ZACCA(雑貨)専業でアジアNo.1を目指す

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ZACCA(雑貨)専業でアジアNo.1を目指す
SHO‐BI株式会社 代表取締役社長 寺田 正秀氏
つけまつげや
わせて増加する一方、
「ワトソンズ」
など外資
ネイルグッズな
系小売業への納品も拡大し、
前年比1.5倍で
どの化 粧 雑 貨
納入店舗数が増加している。
を中心に、服飾
中国では、
イトーヨーカドーや伊勢丹などの
雑貨やキャラク
店舗内につけまつげ等の化粧雑貨を販売す
ター雑 貨 等 雑
る
「インショップ*」形態の直営店を5店舗展
貨の総合企画
開する。美容部員が実際につけまつげをつけ
コスメコンタクト
「PienAge(ピエナージュ)
」
メーカーである
てあげるサービスを行っており、
20代を中心に
イテムを集めた棚のみならず、
ヘアゴムやピ
SHO-BI株式会
幅広い世代が足を運ぶ。代表取締役社長の
ンといったベーシックなコスメ雑貨を日本品
社
(本社・東京都港区)
。1948年に化粧品や
寺田正秀氏は
「お客さまの多くは興味はある
質で低価格展開する海外市場向けブランド
化粧道具の卸商として創業し、現在は雑貨
がつけ方が分からない。
だが、
つければ変化を
「Reika」
シリーズの棚も提供する。幅広い
商品の企画から製造、
販売まで一貫して行う
実感し、
かわいい!買おう!となる。顧客ニー
価格帯で商品を取り揃え、顧客の選択肢を
ファブレスメーカーへと事業を拡大している。
ズに則したサービスや品揃えが重要」
と話す。
広げることで、
高価格品にも目がいき全体と
年間約5,000点の新商品を開発し、仕入れ
現地の展示会・イベントでも同様の実演サー
して購買力に弾みがつく売り場戦略を実践
品を含む取扱商品総数では30,000点以上
ビスを行うが、
毎回の長蛇の列に、
コスメや美
している。
に。
「卸」
と
「メーカー」
の両方の機能を有する
容に対する意識変化や高い関心を実感する
「コスメコンタクト®」
を加え、
美しい目元を
国内唯一の企業として強みを持ち、
2011年
という。
トータルで提案
には東証一部に上場した。
中国や韓国製品に比べ価格は高いもの
2013年4月、
株式会社メリーサイトを子会
1986年には韓国で海外生産を開始、
そ
の、
品質やつけ心地の良さなどが評価され、
日
社化し、
コンタクトレンズ事業に参入。黒目を
の後台湾や香港でも委託生産を行うなど早く
本を代表するブランドとして
「SHO-BI」
が浸透
縁取り瞳を際立たせる
「サークルレンズ」
で、
から海外生産体制を構築してきた。中国では
しつつある。高級コスメショップ
「セフォラ」の
SHO-BIオリジナルの
「コスメコンタクト®」
を開
2005年に
「粧美堂日用品
(上海)
有限公司」
中国全店舗で当社商品が販売され、
日本で
発し、
PLAZA GINZA内のインショップ等で販
を上海に設立、
2011年には国内で海外事
も人気の
「PLAY GIRL」
シリーズが一番の売
売している。つけまつげやアイライナー、
アイ
業部を新設し、
アジアを中心としたグローバル
れ筋商品として売上を伸ばしている。
シャドーなどにコンタクトレンズが加わり、
目周り
事業戦略の強化に取り組んでいる。
棚で
「売れる売り場」
づくり
のトータル提案を実現した。2014年には中国
開花する
「SHO-BI」
ブランド
卸かつメーカーであるSHO-BIの大きな強み
でも春以降体制が整い次第販売を開始し、
海外では現在、中国やマレーシア、
シンガ
は、
豊富な商品数と幅広いアイテム展開で売
アイメーク商品を得意とするSHO-BIの強みを
ポールなど11ヵ国、
1,800超の店舗で商品を
り場を
「棚」単位で提案できる点にある。棚全
グローバルに展開する。現在タイやベトナムな
販売している。
日系小売業の海外出店に合
体を請け負い、
ヒッ
ト商品から定番商品まで欠
どアジア各国での導入店舗の増加が続く中
品なくきれいに陳列した棚を維持する。棚6本
で、
寺田社長は
「次のステップでは各国の消
分5m強のスペースを基本に、
当社に棚割を
費者にどのように受け入れられているか状況
任せる店舗が多いという。
「単品ではなく、
棚
を分析し、
現地に合った商品開発をするなど
全体でテーマ性を持った
『売れる売り場』
を提
1店舗ごとの売上拡大に注力していきたい」
と
案できる。海外では日本と同じような仕入れが
今後を見据え、
「ZACCA
(雑貨)
専業でアジ
寺田代表取締役社長
ベトナム小売店内のSHO-BI販売スペース
難しく、
リテーラーが売り場を維持する労力も
アNo.1」
を目指す。
軽減できる」
と棚割展開の強みを強調する。
*百貨店やショッピングセンター等の店舗フロア内にあ
つけまつげなど主力商品の
「目周り」ア
(取材・作成)
みずほ銀行 直投支援部 大橋 綾
12 mizuho global news | 2014 MAR&APR vol.72
る、小規模の独立した店舗形態の売り場
