平成26年度 学 力 向 上 プ ラ ン 釧路市立桜が丘小学校 1 昨年度の学力向上に向けた取組の成果と課題 スマイルルーム(通級指導教室)や3年生以上の習熟度別指導や放課後学習、長期休業中の学習 支援などで、一人一人に応じたきめ細かい指導を継続した結果、一定の成果がみられる。また、家 庭学習の習慣もほぼ定着してきた。 <成果>①家庭学習の習慣はついてきている。(家庭数の 99 % 前年度 65 %) ②保護者アンケートから、学校の個に応じたきめ細かな指導や授業づくりに対して一定の 評価を得ている。 <課題>①家庭学習『学年× 10 分』以上の定着率が 65 %であり、目標(70 %)を下回っている。 ②学習意欲の向上や学習習慣の定着についての指導が必要な児童が固定化されている。 ③習熟別指導の時数増やコースの充実、放課後学習や長期休業中の学習支援を効果的に行 うなど、個に応じた指導体制のより一層の確立が必要である。 2 今年度の学力向上に向けた取組計画 (1) 学力向上推進の重点 1 2 3 4 5 (2) 学習に向かう姿勢や意識を高め、集中して学習に取り組ませる。 生活習慣を見直し、家庭における学習習慣づくりの取り組みを充実させる 算数科における習熟度別少人数指導を推進し、個に応じた指導をより一層の充実させる。 長期休業中や放課後における学習支援の充実を図る。 「授業で勝負」を実践し、より一層授業の工夫、改善に努める。 学校全体の取組計画 <視点① 授業づくり> ・算数科における習熟度別指導を3年生以上の学年で2~3グループ、5・6年生については年 間数単元で学年4グループでの少人数指導を実施する。 ・少人数指導へのスムーズな実施に向け、2年生から TT 授業を導入する。 ・学級経営を基盤とした学習規律、ルールについて全教職員で再確認し、6年間を見通した各学 年での指導の徹底を図る。 ・校内研修において研修テーマに基づく授業づくりに取り組むとともに、全員公開授業を原則と して授業研究を行い、授業力の向上に努める。 ・チャレンジテスト等を効果的に実施するとともに、CRT 学力検査、全国学力・学習状況調査の 分析をもとに課題の把握、授業改善の全校的な取り組みを行う。 <視点② 環境づくり> ・非常勤講師を活用し、効果的に学習サポートを行うために2~5年生において放課後学習によ る学習サポートを実施する。放課後学習は、月曜日3学年、火曜日2学年、水曜日4・5学年 で1時間程度行う。 ・長期休業中の学習支援日への参加人数を増やすため保護者に配布した「年間行事計画」に期日 を明記するなど工夫し、主体的に学習に取り組める場づくりに努める。 ・スマイルルーム(通級指導教室)の機能を発揮し、より一層きめ細かな指導の充実を図る。 ・日常的に教育相談が行われる雰囲気や環境づくりに心がける。 <視点③ 習慣づくり> ・生活リズムチェック票を活用し、自らの生活を見直す指導を通して、生活習慣の確立を図る。 ・家庭学習について、統一的、系統的な指導内容、方法等を検討し、宿題や家庭学習ノートを通 して家庭との連携を強化し習慣化を図る。家庭で『学年×10分』以上家庭学習をしている割 合の70%以上を目指す。 ・保護者アンケートに家庭学習に関する自己評価を加えるなど保護者の意識の高揚を図る。 ・各種調査等で明らかになった学力を支える要因や情報(テレビ・DVD視聴時間のルール作り など)を学校だよりや家庭訪問、懇談会を通して保護者に提供していく。 3 釧路市標準学力検査の活用による児童生徒の課題改善のための取組 (1)釧路市標準学力検査から明らかになった自校の課題 【教科に関する調査の結果】 第3学年【国語】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点→なし ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「話す・聞く能力」 ・「読む能力」 ・「関心・意欲・態度」 ・「知識・理解・技能」 ○平均正答率で目標値を下回った観点 ・「書く能力」 (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「作文」、「ことばの学習」に課題がある。 ・領域では、「書くこと」、観点では、「書く能力」に課題がある。 第3学年【算数】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点→なし ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「関心・意欲・態度」 ・「数量や図形についての技能」 ・「数量や図形についての知識・理解」 ○平均正答率で目標値を下回った観点 ・「数学的な考え方」 (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「たし算・ひき算」と「10000までの数・分数」に課題がある。 