時の名称,性質も説明する。むし焼きの時,試験管の口を下げ
るのは発生する液体によるガラスのわれを防ぐため。いろいろなも
のが酸素と結びつくと他の物質に変化する。
4 金属の燃え方
⑴ マグネシウムは明白色の光を出し燃焼。※酸化マグネシウム。
⑵ 鉄は火花を出しながら燃焼。※酸化鉄。
⑶ 銅はおだやかに燃焼。※酸化銅
それぞれ一定量の酸素と反応。色も必ず説明すること。
5 金属のさび
金属は酸素とゆっくり結びつく反応をする。この時に少しずつ熱を出
す。使い捨てカイロはこれを利用している。
⑴ 鉄の赤さび(内部まで進行。ボロボロになる)…実験手順をゆっくり
説明し,理解させる。発生のメカニズムを理解させる。
⑵ 鉄の黒さび(内部までは進行しない)…空気中の酸素とだけ結びつく。
ちみつであり内部がさびるのを防ぐ。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
12
指導のねらい
物の運動
▼指導ページ 学習編P 102 ~ 111,問題編P 70 ~ 75 ▼
★直線や弧を描く問題について理解を深める。
★運動と位置による速さや力の変化について学習する。
重要事項の確認
補足知識・留意事項など
ふり子の長さ
おもりの
重心
1 ジェットコースターの運動
⑴ 運動と速さ
①だんだん速くなる運動…物の落下では,最初と地
面直前では速さが大きくなる。
②だんだんおそくなる運動…物を坂の上に転がすと,
最初の速さは速く,だんだんおそくなっていく。
③速さが変わらない運動…速さが変わらない運動を
等速運動という。
⑵ 運動と向き
①向きが変わらない運動…向きが変わらずにまっす
ぐに進む運動を 直線運動 という。※エスカレー
ターなど。
②向きが変わる運動…ふり子や遊園地の乗り物など
多くの物は,速さや向きが変化する。
2 ボーリングのボールの運動
【問練習3】
⑴ 等速直線運動…速さも向きも変化しない運動。
※ボーリングのボールの運動。
⑵ ボールの速さ
・速さ=物体が移動したきょり÷かかった時間
・物体が移動したきょり=速さ×時間
・時間=物体が移動したきょり÷速さ
3 ふり子の運動
【㊫基本1,2問練習1,2】
⑴ ふり子の動きと速さ
・右の図のB点で最も速くなる。
・右の図のC点でいったん止まる。
⑵ ふり子の運動
①ふり子の長さ・しんぷく
A
B C
・支点…ふり子をつっている場所。
・ふり子の長さ…支点からおもりの
重心までの長さ。
・しんぷく … 右 図 の A B 間
またBC間のはば。
・ふれはば…A点からC点ま
C
A
でのはば。
B
②ふり子の周期・しん動数
・ 周期 …おもりが1往復す
るのにかかる時間。
しんぷくしんぷく
・ しん動数 … 1 秒 間 に 往 復
した回数。
⑶ ふり子の周期
①しんぷくと周期の関係…しんぷくは周期に関係し
ない。
②おもりの重さと周期の関係…おもりの重さは周期
に関係しない。
③ふり子の長さと周期の関係…ふり子の長さが長く
なると,周期も長くなる。(長さが 4 倍なら周期
は 2 倍,長さが 9 倍なら周期は 3 倍)
⑷ ふり子のふれる高さと速さの関係
①ふり子のふれる高さ…ふらせ始めの高さと反対側
の最高点の高さはつねに同じ。
②ふり子のふれる速さ
・ふり子の長さを長くすると,速さも速くなる。
・ふり子の高さを高くすると,速さも速くなる。
③ふり子の運動の向き…糸が切れる場所によってち
がう向きに向かって落ちる。
4 ふり子のおもりがぶつかる力
【㊫基本3】
⑴ おもりの高さとぶつかる力
・おもりを高い位置からはなす…ぶつかる力も大き
くなる。
⑵ おもりの重さとぶつかる速さ
・おもりを重くする…ぶつかる力も大きくなる。
5 しゃ面を転がる球の運動 【㊫基本4問練習4~6】
⑴ 球をはなす高さと球の速さ…球をはなす高さを 4
倍→速さは 2 倍。
⑵ 球の重さと飛ぶきょり…球の重さを変えても速さ
(飛ぶきょり)は同じ。
⑶ しゃ面のかたむきと球の速さ…しゃ面のかたむき
を変えても速さ(飛ぶきょり)は同じ。
⑷ 転がる球を木片にぶつける
①球をはなす高さと木片が動くきょり…球をはなす
高さを 2 倍→動くきょりは 2 倍。
②球の重さと木片の動くきょり…球の重さを 2 倍→
動くきょりは 2 倍。
※しゃ面のかたむきは球の速さやぶつかった木片の
動くきょりに関係しない。
1 ジェットコースターの運動
※子供たちの身近な乗り物で運動を理解させる。
⑴ 運動と速さ
①だんだん速くなる運動…一定時間に移動するきょりがだんだんと大
きくなる運動であることを理解させる。
②だんだんおそくなる運動…一定時間に移動するきょりがだんだんと
小さくなる運動であることを理解させる。
③速さが変わらない運動…水平なところは速さの変化がない。
一定時間に移動するきょりはいつも同じ。等速運動。
⑵ 運動と向き…向きが変化しない運動は直線運動。速さと向きが変化
する運動はふり子や遊園地の乗り物など。
2 ボーリングのボールの運動
⑴ 等速直線運動…ストロボ写真でさつえいすると,一定時間ごとの間
かくが等しい。
⑵ ボールの速さ…秒速,分速,時速のちがいを理解させる。
※速さを求める公式やきょりを求める公式は必ず暗記させる。
3 ふり子の運動
⑴ ふり子の動きと速さ
・固定された場所からおもりつきの糸をぶら下げるときの運動。
・ふり子の運動は,速さも向きも変化する。
⑵ ふり子の運動…支点,ふり子の長さ,しんぷく,周期,しん動数を
理解させる。
⑶ ふり子の周期=ふり子の等時性。
・ふり子の周期…しんぷくは周期には関係しない。おもりの重さも周
期には関係しない。
・周期に関係するのはふり子の長さである。
※ふり子の長さが 4 倍,9 倍ならば周期は 2 倍,3 倍となる。
⑷ ふり子のふれる高さと速さの関係
