プチ健診を受けられた人へ <③肝臓が気になる人> あなたが今回受けられました検査についての説明です。参考にしてください。 (基準値:13~33 IU/L) AST(GOT) AST(GOT)は、心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く含まれている酵素です。 これらの臓器の細胞に異常(臓器や組織の損傷など)が起こると、血清中の AST の値 は高値を示します。一般に、肝臓障害や心筋梗塞の診断の手がかりになります。 検査前の飲酒や激しい運動、肥満、ステロイドの服用、ストレスなどでも値は上昇し ます。採血の際に、血球が壊れてしまって溶血が起きると上昇してしまいますので注意 が必要です。 (基準値:8~42 IU/L) ALT(GPT) ALT(GPT)は、特に肝細胞の変性や壊死に敏感に反応するので、AST(GOT)と ともに肝臓や胆道系の病気の診断に欠かせない検査です。 AST(GOT)と同様に、検査前の飲酒や激しい運動、肥満、ステロイドの服用、ス トレスなどでも上昇します。 γGTP(基準値:0~65 IU/L) アルコールによる肝臓の障害の指標として重要な検査です。アルコール性肝炎、アル コール性脂肪肝、アルコール性肝硬変などが代表ですが、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬 変、肝がんなどでも異常を示すことがあります。また、胆石症、胆道結石症など肝臓で 作られる胆汁が腸管へうまく排出されない時にも上昇します。お酒を飲んでいないのに 値が高くなる方は、サプリメントや生薬・漢方薬などの服用が原因となることもありま すので注意が必要です。 検査結果を見る時の注意 基準値は、登米市民病院で 使用しているものです。 基準値は施設や性別、年齢 などで異なることがあります。 また、検査項目によっては、 検査方法や単位などが異なる ことがありますので、検査結果 を他の施設のものと比べる時 などはご注意ください。 登米市民病院は、平成 25 年度 日本臨床衛生検査技師会臨床検 査精度管理調査に参加し、A 評価 の認定を受けています。 「沈黙の臓器!! 肝臓・・・」 自覚症状がないのが肝臓病の特徴です。気づいた時には肝臓の病気がかなり進行していたということが少なくありま せん。そのために、定期的に肝臓の状態を確かめておく必要があります。肝臓はよく「沈黙の臓器」と言われます。い ったい何故でしょうか? 肝臓は体内で最も大きな臓器で、再生能力が高いという特徴があります。また、生命活動を維持していくには、全体 の 4 割程度が残っていれば大丈夫とされています。例え肝臓の一部に障害が生じても、ほかの部分がその働きを補い、 障害された肝細胞が再生を始めるので、なかなかその障害に気づかないことになります。故に、「沈黙の臓器」と呼ばれ ます。 肝臓の働き 肝臓は、肝細胞において原料を化学反応によって加工する工場のような役割を担っています。主な働きは次のような ものです。 急増する肝障害! 昔から「肝臓の病気=大酒飲みの病気」というイメージがありま すが、今やお酒を飲まない人も安心してはいられません。 “デスク ワーク中心で運動不足” “外食が多い不規則な食生活”といった現 代人ならではのライフスタイルのせいで、脂肪肝から脂肪性肝炎 などにかかる人が増加しているのです。 人間ドック受診者の結果から、日本では 3 人に 1 人が肝機能検 査に何らかの異常が見られていると言われています。ところが、 そのうちの多くの患者さんは、病院を受診して治療を受けていま せん。なぜなら“沈黙の臓器”と呼ばれる肝臓は、ダメージを受け ても症状が出にくいのが特徴。倦怠感や黄疸など何らかの症状が 出て病院に行ったときには、すでに重症化して「肝硬変」や「肝細 胞がん」になっていることも少なくないのです。 まずは「脂肪肝チェック表」で、自分のライフスタイルを振り返 ってみましょう。1 コ以上当てはまるようなら要注意。 プチ健診で異常が見つかったら、お早めに医療機関の受診をお勧めします(保険診療) 。その 際は、必ずプチ健診の結果をお持ちください。当院には複数の診療科がありますのでご利用 ください。 お問い合わせ 登米市立登米市民病院 事務局(医事係) 0220-44-4735
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