【生活・学習意識調査の結果】 ・家庭学習(目標値:学年×10分 70%) 目標値以上77.1% ・家で宿題を「どちらかといえば」を含め97.2%が「している」 ・国語の授業「分からないことが多い」20%(釧路市12.5%) ・1日あたりのテレビ視聴時間(平日)2時間以上 54%(釧路市50%) ・「いじめはどんな理由があってもあってはいけない」100% ・「学校のきまりを守っていますか。」(どちらかといえばも含)97.1% 第4学年【国語】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点→なし ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「読む能力」 ・「知識・理解・技能」 ○平均正答率で目標値を下回った観点 ・「関心・意欲・態度」 ・「話す・聞く能力」 ・「書く能力」 (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「話し合いの内容を聞き取る」「言葉の学習」「ノートのメモと文章を読み 取る」「作文」に課題がある。 ・領域「話すこと・聞くこと」「書くこと」に課題がある。 第4学年【算数】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点→なし ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「関心・意欲・態度」 ・「数量や図解についての技能」 ・「数量や図解についての意識・理解」 ○平均正答率で目標値を下回った観点 ・「数学的な考え方」 (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「□を使った式」「ぼうグラフと表」に課題がある。 ・領域では、「数量関係」、観点では「数学的な考え方」に課題がある。 【生活・学習意識調査の結果】 ・家庭学習 1時間以上45.6%、30分~1時間 45.7% 1時間未満8.7% ・家で宿題を「どちらかといえば」を含め97.8%が「している」 ・「いじめはどんな理由があってもあってはいけない」100% ・「学校のきまりを守っていますか。」(どちらかといえばも含)100% 第5学年【国語】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点 ・「話す・聞く能力」 ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「関心・意欲・態度」 ・「言語についての知識・理解・技能」 ・「読む能力」 ○平均正答率で目標値を下回った観点 ・「書く能力」 (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「作文」に課題がある。 ・領域では「書くこと」、観点では「書く能力」に課題がある 第5学年【算数】 (1)目標値との比較 ○平均正答率で目標値を上回った観点 ・「数学的な考え方」 ・「数量や図形についての技能」 ○平均正答率で目標値と同程度の観点 ・「関心・意欲・態度」 ・「数量や図形についての知識・理解」 ○平均正答率で目標値を下回った観点→なし (2)改善すべき課題 ・問題の内容では、「計算のふく習」、「面積」に課題がある。 【生活・学習意識調査の結果】 ・テレビ、ラジオ、DVD を見たり聞いたりする時間(平日)4時間以上26.9%(釧路市 7.2%) ・テレビゲーム、インターネット、コンピュータゲーム(平日)4時間以上19.2%(釧 路市9.4%) ・家で宿題を「どちらかといえば」を含め98.1%が「している」 ・「学校きまりを守っていますか。」(どちらかといえばも含め)100% ・(どちらかというとを含め)「いじめはどんな理由があってもあってはいけない」100% ・国語の授業「分からないことが多い」「ほとんど分からない」7.7%(釧路市8.4%) (2)課題改善のための補充的な指導の計画(7月~9月) 1 夏休みの学習支援日の活用 (1)7月28日~7月31日の4日間、学校で2時間程度の補充学習を行う。 (2)国語と算数を中心とし、フォローアップシートなどのプリントや教科書を使用するなど、可 能な限り児童の実態に応じた内容で行う。 (3)事前に指導内容(CRT で課題となった内容)を児童や保護者に周知し参加を呼びかける。 (4)学生ボランティアの協力を得て、指導体制の強化を図る。 