・ふり子のふれる高さはふらせ始めと反対側の最高点の高さは常に一
定となる。
・ふり子の長さが 4 倍,9 倍となるとき速さは 2 倍,3 倍となる(高さ
一定)。
・ふり子の高さが 4 倍,9 倍となるとき速さは 2 倍,3 倍となる(長さ
一定)。
・ふり子の向き…ふり子の糸が切れると切れた場所によって落ち方が
異なる。
4 ふり子のおもりがぶつかる力
⑴ おもりの高さとぶつかる力…高い位置からはなすと速さが速くなり,
ぶつかった球は遠くまで飛ぶ。
⑵ おもりの重さとぶつかる力…高さは変えず重さを変えるとしょうげ
きが大きくなり,ぶつかった球は遠くまで飛ぶ。
5 しゃ面を転がる球の運動
⑴ 球をはなす高さを 4 倍,9 倍とすると速さは 2 倍,3 倍,飛ぶきょ
りも 2 倍,3 倍となる。
⑵ 高さが一定で重さを変えても飛ぶきょりや速さは変わらない。
⑶ しゃ面のかたむきを変えても,はなす高さが変わらなければ速さも
きょりも変わらない。
⑷ 転がる球を木片にぶつける
①球をはなす高さを高くすると,木片は遠くまで動く。
②球の重さを重くすると,木片は遠くまで動く。
※高さや重さを変えると結果がどのようになるかを理解させる。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
13
指導のねらい
地層・化石
▼指導ページ 学習編P 112 ~ 121,問題編P 76 ~ 81 ▼
★地層やそれに伴い見つかる化石について学習する。
★身の回りの山などに注目するように促したい。
重要事項の確認
補足知識・留意事項など
1 地層
【㊫基本1~3問練習2~4】 1 地層
地層…砂などが重なってしまもようになっているもの。
⑴ 地層のできかた
⑴ 地層のできかた
・1 つの地層に含まれるつぶの大きさを調べると,たい積した順序が
①流水のはたらきによってできた地層…つぶが小さ
分かることを理解させたい。
い→上にたい積(新しい)。つぶが大きい→下にた
・生物の死がいなどがたい積していることで時代や当時の環境がわか
い積
(古い)。よって,つぶが大きい=古い。
ることがある。
※レキ…丸みがある(川を流れる間に角がとれた)。
・また,火山のふん火で飛ばされた火山灰や軽石がたい積することで
▼海水面の変化と体積のようす
レキ
上がった海水面
どろ
初めの海水面
砂
②生物の死がいなどがたい積してできた地層…サン
ゴ,フズリナ,ケイソウなどがたい積。
③火山のはたらきによってできた地層…火山灰がた
い積。角ばっている。
⑵ 地層の重なり方
①地下水…ねん土や岩石の上に流れている。
②整合…いくつかの地層が水平にたい積。
③ 不整合 …土地がりゅう起・ちん降した後に新し
い地層がたい積。→その境界が不整合面
⑶ 地層の変化
① かたむいた地層 …地層が持ち上げられたり,し
ずんだりしてかたむく場合もある。
②しゅう曲…地層が大きな力で曲がること。
③断層…地層が大きな力でさけてずれること。
・正断層…左右に引かれて落ちた断層。
・逆断層…左右からおされて上がった断層。
⑷ 地層の新旧と変化の順の図
①Aが新しい
A
②Aが新しい
④Bが新しい
③Aが新しい
B
・地下水は水を通しにくねん土や岩石の上を通っていることが多い。
・整合,不整合の違いを図を書いて説明する。特に不整合のでき方を
理解させたい。
⑶ 地層の変化
・たい積したときは水平だった地層が,その後力が加わって変化する
ことを理解させたい。
・かたむいた地層,しゅう曲,断層それぞれの違いを理解させる。
⑷ 地層の新旧と変化の順
①つぶ大→古いこと②地層が変化するのはたい積した後であることの
2 点を理解させる。
※どのように変化したのかを段階的に図示しながら説明したい。
2 化石
①示相化石…同じ環境で生活する生物の化石が存在することに説明す
る。例を必ず挙げる。
②示準化石(標準化石)…生存期間が短く,世界に広く分布していて数
が多いという条件が必要。必ず例を挙げる。
※シーラカンスは約 3 ~ 4 億年前から生き続けている魚類であり「生
きている化石」といわれる。
かることを理解させる。
B
A
⑵ 地層の重なり方
※化石を調べることで,地層ができた時の環境とできた地質時代が分
A
B
B
ふん火がおきたことを説明する。
A
⑸ 地層の広がり
・ボーリング…地面に穴をほって土などを採集。
・地質柱状図…柱状に示した地質の図。
・ キー層 …各地層に共通する地層。これを手がか
りにお互いの関係を調べる。
2 化石
【㊫基本4問練習5】
⑴ 示相化石 …その当時の環境を知ることができる
化石。※サンゴ,アサリ,ホタテなどの化石。
⑵ 示準化石(標準化石)…地層ができた時代を知る
ことができる化石。
3 たい積岩
(堆積岩)
【㊫基本3,4問練習1,6】
⑴ 流水のはたらきによるたい積岩
・レキ岩…小石が砂や泥とまざって固まる。
・サ岩…砂が固まってできる。
・デイ岩…どろが固まってできる。
・ネンバン岩…デイ岩がさらに固くなる。
⑵ 生物の死がいなどによるたい積岩
・ セッカイ岩 …サンゴや貝類などの死がいなどが固
まる。塩酸をかけると二酸化炭素が発生。
・チャート…ホウサンチュウの死がいなどがたい積。
⑶ 火山活動によるたい積岩
・ギョウカイ岩…火山灰や軽石などが固まる。
※ 2 つを混同しないように注意をうながしたい。
3 たい積岩(堆積岩)
⑴ 流水のはたらきによるたい積岩
・レキ岩,サ岩,デイ岩の順で粒の大きさが小さくなっている。
できれば 2mm 以上,0.06 から 2mm まで,0.06mm より小さいま
で説明するとよい。
・レキ岩…角がとれて丸みをおびている。
・ネンバン岩…デイ岩がより固まったもの。
⑵ 生物の死がいなどによるたい積岩
・セッカイ岩…炭酸カルシウムがある生物の死がいなどがたい積して
