新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 1 身のまわりの物質・身近な物理現象 ◆指導ページ P. 2~ 5◆ 【指導のねらい】 ★物質の分類ができる。物質の状態変化を利用した分離方法を理解する。 ★いろいろな気体の種類と性質を理解する。質量パーセント濃度や溶解度について理解する。 ★光の反射や屈折について起こる現象を理解する。音の大きさと高さについて理解する。 ★力の種類,圧力,水圧,浮力について理解する。 学 習 内 容 1 物質の性質・状態変化 ⇒確認 1,演習 1,2 こうたく ・金属…光沢がある。うすく広がる。電気や熱をよく通す。 ・有機物…炭素をふくむ化合物。燃やすと二酸化炭素が発生 補足知識・留意事項など 1 物質の性質・状態変化 試「磁石につく」 「塩酸にとける」は金属共通の性質ではない ことを説明する。 試砂糖,デンプン,PET,エタノールなども有機物である。 する。⇔無機物 3 3 ・密度〔g/ c m 〕=質量〔g〕÷ 体積〔c m 〕 暗記 ・状態変化…固体梶液体梶気体。質量は変化しない。 ①融点…固体がとけて液体に変わる温度 とう ②沸点…液体が沸騰して気体に変わる温度 ・蒸留…液体を沸騰させ,出てきた気体を冷やして液体にし て取り出す操作。 2 気体の性質・水溶液 ⇒確認 2,演習 3,4 ・気体の集め方…水にとけにくい気体→水上置換 (法) 水にとけやすく,空気より軽い→上方置換 (法) 水にとけやすく,空気より重い→下方置換 (法) ・溶解度…一定量(1 0 0 g)の水にとける溶質の限度の量。 ・再結晶…物質をとかし,再び結晶として取り出す操作。 ・質量パーセント濃度…濃度の表し方の1つ。溶質の質量が 溶液全体の質量の何%にあたるかで表したもの。 暗記 溶質の質量[g] 質量パーセント濃度[%]= ×100 溶液(溶媒+溶質)の質量[g] 無機物は,二酸化炭素,ガラス,食塩など。 試状態変化では物質の性質は変化せず,加熱梶冷却によって もとの状態に戻すことができることを説明する。 試水とエタノールの混合液(ワインやみりんなども含む)の蒸 留では,純粋なエタノールは得られないことを,理由「水 は100℃にならなくても蒸発するから」とともに教える。 2 気体の性質・水溶液 試おもな気体の性質 気体名 空気より 水素 軽い 酸素 少し重い 二酸化炭素 重い アンモニア 軽い 窒素 少し軽い 水に 溶けにくい 溶けにくい 少し溶ける よく溶ける 溶けにくい 水溶液の性質など 中性,燃焼して水になる 中性,物質の燃焼を助ける 酸性,石灰水を白濁させる アルカリ性,刺激臭 中性,空気の約 8 0 % 試指示薬の変化 リトマス紙 BTB溶液 フェノールフタレイン液 酸性 青→赤 黄色 変化なし 中性 変化なし 緑色 変化なし アルカリ性 赤→青 青色 赤色になる 3 光と音 ⇒確認 3,演習 4,5 ・光の反射…入射角 =反射角 暗記 ・光の屈折…入射した光が境界面で折れ曲がる現象。 ①空気→ガラス・水…入射角>屈折角 ②ガラス・水→空気…入射角<屈折角 ③全反射…②で入射角が大きいと,すべて反射する現象。 ・凸レンズと像…焦点との位置関係によって変化。 理解 3 光と音 試入射角,反射角,屈折角は,境界面に垂直な線と光のなす 角であることを確認する。 試空気中から直方体ガラスなどに入射した光と屈折して空気 中に出てくる光が平行になることにもふれるとよい。 試像のでき方…陰~韻のうち2本作図すればよい ①実像…スクリーンにうつる像。 ①軸に平行な光線は,屈折して焦点を通る ②虚像…焦点の内側の物体をレンズごしに見た像。 ②凸レンズの中心を通る光線は直進する ・音の大きさ…振幅が大きいほど大きな音。 ・音の高さ…振動数が多いほど高い音。 ③焦点を通った光線は,屈折して軸に平行に進む 試実像と虚像の作図…実像も虚像も,物体が焦点に近づくほ ど,できる位置が凸レンズから遠くなり,像は大きくなる。 4 力と圧力 ⇒確認 4,演習 6 ・重力…地球が物体を引く力。作用点は物体の中心にする。 2 ・圧力…面積1 m あたりを垂直に押す力。 暗記 力の大きさ[N] 圧力[Pa (N/ m2)]= 力がはたらく面積[m2] ・大気圧…空気に重力がはたらくことによって生じる。 試音は,空気中だけでなく,固体中や液体中でも伝わること を,糸電話,プールで水中にもぐっても音が聞こえること などの例をあげて説明する。 試光の速さ(毎秒約30万 km)を教えてもよい。速さを使った 簡単な計算ができるようにする。 試音の大きさと高さは,モノコードなどの例を用いる。 ・水圧…水に重力がはたらくことによって生じる。深さが深 いほど大きい。あらゆる向きにはたらく。 理解 ・浮力…水中の物体が水から受ける上向きの力。物体の上面 と下面にはたらく水圧の大きさの違いによって生じる。 4 力と圧力 試 1Nは,1 0 0 gの物体にはたらく地球の重力にほぼ等しい。 試重力は,天体が物体を引く力であることを説明する。 試教科書によっては,圧力の単位として N/ m2を使うものも 暗記 浮力[N]=空気中のばねはかりの値[N] −水中のばねはかりの値[N] あるので,注意が必要である。 試物体が水に浮くか沈むかは,その物体の密度によって決ま る。密度が1 g/ c m3よりも小さい物体は水に浮く。 新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 2 植物・大地の変化 ◆指導ページ P. 6~ 9◆ 【指導のねらい】 ★植物のからだのはたらきを理解する。 ★植物のなかまとそれぞれの特徴を理解する。 ★マグマの性質と火山の関係,火成岩のでき方を理解する。 ★堆積岩の種類と特徴を理解する。地震を起こす波とゆれ方について理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 植物のからだ ⇒確認 1,演習 1,2 1 植物のからだ ・光合成…日光を利用し,葉緑体の中で,二酸化炭素と水 試光合成にかかわる物質の出入りを,しっかりと覚えさせる。 からデンプンと酸素をつくる。 理解 試細胞の中の葉緑体の部分だけにデンプンができることを確 ①あたためたエタノール…葉の緑色をぬく。 ②ヨウ素液…デンプンで青紫色に変わる。 認する。また,表皮や維管束の細胞には葉緑体はない。 試光合成の実験で,以下の点をおさえておく。 ・蒸散…水分が水蒸気になって気孔から体外へ出る現象。 ①植物を暗所に置く理由…葉からデンプンをなくす。 ・維管束…道管と師管の集まり 暗記 ②葉をエタノールにつける理由…葉を脱色してヨウ素反応 ①道管…根で吸収した水や肥料を運ぶ を見やすくする。 ②師管…でつくられた養分を運ぶ 試道管と師管と道管の位置と役割を十分理解させる。 2 植物のなかま ⇒確認 2,演習 3 2 植物のなかま ・種子植物…花をさかせ,種子をつくる。受粉後に,胚珠は 試裸子植物の例として,マツ,イチョウ,ソテツをあげる。 種子に,子房は果実になる。 被子植物と裸子植物を区別するものは「子房の有無」であ ①被子植物…胚珠が子房の中にある。子葉の枚数で,単子 ることをしっかりとおさえる。 葉類と双子葉類に区別される。 試被子植物を双子葉類と単子葉類に見分ける特徴を,しっか ②裸子植物…子房がなく,胚珠がむき出し。 ・種子をつくらない植物…おもに胞子をつくる。シダ植物は, 光合成をして,根,茎,葉の区別があり,維管束をもつ。