「合併に対する意見の相違が生じることとなった原因の主な出来事」 ※第1回会議 資料4「旧青森市・旧浪岡町との合併経緯」から抽出 ○2ページ上段 平成 15 年 4 月に、旧浪岡町で実施された「住民意向調査」の 結果をもって、当時の町長が同年 8 月、合併先を旧青森市と表明し、任意合 併協議会を設置するなど、旧青森市との合併協議が進められた。 ○3ページ中段及び4ページ上段 「住民投票条例の制定」について、平成 15 年 12 月には議員提案、平成 16 年 4 月には住民直接請求がなされ、ともに議 会で否決されたことにより、住民の一部に、不満が増大していった。 ○4ページ下段 合併協議は着々と進められている中、不満を持つ住民の行動 は、町長リコール署名運動に発展し、平成 16 年 9 月 19 日、署名数 7,718 人、 率にして 44.8%に該当する町長リコール署名簿が町選挙管理委員会に提出さ れた。 ○5ページ 町選挙管理委員会は、10 月 9 日、審査の後、有効署名数を 7,112 名と告示したが、署名簿の縦覧及び意義申し立ての最終日である 10 月 16 日 に、町長が約 3,000 名の署名に異議申し立てを行い、町選挙管理委員会で再 審査の必要が生じた。 ○5ページ 最終的に有効署名数が確定したのは 10 月 30 日となったが、その 間に(10 月 26 日)両市町の臨時議会で、合併の議決がなされ、また、翌日(10 月 27 日)には、青森県への申請もなされた。 ○5ページ 町長リコールの投票が告示(12 月 6 日)され、リコール投票(12 月 26 日)が行われる前(12 月 16 日)に県議会で青森市・浪岡町の合併につ いて議決され、総務大臣への届出(12 月 17 日)も行われた。 ○5ページ 町長リコールが成立し、出直し町長選挙で新町長が誕生(平成 17 年 2 月 13 日)したが、既に、青森市・浪岡町の合併について、総務大臣告示 (1 月 18 日)がなされた後であった。 ○6ページ 新町長就任後、青森県議会への合併議決再考要請や青森市・青森 県への合併撤回要請・合併処分取り消し要請を行ったが叶わなかった。 ○6ページ 旧浪岡町として最後の町議会の開催中に、町長リコール投票に関 し、合併推進派議員に買収容疑の逮捕者がでて、町議会が混乱した。 ○6ページ下段 新町長が住民投票条例の制定を提案し、否決されたものの、 最終的には(7ページ)専決処分により、町長部局で青森市との合併の賛否 を問う住民投票が実施され、投票結果は、合併反対が多数であった。 ○このような中で、平成17年4月1日に新青森市が誕生した。 以上のようなことが相まって、浪岡地区の住民間に、合併に関し、さまざま な意見の相違が生じ、わだかまり(しこり)を残すこととなった。 ・別 添・ 「青森浪岡21世紀まちづくりビジョン」 ~オンリーワンのまちづくりを目指して~ AOMORI NAMIOKA 青森浪岡21世紀まちづくり創造会議 目 次 1.市町村建設計画の策定方針 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 1 ①策定の趣旨 ②計画の範囲 ③計画の期間 ④計画の構成 ⑤策定方法 2.市町村合併の背景 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 3 ①少子・高齢化の進行 ②日常生活圏の拡大 ③国・地方を通じた厳しい財政状況 ④地方分権の推進 3.青森市・浪岡町の概況 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 5 ①地域の沿革 ②地域構造 ③地域資源 ④人口構造 ⑤就業構造 ⑥生活圏 4.まちづくりの基本方針 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 19 ①新たなまちづくりの考え方 ②5つの基本視点(まちづくりの方針) ③都市空間形成の考え方と地域別整備方針等 5.主要な施策 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 29 6.合併特例債を活用したプロジェクト ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 33 7.公共的施設の統廃合整備方針 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 37 8.財政計画 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 39 ①財政計画の基本条件 ②財政シミュレーション 9.推進体制 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 47 1.市町村建設計画の策定方針 1.市町村建設計画の策定方針 ①策定の趣旨 少子・高齢化の進行、日常生活圏の拡大、国・地方を通じた厳しい財政状況、更には 地方分権の推進といった社会経済情勢の変化に的確に対応し、循環型で持続発展可能な まちづくりを進めるための一つの手段である市町村合併の取り組みを通して、「住み良 いまち」、「愛着のもてるまち」、「誇れるまち」の実現に向け、地域住民とともに話し合 うため、合併後のまちづくりの方向性を整理する。 ②計画の範囲 青森浪岡21世紀まちづくり創造会議を構成する青森市及び浪岡町とする。 ③計画の期間 合併後11年間とする。(平成17年度から平成27年度まで) ④計画の構成 ・市町村合併の背景 ・青森市・浪岡町の概況 ・まちづくりの基本方針 ~新たなまちづくりの考え方 ~5つの基本視点(まちづくりの基本方針) ~都市空間形成の考え方と地域別整備方針等 ・主要な施策 ・合併特例債を活用したプロジェクト ・公共的施設の統廃合整備方針 ・財政計画 ・推進体制 ⑤策定方法 「青森浪岡21世紀まちづくりビジョン検討委員会」による検討結果を踏まえて、創 造会議において審議し決定する。 -1- 2.市町村合併の背景 2.市町村合併の背景 ①少子・高齢化の進行 わが国における 65 歳以上の老年人口の割合は年々増加傾向にあります。国立社会保 障・人口問題研究所(平成 14 年 1 月推計)によると、平成 12 年には 17.4%であっ たものが、平成 26 年には 25%台に達し、日本の人口の 4 人に 1 人が 65 歳以上にな ると予測されています。 一方、15 歳未満の年少人口の割合は、平成 12 年には 14.6%であったものが、平 成 17 年には 14%台を割り込み、平成 33 年に 12.0%に達し、その後も減少を続け ると予測されています。 このことから、医療や福祉サービスに必要な経費が増えていくことが予想される一方 で、これを支える生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の割合が減少し、税収入等が大 幅に増えることが期待できなくなると考えられます。 ②日常生活圏の拡大 近年の車社会の進展に伴い、通勤・通学・買物など日常生活における行動範囲は、現 在の市町村の区域を越えて拡大してきています。 このため、他の市町村に通勤・通学している人が、昼間のサービスが受けにくいなど、 日常的な生活圏と既存の市町村区域が一致しないことによる不便さが見られるようにな っています。 このこと から、 市町村 の行政サ ービス も広域 的な視点 に立ち 、近隣 の市町村 と一体 的・効率的に行う必要が生じてきています。 ③国・地方を通じた厳しい財政状況 近年、国・地方ともに長期債務残高が急増し、平成14年度末では約700兆円と極め て厳しい財政状況となっています。このような中、国庫補助負担金の改革、地方交付税 の改革、更には税源移譲を含む財源配分の見通しといった「三位一体の改革」が進めら れようとしており、これまでの財政環境が大きく変わろうとしています。 市町村には、財政基盤の強化と今まで以上に効率的な行財政運営を行うことが求めら れてきています。 -3- 2.市町村合併の背景 ④地方分権の推進 従来の中央集権型の行政システムは、我が国の近代化や高度経済成長を推し進めるに あたっては非常に効果的でありましたが、一定の豊かさを実現した今日においては、地 域活力の低下や、地域の多様性の喪失などの問題がみられるようになりました。 このことから、住民に身近な行政の権限をできる限り市町村に移し、地域の主体的な 行政運営を可能とすることによって、これまで以上に地域の特性に適した個性豊かなま ちづくりを可能とするため、地方分権が推進されています。 また、中核市や特例市といった、従来の市と比べより多くの権限が移譲される新たな 都市制度も創設されています。 市町村には、地方分権の流れに的確に対応し、自己決定・自己責任の原則の下、これ まで以上に主体的なまちづくりに取り組んでいくため、政策立案能力の強化や権限移譲 に伴う事務量の増大に対応するための体制づくりが求められています。 -4- 3.青森市・浪岡町の概況 3.青森市・浪岡町の概況 ①地域の沿革 青森浪岡地域は、縄文時代の「三内丸山遺跡」や「小牧野遺跡」、平安時代中期の環 濠集落跡である「高屋敷館遺跡」、戦国の豪族北畠氏の居城跡である「中世城館(浪岡 城跡)」などに見られるように、古から人々の生活の拠点として発展してきたことがう かがえます。 青森市 青森市は、青森県のほぼ中央に位置し、北は陸奥湾に面し、東部と南部には奥羽山 脈の一部をなす東岳山地、八甲田連峰、西部には標高200m前後の丘陵地と、緑豊か な森林地帯を形成しており、恵まれた自然環境に囲まれて市街地が形成されています。 また、「三内丸山遺跡」や「ねぶた祭」に代表される歴史と文化など個性的で調和あ る都市を築く上で様々な資源に恵まれています。青森県の県都、北海道との結節点と して栄え、近年は、青函トンネル・青森自動車道の開通、国際空港の誕生により、行 政や経済、交通、文化の拠点として発展しています。 明治31年(1898年)市制施行以来、昭和2年(1927年)には造道村及び滝内村 の一部を編入、昭和7年(1932年)には大野村北金沢、北片岡、昭和14年(1939 年)には油川町、昭和26年(1951年)には滝内村、昭和29年(1954年)には大 野村、昭和30年(1955年)には筒井町、横内村、高田村、東岳村、荒川村、浜館 村 、 原 別 村 、 新 城 村 、 奥 内 村 、 昭 和 31 年 ( 1956 年 ) に は 後 潟 村 、 昭 和 37 年 (1962年)には野内村と合併し、現在に至っています。 浪岡町 浪岡町は、青森市との境にある丘陵地(里山)や中央部の浪岡川、西部の津軽平野 といった多彩な自然に加え、健康の森(花岡公園、西山公園、湿生公園)や青森県民 の森「梵珠山」など美しい景観に恵まれています。また、第1次産業(農業)が主要 産 業 で 、 特 に り ん ご は 全 国 町 村 第 1位 の 生 産 量 を 誇 っ て お り 、 道 の 駅 「 ア ッ プ ル ヒ ル」では農産物の直売やりんご狩り、紙すきなどの特産物に触れることができます。 更に、「中世の里」として名高く、戦国の豪族北畠氏の居城跡である「中世城館(浪 岡城跡)」や平安時代中期の環濠集落跡である「高屋敷館遺跡」は国指定史跡となっ ており、近年では「なみおか映画祭」、「火の玉探検」などと併せて、県内外から多く の人々が訪れています。 明治22年(1889年)の市制町村制施行により、「浪岡村」、五郷村 、女鹿沢村、 大杉村、野沢村となり、昭和15年(1940年)には町制施行により「浪岡町」が誕 生しました。 昭和29年(1954年)12月15日には浪岡町、 五郷村 、大杉村、野 沢 村、女鹿沢村の1町4村が合併し、さらに昭和31年(1956年)に旧七和村下石川を 編入し、現在に至っています。 -5- 3.青森市・浪岡町の概況 ②地域構造 自然・地形 青森浪岡地域は、青森県のほぼ中央に位置し、南に八甲田連峰や大釈迦丘陵、東に 東岳、西には津軽山脈、津軽平野など、雄大な自然環境に恵まれています。本地域の 気象は冷涼型で、夏は短く冬は長いという特色があります。冬は積雪量が非常に多く、 全域が特別豪雪地帯に指定されています。 土地利用 両市町全体の面積は824.52 k㎡であり、その土地利用構成は、森林(70%)、農 用地(11%)、宅地(5%)などとなっています。 これを個別にみると、青森市は浪岡町に比べ森林の割合が高く、浪岡町は青森市に 比べ農用地の割合が高くなっています。 土地利用構成割合 1% 青森市 7% 1% 3% 73% 6% 9% 1% 3% 3% 3% 30% 浪岡町 53% 7% 1% 合計 0% 11% 1%3% 70% 20% 農用地 40% 森林 原野 5% 60% 水面・河川・水路 80% 道路 宅地 9% 100% その他 資料:青森県土地利用現況把握調査 交通網 青森空 港を共 有し てい る本地 域では 、空 路に より世 界(ソ ウル ・ハ バロフ スクな ど)や県外の主要都市(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)と結ばれており、また、 東北縦貫自動車道やJR奥羽本線、東北本線などにより県外の都市と、更に、東北縦 貫自動車道や津軽自動車道、国道7号や県道青森浪岡線、国道4号、国道101号、国 道103号、国道280号などにより、県内各地と結ばれています。また、青森港から は青森・函館を結ぶ長距離フェリーも就航しています。 -6- 3.青森市・浪岡町の概況 ③地域資源 本地域には、国指定文化財である三内丸山遺跡、小牧野遺跡(青森市)、浪岡城跡、 高屋敷館遺跡(浪岡町)という歴史・文化資源、十和田八幡平国立公園(青森市)や 県民の森梵珠山(浪岡町)などの自然景観資源、日本一おいしい水道水(青森市)や 豊富な地下水(浪岡町)という豊かな水資源、また、那須火山帯に属し古くからの温 泉を数多く有する浅虫温泉や今後の積極的活用が求められている雪資源、ホタテガイ やナマコ、ホヤ、八甲田牛や黒房すぐり(青森市)や全国町村第一位の生産量を誇る りんご(浪岡町)などの食資源、国際芸術センターにおけるアーティストインレジデ ンス、棟方志功生誕の地である「版画のまち」あおもりとしての版画文化(青森市) やなみおか映画祭(浪岡町)などの新たな芸術文化資源を始めとする、個性豊かな、 “ここにしかない”資源がたくさんあります。 -7- 3.青森市・浪岡町の概況 ④人口構造 1)人口の推移 平成12年における両市町の総人口は、約31万9千人となっており、近年では若干 の増加傾向にあります。 これを個別にみると、青森市の人口は平成7年以降微増で推移しており、浪岡町の 人口は平成7年までは減少で推移していますが、平成12年には微増に転じています。 (単位:人) 350,000 316,047 308,782 314,917 318,732 287,594 294,045 287,808 294,167 297,859 22,174 22,002 20,974 20,750 309,768 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 0 青森市 浪岡町 合計 S55 287,594 22,174 309,768 S60 294,045 22,002 316,047 H2 287,808 20,974 308,782 H7 294,167 20,750 314,917 20,873 H12 297,859 20,873 318,732 資料:国勢調査 -8- 3.青森市・浪岡町の概況 2)年齢別人口の推移 年少人口割合(0~14歳) 平成12年における両市町の年少人口は、全体の約15%を占め約4万7千人となっ ています。近年では10%を超えて推移していますが、過去20年間で見ると37%の 減少となっており、少子化が進んでいます。 これを個別にみると、年少人口の減少率は、ともに、近年減少割合が10%を超え ていますが、青森市の減少率が若干緩和傾向にあります。 (単位:人) 80,000 74,706 70,624 70,000 60,000 59,973 69,639 52,655 65,809 50,000 55,905 40,000 47,045 49,133 43,973 30,000 20,000 10,000 0 青森市 浪岡町 合計 5,067 S55 69,639 5,067 74,706 4,815 S60 65,809 4,815 70,624 4,068 3,522 3,072 H2 55,905 4,068 59,973 H7 49,133 3,522 52,655 H12 43,973 3,072 47,045 総人口に占める構成比(年少人口÷総人口) 青森市 浪岡町 合計 S55 24.2% 22.9% 24.1% S60 22.4% 21.9% 22.3% H2 19.5% 19.4% 19.5% H7 16.7% 17.0% 16.8% H12 14.8% 14.7% 14.8% H12-S55 -9.4% -8.1% -9.4% 資料:国勢調査 -9- 3.青森市・浪岡町の概況 生産年齢人口割合(15歳~64歳) 平成12年における両市町の生産年齢人口は、全体の約68%を占め約21万6千人と なっています。近年で は微増減を繰り返し、 過去20年間で見ると2.6%の増加とな っているものの、全体の人口に対する比率は減少しています。 これを個別にみると、青森市は増微減を繰り返し全体としては増加傾向、浪岡町は、 減少傾向にありますが、最近では減少率が緩和傾向にあります。 (単位:人) 250,000 216,678 212,783 202,210 199,009 203,773 14,740 14,468 13,774 13,349 13,259 S55 196,309 14,740 211,049 S60 202,210 14,468 216,678 H2 199,009 13,774 212,783 H7 203,773 13,349 217,122 H12 203,219 13,259 216,478 211,049 217,122 216,478 200,000 196,309 203,219 150,000 100,000 50,000 0 青森市 浪岡町 合計 総人口に占める構成比(生産年齢人口÷総人口) 青森市 浪岡町 合計 S55 68.3% 66.5% 68.1% S60 68.8% 65.8% 68.6% H2 69.3% 65.7% 69.1% H7 69.4% 64.3% 69.1% H12 68.3% 63.6% 68.0% H12-S55 0.0% -2.9% -0.2% 資料:国勢調査 - 10 - 3.青森市・浪岡町の概況 老年人口割合(65歳以上) 平成12年における両市町の老年人口は、全体の約17%を占め約5万5千人となっ ています。近年では、20%台での増加が進んでおり、急速に高齢化が進んでいます。 これを個別にみると、総人口に占める構成比は青森市は17%となっていますが、 浪岡町は約22%と高齢化の進行が顕著となっています。 (単位:人) 60,000 55,017 50,000 44,491 35,302 40,000 40,612 28,734 30,000 50,503 24,013 32,170 26,015 20,000 21,646 10,000 0 青森市 浪岡町 合計 2,367 2,719 3,132 3,879 4,514 S55 21,646 2,367 24,013 S60 26,015 2,719 28,734 H2 32,170 3,132 35,302 H7 40,612 3,879 44,491 H12 50,503 4,514 55,017 総人口に占める構成比(老年人口÷総人口) 青森市 浪岡町 合計 S55 7.5% 10.7% 7.7% S60 8.8% 12.4% 9.1% H2 11.2% 14.9% 11.5% H7 13.8% 18.7% 14.2% H12 17.0% 21.7% 17.3% H12-S55 9.5% 11.0% 9.5% 資料:国勢調査 - 11 - 3.青森市・浪岡町の概況 3)人口推計 ある年の男女・年齢別人口を基準として、合計特殊出生率や生残率、純移動率 (社会移動率)を算出することにより将来人口を推計する手法で、国立社会保 障・人口問題研究所による都道府県別人口推計や、地方公共団体の総合計画策定 時における人口推計に用いられている「コーホート要因法」を採用しています。 (単位:人) 基準人口 平成 12 年 推計人口 平成 17 年 平成 27 年 青森市 297,859 300,712 296,976 浪岡町 20,873 20,929 20,629 総人口 318,732 321,641 317,605 データ 基準人口 出生率 生残率 純移動率 出生性比 人口推計の基準となる人口 ~直近の国勢調査である平成12年の国勢調査の人口とし、封鎖人 口 の 算 出 に あ た っ て は 、 両 市 町 の 平 成 7 年 及 び 平 成 12年 の 男 女・年齢(5歳階級別)人口を用いています。 15~49歳の女性の人口に対する出生数の割合 ~平成13年の青森県の合計特殊出生率1.47とし、計画期間は一定 と仮定しています。 ある年齢の人が5年後に生き残る確率 ~厚生労働省が作成した青森県の平成7年及び平成12年のデータ (生命表)により算出し、計画期間は一定と仮定しています。 社会移動率((転入人口-転出人口)/期首人口) ~平成7年国勢調査人口及び生残率を基に推計した平成12年の封 鎖人口と、平成12年国勢調査人口との差とし、計画期間は一定 と仮定しています。 男子と女子の比率 ~全国の出生性比 男子105.5:女子100.0 を採用し、計画期 間は一定と仮定しています。 留意点 ここで推計した人口は、過去の国勢調査等のデータを基に統計学的に求めたもの であり、合併後の新たな施策の展開等による変化要因については考慮していないの で、地方公共団体が総合計画策定時に定める政策的な意図を反映した目標人口とは 異なるものです。 - 12 - 3.青森市・浪岡町の概況 ⑤就業構造 1)就業人口 平成12年における両市町の就業人口は約15万3千人で、就業率は48%となってお り、過去20年間で見ると、就業人口・就業率ともに微増傾向で推移してきましたが、 最近では横ばい状態にあります。 これを個別にみると、過去20年間では、青森市は昭和60年に就業率が減少してい ますが、以降は就業人口・就業率ともに微増傾向にあり、浪岡町は就業人口・就業率 ともに増加傾向で推移しています。 (単位:人) 180,000 160,000 152,977 151,307 143,011 143,303 143,315 140,000 120,000 140,345 141,934 10,901 10,962 11,043 H2 132,414 10,901 143,315 H7 140,345 10,962 151,307 H12 141,934 11,043 152,977 132,081 132,252 132,414 10,930 11,051 S55 132,081 10,930 143,011 S60 132,252 11,051 143,303 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 青森市 浪岡町 合計 就業率(就業人口÷総人口) 青森市 浪岡町 合計 S55 45.9% 49.3% 46.2% S60 45.0% 50.2% 45.3% H2 46.0% 52.0% 46.4% H7 47.7% 52.8% 48.0% H12 47.7% 52.9% 48.0% H12-S55 1.7% 3.6% 1.8% 資料:国勢調査 - 13 - 3.青森市・浪岡町の概況 2)産業別就業人口 第1次産業(農業、林業、漁業) 平 成 12 年 に お け る 両 市 町 の 第 1 次 産 業 就 業 人 口 は 約 6 千 人 で 、 過 去 20 年 間 で 48.7%の 減 少 率 と な っ て い ま す 。 ま た 、 全 就 業 人 口 に 占 め る 割 合 は 、 平 成 12年 で 4.1%となっており、過去20年間で4.4ポイントの減少となっています。 こ れ を 個 別 に み る と 、 青 森 市 は 平 成 2年 以 降 就 業 人 口 の 減 少 傾 向 が 強 ま り 、 平 成 12年では昭和55年比べ半数以下に減少しています。浪岡町は青森市に比べ第1次産 業に従事する割合が高くなっていますが、昭和60年以降就業人口の減少傾向が強ま り、平成12年では昭和55年に比べ4割弱減少しています。 (単位:人) 14,000 12,203 11,378 12,000 9,714 10,000 7,786 7,848 7,102 8,000 6,260 5,985 6,000 4,417 4,276 4,000 青森市 浪岡町 合計 3,501 3,207 2,000 0 4,641 3,729 2,759 S55 7,786 4,417 12,203 S60 7,102 4,276 11,378 H2 5,985 3,729 9,714 H7 4,641 3,207 7,848 H12 3,501 2,759 6,260 全就業人口に占める構成比 青森市 浪岡町 合計 S55 5.9% 40.4% 8.5% S60 5.4% 38.7% 7.9% H2 4.5% 34.2% 6.8% H7 3.3% 29.3% 5.2% H12 2.5% 25.0% 4.1% H12-S55 -3.4% -15.4% -4.4% 資料:国勢調査 - 14 - 3.青森市・浪岡町の概況 第2次産業(鉱業、建設業、製造業) 平成12年における両市町の第2次産業就業人口は約3万人で、昭和60年に就業人 口・就業率ともに減少していますが、過去20年間で7.5%の増加率となっています。 また、全就業人口に占める割合は、平成12年で19.5%となっており、過去20年間 で0.1ポイントの増加となっています。 これを個別にみると、過去20年間で、青森市は就業人口の構成比が昭和55年をピ ークに微減傾向にあり、就業人口は昭和60年を境に増加傾向にあります。浪岡町は 就業人口の構成比が平成7年をピークに減少傾向にありますが、過去20年間で見る と6ポイント増加し、第2次産業の占める割合が高まっています。 (単位:人) 35,000 30,000 27,796 20,000 29,893 27,157 23,726 24,665 26,896 27,381 2,492 2,692 2,512 H2 24,665 2,492 27,157 H7 26,896 2,692 29,588 H12 27,381 2,512 29,893 25,000 25,967 29,588 25,725 15,000 10,000 5,000 0 青森市 浪岡町 合計 1,829 1,999 S55 25,967 1,829 27,796 S60 23,726 1,999 25,725 全就業人口に占める構成比 青森市 浪岡町 合計 S55 19.7% 16.7% 19.4% S60 17.9% 18.1% 18.0% H2 18.6% 22.9% 18.9% H7 19.2% 24.6% 19.6% H12 19.3% 22.7% 19.5% H12-S55 -0.4% 6.0% 0.1% 資料:国勢調査 - 15 - 3.青森市・浪岡町の概況 第3次産業(電気・ガス・熱供給、運輸・通信業、卸売・小売・飲食店、 金融・保険業、不動産業、サービス業、公務) 平成12年における両市町の第3次産業就業人口は約11万5千人で、就業人口・就 業率ともに増加傾向にあり、過去20年間では就業人口は11.6%の増加率、就業人口 に占める割合は3.1ポイントの増加となっています。 これを個別にみると、青森市の第3次産業の比率が7割を超え、また、浪岡町にお いても第3次産業就業人口の割合が高まっています。 (単位:人) 140,000 114,829 113,323 120,000 102,935 105,868 106,110 98,261 101,094 101,439 4,674 4,774 4,671 5,059 5,741 S55 98,261 4,674 102,935 S60 101,094 4,774 105,868 H2 101,439 4,671 106,110 H7 108,264 5,059 113,323 H12 109,088 5,741 114,829 100,000 108,264 109,088 80,000 60,000 40,000 20,000 0 青森市 浪岡町 合計 全就業人口に占める構成比 青森市 浪岡町 合計 S55 74.4% 42.8% 72.0% S60 76.4% 43.2% 73.9% H2 76.6% 42.8% 74.0% H7 77.1% 46.2% 74.9% H12 76.9% 52.0% 75.1% H12-S55 2.5% 9.2% 3.1% 資料:国勢調査 - 16 - 3.青森市・浪岡町の概況 ⑥生活圏 通勤通学 平成12年の通勤・通学比率は、浪岡町からの青森市への通勤比率が13.3%、通学 比率は、19.8%といずれも5%を超えており、青森市を中心とする通勤・通学圏が形 成されていることがうかがえます。 ※ A市からB 市への通 勤・通 学比率が5%を超える 場合 、A市はB 市の通勤 ・通学 圏に属すると 分類される 通勤(青森市) 通勤(浪岡町) その他 2.5% その他 7.3% 黒石市 5.6% 弘前市 0.5% 弘前市 8.4% 青森市 97.0% 通学(青森市) 浪岡町 0.5% 弘前市 2.1% 浪岡町 65.4% 青森市 13.3% 通学(浪岡町) 黒石市 11.5% その他 1.4% 青森市 19.8% その他 2.2% 浪岡町 34.8% 弘前市 31.7% 青森市 96.0% 資料:国勢調査 - 17 - 3.青森市・浪岡町の概況 商圏 平成12年の動向をみると、浪岡町の人が買い物をする場合、服飾品(靴・鞄、呉 服、紳士服、婦人・子供服など)については、14.2%の人が、また、文化品(家庭 用電気機具、スポーツ・レジャー製品、家具・インテリアなど)については、 12.6%の人が青森市で買い物をしています。 服飾品(青森市) 八戸市 0.3% 弘前市 1.4% その他 2.1% 服飾品(浪岡町) その他 11.2% 浪岡町 10.5% 青森市 14.2% 青森市 96.2% 藤崎町 14.5% 文化品(青森市) 弘前市 0.3% 岩木町 0.3% 弘前市 49.6% 文化品(浪岡町) その他 12.6% その他 0.9% 青森市 12.6% 弘前市 40.8% 青森市 98.5% 浪岡町 34.0% 資料:国勢調査、消費購買力動向による商圏調査報告書 - 18 - 4.まちづくりの基本方針 4.まちづくりの基本方針 ①新たなまちづくりの考え方 昨今の地方分権の流れの中で、地方公共団体は自己決定・自己責任の原則の下、これまで 以上に主体的な「まちづくり」への取り組みが求められている。 そして、地方の自主・自立によって、これからは、ますます地域間競争が激しくなること が予想される。 このような中、青森市と浪岡町が一緒になって新たなまちづくりに取り組むに当たっては、 それぞれ地域の特色を活かしながら、県都としての拠点性を高め、相互に交流と連携を深め つつ、ともに相乗効果が期待し得るまちづくりを進めることが重要である。 青森市と浪岡町は、空の駅(青森空港) 、道の駅(東北縦貫自動車道・津軽自動車道IC) 、 鉄道の駅(東北新幹線新青森駅) 、海の駅(青森港)の4つの駅や、陸奥湾、八甲田山、県民 の森梵珠山といった広大な自然そしてその豊かな恵み、三内丸山遺跡、小牧野遺跡、浪岡城 跡、高屋敷館遺跡といった貴重な史跡や世界の火祭り「青森ねぶた祭」、更には全国トップレ ベルのりんごなど、ここにしかない魅力ある豊かな“宝物”を有している。 新市においては、市民と行政との協働により、これら“宝物”を活かした交通・産業・伝 統文化(観光資源)のネットワークづくりを進め、更に新たな“宝物”を発掘し育てながら その輪を広げることによって「オンリーワンのまちづくり」を目指すこととする。 - 19 - 4.まちづくりの基本方針 ②5つの基本視点(まちづくりの方針) 拠 点 機能 を 高 め「 新 たな 交 流を 創 造 する 」 まち づ くり 新市は、県内における行政や経済の中枢機能を有している。 また、空の駅(青森空港) 、道の駅(東北縦貫自動車道・津軽自動車道IC) 、鉄道の駅 (東北新幹線新青森駅)、海の駅(青森港)の4つの駅を有することになるなど高い拠点性 を有している。 交通アクセスを更に高めるとともに、総合的な地域情報ネットワークの構築などにより、 高次な都市機能を活かした広域交流拠点としての整備が求められる。 これらを踏まえ、 「新たな交流を創造する」まちづくりを進めるため、次に掲げる施策を 重点的に推進する。 <重点施策> 1)東北縦貫自動車道、青森空港、青森港、新幹線などの高速交通体系の整備 2)青森地域、浪岡地域の中心市街地の整備及び新たなアクセス道路の整備やバス交通の 充実、更にはJR奥羽本線の複線化等による交通ネットワークの整備 3)新幹線効果を最大限享受するための拠点整備 4)IT時代に対応した情報通信基盤の整備 - 20 - 4.まちづくりの基本方針 豊 かな 自 然を 守 り育 み「 新 たな 生 活 環境 を 創造 す る」 ま ち づく り 新市は、陸奥湾、八甲田山、県民の森梵珠山、田園風景など豊かな自然環境を有している。 また、陸奥湾の海の幸や青森市の「日本一おいしい水道水」 、浪岡町の「十和田霊泉」や「り んご」など豊かな自然の恵みを得ている。 この自然環境を次代に引き継ぐとともに、自然と調和した快適な生活環境の整備が求めら れている。 また、自然環境の保全とともに、海辺や河川、公園などの整備にあたっては、自然の活用・ 創造といった視点も求められている。 これらを踏まえ、 「新たな生活環境を創造する」まちづくりを進めるため、次に掲げる施策 を重点的に推進する。 <重点施策> 1)豊かな自然環境と景観を保全するための関係法令等の適正な運用や独自の開発規制の検討 2)森林が有する国土の保全や水資源のかん養など公益的機能の維持・増進 3)陸奥湾や河川の水質を保全するための下水道や農業集落排水施設、合併処理浄化槽等 の整備促進 4)自然環境と調和し、地区計画の導入や建築協定制度の活用による雪国に適したゆとり ある住環境の整備 5)ごみの発生抑制や再資源化による資源循環型社会の形成 6)地域新エネルギーの導入などによる総合的な環境施策の推進 7)防災及び消防・救急体制、交通安全活動及び防犯活動を推進するための体制の充実に よる安全で安心して暮らせる生活環境の整備 ※注1 8)ユニバーサルデザインの視点を取り入れた安全かつ快適な歩行・移動ができる環境の整備 9)冬期間の快適な生活のための道路除排雪の充実と雪に親しみを持ち資源として活用で きる環境の整備 ※注1 ユニバーサルデザイン 障害者・高齢者・健常者の区別なしに、すべての人が使いやすいように製品・建物・環境などを デザインすること。 - 21 - 4.まちづくりの基本方針 魅 力 ある 地 域 資源 を 活か し 「新 た な 活力 あ る産 業 を創 造 す る」 ま ちづ く り 新市は、恵まれた自然環境や地域資源を有している。 