105 高感度 HBs 抗原定量試薬「ルミパルス HBsAg-HQ」の検討 ◎中村 紘子 1)、山本 裕之 1)、西谷 真希 1)、木村 真由葉 1)、小林 一三 1) 大阪赤十字病院 1) 【目的】今回、我々は、検体前処理により反応性を高めた 希釈直線性不良な患者血清 20 検体を、検体前処理を行わず 化学発光酵素免疫測定法による高感度 HBs 抗原定量試薬ル に測定したが、全ての検体で直線性は良好にはならなかっ ミパルス HBsAg-HQ(富士レビオ)の基礎的検討を行った た。5.相関および一致率:ルミパルス HBsAg-HQ とルミパ ので報告する。 ルスプレスト HBsAg で HBsAg を測定した結果、相関 【対象・方法】当検査科に HBs 抗原の依頼のあった患者検 (n=128)は r=0.9403 であった。判定一致率(n=340)は 体 340 例を用いた。試薬はルミパルス HBsAg-HQ を用い、 97.9%であり、不一致は 7 件(うち 3 件については同一患者) ルミパルス G1200 で測定した。なお、比較対照試薬にはル であった。そのうち 5 件は、抑制試験により、ルミパルス ミパルスプレスト HBsAg を用いた。 HBsAg-HQ とルミパルスプレスト HBsAg の感度差による不 【結果】1.同時再現性: 2 濃度の管理試料を 20 回測定した 一致であることを確認した。また 2 件は、抗 IgM 抗体によ 結果、CV は 1.4~1.8%であった。2.日差再現性:2 濃度の る吸収試験により、IgM 抗体が関与したルミパルスプレス 管理試料を 10 日間測定した結果、CV は 1.6~2.1%であっ ト HBsAg の偽陽性であることを確認した。 た。3.検出限界:10 回測定 3SD 法による検出限界は 【考察】今回検討したルミパルス HBsAg-HQ は、希釈直線 1.5mIU/mL であった。4.希釈直線性:標準試料 2 濃度とプ 性において試薬改良等の必要性を考えるが、再現性や感度 ール血清 2 濃度を各 10 段階希釈し測定した結果、標準試料 が良く、対照試薬との相関も良好で、高感度 HBs 抗原定量 では良好な直線性が得られたが、プール血清では直線性が 試薬として有用であった。患者血清を用いた希釈直線性が 得られなかった。希釈直線性が不良となった原因を調べる 不良となった原因の一つとして、抗原抗体複合体の影響を ため、希釈直線性良好な患者血清 3 検体に、HBsAb 陽性血 考える。 清を添加したところ、希釈直線性は不良となった。また、 大阪赤十字病院 臨床検査科(06)6774-5111(内線 2736)
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