なぜ重症患者の血行動態管理において不可欠なのか?

連続的なScvO2モニタリングは、
なぜ重症患者の血行動態管理において不可欠なのか?
Shoemakerの分類1)で定義されているようなハイリスク患者の手術において
血行動態管理は不可欠であり、酸素の供給だけでなく消費も見ながら、
患者の循環動態のバランスを把握することが重要です。
中心静脈血酸素飽和度(ScvO 2 )は
心拍出量(CO)、ヘモグロビン(Hb)、
動 脈 血 酸 素 飽 和 度( S a O 2 )、酸 素
CO
ScvO2
Hb
ScvO2
消費
(VO2)
の、4つの要素によって影響 SaO2
正常(70%以上)
低い(70%以下)
経過観察
SaO2
VO2
されるパラメータで す 。S c v O 2 は
4つの要素の1つ、またはいくつかの要素が複合的に変化する
ことによって変動するため、ScvO2を把握することで循環動
特にハイリスク外科においては循環動態が急激に変動する
不可欠となります。ScvO2の低値(73%以下)はハイリスク
術中にHbが減少した際に、ScvO 2を一定値以上に維持す
ることで、不必要な赤血球輸血が回避できたという、輸血の
必要性を判断する指標としてのScvO 2 の有用性も示唆さ
れています3)。
CI*1
高い(2.5L/min/m2以上)
ことも多く、患者管理においてScvO2連続的モニタリングは
患者の予後改善にもつながると考えられています。また、
正常(95%以上)
酸素摂取率の増加
酸素療法
PEEP
態の変化をいち早く確認することが可能となります。
外科の術後合併症増加に関係しているとの発表 2)もあり、
低い
低酸素血症
低い(2.5L/min/m2以下)
Hb
8g/dL以上
酸素消費量の増加
痛み・発熱
鎮痛・鎮静
SVV*2
SV
8g/dL以下
10%以下
13∼15 %以上
貧血
心機能障害
循環血液量不足
輸血
DOA/DOB
輸液療法
*1:心係数 *2:一回拍出量変化
4)
Pinskyのアルゴリズム をもとに、
エドワーズライフサイエンス社がパラメータを一部置き換えたツリーです。
ScvO2はSvO2との高いトレンド相関性が実証されています
健常人の静脈血酸素飽和度を測定した場合、上大静脈にはVO2の多い脳
脳の代謝が抑制され、ショック時には脳などの重要臓器を守るために他の
腹部臓器への血流量が減少し、その臓器の酸素摂取率は上昇します。
このため、ScvO 2がSvO 2と比較して5∼7%ほど高くなります。ただし、
トレンドとしては同じ傾向で推移していることがさまざまな血行動態変動
の検証5)でわかっています。
60
40
20
0
正常
出血
酸素分圧
輸液
(HES)
高酸素症
しかし、麻酔時、ショック時などではこの状況が逆転します。麻酔時には、
ScvO2
正常酸素分圧
SvO2に比べ、2∼3%ほど低くなる傾向にあります。
SvO2
80
低酸素症
下大静脈と比べ、酸素飽和度が低めに出る傾向にあるため、ScvO 2 は
静脈血酸素飽和度
︵%︶
からの血流が含まれており、VO2が少ない腹部臓器からの血流が含まれる
出血
0 30 60 90 120 150 180 210 240
時間
(分)
PreSep
─ ScvO2を簡便かつ連続的にモニタリング可能なカテーテル ─
●
●
●
●
中心静脈カテーテルと同じ挿入方法で、低侵襲かつ速やかに使用できます。
エドワーズライフサイエンス社のビジレオ モニターを用いて、
すぐにScvO2モニタリングを開始できます。
コオキシメーター(血液ガス分析装置)
と同等の測定精度です。
エドワーズライフサイエンス社のフロートラック センサーと併用することで、
全身の酸素需給バランス管理を行うことにより血行動態の最適化が可能になります。
販売名:プリセップCVオキシメ
トリーカテーテル
承認番号:21800BZZ10117
販売名:ビジレオ モニター
承認番号:21700BZY00328
販売名:フロートラック センサー
承認番号:21700BZY00348
※フロートラックは、
既に挿入されている
動脈ラインのカテーテルにそのまま接続できます。
有 用 性 が 評 価され て い る 主 な 症 例
●
腹部大動脈瘤手術 6)
●
肝切除術 7)
●
胸部食道癌手術 3)
●
肝移植術 8)
●
穿孔性腹膜炎9)
参考文献
1) William Shoemaker, et al. Prospective trial of supranormal values of survivors as therapeutic
goals in high-risk surgical patients. Chest 1988;94
(6)
:1176-1186.
2) Collaborative Study Group on Perioperative ScvO2 Monitoring.
Multicentre study on peri-and postoperative central venous oxygen saturation in high-risk surgical patients.
Critical Care 2006;10:R158.
3) Makoto Kobayashi, et al. Perioperative monitoring of fluid responsiveness after esophageal surgery using
stroke volume variation. Expert Rev Med Devices 2008;5
(3)
:311-316.
4) Michael R. Pinsky, et al. Let us use the pulmonary artery catheter correctly and only when we need it.
Crit Care Med 2005; 33:1119‒1122.
製造販売元
5) Konrad Reinhart, et al. The value of venous oximetry. Current Opinion in Critical Care 2005;11:259-263.
6) 松野由以ほか. 中心静脈血酸素飽和度の測定が腹部大動脈瘤手術時の麻酔管理に有用であった2症例.
日本麻酔学会 2006;P2-35-05
7) 川口陽子ほか. 大量出血を呈した肝切除に対し連続的中心静脈酸素飽和度測定が有用であった2症例
−PreSep Central Venous Oximetry Catheter®の使用経験−. 麻酔 2006;55:1502-1505
8) A. El Masry, et al. Comparison of central venous oxygen saturation and mixed venous oxygen saturation
during liver transplantation. Anaesthesia, 2009;64:378-382
9) 小山淑正ほか. 中心静脈オキシメ
トリカテーテルを用いて術中よりearly goal-directed therapy (EGDT) を行った穿孔
性腹膜炎の1症例. 麻酔 2008;57(4):443-446
本社:東京都新宿区西新宿6丁目10番1号
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