磁気共鳴画像法および超音波検査による若年重症血友病 A 患者の「健康

Abstract: M. N. D. di Minno, et al.
Abstract (Musculoskeletal )
磁気共鳴画像法および超音波検査による若年重症血友病 A 患者の「健康」
な関節の評価
Magnetic resonance imaging and ultrasound evaluation of“ healthy ” joints in young
subjects with severe haemophilia A
M. N. D. di Minno, S. Iervolino, E. Soscia, A. Tosetto, A. Coppola, M. Schiavulli, E. Marrone, C. Ruosi,
M. Salvatore and G. di Minno
要 約:血友病 A( HA )患者への磁気共鳴画像法
p = 0.036 )お よ び 軟 骨 び ら ん( r = 0.734,p =
( MRI )および超音波検査( US )の利用が,早期の
0.010 )に関しては有意に相関していた。内在的な
限界はあるが,US による関節の評価では重症 HA
の若年患者の HJ で,無症状の異常が確認された。
関節異常を検出する目的で増加しつつある。重症
HA の若年患者 20 例( 22.45 ± 2.27 歳;関節炎,ウ
イルス感染または第 VIII 因子に対するインヒビ
ター発現歴なし)において,無症状で出血イベント
を一度も起こしたことのない合計 40 の「 健康な関
節」
( HJ )を MRI と,平行して US で評価した。同
じ関節を,これら患者にマッチさせた 20 例の非
血友病( no-HA )被験者(平均年齢 23.90±2.31 歳,
HA 患者との比較で p = 0.078 )で評価した。妥当
性ありと評価された手順に従い,特殊な位置取り
のプローブで US 画像を撮影した。データの収集と
解析には妥当性が認められた US スコアと,累進
( P-MRI )ならびに加法( A-MRI )MRI スコアを用
いた。US スコアは,非 HA 被験者よりも HA 患者
p < 0.001 )
で高値
( 0.80 ± 1.10 に対して 3.40 ± 1.72,
であった。中等度および重度の異常のみを考慮し
たため,関節滲出液が HA 患者の関節( HA 関節 )
の 55%,HA 対照者の関節( 非 HA 関節 )の 5%に
認められた( p < 0.001 )。また,滑膜肥厚は HA 関
節の 20 %に認められたが,非 HA 関節には認めら
れなかった。さらに,軟骨のびらんは HA 関節の
30 %に認められたが,非 HA 関節には認められな
かった。MRI による評価で,これらの所見と US
ス コ ア が A-MRI( r = 0.732,p < 0.001 )お よ び
P-MRI( r = 0.598,p < 0.001 )スコアと相関する
ことが確認された。MRI と US のデータは,浸出液
, 滑 膜 肥 厚( r = 0.633,
( r = 0.819,p = 0.002 )
Haemophilia (2013), 19, e167–e173
© 2013 Blackwell Publishing Ltd
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Abstract: M. N. D. di Minno, et al.
Abstract: A. Farrugia, et al.
Abstract (Clinical haemophilia )
重症血友病 A 患者の生涯にわたる治療−定期補充療法と出血時投与法を
比較した費用対効果モデル
Treatment for life for severe haemophilia A‒ A cost- utility model for prophylaxis vs.
on-demand treatment
A. Farrugia, J. Cassar, M. C. Kimber, M. Bansal, K. Fischer, G. Auserswald, B. O’ Mahony, K. Tolley,
D. Noone and S. Balboni
要 約:定期補充療法は血友病の小児の治療法と
を生涯について比較する,費用対効果モデルを作成
して確立され,それを成人になっても継続するこ
した。このモデルを,英国国民健康保険を例にした
とで,生涯にわたり病状を軽減できることが示され
単独の全国的健康管理システムおよび米国の第三
てきた。但し,凝固因子製剤を用いた治療にかか
者機関による保険システムに当てはめた。国際的増
るコストは高く,その選択は費用対効果の面で疑
分費用対効果比( ICER )の増加を推計し,支払い側
問視されてきた。薬物動態に則した投与量とイン
が補償の判断の指針として用いている閾値と比較
ヒビター形成に対する忍容性を用いて,重症血友
した。スウェーデンについては生涯での生活の質
病 A 患者の定期補充療法と出血時投与( OD )治療
を調整した( QALY )上でのコストも推計した。英
国では,定期補充療法が OD 治療よりも優勢であっ
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Haemophilia (2013), 19, e228–e238
© 2013 John Wiley & Sons Ltd
た。モデルから得られた ICER は 68,000 米ドルで
あり,米国で補償される治療費の範囲内であった。
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