地域経済が低迷するなか、成長性の高い新たな産業の創出が期待されている。 また、既存産業では、経営基盤の強化に向けた取り組みが求められている。 拠点機能と互いの地域資源を持続させ、これを活かしながら、産業の高度化・高付加価値 化を支援していく必要がある。 これらを踏まえ、 「新たな活力ある産業を創造する」まちづくりを進めるため、 次に掲げ る施策を重点的に推進する。 <重点施策> 1)気候風土を活かした特色ある農林水産業を推進するための付加価値の高い産地づくり を基礎に、生産体制の再編と消費者が求める安心・安全への対応、更には地産地消の 取り組み等新たな販路開拓 ※注2 ※注3 2)津軽生命科学活用食料特区を活用した市民農園の展開とグリ ーンツーリズムやブルー ツーリズムの推進 3)既存産業の経営基盤強化と人材育成の支援 4)産業間における連携、産業界・大学等高等教育機関・行政機関との連携により、企業 の新分野への進出や創業支援など、高度化・高付加価値化に向けての支援 5)広く商店、商店街の活性化を支援し、生活交通の確保やまちづくりと一体となった商 業の振興 6)流通システムの変化や物流の高速化に対応した流通機能の充実 7)観光資源の整備・充実とネットワーク化による観光コンベンション機能の強化 8)地域の経済基盤の確立と雇用機会の拡大 ※注2 グリーンツーリズム 農山村などに滞在し、農林業体験や魅力的で充実した生活体験を通じて、その地域の自然や文化 に触れ、地元の人々との交流を楽しみ、心と体をリフレッシュさせる余暇活動。 ※注3 ブルーツーリズム 島や沿海部の漁村などに滞在し、漁業体験や魅力的で充実した生活体験を通じて、その地域の自 然や文化に触れ、地元の人々との交流を楽しみ、心と体をリフレッシュさせる余暇活動。 - 22 - 4.まちづくりの基本方針 人 と 人と が 支 え合 い 「新 た なコ ミ ュ ニテ ィ (地 域 社会 ) を 創造 す る」 ま ちづ く り 少子・高齢社会では、市民一人ひとりが、健康で、生きがいの持てる人生を営める社会が求 められている。 そのためには、互いに助け合い、支え合いながら、共に生きる社会を目指して、全ての市 民がコミュニティ(地域社会)に積極的に参画するための環境づくりをする必要がある。 また、全ての市民が心身ともに健康な生活を営むためには、生涯を通じての健康への取り 組みが求められている。 出生率の低下により、少子化が進行しており、社会全体として、若い世代が安心して、子 どもを産み、育てる環境づくりが求められている。 これらを踏まえ、 「新たなコミュニティ(地域社会)を創造する」まちづくりを進めるため、 次に掲げる施策を重点的に推進する。 <重点施策> 1)男女共同参画社会の実現に向けた女性の社会参加促進 2)全ての市民が心身ともに健康な生活を営むための健(検)診の充実や健康づくり活動 の推進 3)2次救急医療施設としての青森市民病院と浪岡町立病院との相乗効果が期待できるよ うな位置付けと連携 4)行政、市民、事業者、NPO等との協働による保健・医療・福祉などの連携強化と共 に支え合う地域社会の機能強化 5)働きながら、子どもを安心して産み、健やかに育てる環境の整備 6)地域防災・防犯対策や緑化活動など住民の自主的・主体的な各種コミュニティ活動の 支援 7)高齢者や障害者などの社会参加の促進と全ての市民にとって利便性・安全性の高い 生活交通の確保 - 23 - 4.まちづくりの基本方針 豊 か な感 性 を 育み 「 新た な 文化 を 創 造す る 」ま ち づく り まちをつくるのは、そこに住む市民であり、市民の個性と能力というソフトウェアこそが まちを発展させる原動力である。 そのためには、市民一人ひとりが生涯を通じて、自然や歴史、芸術・文化などあらゆる分 野について、いつでも自由に学ぶことができる学習環境づくりと文化資源の保存・伝承、新 たな発掘や活用のための体制整備が求められている。 また、次代を担う子どもたちには、国際化、情報化、環境問題など21世紀に対応した教 育内容・体制の充実が求められている。 これらを踏まえ、 「新たな文化を創造する」まちづくりを進めるため、次に掲げる施策を重 点的に推進する。 <重点施策> 1)子どもたちの教育環境の整備と国際化、情報化などに対応した教育内容の充実 2)子どもたちが地域の自然、郷土の歴史、国内外の芸術・文化などにふれ、正しく理解 し、学ぶ機会の充実 3)市民の学習意欲に応え、豊かな人間性を育むための生涯学習環境の充実と国際交流・ 地域間交流の充実 4)貴重な歴史の継承、史跡・建造物・伝統文化などの保存・活用とともに、新しい文化 の創出 5)郷土の伝統料理や地域の豊富な食材など地域風土に根ざした食文化の継承と地産地消 ※注4 による「食」のまちづくりの展開やスローフード運動の推進 6)市民がスポーツ・レクリエーションに親しむ環境の整備 ※注4 スローフード運動 ファーストフードに相対する言葉で、消えてゆくおそれのある伝統的な食材や料理など地域に根ざ した食文化を将来に伝えていこうとする運動。 - 24 - 4.まちづくりの基本方針 ③都市空間形成の考え方と地域別整備方針等 都市 空 間形 成 の 考え 方 ※注 5 ①都市空間の形成にあたっては、それぞれの地域特性に応じ、 自然と調和したコンパクトな 都市づくりを行う。 ②地域間の一体化を図るため、両地域間の交通アクセス及び公共交通機関の整備・充実を 図る。 地域 別 整備 の 方 針 【青森市】 ○県都として、国の出先機関や県庁の行政機関、金融、高等教育機関などの高次都市機能 を集積している。 ○高付加価値型の商品、サービスを提供する都市型高度産業を集積している。 新市の行政の拠点、産業、学術・芸術の集積を活かした拠点としての整備を図る。 【浪岡町】 ○恵まれた気候・風土により、豊かな自然環境、美しい田園環境を有している。 ○町村では日本一のりんごの生産地であり、農業が基幹産業となっている。 ○広い土地を利用したゆとりある住環境を有している。 新市の食料供給(農産物生産)の拠点、自然環境と調和した観光レクリエーション、 ゆとりある住環境を活かした拠点としての整備を図る。 ※注5 コンパクトな都市づくり(コンパクトシティの考え方) 両地域(青森地域・浪岡地域)の市街地を交流・商業・生活等拠点機能の充実・強化を図ること により、市街地の無秩序な拡大を防ぎ、郊外部の農地や林野などの自然環境の保全に配慮し、自 然の恵みを享受できる快適な都市生活を提供できる都市を形成すること。 - 25 - 4.まちづくりの基本方針 ネッ ト ワー ク の 形成 それぞれの地域が有する交通拠点としての優位性や、地域資源の魅力を更に高めるための ネットワークづくりを進める。 【交通拠点機能を高めるネットワーク】 青森駅 地区 青森港 本港地区 ヤード跡地 石江地区 (新青森駅 周辺地区) 大釈迦 工業団地 周辺地区 青森空港 浪岡駅 地区 - 26 - 4.まちづくりの基本方針 【新市の魅力を高めるためのネットワーク】 蛍の里 細越地区 三内丸山遺跡 (縄文) 「三つの里」構想 吉野田地区 小牧野遺跡 (縄文) 尻八館遺跡 (中世) 古の里 浪岡城跡 (中世) 高屋敷館遺跡 (古代) 味の里 海産物 (七子八珍など) 農産物 (市民農園の展開など) 浅虫周辺地区(道の駅「ゆ~さ浅虫」)、アップルヒル周辺地区(道の駅「アップルヒル」) 十和田八幡平国立公園、県民の森梵珠山 など 青森駅地区、青森港本港地区、浪岡駅地区 など - 27 - など 5.主要な施策 5.主要な施策 まちづくりの基本方針で整理した重点施策のうち、特に、青森市と浪岡町がそれぞれの 地域の機能や特色を活かしたまちづくりを進める上で大事な要素となるものを整理しまし た。 拠 点 機能 を 高 め「 新 たな 交 流を 創 造 する 」 まち づ くり 重点施策 主要な施策 新たなアクセス道路の整備 ~合併後、両地域の一体性を確保するため、既存道路 の活用により新たなアクセス道路の整備を図る。 バス路線の整備 交通ネットワークの整備 ~合併後、両地域の一体性を確保するとともに、地域 住民の利便性の向上を図るため、青森市街地と浪岡 市街地を結ぶバス路線2系統を整備する。 JR奥羽本線の複線化等 ~両地域の一体性を確保するとともに、地域住民の利 便性の向上を図るため、JR奥羽本線の複線化と奥 羽本線普通列車(通勤・通学・買物列車)の増便に ついて、東北新幹線八戸・新青森間の開業をも見据 え、国やJR東日本等の関係機関に強く働きかける。 豊 かな 自 然を 守 り育 み「 新 たな 生 活 環境 を 創造 す る」 ま ち づく り 重点施策 主要な施策 特別豪雪地帯としての総合的な克雪対策の推進 冬期間の快適な生活のため の道路除排雪の充実 ~機械除排雪や流雪溝等の整備を重点的に行うととも に、地域住民による自主的な雪処理に対する積極的 な支援を行う。 - 29 - 5.主要な施策 魅 力 ある 地 域 資源 を 活か し 「新 た な 活力 あ る産 業 を創 造 す る」 ま ちづ く り 重点施策 主要な施策 りんごを中心とした生産基盤の整備 生産体制の再編 消費者が求める安心・安全へ の対応 ~共同防除組織による防除用機械の購入に対する支援 を行う。 環境に優しい安全で安心な農産物の生産 ~組織的なエコファーマーの導入に対する支援(性フ ェロモン等)を行う。 生産者の協力による地産地消の取り組み 地産地消の取り組み等新た な販路開拓 ~学校給食や公共施設等における地場産品の利用を推 進する。 販売体制の整備(市場開拓) ~県内外で開催される見本市や物産展等への出品に係 る支援と情報提供を行う。 津軽生命科学活用食料特区 を活用した市民農園の展開 市民農園等推進事業 ~体験型農業を展開するため市民農園等の環境整備を 行う。 人 と 人と が 支 え合 い 「新 た なコ ミ ュ ニテ ィ (地 域 社会 ) を 創造 す る」 ま ちづ く り 重点施策 主要な施策 青森市民病院と浪岡町立病院との連携による医療 体制の充実 青森市民病院と浪岡町立病 院との相乗効果が期待でき るような位置付けと連携 ~青森市民病院については、高度・救急医療を行う中 核的な病院としての機能を、また、浪岡町立病院に ついては、当面現在の機能を維持しつつ、今後の自 治体病院機能再編成計画を踏まえ両病院の医療機能 を検討する。 - 30 - 5.主要な施策 豊 か な感 性 を 育み 「 新た な 文化 を 創 造す る 」ま ち づく り 重点施策 地域風土に根ざした食文化 の継承と地産地消による 「食」のまちづくりの展開 主要な施策 地域の食文化を守り、育てるための環境づくり ~地産地消の取り組みとともに、地域の食文化を守り、 育てるための環境づくりの一環として(仮称)食文 化条例の制定等を検討する。 - 31 - 6.合併特例債を活用したプロジェクト 6.合併特例債を活用したプロジェクト まちづくりの基本方針で整理した重点施策に基づき実施することとなる事業のうち、合併 特例債を活用して実施するものを整理しました。 このほか、青森市と浪岡町が新たなまちづくりを進める上で必要となる事業については、 合併市町村振興基金や国庫補助事業等を有効に活用しながら、着実にその進捗を図ることと します。 尚、いずれの事業についても、その実施に当たっては、 「公共の関与の必要性」や「市民要 望」 、 「社会要請」、 「緊急性」 、更には「経済性」などを検証した上で、手法の妥当性や費用対 効果を見極めつつ、環境に与える影響をも考慮しながら、地域住民の合意の下に進めること とします。 拠 点 機能 を 高 め「 新 たな 交 流を 創 造 する 」 まち づ くり 重点施策 合併特例債を活用したプロジェクト 新たなアクセス道路の整備 ~合併後、両地域の一体性を確保するため、既存道路 の活用により新たなアクセス道路の整備を図る。 バス路線の整備 交通ネットワークの整備 ~合併後、両地域の一体性を確保するとともに、地域 住民の利便性の向上を図るため、青森市街地と浪岡 市街地を結ぶバス路線2系統を整備する。 都市計画街路佐野・女鹿沢線整備事業 ~周辺地区からのアクセスによる交通渋滞の緩和を図 るため、都市計画街路「佐野・女鹿沢」線の整備を 図る。 石江土地区画整理事業(新幹線関連) ~東北新幹線八戸・新青森間の開業に向け、快適都市 へのゲートウェイとしての石江地区の整備を図る。 青森駅周辺整備推進事業 新幹線効果を最大限享受す るための拠点整備 ~新幹線効果を最大限享受するための拠点の一つとし て位置付けられている「青森駅周辺」の整備を図る。 青森操車場跡地利用推進事業 ~新幹線効果を最大限享受するための拠点の一つとし て位置付けられている「青森操車場跡地」の整備を 図る。 - 33 - 6.合併特例債を活用したプロジェクト 豊 かな 自 然を 守 り育 み「 新 たな 生 活 環境 を 創造 す る」 ま ち づく り 重点施策 合併特例債を活用したプロジェクト 蛍生息地環境整備事業 豊かな自然環境の保全 ~吉野田地区を中心とした蛍生息地の保全を図るため に環境整備を行う。 防災施設等整備事業 消防・救急体制の充実によ る安全で安心して暮らせる 生活環境の整備 ~青森市の浪館分署について、合併後も引き続き地域 の消防・防災拠点施設として、また、東北縦貫自動 車道における交通事故等に対応するための拠点施設 として位置付けるために改築を行う。 ~浪岡町の消防庁舎について、合併後も引き続き、消 防・防災活動の拠点施設として位置付けるために改 築を行うとともに、高規格救急車の整備を行う。 魅 力 ある 地 域 資源 を 活か し 「新 た な 活力 あ る産 業 を創 造 す る」 ま ちづ く り 重点施策 合併特例債を活用したプロジェクト 有機栽培等推進事業 付加価値の高い産地づくり 津軽生命科学活用食料特区 を活用した市民農園の展開 ~農産物の付加価値を高めるため、堆肥施設の整備な ど有機栽培を推進するための環境づくりを行うとと もに、年間を通して各市場へ安定的に供給するため の保冷庫等を整備する。 市民農園等推進事業 ~体験型農業を展開するため市民農園等の環境整備を 行う。 - 34 - 6.合併特例債を活用したプロジェクト 豊 か な感 性 を 育み 「 新た な 文化 を 創 造す る 」ま ち づく り 重点施策 子どもたちが地域の自然、 郷土の歴史などにふれ、正 しく理解し、学ぶ機会の充 実 合併特例債を活用したプロジェクト 体験型学習拠点施設整備事業 ~子ども達が健やかに育まれる環境づくりの一環とし て、「学ぶ」・「創る」・「交流」をコンセプトと した体験型の学習拠点施設を整備する。 文化会館改修事業 市民の学習意欲に応え、豊か な人間性を育むための生涯 学習環境の充実 ~青森市文化会館について、合併後も引き続き、新市の 芸術・文化活動の拠点施設として位置付け、活用を 図るために必要な改修を行う。 生涯学習センター整備事業 ~開発が進められている浪岡駅周辺地区において、地域 の生涯学習の拠点施設として生涯学習センターを整備 する。 小牧野遺跡環境整備事業 ~国の指定史跡である小牧野遺跡について、適切に保 存し次代に引き継ぐとともに、新市の貴重な資源と して活用するための環境整備を行う。 浪岡城跡環境整備事業 貴重な史跡の継承 ~国の指定史跡である浪岡城跡について、適切に保存 し次代に引き継ぐために公有化を行うとともに、新 市の貴重な資源として活用するための環境整備を行 う。 高屋敷館遺跡環境整備事業 ~国の指定史跡である高屋敷館遺跡について、適切に 保存し次代に引き継ぐとともに新市の貴重な資源と して活用するための環境整備を行う。 「(仮称)ふるさとミュージアム」整備事業 地域の伝統文化の継承 ~相撲王国あおもりが輩出した初代“若乃花”や“隆 の里”の功績や、世界に誇る「青森ねぶた」など、 ふるさとの伝統文化に触れ、親しむことができる「(仮 称)ふるさとミュージアム」を整備する。 - 35 - 6.合併特例債を活用したプロジェクト 重点施策 合併特例債を活用したプロジェクト 健康の森改修事業 ~健康の森の公園機能の充実を図るため、花岡荘を中 心に施設の改修を行う。 市民がスポーツ・レクリエー ション活動に親しむ環境の 整備 浪岡町民体育館改築事業 ~浪岡町民体育館について、合併後も引き続き、スポ ーツ・レクリエーション活動の拠点施設として位置 付け・活用を図るために必要な改修を行う。 地域体育施設整備事業 ~地域住民の身近な体育施設を確保するため、小学校 のグラウンド等の整備を行う。 - 36 - 7.公共的施設の統廃合整備方針 7.公共的施設の統廃合整備方針 新市の行政組織は集権型ではなく、分権分散型とする必要があります。 このことから、現在の青森市庁舎・浪岡町庁舎については、それぞれ新市の青森庁舎・浪 岡庁舎とし、地域住民に対するサービスの拠点施設として位置付けるとともに、地域住民の 利便性を考慮し、窓口時間の延長や土・日曜日の開庁についても検討することとします。 また、新市の浪岡庁舎には、住民生活に深く関わる窓口部門に加え、これまで浪岡町が基 幹産業として育成してきた農業や林業の振興部門を設置することとします。 - 37 - 8.財政計画 8.財政計画 ①財政計画の基本条件 ・基本的な考え方 財政計画は、青森市・浪岡町が合併した場合の 11年間の財政的見地から検証し、新市の 財政運営が可能であるかを判断するためのものです。 なお、本計画は、現在の経済状況・行財政制度を基本にするとともに、合併に伴う変動要 因を加味し推計した「財政シミュレーション」であり、今後の国の三位一体改革等に伴う地 方財政制度や社会経済情勢等の変動により変化します。 