平成 25 年度 新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組 事 業 名 加飾技術の高度化による付加価値向上技術の開発 市町村名 伊勢市 企業等概要 企業等の名称 伊勢金型工業株式会社 代表者氏名 代表取締役 所 在 地 三重県伊勢市柏町 1137-1 連 絡 先 0596-37-1933 U R L http://www.imi-wwg.com/ 中川克己 平成 27 年 1 月現在 【事業者概要】 自動車、電装部品の射出成形金型設計・制作、検具の設計・制作。 フル3次元設計・5軸加工・高速加工により、高効率に高品質な金型を製造。中国(広 州、武漢)、北米(オハイオ)に拠点を持ち、グローバルに事業を展開している。 【事業概要】 ◇背景・経緯 近年、自動車のインテリアや家電製品において、高級感やデザイン性が高いものにユ ーザーニーズが高まっている。本革等の高級感があると認識されている素材は、素材自 体や加工にコストがかかる。大量生産が可能なプラスチックの用途が拡大されてきたが、 プラスチックは冷たく安っぽい印象がある。そのため、木材や皮革等の質感に似せ、見 栄えを良くするための加飾技術が注目されている。 プラスチックの加飾技術のひとつに、金型表面にシボなどの高度な加工を施し、プラ スチックの射出成形と同時に加飾 を施す方法がある。しかし、金型表 面の加工は、化学薬品を使用し鉄を 腐食させて模様をつけるため、複雑 な形状を表現することが難しく、環 境汚染等の課題もある。 本事業は、金型表面への加工を高 度化しプラスチック部品の付加価 値向上を図るもの。 ◇研究開発の概要 金型表面に転写する革模様や木目をデジタル化し、5軸加工機による精密加工により、 射出成形金型を製造する技術を確立する。 本物に近い複雑な模様を表現するため、革の表面形状や、糸の縫い目などをデジタル 化する技術と、金型表面を加工する5軸加工機の工具の種類、冷却・潤滑方式、加工材 料など最適な加工条件を確立する。 【成果】 ◇新規性 ・これまでの加飾技術は、限られた既存のパターンから選択するだけであったが、コン ピュータでデザインを作成することができるため、デザインの自由度が上がる。 ・CGで仕上がりをイメージでき、さらに3Dプリンタにより金型を作る前の試作が可 能。 ・手作業がないため、金型製作までの時間が短縮される。 ◇商品化・販売先 これまでのシボ加工やブラスト(つや消し)処理に加え、革や木目を模した成形や、 幾何学模様等様々な加飾が可能になった。本事業で開発した加飾技術は、自動車メーカ ーのメインパネルや、家電メーカーの製品に採用されている。 金型 成形したプラスチック 幾何学模様のサンプル用金型 【今後の展望】 商品サンプルを展示会やホームページで公開したところ、これまで取引のなかった企 業から引き合いがあり販路が広がった。受注増加に伴い、新たに5軸加工機を増設し、 新規雇用も行った。 多様なデザイン・模様を作る技術の確立により、注文通りの金型を製造する受動型で はなく、メーカーにデザインを提案していく積極型のビジネスモデルができつつある。 主な取引先であった自動車業界だけでなく新たな業界への事業展開を図っており、今 後も事業の拡大が期待される。
© Copyright 2024