できる。塩酸にとけて二酸化炭素が発生することも必ず説明してお
くこと。
・チャート…二酸化ケイソをふくむ生物の死がいなどがたい積してで
きる。塩酸に溶けない。とてもかたいので,火打ち石として使われ
ていた。
※それぞれのたい積岩が①何でできているか②色③性質④用途まで
しっかりおさえる必要がある。①~④をまとめた表などを活用して
説明したい。
⑶ 火山活動によるたい積岩
・ギョウカイ岩…火山灰や軽石が固まってできた岩。やわらかいが熱
に強い。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
14
指導のねらい
火山・地しん
▼指導ページ 学習編P 122 ~ 131,問題編P 82 ~ 87 ▼
★火山の噴火とそれに含まれるものについて学習する。
★地しんの仕組みとその測り方について学習する。
重要事項の確認
1 火山
【㊫基本1問練習1】
活火山…今も活動を続けている火山や,今から 1 万年以
内にふん火した火山のこと。
⑴ 火山の分布…火山の多い場所:火山帯
・環太平洋火山帯…地球上の火山の半数以上は太平
洋を囲む地帯にある。→日本列島はもその一部。
・海こう…海底の深くて細長いみぞ。
・火山前線…火山が分布している海こう側の限界線。
⑵ 日本の活火山
①活動が特にさかんな火山…有珠山,桜島など。
②活動がさかなんな火山…磐弟山,富士山など。
③活動がさかんでない火山… 59 の火山。
⑶ 地球のつくり
・地かく…地球の表面の固い岩の層。
・マントル…地かくの下にあり,固体だが高温のため
液体のような性質をもつ。
・プレート…地かくとマントル上部からできた板状の
岩石の層。マントルの対流によって動くことで地しん
の原因となる。
2 火山のふん火
【㊫基本1問練習1,
2】
⑴ マグマ…岩石がとけてできた液体状の物質。
⑵ 火山のふん火…ふん火の前には火山性地しん,
りゅう起などの変化がある。
⑶ 火山のふん出物(噴出物)
①よう岩…マグマが液体状のまま地表に吹き出したも
のやそれが固まったもの。火口にたまったものをよう
岩湖,流れ出たものをよう岩流という。
②火山ガス…ほとんどが水蒸気。
③火山さいせつ物…火山だん,火山れき,火山灰。
⑷ 火山の形
①ドーム型の火山…ねばりけが強いよう岩でできた火
山。はげしいふん火。
②円すい形の火山(成層火山)…ねばりけが中程度。
③平たい形の火山…ねばりけが弱い。おだやかなふん火。
3 火成岩
【㊫基本3問練習3】
火成岩…マグマが冷えてできた岩石。火山岩と深成岩
に分かれる。
⑴ 火山岩…マグマが地表近くで急に冷え固まった岩
石。結晶は小さく,石基を含む。ゲンブ岩,アンザン
岩,リュウモン岩。
⑵ 深成岩…マグマが地下の深いところでゆっくり冷
え固まった岩石。結晶は大きい。ハンレイ岩,セン
リョク岩,カコウ岩。
⑶ 火成岩の特ちょう…角ばっていて,化石はない。
⑷ 鉱物…岩石をつくるつぶ。無色鉱物と有色鉱物に
分けられる。岩石は無色鉱物が多いと白っぽく,有
色鉱物が多いと黒っぽい。
4 地しん
【㊫基本4問練習4,
5】
・しん源…地しんが発生した場所。
・しん央…しん源の真上の地表。
⑴ マグニチュードとしん度
マグニチュード…地しんそのものの大きさ。
しん度…ある地点の地しんによるゆれの大きさ。
⑵ 地しんによるゆれの伝わり方
初期微動…速い波でゆれは小さい。
主要動…おそい波でゆれは大きい。
⑶ しん源の位置
P波
(秒速約 8km)
とS波
(秒速約 4km)
の伝わる速さ
から観測点から震源までのきょりが計算できる。
5 土地のいろいろな変化
【㊫基本2】
⑴ 川のはたらき…河岸段きゅう,せん状地,三角州など。
⑵ 海のはたらき…海食がい,海食台,リアス式海岸など。
⑶ 風のはたらき…風化:岩石が空気・水などでもろくなる。
補足知識・留意事項など
1 火山
⑴ 火山の分布…火山と海こうがなぜ平行に分布しているのかを考え させたい。
⑵ 日本の活火山…活動中や 1 万年以内にふん火したことのある火山を
活火山という。それぞれの火山の位置も確認させておきたい。
⑶ 地球のつくり…地球の構造を図示しながら説明したい。
2 火山のふん火
⑴ マグマ…マグマは温度(約 650 ~ 1200℃)や成分によってねばりけ
が変化する。高温のものほどねばりけが弱くなる。
⑵ 火山のふん火
・火山のふん火のしくみを理解させたい。
・マグマに含まれる水や二酸化炭素が気体となり体積が増え,地かく
の割れ目から地表にふん出しふん火が起こる。
⑶ 火山のふん出物…火山のふん出物の分類。
①よう岩…固まったよう岩の表面には,気体がぬけ出したときのあな
が無数に見られる。
②火山ガス…二酸化炭素・二酸化いおうなどもふくまれる。
③火山さいせつ物…大きなものから火山だん,火山れき,火山灰。
※火さい流…高温の火山ガスと火山灰・軽石などが混じりあって山の
しゃ面を流れ下る現象。
⑷ 火山の形
・火山の形やふん火のようすは,よう岩のねばりけによって異なるこ
とを理解させたい。
・ねばりけが強い→ドーム型,ねばりけが弱い→平たい形。
・カルデラ…大爆発によって火山中央部が吹き飛び大きく落ちこんだ
もの。
3 火成岩
※岩石は火成岩とたい積岩に分類でき,さらに火成岩は火山岩と深成
岩に分類できる。
⑴ 火山岩…細かい結晶やガラス質の物質からできている石基とよば
れるつくりの中に,結晶が散らばって見える。
⑵ 深成岩…結晶が大きく成長して,大きさもほぼそろっている。
⑶ 火成岩の特ちょう
・た い積岩…土砂が固まってできた岩石で,角がとれて丸っぽく
なっている。
※ギョウカイ岩…火山灰などが固まってできたたい積岩。
・火成岩…すべて角ばっている。
※ギョウカイ岩…火山灰などが固まってできたたい積岩。
⑷ 鉱物
