高感度 HBs 抗原測定試薬「ルミパルス HBsAg

高感度 HBs 抗原測定試薬「ルミパルス HBsAg-HQ」の試薬検討
◎米谷昌志
1)
、五阿彌泰明
2)
ファルコバイオシステムズ 総合研究所 1)、 ファルコバイオシステムズ
【はじめに】
HBs抗原定量法はB型肝炎の診断だけではなく、複数の
イムノ研究所
2)
7.6%の結果であった。②希釈直線性はHBs抗原濃度
139188.75mIU/mLまでほぼ原点を通る直線性を認めた。
定量試薬が開発され、予後や治療効果判定における有用性
③最小検出感度(2SD法)では1.25mIU/mLであった。④
が注目されるようになった。また、「B型肝炎治療ガイド
相関検討においては、報告上限値以上及び報告下限値未満
ライン」において、治療の長期目標はHBs抗原の消失にお
を除いた相関性はr=0.918,y=1.111x-3.544であった。⑤
くべきといわれている。今回、化学発光酵素免疫測定法
判定一致率は患者検体199例で96.5%であり、乖離検体は
(CLEIA)を測定原理とする高感度HBs抗原測定試薬であ
アーキテクト陽性でルミパルス陰性が1例、アーキテクト
る「ルミパルス HBsAg-HQ」の基礎的検討および現行試
陰性でルミパルス陽性が6例であった。
薬の「アーキテクト HBsAgQT」との比較検討をしたので
【まとめ】
報告する。
今回、ルミパルス G1200 を用いた HBs 抗原定量試薬の基
【対象および方法】
礎的検討及び相関検討は良好な結果であった。肝臓学会の
1.対象:当検査センターにB型肝炎検査依頼のあった血清
B 型肝炎治療ガイドラインでは、B 型肝炎治療の長期目標
を使用した。患者検体は連結不可能匿名化後に測定した。
に HBs 抗原の消失におくべきと記載されており、高感度試
2.方法:①ルミパルス HBsAg-HQ(富士レビオ)ルミ
薬での確認が有用となってくる。また、リウマチガイドラ
パルスG1200②アーキテクト HBsAgQT(アボットジャパ
インにおいても免疫療法やリウマチ治療前に高感度法によ
ン)ARCHITECTi2000
る HBs 抗原の測定が記載されており、de novo 肝炎の早期
【結果】
発見に役立つものと期待される。
①同時再現性のCVは1.1~2.2%、日差再現性のCVは0.4~