コ ケ植物は,光合成をする。維管束がなく,からだの表面全 体から水分などを吸収し,雌株と雄株がある。 3 火山と火成岩 ⇒確認 3,演習 4 ・火山岩 石基 ・火成岩…マグマが冷えてできた岩石。 つぶ な粒の石基と,大きな鉱物の粒である はんしょう 斑晶からなる斑状組織。 ・深成岩 ことを教える。 試シダ植物,コケ植物のからだの特徴を整理して覚えさせる。 3 火山と火成岩 ふき出す激しい噴火。 ・三原山…平たい形。黒っぽく (玄武岩),溶岩流が流れる。 試火山岩と深成岩の組織のちがいが,マグマの冷え方による ことをじゅうぶん理解させる。 くろ 試石英・長石・黒雲母については,色・割れ方の特徴なども ・鉱物…長石(白色),石英(無色か白色),黒 (等粒状組織) 雲母(黒色)など。 暗記 試合弁花類は,複数の花弁がくっついて1枚のように見える ・昭和新山…おわん形。白っぽく (流紋岩),岩石や火山灰を 斑晶 (斑状組織) ②深成岩…地下深くでゆっくり冷えた。 うん も しておくこと。 試代表的な火山の特徴 ①火山岩…地表付近で急に冷えた。細か 等粒状組織。 りと覚えさせる。葉脈や根のつくりは,図示できるように おさえておきたい。 たい たい 4 地層と堆積岩 4 地層と堆積岩 ⇒確認 4,演習 5 ・堆積岩の種類 暗記 れき岩 2㎜以上の粒 砂 岩 泥 岩 1 1 6~2㎜の粒 1 1 6㎜以下の粒 試海岸からの距離と堆積物の粒の大きさの違いについてじゅ 粒 が 丸 い } 石灰岩 塩酸で気体が発生 チャート 塩酸で変化なし 凝灰岩 火山灰など かん ・示相化石…その層が堆積した当時の環境がわかる。サンゴ (暖かく浅い海)など。 ・示準化石…その層が堆積した年代がわかる。 うぶんに理解させる。海水面の変化によって堆積物の粒の 大きさが変わることも説明するとよい。 試砂とれき,石灰岩とチャートが区別できるように指導する。 試地層に含まれる示相化石をもとに,環境の変化を説明でき るようにしておく。例)メタセコイヤ→ブナ:寒冷化 試代表的な示準化石の年代を覚えさせる。進化について授業 で軽く触れるのも理解の一助となる。 5 地震 ⇒確認 5,演習 6 ・震源…地震の発生地点。震源の真上の地点が震央。 ・ゆれ…初期微動(速い小さなゆれ)と主要動(大きなゆれ)。 ・初期微動継続時間…震源からの距離に比例する。 理解 ・震度…ゆれの大きさ。0~7(5と6は弱・強)の10段階。 ・マグニチュード(M)…地震の規模(エネルギー)を表す。 ・プレート…地球表面をおおう岩石の層。移動し,地震発生 の原因となる。 5 地震 試2種類のゆれを起こす波の速さが異なること,観測地まで の到達時間の差が初期微動継続時間であることをじゅうぶ んに理解させる。 試観測記録をもとに,P波やS波の速さをを求めさせるなど のほか,震源からの距離,地震発生の時刻を求めさせる計 算に一通りふれておく。 新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 3 物質の成り立ち・化学変化 ⑴ ◆指導ページ P. 14~ 17◆ 【指導のねらい】 ★物質を構成している原子と分子について学ぶ。化学変化を化学式で表した化学反応式で書けるようにする。 ★分解反応について具体例を通じて学ぶ。 ★物質の化合を,具体例を通じることで理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 原子と分子・物質の表し方 ⇒確認 1,演習 1,2 りゅう し ・原子…物質をつくる最小の粒子。 1 原子と分子・物質の表し方 試原子は 1 9世紀はじめにドルトンによって提唱され,周期表 は1 9世紀後半にメンデレーエフが発見した。 ①それ以上分けられない。 ②種類によって質量や大きさが決まっている。 ③化学変化で変わったり,新しくできたり,なくなったり 試原子の種類のことを元素と呼ぶ。このことから原子の記号 を元素記号という。 試分子の存在は 1 9世紀前半にアボガドロが提唱した。時系 しない。 ・分子…原子がいくつか結びついている粒子。 列的には,ドルトンの原子→アボガドロの分子→メンデ ・単体と化合物 レーエフの周期表となる。 ①単体…1種類の原子だけでできている物質。 試よく使う化学式は暗記させておくとよい。 ②化合物…2種類以上の原子が結びついている物質。 試日常的に目にする物質はほとんどが化合物で,特別につく ・化学式…原子の記号で物質のつくりを表したもの。 ①分子をつくる物質…原子の種類と数で表す。 ②分子をつくらない物質…最小の単位に代表させる。 らなければ純粋な物質を目にすることはほとんどない。 試水道水にも消毒に使われる塩化物などが微量に含まれてい るため,厳密に言えば混合物である。化学実験などで使う ・化学反応式…化学式を用いて化学変化を表す。反応の前後 水にはそういった不純物を取り除いた純水が使われる。 で,各原子の数が等しくなるように係数をつける。 理解 試一般的に分子どうしが集まる力より,原子が結びついて分 水 モデル O 水素 O H H H H 水分子2個 化学反応式 2H2O 分子 原子 の数 の数 HH + 酸素 HH + O O 子をつくる力の方が強い。このことから,分子をつくる物 質の沸点や融点は低いことが多い。 水素分子2個 酸素分子1個 2H2 + O2 1は 分子 原子 書かない の数 の数 2 分解 ⇒確認 2,演習 1,2 ・分解…1種類の物質から2種類以上の物質ができる変化。 ①炭酸水素ナトリウムの分解 炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素 (2 Na HCO3→ Na CO3+ H2O+ CO2) 2 2 分解 試炭酸水素ナトリウムの分解における注意点。 ①試験管の口を少し下げる…発生した水が加熱部分を急激 に冷やして試験管が割れるのを防ぐため。 ②ガラス管を取り出してから火を消す…火を消して試験管 ②酸化銀の分解…酸化銀→銀+酸素(2 Ag2O→ 4 Ag+ O2) が冷えると内部の圧力が下がり,石灰水が逆流して試験 ③水の電気分解…水→水素(陰極)+酸素(陽極) 管が割れるのを防ぐため。 (2 H2O→ 2 H2+ O2) 試水素は,火を近づけると音を出して燃え,水になる。 ※水素と酸素の体積の比は2:1 試水酸化ナトリウムを加える理由…他の電解質を代用した場 ※電流を通すため,水酸化ナトリウムなどを加える。 合,水素と酸素以外の物質が発生してしまう。例えば水酸 ④塩化銅水溶液の電気分解…塩化銅→銅(陰極)+塩素(陽極) 化ナトリウムの代わりに塩化ナトリウムを入れた場合,陽 (CuCl u+ Cl ) 2→ C 2 極から塩素,陰極から水素が発生してしまう。 ※水溶液の青色がしだいにうすくなっていく。 試塩素…刺激臭のある黄緑色の気体。漂白作用がある。水に よく溶ける。有毒。 3 化合 ⇒確認 3,演習 3,4 ・化合…2種類以上の物質が結びついて,別の1種類の物質 (化合物)ができる変化。 ・酸素との化合…物質が酸素と化合することを酸化といい, 特に熱や光を出しながら激しく酸化することを燃焼という。 ①銅+酸素→酸化銅 (2 Cu+ O2→ 2 CuO) ②マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム (2 Mg+ O2→ 2 MgO) ③炭素+酸素→二酸化炭素 (C+ O2→ CO2) ④水素+酸素→水 (2 H2+ O2→ 2 H2O) ・硫黄との化合…硫化物ができる。 ①鉄+硫黄→硫化鉄 (Fe+ S→ Fe S) ②銅+硫黄→硫化銅 (Cu+ S→ CuS) 3 化合 試マグネシウムは燃焼の際に非常に強い白い光を発する。 試酸化マグネシウム…白色,電気を通さない,塩酸に溶ける が気体は発生しない。 試水素と酸素が化合するとき,水素と酸素の化合する体積比 は2 :1である。 試硫化鉄ができる反応が始まれば,自身の反応熱で反応が進 んでいくため,反応が始まったところで加熱をやめる。加 熱を続けると,熱で試験管が割れる恐れがある。 試硫化鉄…黒色,磁石につかない,塩酸に溶けて特有の刺激 臭のする気体(硫化水素)を発生させる。 試硫化水素…特有の刺激臭(卵の腐ったようなにおい)がする。 新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 4 化学変化 ⑵・化学変化のきまり ◆指導ページ P. 18~ 21◆ 【指導のねらい】 ★酸化と還元について,具体例を通じて理解を深める。 鉱物から鋼鉄を製錬する方法を学び,金属の酸化を防ぐ工夫について学ぶ。 ★ 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 酸化と還元 ⇒確認 1,演習 1,2 1 酸化と還元 ・酸化…物質が酸素と化合すること。 試生物のからだの中でも,おだやかな酸化が起こっている。 ・還元…酸化物から酸素を取り除く化学変化。還元が起こる ときには,同時に酸化も起こる。 理解 炭水化物などの栄養分を酸化して二酸化炭素と水に変化さ せるときにエネルギーを得ている。 ・酸化銅の還元 試酸化銅の還元の際の注意点 ①炭素による還元…酸化銅が還元され,炭素が酸化される。 酸化銅+炭素→銅+二酸化炭素 ①ガラス管を石灰水から引きぬいてから火を消す…石灰水 が逆流してガラス管が割れるのを防ぐため (2 CuO+ C→ 2 Cu+ CO2) ②火を消した後,ゴム管を目玉クリップでとめる…酸素が ②水素による還元…酸化銅が還元され,水素が酸化される。 中に入り込んで,銅が再び酸化されるのを防ぐため。 試酸化銅を水素によって還元したときには,水素が酸化され 酸化銅+水素→銅+水 て水ができる。 (CuO+ H2→ Cu+ H2O) 2 化学変化と熱 2 化学変化と熱 ⇒確認 2,演習 3 ・発熱反応…熱エネルギーを放出。温度が上がる。 試現在のかいろは単純に酸化鉄ができるのではなく,酸素と ①鉄+硫黄→硫化鉄+ 熱エネルギ− 水が同時に鉄と反応し,水酸化鉄ができる反応を利用して ②鉄+酸素→酸化鉄+ 熱エネルギ− (化学かいろに利用) いるものが多い。 ③酸化カルシウム+水→水酸化カルシウム+ 熱エネルギ− ①鉄粉…これが酸化して発熱する。 ④有機物 + 酸素 → 二酸化炭素+水+ 熱エネルギ− ②活性炭…表面の微孔に空気を取り込んでいる。 。 ・吸熱反応…熱エネルギーを吸収。温度が下がる。 ③食塩…酸化の反応を促す。 ○ 塩化アンモニウム+水酸化バリウム+ 熱エネルギ− ④バーミキュライト…いわゆる保水土。水分を蓄える。 →塩化バリウム+アンモニア+水 ⑤水…鉄がさびるのを助ける。 試ここでは未習だが,中和反応も発熱反応である。 ・硫酸と水酸化バリウムを混ぜる→白色の硫酸バリウムが 3 化学変化と質量 ⇒確認 3,演習 1,2,4 ・質量保存の法則…化学変化の前後で物質全体の質量は変化 しない。 理解 沈殿が生じる。など 硫酸+水酸化バリウム→硫酸バリウム+水 ※このとき,物質をつくる原子の組み合わせは変わるが, 3 化学変化と質量 原子の種類と数は変わらない。) ①気体が発生する反応…密閉していない容器では,発生し た気体が空気中へ逃げ,全体の質量は減少する。 ②金属の酸化…化合した酸素の分だけ質量が増加する。 ※①,②とも,密閉した容器の中で反応させる場合は,反 試質量保存の法則を理解し,化学変化において,反応に関わ る物質の質量比は一定であることを理解する。 試物質全体の質量の変化 ①石灰石(炭酸カルシウム)に塩酸を加える→二酸化炭素が 発生し,空気中に出て行く→質量が減る 応の前後で全体の質量は変化しない。 ・化学変化と質量の割合(定比例の法則)…化学変化で,反応 に関わる物質の質量の比は一定である。一方の物質に過不 足があるときは,多い方の物質が反応せずに残る。 ②空気中で銅を加熱する→銅と酸素が化合する。化合した 酸素の分だけ質量が増える。 例:銅+酸素→酸化銅 試化学変化にかかわる物質の質量比の例 ①銅と酸素の化合 Cu:O=4:1 ②マグネシウムと酸素の化合 Mg:O=3:2 ・化合物をつくる物質の質量の比…一定である。 ①鉄と硫黄の化合 化学反応式 Fe + S → Fe S ①酸化銅 CuOでは Cu:O=4:1 質量比 7 : 4 : 1 1 ②酸化マグネシウム MgOでは Mg:O=3:2 ②銅と硫黄の化合 2.4 酸化銅の質量 酸化銅の質量 2.0g 2.0 化合した 酸素の質量 1.6 1.2 0.8 〔g〕 0.4 0 0 酸化銅 もとの 銅の質量 質量比 2 : 1 : 3 0.4g 1 : 1.6g 4 銅:酸化銅の質量比 銅 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 銅の質量〔g〕 4:5 化学反応式 Cu + S → CuS 新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 5 生物の細胞・刺激と反応 ◆指導ページ P. 22~ 25◆ 【指導のねらい】 ★生物の細胞のつくり,生物のからだをつくる細胞について理解する。 ★動物の分類とその特徴について理解する。 ★刺激や命令の信号の伝わり方を理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 生物の細胞 ⇒確認 1,演習 1,2 1 生物の細胞 ・植物細胞と動物細胞に共通したつくり 暗記 試葉緑体,液胞,細胞壁は植物細胞にしかないことを覚えさ ①核…1個の細胞に1つある。染色体を含み,酢酸カーミ ン液や酢酸オルセイン液などの染色液に染まる。 ②細胞質…核のまわりを満たしているもの。 せる。特に,細胞膜と細胞壁の区別をしっかり確認する。 試液胞は老廃物の蓄積によってできるもので,植物細胞の老 化とともに大型化し,その膨圧によって細胞壁の緊張を保 ③細胞膜…細胞質の外側をおおっているうすい膜。 ・植物細胞だけに見られるつくり 暗記 つぶ ①葉緑体…緑色の粒。光合成を行う。 つ。 試染色液の種類による色の変化 酢酸カーミン溶液…赤色 ②細胞壁…細胞膜の外側にあるじょうぶな仕切り。 酢酸オルセイン溶液…赤紫色 ③液胞…不要物などをふくむ液で満たされた袋。 酢酸ダーリア溶液…青紫色 ふくろ ・単細胞生物…からだが1つの細胞でできている生物。 試「生物の観察」の復習として,ゾウリムシやアメーバは単 ・多細胞生物…多数の細胞でからだができている生物。 細胞生物だがミジンコは多細胞生物,などと確認するのも よい。 例…ゾウリムシ,アメーバ,ミカヅキモなど 2 動物のなかま・進化 2 動物のなかま・進化 ⇒確認 1,演習 1,2 ・食物と動物…肉食動物と草食動物に分けられる。 暗記 試肉食動物の目は広い範囲を立体視でき,えものまでの距離 ①肉食動物…目が前向き,犬歯が発達。 を正確につかむ。草食動物の目は後方まで広い視野をもち, ②草食動物…目が横向き,臼歯が発達。 