・無色鉱物…チョウ石・セキエイ。
・有色鉱物…カンラン石・キ石・クロウンモなど。
4 地しん
⑴ マグニチュードとしん度
・地しんは地下で大きな力がはたらき岩石が破壊されるときに発生する。
・地しんのゆれはしん源から波として伝わる。
⑵ 初期微動の時間が長いほどしん源から遠い。
⑶ しん源の位置… 3 地点以上の場所でゆれを観測することにより,し
ん央の位置を求めることもできる。
5 土地のいろいろな変化
川や海などの水のはたらきや風のはたらきによって様々な地形がつく
られることを理解させたい。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
15
指導のねらい
第 11 回~第 14 回のまとめ
▼指導ページ 学習編P 132 ~ 135,問題編P 88 ~ 93 ▼
★各回の総合的な復習を行う。
★物の燃え方やふり子の特徴,地形のでき方について定着させる。
重要事項の確認
1 第 11 回の復習
補足知識・留意事項など
【問練習2】
⑴ 物が燃えるためには燃えるものがあること,空気
があること,物の温度が発火点以上になることが必
要である。
⑴ 物が燃えるための 3 つの条件を確認させておく。
⑵ わりばしが燃えた時にかっ色の木タールという液体が発生し,試験
管の底に流れて試験管が割れることがある。実験の手順を確実に覚え
⑵ 木材をむし焼きにしたときにできる液体によって,
る。
⑶ 木ガスはほのおをあげて燃える。
試験管が割れないようにする。
⑶ 木ガスが発生(白色)。
⑷ 木炭のおもな成分は炭素である。木をむし焼きにすることをかん留
⑷ 木炭は水素をほとんどふくんでいないので,ほの
おを出さず燃える。
2 第 11 回の復習
1 第 11 回の復習
するともいう。木炭の燃え方はむし焼きなので固体のまま燃えること
を確認させたい。
【問練習2】
2 第 11 回の復習
⑴ 酸素とふれやすくするためにうすく広げる。
⑴ 物が燃えるためには酸素と結びつく必要がある。
⑵ 銅はおだやかに燃え黒色の酸化銅になる。
⑵ マグネシウムは明るい光を出し,鉄はパチパチ火花を出して燃える
⑶ 物が燃えるときには酸素と結びつく。
ことも確認させておく。
⑷ 銅の重さが 2 倍になれば,酸化銅も 2 倍になる。
⑶ 銅+酸素=酸化銅である。
⑸ 酸化銅の重さは銅の重さの 1.25 倍となる。
⑷ 銅,酸素,酸化銅の重さの関係は比例関係となる。
10.0 × 1.25 = 12.5[g]
⑸ 比例関係を利用して求めることができる。
⑹ 10.0 ÷ 1.25 = 8.0[g]
⑹ ⑸の逆の計算で求める。グラフを利用しても求められる。
3 第 12 回の復習
【問練習1】
⑴ おもりが重く,しゃ面の高さが最も高いもの。
※銅と酸化銅の重さの変化をグラフに書けるようにしたい。
3 第 12 回の復習
⑵ おもりの重さ,しゃ面の高さのどちらも同じ。
⑴ おもりが重く,最も高いところから落としたもの。
⑶ おもりの重さやしゃ面の高さが関係している。
⑵ 物体の動きは高さに関係していることを確認する。
4 第 12 回の復習
【問練習3】
⑴ ふり子の周期はおもりの重さやふり子のかたむき
には関係ない。
⑶ おもりの重さと落とす高さが物体の動きに関係している。
※高さ,しゃ面の傾き,おもりの重さによって木片の移動する距離が
どのように変化するかをしっかり覚えさせたい。
⑵ 表からふり子の長さが 25cm のとき 10 往復する
4 第 12 回の復習
時間は 10.0 秒,100cm のとき 20.1 秒かかっている。
⑴ 周期が 2 倍なのでふり子の長さは 4 倍になる。
周期を 2 倍にするには,ふりこの長さを 4 倍にすれ
⑵ 表を読み取る力を確認する。
ばよい。
⑶ ふり子はふらせ始めの高さと反対側の高さの最高点は同じになる。
⑶ ふり子が上がる高さはふらせ始めの高さに関係し
⑷ 周期,振幅を計算できるようにする。
5 第 13 回の復習
ている。
⑷ 左半分はふり子の長さが 100cm なので,かかる
⑴ 地層は下から順に積み重なっていく。
時 間 は 20.1 ÷ 10[往 復]÷ 2 = 1.005[秒]。 右 半 分
⑵ ねん土や岩石の層の上には地下水が流れていることもある。
はふり子の長さが 25cm なので,かかる時間は 10.0
⑶ 不整合面はたい積の中断を示す。かつて陸上にあった。
÷ 10
[往復]÷ 2 = 0.5[秒]かかる。このことから 1
⑷ ギョウカイ岩は火山のふん火と関係があるがたい積岩である。
往復する時間は 1.005 + 0.5 = 1.505[秒]となる。
⑸ デイ岩=深いところ,レキ岩=浅いところは重要。
5 第 13 回の復習
【問練習4】
⑴ 下にある地層ほど一般的に古いといえる。
※流れの速さによってたい積のちがいが出ることをおさえておきたい。
6 第 14 回の復習
⑵ デイ岩は水を通しにくい。
⑶ 不整合はかつて陸地になったことを示す。
⑷ ギョウカイ岩は火山灰が固まってできた岩石。
⑸ デイ岩は深いところでたい積し,レキ岩は浅いと
ころでたい積したもの。
⑴ 火山の 3 つの形の名前ととそれぞれの代表的な火山名を確認させる
こと。
⑵ 火山の形によってふん火の様子が違うことを確認する。
・ドーム型…はげしいふん火
⑹ 当時の環境を知る手がかりとなる化石を示相化石
といい,ホタテは冷たい海だとわかる。
6 第 14 回の復習
⑹ 示相化石と示準化石の区別をしっかり確認させよう。
【問練習5】
⑴ ドーム型…昭和新山,有珠山。
⑵ 平たい形の火山=おだやかなふん火。
⑶ 白っぽいよう岩=ねばりけが強い=ドーム型。
⑷ ねばりけが弱いほど流れやすく平たくなる。
⑸ つぶが大きいので深成岩,色は白っぽい。
