「患者プロファイルと医療安全」 井上貴宏(富士通株式会社)

第34回医療情報学連合⼤会 シンポジウム6
『患者プロファイルと医療安全』
患者プロファイルと医療安全
2014年11⽉8⽇
富⼠通株式会社
ヘルスケア・⽂教システム事業本部
医療ソリューション事業部
Copyright 2014 FUJITSU LIMITED
患者プロファイル
基本的な情報をはじめ患者に関する様々な情報を集約したものを患者プロファイルとし、
各場⾯で記録を⾏うことで、患者プロファイル情報が更新されます。
外来での
問診や診察
患者プロファイル
⼊院時の
アセスメント
・患者基本情報
・既往歴
・家族情報
・障害
・感染症
・アレルギー
・妊娠
:
:
など
現象発⽣時の
記録
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患者プロファイル
病歴
患者基本情報
アレルギー・注意情報
障害情報
⾝体情報
連携・介護情報
輸⾎歴
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:
図:電⼦カルテの患者プロファイル画⾯例(HOPE EGMAIN-GX)
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
重要な情報を⾒落とさない仕組み
診療⽅針や診療⾏為に影響のある情報を⾒逃さないように、常にカルテ内で確認できる場所に
重要な情報の存在を表⽰
【必ず表⽰される情報】
患者⽒名、性別、年齢、⾎液型
⾝⻑、体重
患者カルテを開いている際に
常に⾒える位置に表⽰
【該当する場合に表⽰される情報】
アレルギー、感染症、インプラント、妊娠など
注意の必要な情報
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
各種⼀覧へ注意が必要な患者情報を表⽰
注意の必要な情報については、各種⼀覧(外来受付で使⽤する患者⼀覧など)で表⽰
図:受付患者⼀覧画⾯例(HOPE EGMAIN-GX)
例:要介護が登録されている患者
患者プロファイル
要介護状態区分:◎
以下のようなシーンでプロファイル情報を表⽰
• 外来受付⼀覧に障害情報を表⽰し、難聴の患者の呼び出し⽅法に配慮する
• 病棟のベッドマップに、感染症の情報を表⽰する 等
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
処⽅オーダでのプロファイル情報利⽤
投薬指⽰の際に、アレルギー情報とのチェックを実施
※妊婦、⼩児、⾼齢者、体重/体表⾯積、病名等とのチェックも同様
図:処⽅オーダ画⾯例(HOPE EGMAIN-GX)
例:薬剤アレルギーのある患者
患者プロファイル
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
検査オーダでのプロファイル情報利⽤
検査を⾏ううえで注意が必要な情報を表⽰
オーダ発⾏画⾯の上にアイコン
例:造影剤禁忌が登録されている患者
患者プロファイル
オーダ発⾏画⾯上にも情報を表⽰
※造影剤禁忌なしを確認済みの場合
確認⽇とともにもアイコンを表⽰
図:MRI検査オーダ画⾯例(HOPE EGMAIN-GX)
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
⾷事オーダでのプロファイル情報利⽤
患者プロファイルを更新すると同時に、オーダ情報の⾒直しを利⽤者に促します。
患者プロファイル
例:⾷物アレルギーがあることが後でわかった患者
(アレルギー情報なし → あり)
⾷事オーダ:
① ⼀般⾷ (アレルギー情報なし)
② ⾷事⽌め指⽰
③ ⾷事再開指⽰ (アレルギー情報なし)
①
②
⾷事オーダ:
① ⼀般⾷ (アレルギーあり)
② ⾷事⽌め指⽰
③ ⾷事再開指⽰ (アレルギー情報なし)
③
①
②
③
① ⼀般⾷(アレルギー情報なし)を
⼀般⾷(アレルギー情報あり)に変更
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
誤⼊⼒の防⽌、情報の信頼性の表⽰
⼊⼒内容に誤りがないかチェックし、利⽤者の⼊⼒ミスを防⽌。
情報が古い場合には注意を促し、情報の最新化へ。
⼀定期間以上前に⼊⼒されている情報は⾊
を変えて注意を促す
前回から⼤きく異なる値が⼊⼒された場合や、
規定値を超える数値に対するチェック
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患者プロファイルを利⽤した医療安全への取り組み
施設をまたいだ情報共有
従来施設単位に活⽤していた患者プロファイルを、ネットワークを介し施設間でも共有。
図:地域連携システム(HumanBridge )の患者プロファイル画⾯例
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患者プロファイル利⽤における課題
 データの信頼性
• 正しい情報が⼊っているのか、最新の情報が⼊っているのか。
• 確認はされているのか、それとも未確認なのか。
確認していない情報、古くなった情報について、リマインダする仕組み。
※外来で必ず確認すべき情報、⼊院時に・・・・ ⇒ シーンごとに決定?
 各部⾨システムとの連携
• オーダの中にプロファイル情報を埋め込んで送信していることがほとんどであり
プロファイル情報の変更時(アレルギーが後で判明した場合など)に課題
電⼦カルテの患者プロファイル情報を院内で共有して使⽤可能な基盤とし、
部⾨システムからも常に最新の情報を参照(更新)してもらうような仕組みへ。
 地域全体での施設間の連携
• 現在は参照のレベルとなっている
必要なプロファイル情報の項⽬の整備やコード化が進めば、
地域全体で共有し、信頼できる情報は院内でそのまま利⽤をすることが可能に。
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