周囲を警戒することに役立っていることを説明する。 ・恒温動物…外界の温度が変化したとき,体温をほぼ一定に げる。特に間違えやすい動物として,クジラやイルカ,コ 保つことができる。橿変温動物 ウモリ,ペンギン,カメ,ヤモリとイモリは例示する。 ・胎生…母親の体内で育て,子を産む。橿卵生 ・セキツイ動物…背骨がある動物。 暗記 分 類 ホニュウ類 鳥 類 体温 恒温 変温 魚 類 試卵は乾燥に弱いため,中身を殻や粘液で覆って乾燥を防ぐ 体表 おもな動物 必要がある。生む卵や子供の数が少ない動物ほど,子供が 毛 サル・クジラ 親になるまで成長する割合は少なくなる。魚類は総じて生 羽 毛 スズメ・ハト うろこ・こうら ヘビ・カメ 呼吸器官 胎 生 卵 生 殻がある ハチュウ類 両生類 ふえ方 試セキツイ動物の5つのグループに属する動物をいくつかあ 肺 子:えら 卵 生 親:肺 うすい皮ふ カエル・イモリ 殻がない え ら うろこ フナ・コイ ・無セキツイ動物…背骨がない動物。 暗記 む卵の数が多い。 試節足動物のからだのつくり ①昆虫 頭部…1対の触覚,口,脳などがある。 胸部…あしが3対,羽がついている。 ①節足動物…節のある足と,外骨格をもつ。 腹部…気門や消化器官がある。 ②軟体動物…内臓を守る外とう膜がある。貝,イカ,タコ ②甲殻類のなかま…エビ,カニ,オキアミ,フジツボ,ミ ジンコなど。 など ・相同器官…形やはたらきがちがっても,もとは同じ器官で ③クモのからだ…頭胸部と腹部にわかれている。頭胸部に あしが4対ある。 あったもの。 ・進化…生物が長い時間をかけて,代を重ねる間に変化する 試シソチョウは鳥類が現れ始めた中生代に存在していたと考 えられている。 こと。 3 刺激と反応 ⇒確認 1,演習 1,2 ・感覚器官…外界からの刺激を受け取る器官。 目(光),耳(音),皮膚(温度や圧力)など。 ・神経系…脳,せきずいと全身の神経。 ①中枢神経…脳(大脳など),せきずい。 まっしょう ②末梢神経…感覚神経,運動神経など。 ・反射…大脳を経由せず,無意識に起こる反応。危険から身 い を守る。生命を維持する。 理解 ・骨格と筋肉…関節をはさむ一対の筋肉の一方が縮み,他方 がゆるんで骨格を動かす。 ・けん…筋肉の先の丈夫なつくり。 3 刺激と反応 試刺激を受けるのは感覚器官だが,それを知覚し,判断する のは脳の役割であることを確認しておく。 試網膜に映る像は上下左右がさかさまの倒立像である。これ は脳が修正して視覚として認識している。 試耳には音を聞く以外にも,平衡感覚をつかさどる器官であ る三半規管を持つ。短い時間に何回も回転するなどして, 三半規管の感覚がくるうと,平衡感覚を失ってしまう。 試刺激と命令の経路はしっかり覚えさせる。 試反射の例をいくつかあげる。熱いものにふれて手を引っ込 める,口の中に食物が入るとだ液が出てくる,など。 新演習 夏期必修テキスト 理科中2 指導のポイント 6 動物のからだのはたらき ◆指導ページ P. 26~ 29◆ 【指導のねらい】 ★食物中の栄養分の消化と吸収について理解する。 ★呼吸のしくみを理解する。 ★血液の循環のしくみ,肝臓やじん臓のはたらきについて理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 消化と吸収 ⇒確認 1,演習 1,2 1 消化と吸収 ・消化…栄養分を体内に吸収しやすい物質に分解する。 ・消化酵素…消化液に含まれ,特定の養分を分解する。酵素 試炭水化物,タンパク質,脂肪は3大栄養素と呼ばれている。 炭水化物は,米や小麦といった穀物類やいも類,糖質に多 自身は変化しない。体温に近い温度ではたらく。 暗記 く含まれる。