・円すい型の火山 ( 成層火山 ) …中程度のふん火
・平たい火山…おだやかなふん火
⑶ よう岩の色とねばりけと火山の形の関係について,混乱しないよう
まとめておくことが必要である。
⑷ ねばりけが強いとよう岩は流れにくくドーム型になり,ねばりけが
弱いとよう岩は広く流れて火山は平たくなる。
⑸ 深成岩と火山岩のちがいと鉱物との関係を確認させておく。具体的
な岩石の名前も必ず記憶させること。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
16
指導のねらい
水よう液のこさ
▼指導ページ 学習編P 136 ~ 145,問題編P 94 ~ 99 ▼
★水に物をとかしたときのようすやとける量,取り出し方を学ぶ。
★水よう液の計算をくり返し行い確実に定着させる。
重要事項の確認
1 水よう液のこさ
【㊫基本1,2,4問練習1,6】
よう液…液体に物質をとかしたもの。
水よう液…液体が水のときのよう液。
⑴ 水よう液
・水よう液の特徴…透明,どこも同じこさ,水とと
けている物を分けられない。
①よう解(溶解)…物質の液体のつぶが混じること。
②よう質(溶質)…よう液にとけている物質。
ようばい(溶媒):とかしている液体。
⑵ よう液のこさ
よう液のこさ〔%〕=よう質の重さ〔g〕× 100
よう液の重さ〔g〕
よう質の重さ〔g〕
= ようばいの重さ〔g〕+よう質のおもさ〔g〕× 100
⑶ 水よう液のこさと重さ
①食塩水の体積と重さ
水に食塩を入れたとき,体積は少しだけ増え,
重さは食塩の重さと水の重さの和になる。
②同じ体積で比べたときの食塩水の重さ
こい食塩水ほど同じ体積あたりの重さは重い。
③こさが同じ水よう液と重さ
こさが同じでも水よう液の種類によって同じ体積
あたりの重さがちがう。
⑷ 水よう液のこさの計算問題
〔例 1〕
10%の食塩水 150g をつくるには,何 g の
水に,何 g の水をとかせばよいですか。
〔解き方〕
10%の食塩水というのは,食塩の量が
水よう液全体の 10%にあたるということです。
よう質の食塩の量は 150 × 0.1 = 15
〔g〕
。残り
が,ようばいの水の量で,150 - 15 = 135
〔g〕
。
〔例 4〕
20% の 食 塩 水 100g と,4% の 食 塩 水 300g
を混ぜると,何%の食塩水になりますか。
〔解き方〕
それぞれの食塩水にとけている食塩の量
は,100 × 0.2 = 20〔g〕… 20%の食塩水,
300 × 0.04 = 12〔g〕… 4%の食塩水です。
20 + 16
混ぜた食塩水のこさは, 100 + 200 × 100 = 8%
2 よう解度
【㊫基本3問練習2~5】
よう解度…一 定量の水に物質を最大でどのくらいと
かすことができるかを表した数値。
⑴ よう解によるよう解度のちがい
①とけやすい物ととけにくい物…水にとけやすい物
ととけにくい物がある。
② ほう和 と ほう和水よう液 …それ以上とけない限
度いっぱい(ほう和)にとかした水よう液(ほう和
水よう液)
⑵ 温度によるよう解度のちがい
①よう解度を表す表やグラフ…水の温度とよう解度
の関係は表やグラフで表されることが多い。
② 固体のよう解度 …固体の多くは温度が高くなれ
ばよう解度が大きくなる。
③ 液体のよう解度 …とける限度をもった物はほと
んどない。
④ 気体のよう解度 …温度が低くなるほど,圧力が
高くなるほどよう解度が大きくなる。
3 結しょうの取り出し方 【㊫基本5問練習1~6】
⑴ 温度の変化を使う方法
①よう質が 1 種類のとき…高温でとかし温度を下げ
て結しょうが現れたらろ過する。
②よう質が 2 種類のとき…温度差を利用して先にほ
う和した方をろ過する。
⑵ ようばいを蒸発させる方法…温度によってよう解
度が変わらない物質は水を蒸発させる。
補足知識・留意事項など
1 水よう液のこさ
※よう質とようばいを混同しないように指導したい。
⑴ 水よう液
①よう解(溶解)…水よう液は物質と水が一様に混じっていることを理
解させる。
②よう質(溶質)・ようばい(溶媒)…さとう水などの具体例で考えさせ
てよう質とようばいを混同しないように指導したい。
⑵ よう液のこさ…まずはしっかりと公式を記憶させること。
・P136 ~ P139 の計算問題を徹底的に反復練習させて,きちんと理
解させたい。
・よう液のこさは,とけている物質の重さがよう液全体の重さのどれ
だけの割合になっていいるかで表される。
⑶ 水よう液のこさと重さ
①食塩水の体積は食塩と水の体積の和より小さくなる。食塩水の重さ
はとかす前の食塩の重さと水の重さの和になる。
②こい食塩水ほど同じ体積あたりの重さは重い。体積と重さを混同し
ないように指導したい。
③同じこさの水よう液と重さ
・こさが同じでも水よう液の種類によって同じ体積あたりの重さが違う。
・よう質の多くは水より重いので,水よう液はこくなるほど同じ体積
あたりの重さは軽くなる。
・アルコールやアンモニアは水より軽いから,こくなるほど同じ体積
あたりの重さは軽くなる。
⑷ 水よう液のこさの計算問題…徹底的に反復練習させる。それぞれの
問題はテキストにある別解も説明しておきたい。
2 よう解度
※物質によって水に対するよう解度が異なることを理解させる。
※水の温度によってよう解度が変化することも理解させたい。
⑴ よう質によるよう解度のちがい
①よう質の種類によって水にとけやすい物ととけにくい物があること
を理解させる。
②ほう和…よう質がそれ以上とけないという限度に達した状態。
⑵ 温度によるよう解度のちがい
①よう解度の違いをグラフから読み取れることができるように指導したい。
②固体のよう解度…表から一定量の水にとける固体の多くは温度が高
くなればよう解度が大きくなることを読み取らせる。