2 放課後学習の活用 (1)放課後学習の中で前学年の復習も含めて指導する。(9月末日まで) (2)毎週、月曜日:3学年 火曜日:2学年 水曜日:4学年、5学年 1時間程度実施する。 3 授業の中で随時繰り返し指導 (1)算数科では単元にかかわる既習事項を復習するなどして基礎・基本の定着を図る。 (2)国語、社会、生活科では校内研修(言語活動に焦点)に合わせて重点的に授業改善を図る。 (3)必要に応じて家庭学習の課題として繰り返し指導する。 (4)チャレンジテスト、ALL 釧路学力向上八策「学力チョイス」などの活用を通して定着を図る。 4 全国学力・学習状況調査の活用による指導の改善・充実のための取組 (1)全国学力・学習状況調査から明らかになった自校の課題 【教科に関する調査】 国語、算数とも「A問題」(知識・技能)については、平均正答率において全国平均と同程度、 あるいは上回っている。しかし、「B問題」(活用)については平均正答率で全国平均を5~10 %程度下回っている。また、国語、算数の「A問題」では60%近くの児童が全国平均以上の正 答率であるが、全国平均より3問以上正答数が少ない児童が約20%いる。「B問題」では約45 %が全国平均以上であるが、算数Bでは34%程度の児童が全国平均より3問以上正答数が少な くなっている。また、問題形式別では、特に記述式の正答率が全国平均より10%以上低くなっ ている。 国語、算数とも「A問題」 (知識・技能)については、学習指導の成果が見られる。全体的に「B 問題」(活用)への対応が大きな課題であるが、特に中位の児童を引き上げる指導にも目を向けて いく必要がある。また、少人数指導をはじめとする習熟度別や個に対する支援が効果をあげ、基 礎的基本的事項の定着が進みつつも、下位の児童等への継続的な支援が今後も必要である。 課題1:基礎的基本的な内容や既習事項の定着(漢字、計算等)のため、繰り返しの指導を継 続する。 課題2:学習活動において、質問の意図を理解し、筋道を立てて考えたり、異なる事項を関連 させたり、自分の考えを論理的に説明するなどの活動を児童の実態に応じて取り入れ ていく。さらに、学校生活の様々な場面でも論理的に思考し、行動する活動を体験さ せる。 【質問紙に関する調査】 朝食の摂取、睡眠、就寝時刻等の基本的な生活習慣は特に大きな問題はない。 学習習慣についてはほぼ100%近く定着している。しかし、学年×10分以上の家庭学習を 行っている児童は、普段(月~金)、休日とも約65%である。宿題は97%、予習64%、復習 は78%の児童がしていると答え、家で計画を立てて勉強している児童は、83%程度となって いる。 自分には良いところがあると思う児童は81%、難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するとし ている児童は83%である。学校の決まりを守っている児童は90%近く、いじめはどんな理由 があってもいけないと約100%の児童が思っている。また、友だちと話し合うとき、友だちの 話や意見を最後まで聞くことができると98%の児童が答えている。 課題1 家庭学習についての目標である「学年×10分」70%(6年生)の達成を目指して、 継続的に指導していくとともに、学習内容の充実も図っていく。 課題2 いじめやきまりについての規範意識や自己肯定感は高いので、いかに日常の実践化に つなげていくかが課題である。 (2)課題改善のための方策 *学力向上プランの中間評価及び今後の取組 〈視点1〉授業づくり ・日常的に基礎的基本的な事項(「書く」「読む」「計算」等)を徹底するとともに、児童に深く 考えさせる場面や課題を解決していく学習過程を設定するなどの指導方法の工夫を行う。 ・単位時間において本時の目標や学習課題を明示し、まとめの段階でそれらの振り返りや定着の 活動(練習問題やまとめの問題等)を行うなどの学習過程を全校的に取り組む。 〈視点2〉環境づくり ・少人数指導や通級指導の一層の充実を図り、通常学級、特別支援学級との連携を深めながら、 個に応じた指導を継続して行っていく。 ・日常の学習と関連させながら放課後学習や長期休業中の学習支援を活用するよう参加を呼びか け、学習意欲や意識の向上を図る。 〈視点3〉習慣づくり ・全校的な家庭学習への取組(学習の手引き、提出方法、強化週間等)を推進し、学習習慣の形 成と定着、内容の充実を図る。 ・児童の基本的生活習慣や生活リズムの確立、定着を図ることで家庭学習の習慣化につながるよ う、生活リズムチェック表等を活用して保護者への協力依頼、啓発を行っていく。
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