タンパク質は牛肉や魚などの肉類に含まれる ①だ液のアミラーゼ 他,大豆や卵,牛乳にも多く含まれている。 ②胃液のペプシン 試消化酵素の特徴 ③すい液のトリプシンやリパーゼ ①決まった物質にのみはたらく。 ・吸収…小腸の柔毛から吸収される。 ②自分自身は変化せず,繰り返しはたらく。 ・ベネジクト液…ブドウ糖がつながった分子をふくむ液に入 ③体温と同じくらいの温度でよくはたらく。 かっ ちんでん れて加熱すると,赤褐色の沈殿を生じる。 ※消化酵素は一度変性してしまうと,再び温度を下げても 機能しなくなってしまう。 試小腸の柔毛や肺の肺胞は,物質との接触面積を大きくして, 2 呼吸 ⇒確認 2,演習 2 ・肺の呼吸…酸素を血液中に取りこみ,二酸化炭素を体外に 出す。 理解 血液への養分の吸収や血液との気体の交換の効率をよくす るつくりであることを必ず説明する。 ・肺のつくり…多数の肺胞のまわりを毛細血管が取りまく。 表面積が大きくなり,気体を効率よく交換できる。 試胆汁は,消化酵素が含まれておらず,脂肪の消化を助ける はたらきをしている。また,胆汁は肝臓でつくられる。 ・細胞の呼吸…酸素を使って栄養分からエネルギーを取り出 す。 理解 2 呼吸 試肺胞のまわりを多数の毛細血管が取り巻いている理由は, 栄養分+酸素→二酸化炭素+水+エネルギー 表面積を増やして気体の交換の効率を上げるためである。 試「細胞の呼吸」は,教科書によっては, 「内呼吸」の語を用 3 循環・排出 ⇒確認 3,演習 3,4 ・血液の成分 暗記 白血球 細菌などを 分解する いて説明してもよい。 酸素を運ぶ 3 循環・排出 赤血球 酸素 組織液 は酸素と結びつき,酸素の少ないところでは酸素をはなす 栄養分 二酸化炭素 血しょう 血小板 血液を固める 栄養分や不要物 を運ぶ 不要物 試赤血球にふくまれるヘモグロビンは,酸素の多いところで 性質をもつ物質で,酸素と結びつくと鮮赤色になり,酸素 細胞 を失うと暗赤色になる。 試「心房」 「心室」の語句とともに,心臓を中心とした血液の 毛細血管 流れはしっかり覚えさせる必要がある。 ①ヘモグロビン…赤血球に含まれる赤い色素。酸素の多い 試肝臓のはたらきはまとめて板書し,重要だと強調するとよ ところでは酸素と結びつき,酸素の少ないところでは酸 い。詳しくは下記の通り。 素を離す。 ①ブドウ糖をグリコーゲンに合成して蓄える。ブドウ糖が ②組織液…血しょうが毛細血管からしみ出したもの。 血液に大量に含まれると血液が流れにくくなるため,必 要なときにブドウ糖に分解する。 ・血液の循環…肺循環と体循環がある。 ①動脈…心臓から送り出される血液が流れる。 ②アンモニアを尿素に変える。 ②静脈…心臓に戻る血液が流れる。逆流を防ぐ弁がある。 ③古くなった赤血球を分解し,胆汁をつくる。胆汁は脂肪 あみ ③毛細血管…全身に網の目のように分布する。動脈と静脈 試じん臓のはたらき をつなぐ。 ・肝臓のはたらき 理解 ①血液中の尿素などの不要物を血液中からこし取り,尿と ①小腸で吸収した栄養分をたくわえ,必要に応じて血液中 して排出させる。 ②有害な物質を無害な物質に変える。 たんじゅう ③不要物以外に,水やブドウ糖,アミノ酸などの養分も一 ③胆汁をつくる。 ・じん臓での排出…血液中の不要物を水とともにこし出して かく ○細胞の活動で生じたアンモニアは,肝臓で比較的無害な 尿素に変えられ,じん臓でこしとられる。 して排出させる。 ②食塩などの無機物の濃度を調節する。余分なものは尿と に出す。 尿をつくる。 理解 の分解を手助けする。 度じん臓でこし出される。その後,からだに必要な分は 再び吸収される。
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