よって、新市においては、合併による効果を踏まえ、中・長期的な財政見込み及び単年度 ごとに堅実な財政運営を基調とした予算編成を行う必要があり、本計画は将来の予算編成を 拘束するものではありません。 ・計画の期間 平成 17 年度から平成 27年度までの 11年間としています。 ・計画の範囲 一般会計で作成しています。 ・計画の構成 ②-1) 青森市・浪岡町の 推計値の合算 ②-2) 合併に伴う財政所要額と財源 ②-3) 新市財政計画 ②-1) + ②-2) ・H16当初予算を参考に推計 ②-2)-Ⅰ 合併に伴う主な削減経費 ・合併により削減される人件費 ②-2)-Ⅱ 議員・農業委員の報酬等影響額 ②-2)-Ⅲ 行政サービスの向上及び住民負担 の格差是正のための経費と財源 ・事務事業調整による財政影響額 ②-2)-Ⅳ 合併市町村まちづくり事業にかかる 経費と財源 ・合併特例債を充当する建設事業等に かかる経費 ②-2)-Ⅴ 中核市移行に伴う経費と財源 ・新たに処理することとなる事務に 係る経費や交付税影響額 ②-2)-Ⅵ その他 ・合併による地方交付税等影響額 - 39 - 8.財政計画 ②財政シミュレーション ・各費目の詳細条件 【歳入】 市・町税、 譲与税、交付金 地方交付税 国・県支出金 平成 16 年度の税制改正による平成 17 年度以降の影響額を上乗せ し、それ以外については平成 16 年度と同額 平成 17 年度以降、平成 16 年度当初予算額と同額 歳出連動 臨時財政対策債・減税補てん債:平成 17 年度以降、平成 16 年度 地方債 当初予算額と同額 その他:歳出連動 その他 特定財源:歳出連動 一般財源:原則、平成 16 年度当初予算額 【歳出】 定期昇給分(青森 1.6% 浪岡 1.1%)ベアなし 人件費 定員管理計画に基づき一部退職者不補充 寒冷地手当制度改正分含む 扶助費 単価・医療費改定率 0%、対象者の伸びを反映 積上げ 公債費 ただし、公債費負担の平準化を図るため、縁故資金の償還年限を 15年から20年に延伸 青森市分:着手済み事業等除き平成 17 年度、平成 18 年度は 普通建設事業 対前年度△10% 浪岡町分:財政運営計画に基づく積算 青森市分:法令等に基づく事業等を除き、平成 17 年度、平成 18 その他 年度は対前年度△10% 浪岡町分:財政運営計画に基づく積算 ※平成 17 年度以降、平成 16 年度地方財政計画に示された新たな地方財源対策分は計上していない。 - 40 - 8.財政計画 ・青森市・浪岡町の現状のままの推計値 1)青森市・浪岡町の現状のままでの推計値の合算 両市町が現状のまま推移した場合の将来 11年間にわたる収支見込額を推計しました。 推計に当たっては、平成 16 年度当初予算に基づき積算を行いました。 (単位:百万円) 区 分 市 ・ 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 34,159 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 34,186 譲 与 税 交 付金 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 地 方 交 付 税 歳 国 ・ 県 支 出金 入 地 方 債 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 20,410 19,870 19,719 20,565 20,284 20,226 20,535 20,782 20,815 21,178 21,301 21,550 9,381 8,936 9,444 9,213 8,668 8,441 8,085 8,033 8,065 7,897 7,897 他 6,188 5,678 5,576 5,444 5,368 5,345 5,286 5,224 5,164 5,155 5,156 計 97,194 96,115 97,367 96,723 96,044 96,103 95,935 95,854 96,189 96,135 96,385 義 務 的 経 費 54,338 55,235 56,827 56,276 56,527 55,334 54,286 53,848 53,957 55,783 56,170 の 歳 入 合 人 件 費 15,512 15,708 16,979 16,086 16,246 14,981 13,940 13,564 13,740 13,433 12,255 扶 助 費 23,256 23,533 23,826 24,128 24,440 24,763 25,097 25,444 25,803 26,176 26,559 公 債 費 15,570 15,994 16,022 16,062 15,841 15,590 15,249 14,840 14,414 16,174 17,356 普 通 建 設 事業 11,388 10,658 11,648 10,970 9,712 9,163 8,838 8,384 8,423 8,119 8,119 そ 他 33,061 31,721 32,233 32,499 32,786 33,022 33,174 33,339 33,667 33,701 33,984 計 98,787 97,614 100,708 99,745 99,025 97,519 96,298 95,571 96,047 97,603 98,273 ( 歳 入 - 歳 出 ) △ 1,593 △ 1,499 △ 3,341 △ 3,022 △ 2,981 △ 1,416 △ 363 283 142 △ 1,468 △ 1,888 高 490 △ 1,009 △ 4,350 △ 7,372 △ 10,353 △ 11,769 △ 12,132 △ 11,849 △ 11,707 △ 13,175 △ 15,063 高 162,041 157,380 152,882 147,883 142,358 136,696 歳 出 の 歳 ※ 18年度 税 そ 町 17年度 基 地 出 金 方 合 残 債 残 130,838 125,189 119,871 115,071 ※基金残高欄のマイナス表記は累積収支(実質収支)を表します。 平成17年度から平成27年度(11ヵ年)までの収支累計=△17,146 11ヵ年には、平成16年度に講じられたような国の地方財源対策分は計上していない。 - 41 - 110,631 8.財政計画 2)合併に伴う財政所要額と財源 合併により増える財源と加減される経費の積算を行いました。 ・合併に伴う財政所要額と財源の内訳 Ⅰ.合併に伴う主な削減経費 ○一般職員人件費の削減額・・・・・・・11年間の人件費削減分 5,885百万円 合併により、管理部門等の職員に余剰人員が見込まれることから、両市町の従前の定 員管理計画から、更に、退職者の一部不補充により、11年間で 179 人減らすものと して試算しました。 ○合併によるスケールメリットを活かした効率化による削減額 ・・・11年間の効率化による削減分 1,650百万円 Ⅱ.議員・農業委員の報酬等影響額・・・・・・・・11年間の報酬等増分 425百万円 議員については、在任特例を平成18年11月25日までとし(現状の両市町の議員 数)、報酬は1市2制度、それ以降は、議員数を46名、青森市の報酬単価で試算しま した。 農業委員については、在任特例を平成18年3月末日までとし(現状の両市町の選挙 による委員数)、報酬は青森市に合わせ、それ以降は、選挙による委員数を30名、青 森市の報酬単価で試算しました。 Ⅲ.行政サービスの向上及び住民負担の格差是正のための経費と財源 ○事務事業調整による影響・・・・・・・11年間の所要分(歳入) (歳出) 事務事業の調整により財政影響額が発生します。 923百万円 2,143百万円 Ⅳ.合併市町村まちづくり事業にかかる経費と財源 ○合併まちづくり事業・・・・・・・・11年間の所要分(歳入) 23,895百万円 (歳出) 26,614百万円 「市町村の合併の特例に関する法律」に基づき、合併市町村が市町村建設計画に基づ いて行う市町村の一体化、均衡ある発展のための建設事業に対して、合併の年度及びそ れに続く 10年間、合併特例債を借り入れすることができます。後年度、元利償還金の 70%が普通交付税に算入されます。 各年度の事業費を1,914百万円(最終年度は1,910百万円)として試算して います。 - 42 - 8.財政計画 ○合併市町村振興基金・・・・・・・・11年間の所要分(歳入) 5,050百万円 (歳出) 5,929百万円 旧市町村単位の地域振興、住民の一体感の醸成のために、市町村建設計画に基づいて 行う基金の造成に対して、合併特例債を借り入れすることができます。後年度、元利償 還金の 70%が普通交付税に算入されます。 基金は、平成 17 年度に積み立てします。 Ⅴ.