③液体のよう解度…液体は水に無制限にとける物とほとんどとけない
物に分かれる。水にとける物はとける限度がほとんどない。この 2
点を理解させる。
④気体のよう解度…表から気体にはすべて水にとける限度量があるこ
とを読み取らせる。温度が低くなったり,圧力が高くなるほどよう
解度が大きくなることを理解させる。
3 結しょうの取り出し方
※結しょうをとり出すには,温度によるよう解度の違いを利用する,水
を減らすの 2 つのやり方があることを理解させる。
⑴ 温度によるよう解度の違いを使う方法
①よう質が 1 種類のとき…ホウ酸などをとり出す場合。
②よう質が 2 種類のとき…ホウ酸と食塩が混じっている場合。
⑵ ようばいを蒸発させる方法…食塩などをとり出す場合。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
17
指導のねらい
動物の誕生とふえ方
▼指導ページ 学習編P 146 ~ 155,問題編P 100 ~ 105 ▼
★メダカの生態系について学習する。
★動物の種類により誕生の仕方も育ち方も違うことを学習させる。
重要事項の確認
1 メダカの育ち方
【㊫基本1~3問練習2~4】
⑴ メダカの飼い方
・大きい水そうを使い,直射日光のあたらない明る
い場所に置く。
・水草を植え,えさは 1 日に一度,食べ残しがない
量をあたえる。
・たまごが産まれたら,たまごのついた水草ごと別
の容器に移す。
⑵ メダカのおすとめすのちがい…体長は 3cm くらい
・めす…背 びれにきれこみなし,しりびれは細長
い三角形の形
・おす…背 びれにきれこみあり,しりびれは大き
くて平行四辺形の形
⑶ メダカの産卵のしかた
・水温が 18 ~ 20℃以上になり,昼の長さが 13 時
間以上になると産卵を始める。
・メスが卵を産み,オスの精子がたどりつく。
⑷ たまごのようす
・大きさは 1.2mm くらい,10 ~ 20 個くらい産む。
・付着毛…水草につきやすいようにするため。
・油てき(油球)…卵黄の中にある油のつぶ
⑸ たまごの育ち方
補足知識・留意事項など
1 メダカの育ち方
※水の汚れに弱い魚である。よく見られる似ている魚でカダヤシとい
う魚がいる。
⑴ メダカの飼い方
・水そう…水面が広いものを選択(酸素供給のため)し,中にはエアス
トーン,サーモスタッドを入れる。
・水のかえ方…一度に全体の 50%くらいまでしか飼えない。温度は
調節する。水道水は塩素ぬきをすることを注意する。
・23 ~ 27℃がメダカにとっての適温であることを理解させる。
・水草を適当な量植えることで水中の酸素量を保つ。卵を産みつける
場所でもあることも忘れずにつけ加える。
・たまごが産まれたら別の容器に移す理由を理解させる。
⑵ メダカのオスとメス…形のちがいをはっきり区別させる。図を書か
せるとよい。背びれ・しりびれがポイントである。
⑶ メダカの産卵…適温を保ち,体外で受精することを説明する。
⑷ たまごのようす… 1 回の出産数,大きさなどを確認させる。産卵直
後のたまごの図は目を通させること。
⑸ 卵の育ち方… 1 日目から 15 日目までを 10 段階くらいに分け,図と
ともに様子を細かく説明していく。寿命もおさえておく。
⑹ 卵の育ち方と水温…ふ化する日数と水温には密接な関係があり,そ
れをグラフを用いて理解させる。積算温度は 250。
〈例〉水温が 20 度のとき,何日でふ化するか。
250 ÷ 20 = 12.5 →約 12.5 日でふ化する。
⑺ メダカの習性…群れをつくる理由や上流に向けて頭を向けることを
おさえておく。なぜオスが底の方をなわばりとして持っているかを説
明する。
⑹ たまごの育ち方と水温の関係
2 ニワトリの育ち方
・積算温度…水 温にふ化日数をかけたもの。メダカ
は約 250。
⑴ たまごの作り
・ふ化率…たまごがふ化する割合。水温が 20 ~ 25℃
・はい,卵黄,卵白,卵かく,気室等を図を使って理解させる。
のとき最も高い。
・卵かくは固く,内部を守り,乾燥を防ぐために石灰質でできている。
⑺ メダカの習性…群れをつくる。いつも頭を上流に
向けている。オスはなわばりをつ
⑵ ひなが誕生するまで
くる。
・有精卵と無精卵の違いを理解させる。
2 ニワトリの育ち方
【問練習4】
・ふ化させるための温度,日数,寿命を理解させる。
⑴ たまごのつくり…はい, 卵黄, 卵白, 卵かく,
3 動物の増え方
気室など。
⑵ ひなが誕生するまで
※単細胞生物のふえ方とそれ以外の動物のふえ方を区別させる。
・受精した卵を有精卵,受精してない卵を無精卵と
⑴ 受精のしかた
いう。21 日くらいでふ化する。
①水中に産卵する動物(体外受精)…魚類,両生類のほとんどだが例外
・転卵…親 鳥が 1 日に 2 回ぐらい卵をひっくり返す
こと。
に注意させる。
3 動物のふえ方
【㊫基本4問練習1,5】
※魚類のサメやエイ,両生類のイモリは体内受精。
単細ぼう生物 …からだが 1 つの細ぼうでできている
②陸上に産卵する動物(体内受精)…は虫類,鳥類,こん虫類など。
動物→分れつなどでふえる。
単細ぼう生物以外の動物…受精によってふえる。
③親と似たすがたを生む動物(体内受精)…ほ乳類。
(卵子→卵巣,精子→精巣でそれぞれつくられる。)
※受精卵は母親のたい内で成長する。
⑴ 受精のしかた
⑵ 受精卵からふ化・誕生まで
①水中に産卵する動物(体外受精)…両生類やほと
①たまごで産まれる動物(卵生)…からの有無がなぜあるのかを説明し,
んどの魚類など。
②陸上に産卵する動物(体内受精)…は虫類,鳥類,
理解させる。
こん虫類など。
※カモノハシは,ほ乳類だがたまごで産まれる。
③子
(親と似たすがた)を産む動物…ほ乳類
②子で産まれる動物(胎生)…たまごに養分が少ないため,母親の胎盤