京都発→世界へ 半導体モールディング装置のトップサプライヤー
TOWA株式会社 代表取締役社長 岡田 博和氏
携帯電話や
種少量生産に対応可能なモジュールシ
デジタルカメラ
ステムであるYシリーズの開発を開始、
などの 家 電 や
1994年より量産がスタートした。
電化製品に搭
従来の装置は制御部とプレス部が一
載されている半
体構造であったが、
Yシリーズは、
制御部
導 体。その 半
とプレス部を連結構造にすることでプレ
導体の組立工
ス部の増減をできるようにし、
顧客の生産
程におけるモー
量に応じた装置対応となり「
、必要なものを必
シェアの約半分を占めており、
世界有数の半
ルディング 分
要なときに必要なだけ」
生産できる同装置は、
導体メーカー5社が、
サプライヤー企業への生
野で、
世界トップシェアを誇るTOWA株式会社
多品種少量生産や廃棄物問題をクリアした
産委託条件として
『TOWA社製の設備を用い
(本社:京都府京都市)
。金型技術に強みを
ことで設備投資のコストダウンにも大きく貢献
ること』
と掲げるほど、
同社のモールディング技
持ち、
半導体を封止するモールディング装置な
し、
同社を代表するベストセラー製品となった。
術は世界的にも不動の地位を確立している。
どの開発・製造・販売を主軸事業としている。
2000年代に入り半導体が
「より小さく、
より
今後の販路拡大を見据えて、
2013年4月
周囲よりも4分の1歩先のことを考えて製品開
薄く」
の軽薄短小の時代を迎えると、
新システ
には韓国と台湾に販売会社、
10月にはアメリ
発に取り組むという意味の
「クォーター・
リード」
ム
「コンプレッションシステム」
を独自開発し、
従
カに続きオランダに研究所を設立し、
世界各
を経営理念に掲げ、
革新的な製品を世の中
来の技術では対応不可能だった極小サイズ
国のニーズに迅速に対応できる体制を整え
に送り出してきた。
の半導体樹脂封止に成功した。当システムは
た。中国においても2013年12月に中国市場
1979年に半導体用金型メーカーとして創
金型に樹脂を流し入れ、
その中にチップを浸し
向けに通常より2~3割コストダウンした
「マー
業し、
翌年にマルチプランジャ方式による半導
て成形するもので、
樹脂効率と歩留まり率が
ケッ
トイン型」
製品を投入し、
今後は地場企業
体を自動で封止する半導体樹脂封止装置を
大幅に向上するため、
生産コストの飛躍的な
も取り込んでいく予定である。
開発した。当時の封止工程は、
フレーム・樹脂
削減も可能にした。
将来の事業展望に関し、
「半導体モール
の供給や成形後の金型クリーニングを手作業
「当社は3つの革命を経て発展してきた。
ディングで培った技術を活かし、
LEDやファイ
で行うのが一般的であり、
成形に時間を要する
第1次がマルチプランジャシステム、
第2次が
ンプラスチック*2などの新事業にも着手してい
うえに、
品質にもばらつきが生じた。
しかし、
当シ
モジュールシステム、
そして第3次がコンプレッ
る。現在は全体事業の1割程度の規模を占め
ステムを搭載したモールディング装置は歩留ま
ションシステムの開発である。特にコンプレッ
るに過ぎないが、
10年後には5割まで高めた
り率も高く、
成形サイクルの大幅短縮と安定
ションシステムの技術を確立しているのは当
いと考えている。2013年10月には京都本社
生産を可能にしたため、
世界中の半導体メー
社だけなので、
2013年をコンプレッション元年
TSS
(トータルソリューションシステム)
室と新事
カーより画期的な開発と高く評価され、
TOWA
と位置づけ、
さらに拡充していきたい」
と、
代表
業推進室を新設したので、
2014年より本格
の名は一気に知られるようになった。
取締役社長の岡田博和氏は笑顔で語る。
的に着手していく」
と岡田氏は意気込みを見
同社はマルチプランジャシステムの開発を
海外事業は1988年のシンガポールを皮
せる。
「クォーター・リード」
の精神のもと、
新規
端緒に、
その後も最先端のモールディング装
切りに、
韓国、
中国、
台湾、
マレーシア、
フィリピ
事業も軌道に乗せ、
京都発のグローバルメー
置の開発に取り組み続ける。1992年に多品
ン、
北米、
オランダに販売・生産拠点を設立し、
カーとしてさらなる飛躍を目指す。
幅広く展開している。生産拠点は中国江蘇省
*1 半導体チップを湿気やほこりから保護するため、樹脂
岡田代表取締役社長
*1
蘇州工場外観
蘇州市とマレーシアのペナン州を海外2大工
場として位置づけており、
24時間稼働による
短納期生産体制を構築している。
コンプレッションモールド装置
などを用いて封止するプロセス。特に樹脂を成形す
る際に用いられる封止金型は高精度の製品を使用
しないと樹脂にムラが発生するため、金型技術にお
いて高いクォリティが要求される
*2 医療用に用いるプラスチックの成形品
現在、同社のモールディング装置は世界
(取材・作成)
みずほ銀行 直投支援部 金久 実央
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