中核市移行に伴う経費と財源 ○中核市移行による所要額と財源・・・11年間の所要分(歳入) 34,876百万円 (歳出) 28,770百万円 中核市に移行すると、新たな事務を処理することとなることから、所要の経費等が見 込まれますが、その分、普通交付税に算入されます。 これまでに中核市へ移行した同規模の都市では、移行したことにより年間約 440 百 万円の財政メリットが生じており、これを参考として平成 18 年度に中核市へ移行する ものとして試算しました。 Ⅵ.その他 ○合併による普通交付税影響額・・・・・・・・11年間の所要分 12,694百万円 「市町村の合併の特例に関する法律」に基づいて合併した市町村については、合併の 年度及びこれに続く 15 年度間(合併の年度及びこれに続く最初の 10 ヵ年度間は合併 前の交付税額を保障し、11 年度目以降は保障額を逓減させていくこととする)に限り、 市町村ごとに算定した交付税額と新市として一本算定した交付税額とを比較して多い 方が交付されます。 青森市・浪岡町の場合、現在の普通交付税の積算方法に基づき算定すると、新市とし て一本算定した方が有利となっており、1,154 百万円/年の増収が見込まれます。 - 43 - 8.財政計画 ・ 合併に伴う財政所要額と財源 (単位:百万円) 区 分 市 ・ 町 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 税 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 203 1,427 1,427 1,427 1,427 1,427 譲与 税交 付金 地 方 交 付 税 歳 国・ 県支 出金 入 地 方 債 1,217 4,558 4,593 4,751 4,957 4,914 4,180 4,288 4,394 4,498 4,605 38 38 38 38 38 38 38 38 38 38 38 5,175 1,755 1,755 1,755 1,755 1,755 1,755 1,755 1,755 1,755 1,757 計 6,430 6,351 6,386 6,544 6,750 6,910 7,400 7,508 7,614 7,718 7,827 義 務 的 経 費 50 19 △ 52 30 167 106 246 390 529 668 808 そ の 歳 歳 出 入 他 合 人 件 費 2 △ 64 △ 184 △ 329 △ 484 △ 702 △ 717 △ 728 △ 740 △ 751 △ 763 扶 助 費 48 48 48 48 48 48 48 48 48 48 48 公 債 費 35 84 311 603 760 915 1,070 1,221 1,371 1,523 普通 建設 事業 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,914 1,910 そ 他 3,596 2,876 2,876 2,876 2,873 2,873 2,873 2,873 2,873 2,873 2,873 計 5,560 4,809 4,738 4,820 4,954 4,893 5,033 5,177 5,316 5,455 5,591 ( 歳 入 - 歳 出 ) 870 1,542 1,648 1,724 1,796 2,017 2,367 2,331 2,298 2,263 2,236 5,238 7,056 8,874 10,491 11,836 13,041 14,106 15,032 15,818 16,464 16,972 の 歳 基 地 出 金 方 合 残 債 残 高 高 平成17年度から平成27年度(11ヵ年)までの収支累計=21,092 11ヵ年には、平成16年度に講じられたような国の地方財源対策分は計上していない。 - 44 - 8.財政計画 3)新市財政計画<1)に2)を加えた計画> 青森市・浪岡町の推計値の合算に、合併に伴う財政所要額と財源を加味した「新市財政計 画」は、次のとおりです。 (単位:百万円) 区 分 市 ・ 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 税 34,159 34,186 34,186 34,186 34,186 34,389 35,613 35,613 35,613 35,613 35,613 譲 与 税交 付金 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 7,186 地 方 交 付 税 歳 国 ・ 県支 出金 入 地 方 債 21,627 24,968 25,003 25,161 25,367 25,324 24,590 24,698 24,804 24,908 25,015 19,908 19,757 20,603 20,322 20,264 20,573 20,820 20,853 21,216 21,339 21,588 14,556 10,691 11,199 10,968 10,423 10,196 9,840 9,788 9,820 9,652 9,654 他 6,188 5,678 5,576 5,444 5,368 5,345 5,286 5,224 5,164 5,155 5,156 計 103,624 102,466 103,753 103,267 102,794 103,013 103,335 103,362 103,803 103,853 104,212 義 務 的 経 費 54,388 55,254 56,775 56,306 56,694 55,440 54,532 54,238 54,486 56,451 56,978 そ 町 17年度 の 歳 入 合 人 件 費 15,514 15,644 16,795 15,757 15,762 14,279 13,223 12,836 13,000 12,682 11,492 扶 助 費 23,304 23,581 23,874 24,176 24,488 24,811 25,145 25,492 25,851 26,224 26,607 公 債 費 15,570 16,029 16,106 16,373 16,444 16,350 16,164 15,910 15,635 17,545 18,879 普 通 建設 事業 13,302 12,572 13,562 12,884 11,626 11,077 10,752 10,298 10,337 10,033 10,029 そ 他 36,657 34,597 35,109 35,375 35,659 35,895 36,047 36,212 36,540 36,574 36,857 計 104,347 102,423 105,446 104,565 103,979 102,412 101,331 100,748 101,363 103,058 103,864 ( 歳 入 - 歳 出 ) △ 723 43 △ 1,693 △ 1,298 △ 1,185 601 2,004 2,614 2,440 795 348 高 1,360 1,403 △ 290 △ 1,588 △ 2,773 △ 2,172 △ 168 2,446 4,886 5,681 6,029 高 167,279 164,436 161,756 158,374 154,194 149,737 144,944 140,221 135,689 131,535 127,603 歳 出 の 歳 基 出 金 合 残 ※ 地 方 債 残 ※基金残高欄のマイナス表記は累積収支(実質収支)を表します。 平成17年度から平成27年度(11ヵ年)までの収支累計=3,946 11ヵ年には、平成16年度に講じられたような国の地方財源対策分は計上していない。 - 45 - 8.財政計画 ○単年度収支均衡に向けた今後の取り組み 新市財政計画において、合併後の数ヵ年は単年度の収支が赤字となっていることから、合併 によるスケールメリットを最大限に活かしながら効率化を図るとともに、健全な財政運営基盤 の構築のため、行財政改革プログラムを策定し、単年度収支の均衡を図ります。 - 46 - 9.推進体制 9.推進体制 新市のまちづくりは、これまでも両市町が基本としてきた「地域住民と行政との協働」に より、住民の意思が行政に反映される仕組みを強化する必要があります。 このことから、まちづくりビジョンに基づく各種施策や事業の推進を図るための環境づく りとして、合併特例法に基づく地域自治区を設置することとします。 また、新市のまちづくりにあたっては、厳しい財政環境、中核市への移行などを勘案し、 持続発展可能なまちづくりを目指し、継続的に行財政改革を行うこととします。 - 47 -
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