⑵ ふ化・誕生までの特ちょう
①たまごで産まれる動物(卵生)…卵には育つのに必
を通して補きゅうされることを説明する。
要な養分がたくわえられている。
※例外として,オーストラリアの胎生動物や水中に住むほ乳類も加
②子
(親と似たすがた)で産まれる動物(胎生)…養分
えて説明する。
は母親の胎盤からもらう。
③卵胎生…親と似た形で産まれる。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
18
指導のねらい
ヒトの誕生とふえ方
▼指導ページ 学習編P 156 ~ 165,問題編P 106 ~ 111 ▼
★ヒトの誕生の仕方と過程を学習する。
★いろいろな動物の産卵数とたまごの様子を学習する。
重要事項の確認
1 男性と女性
【㊫基本1問練習1】
⑴ 成人した男性と女性のからだのつくり
補足知識・留意事項など
1 男性と女性
⑴ 成人した男性と女性のからだのつくり
①女性…卵子をつくる卵巣や子宮がある。
・女性,男性ともに,年令によるからだの成長と各器官の変化をおさえる。
②男性…精子をつくる精巣などのつくりがある。
・女性は成人するにつれてからだに丸みをおびてきて,男性は女性よ
⑵ 卵巣や精巣などのつくり
①女性…卵巣は左右一対。卵子は卵巣から卵管を通
り子宮に出される。
②男性…精巣は一対。精子は精巣にたくわえられ,
動くようになってからからだの外に出される。
⑶ 受精…卵管で精子は卵子と出会う。受精する卵
子と精子は 1 つだけである。
2 たいばんとたい児のかん境【㊫基本1,2問練習1】
⑴ 着しょう
①受精卵の移動…受精した卵は子宮に向かう。
② 着しょう …約1週間で子宮に達し,子宮のかべ
の中にとりこまれる。
⑵ たいばん(胎盤)の形成…着しょう後,卵の一部
が子宮の内部に入りこみたいばんをつくる。母親の
血液から酸素や栄養分を受け取る。
⑶ たい児
(胎児)のかん境… 羊水 がたい児を守り,
へそのおでたいばんとつながっている。
3 たい児の成長と誕生
【㊫基本2問練習1】
⑴ はい子
(胚子)
とたい児:受精後 2 か月間…はい子
①受精後 30 日…心臓ができる。
②受精後 50 日…目のレンズ,鼻の穴ができる。
③ 3 か月…手足の指やまぶたができる。
④ 4 か月…鼻と口が開き,血液が流れる。
⑤ 5 か月…うぶ毛が生え,からだを動かす。
⑥ 6 か月…しぼうの層ができる。
⑦ 7 か月…かみの毛が生えてくる。
⑧ 8 か月…各器官がほぼ完成。早産することがある。
⑨誕生まで…受精して約 38 週で誕生する。
⑵ 誕生
⑵ 卵巣や精巣などのつくり
・女性…卵巣,子宮,卵管,ちつの名称と機能をしっかりおさえておく。
・男性…精巣,精管,精のうの名称と機能をおさえる。
⑶ 受精…精子の通り道,精子と卵子の大きさをおさえる。
2 たいばんとたい児のかんきょう
⑴ 着しょう
①受精卵の移動…受精卵がどこを通り,どこにたどり着くかを説明する。
②着しょうとは何がどの状態になることかをおさえる。
⑵ たいばんの形成
・たいばんの役目とその仕組み,たい児に何を通して栄養を送るかを
おさえる。
・たい児は母親の血液から養分や酸素を受け取る。
⑶ たい児のかんきょう
・羊水とへそのおの役割を確実におさえる。
・たい児の血管は,へそのおでたいばんの毛細血管とつながっている。
3 たい児の成長と誕生
⑴ はい子とたい児
・28 日を 1 か月とし,38 週間の変化の様子を時間に分けて状態を説
明していく。
・手や足,目や口,心臓や肺などがどのような順番で作られていくの
かをおさえておく。
⑵ 誕生
・誕生の 1 ~ 2 週前,出産までの母親の変化を説明する。
・うぶ声…うぶ声をあげる理由と後産について説明する。
4 いろいろな動物
⑴ オスとメスのすがた
①♂と♀のちがいが形や色などですぐにわかる動物…こん虫や鳥類,
①誕生の 1 ~ 2 週間前…じんつうを感じる。
②出産…たい児は頭から母親のからだの外に出る。
③うぶ声…肺に空気が出入りし,肺呼吸が始まる。
4 いろいろな動物
り強い筋肉をもつようになる。
【㊫基本3問練習2~5】
⑴ オス
(♂)
とメス
(♀)
のすがた
①♂と♀のちがいがすぐにわかる動物
・こん虫類…クワガタ,カブトムシなど。
・鳥類…ニワトリ,ライチョウなど。
・ほ乳類…ライオン,シカなど。
②♂と♀のちがいがわかりにくい動物
…モンシロチョウ,スズメ,イヌなど。
⑵ 産卵数
(産子数)と生存率
①こん虫の産卵数と生存率…産卵数は多い,生存率
は少ない。
②いろいろな動物の産卵数とたまごのようす
・魚類…産卵数はかなり多い。
・両生類のカエル…陸上で産まれるものや,親に守
られるものは産卵数は少ない。
・は虫類…水中に産卵する生物より少ない。
・鳥類…産卵数は少ない。
ほ乳類の実物例をあげて説明し確認をとる。
②♂と♀のちがいが,形や色ではわかりにくい動物…こん虫やその他
で細かなちがいについて説明を加える。
※オンブバッタ…♂のからだは小さく,♀の背中に♂がのっている
ことがある。
※コオロギ・スズムシ・マツムシ…♂の羽には発音器があり,羽のも
ようがうずまき状。♀には発音器がなく,羽のもようは平行なすじ
状。
⑵ 産卵数と生存率
①昆虫の産卵数と生存率…気候や他の生物の捕食などにより,成虫に
なれる個体がかなり少ないことを説明し,実際にどのくらいの割合
で成虫になるのかも具体例をあげて説明する。
②いろいろな動物の産卵数と生存率…魚類,両生類,鳥類などが産卵
方法や個体の大きさ,育て方により産卵数が変わってくることを説
明する。
中学受験新演習 小 5 下 理科 指導のポイント
19
指導のねらい
第 16 回~第 18 回のまとめ
▼指導ページ 学習編P 166 ~ 169,問題編P 112 ~ 117 ▼
