1 平成 26 年 5 月 6 日(水) 《問 1》次の反応で得られる生成物 A∼C を構造式で答えよ。 1) CH3MgBr 2) H+, H2O A O 1) aq. NaOH OH B CN 2) H+, H2O O 1) DIBALH H C 2) H+, H2O O 《解説》 A. ニトリルに対する Grignard 反応。後処理によりイミン(>C=NH)が生成し、これは 直ちに加水分解されてケトンとなる。 C δ+ N δ- δ- δ+ H3C MgBr C N H3O+ CH3 C N MgBr CH3 H3O+ C O H CH3 A B. ニトリルの塩基触媒加水分解。ニトリルは塩基により加水分解されて、アミド中間体 (-CONH2)を生成する。それがさらに加水分解されてカルボン酸となる。 C δ+ N δ- OH C N OH H OH O H C NH O C NH2 OH OH H OH O OH H2N O O H O NH2 H3O+ OH O + NH3 O B C. Diisobutylalminum hydride (DIBAL-H)によるニトリルの還元反応。DIBAL-H にはヒ ドリドが 1 当量しかないので、還元は 1 回しか起こらない。その後、イミン(>C=NH) が生成するので、直ちに後処理で加水分解されてアルデヒドとなる。 2 H3O+ H Al C N C δ+ N δ- H C N Al H H H3O+ C O H C 《問 2》次の化合物を IUPAC 名で命名せよ。 1) 2) CN CN N Cl 《解説》 1)ニトリルの命名はアルカンの名称に官能基名のニトリル(nitrile)を付けて、アルカン ニトリル(alkanenitrile)とする。ニトリル官能基には炭素が含まれるので、この官能基 炭素も含めてその基名とする。よって、butanedinitrile(ブタンジニトリル)。慣用名は succinonitrile(コハク酸ニトリル)。 2 3 1 CN CN 4 2)アミン類の名称はアルカンの名称に官能基名のアミンを付けて、アルカンアミン (alkanamine)。官能基名の amine は母音で始まるので、alkane の語尾の e は落ちる。 問題では、炭素数の一番長い基名はヘキサンなので、hexanamine(ヘキサンアミン)が 基 名 と な り 、 残 り は 置 換 基 と し て 表 す 。 よ っ て 、 6-chloro-N-cyclopentyl-N,5-dimethylhexanamine(6-クロロ-N-シクロペンチル-N,5ジメチルヘキサンアミン)となる。 1 N 3 2 4 5 Cl 6
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