★各回の復習を総合的に行う。
★物質にものがとける量や,生物の誕生におけるポイントとなる点を確認させる。
重要事項の確認
1 第 16 回の復習
補足知識・留意事項など
【問練習1,3】
⑴ A・Bを 160g の水にあわせて考えると,ホウ酸
はAが 4g,Bは 6g 入っていることになる。
⑵ 最もこいホウ酸水が答えになる。
1 第 16 回の復習
⑴ A~Cの水の量を同じにして考えると理解しやすい。
⑵ 同じ体積で最も重いホウ酸水は最もこいものである。
⑶ 水 100g にホウ酸は 5g とけるので,Aは 2g,Bは 4g,Cは 8g ま
⑶ ホウ酸は水 100g に対して 5g とけるので,20g に
ではとけることになる。それぞれにホウ酸を 2g 加えるのでAは 3g,
は 1g とける。だから 40g の水には 2g とけ,80g の
Bは 5g,Cは 7g のホウ酸が入る。その結果AとBはとけ残り,Cは
水には 4g,160g の水には 8g とける。
すべてとける。
2 第 16 回の復習)
【問練習1,3】
⑴ グラフの変化が大きいものから順に並べる。
⑵ 水の量が 1.5 倍だととける量も 1.5 倍になる。
⑶ 60 ÷
(150 + 60)× 100 = 28.57 … 答 29%
⑷ グラフより 20℃の水 150g に 30g までとける。 3 第 17 回の復習
【問練習2,5】
⑴ 直射日光をあててはいけない。ウキクサは水面
をおおう。カワニナはメダカをこうげきする。
2 第 16 回の復習
⑴ 70℃と 20℃のよう解度のちがいが大きいものほどたくさんの結
しょうがあらわれる。
⑵ Bは 60℃の水 100g に 40g とけるので,水 150g にはその 1.5 倍と
けることになる。
⑶ 水よう液Bの重さは 150 + 60 = 210[g],そのうちBの重さは 60g。
こさの公式にあてはめて求める。
⑷ 20℃の水 150g には 30g までとけることに注意。
3 第 17 回の復習
⑵ 23 ~ 27℃が適温である。
⑶ オス…背びれに切れこみがある。しりびれは平行
四辺形。メス…しりびれは三角形。
⑴ めだかの飼育かんきょうを確実に覚えさせる。
⑵ 水温はサーモスタットを使って 20 ~ 30℃に保つ。
⑷ たまごはしりびれの前のところから出てくる。
⑶ オスとメスの区別は図を書かせて確実なものとしていく。
⑸ 水草ごと別の容器に移して育てる。
⑷ たまごが出てくる場所を確認させておこう。
⑹ 解ぼうけんび鏡。明るいところで使用する。
⑸ 親メダカに食べられないように移しかえる。
⑺ Aはのせ台。Bは調節ねじでピントを合わせる。
⑹ メダカのふ化の観察には解ぼうけんび鏡を使う。
⑻ からだのもとができる→目ができる→目が黒くな
⑺ けんび鏡の各部分の名前は確認させておくこと。
り胸びれができるの順。
⑻ 目やからだの形を判断しながら育ち方を理解させる。
⑼ ①ふ化した直後の体長は約 3㎜。
②腹の中には 2 ~ 3 日分の養分がある。
4 第 17 回の復習
【問練習2,5】
⑴ Aははいであり,からだのもとになる。
⑵ 植物の種子において,はいの部分はいである。
⑶ Bは空室で空気が入っている。
⑷ 卵黄と卵白はしょうげきからはいを守る。
⑸ 私たちはふだん無精卵を食べている。
⑹ ふ化させるには 37 ~ 38℃の温度にする。
⑺ かたいからは内部をかんそうから守る。
5 第 17 回の復習
【問練習2,5】
⑴ 無せきつい動物は背骨がない。
⑵ 体温を一定に保つ動物はこう温動物である。
⑶ ほ乳類のほとんどはたい生である。
⑷ 両生類は子と親では呼吸のやり方がちがう。
⑸ ①両生類②背骨なし③魚類④ほ乳類⑤背骨なし
⑥は虫類⑦鳥類
6 第 18 回の復習
【問練習4,6】
⑴ ①はたいばんでありDにあたる。
⑵ たいばんは出産後数分して出される。
⑶ たい児は約 10 か月で誕生する。
⑷ ほ乳類の動物を選ぶ。サメ・エイもたい生。
7 第 18 回の復習
【問練習4,6】
⑴ キジのオスはあざやかな色をしている。
⑵ サケは淡水の川で産卵する。
⑶ 鳥類は親がたまごをあたためる。
⑷ 魚類は最も多くのたまごを産む。
⑼ 腹に卵黄が残っているので 2 ~ 3 日はえさをとらない。
4 第 17 回の復習
⑴ ニワトリのたまごの各部分の名前は図に書かせて覚えさせる。
⑵ はいはからだのもとになる部分。植物と比べてみる。
⑶ 気室にははいが育つのに必要な空気が入っている。
⑷ 卵黄と卵白には養分が入っているとともに,はいを守る役目もしている。
⑸ 受精したたまごを有精卵,受精していないたまごは無精卵。
⑹ 親鳥の体温(38 ~ 41℃)より少し低い温度であたためる。
⑺ からはたまごの内部を守り,かんそうを防ぐ。
5 第 17 回の復習
⑴ 動物は大きくせきつい動物と無せきつい動物とに分けられる。
⑵ 鳥類とほ乳類は恒温動物である。
⑶ 産まれ方には卵生ととたい生があり,ほ乳類はたい生。
⑷ 両生類は子はえら呼吸,親は肺呼吸である。
⑸ それぞれの動物が何類であるかを考えて,その特色からあてはめて
いく。P151 の下の分類表を参考に説明する。
6 第 18 回の復習
⑴ 受精が行われるのはAの卵管の部分である。
⑵ 出産後数分してたいばんが出される。これを後産という。
⑶ 受精してから誕生までは約 38 週(266 日)である。
⑷ ほ乳類のほとんどはたい生。サメは魚類だけどたい生である。
7 第 18 回の復習
⑴ おすはあざやかな色で,めすは地味な色である。
⑵ サケは海より危険度の少ない川に産卵する。
⑶ 鳥類は子は親の保護を受けて育てられる。
⑷ 魚類は産卵数は多い。親に守られるものは産卵数は少ない。