── 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。── 使用上の注意改訂のお知らせ NMDA 受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤 メマンチン塩酸塩製剤 劇薬 処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること 2015 年 2 月 製造販売元 このたび、標記製品の「使用上の注意」の一部を改訂いたしましたので、ご連絡申し上げます。 つきましては、今後のご使用に際しご参照いただくとともに、副作用等の治療上好ましくない有害事象を ご経験の際には、弊社MRに速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます。 1. 改訂の概要 (1) 「重大な副作用」 の項に 「肝機能障害、黄疸」を追記しました。≪薬食安通知≫ (2) 「その他の副作用」 の項に 「顔面浮腫」、「眼瞼浮腫」、「脱力感」を追記しました。≪自主改訂≫ 2. 改訂内容〔( )薬食安通知による改訂、 ( )自主改訂〕 改 訂 後 改 訂 前 ( 1)重大な副作用 ( 1 )重大な副作用 1 )~ 3 ) 現行通り 1)~ 3) 省略 注) 注) ←(追記) 4)肝機能障害(頻度不明 ) 、黄疸(頻度不明 ) : AST( GOT) 、ALT( GPT) 、ALP、ビリルビン 等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれる ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を 行うこと。 ( 2 )その他の副作用 ( 2 )その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、異 下記の副作用があらわれることがあるので、異 常が認められた場合には必要に応じ投与を中止 常が認められた場合には必要に応じ投与を中止 するなど適切な処置を行うこと。 するなど適切な処置を行うこと。 過敏症 その他 1 ~ 5% 未満 1% 未満 発疹 頻度不明注) 顔面浮腫、 眼瞼浮腫 (現行通り) 血糖値上昇、 貧血、倦怠感、脱力感 転倒、浮腫、 発熱、コレステ 体重減少、 ロール上昇、 CK(CPK)上昇 トリグリセリド 上昇 過敏症 その他 注)自発報告又は海外において認められている副作用のため 頻度不明。 1 ~ 5% 未満 1% 未満 発疹 頻度不明注) (省略) 血糖値上昇、 貧血、倦怠感、 転倒、浮腫、 発熱、コレステ 体重減少、 ロール上昇、 CK(CPK)上昇 トリグリセリド 上昇 注)自発報告又は海外において認められている副作用のため 頻度不明。 流通在庫の関係から、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数が必要ですので、ご使用に際しましては、ここに ご案内申し上げました改訂内容をご参照いただきますようお願い申し上げます。 −1− 3.改訂理由 (1) 重大な副作用 【厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(薬食安通知)による改訂】 「その他の副作用」 の項に「肝機能異常」を記載しておりますが、本剤との関連性が否定でき ない重篤な「肝機能障害、黄疸」関連の報告が国内において集積されたことから、「重大な副 作用」の項に追記しました。 次頁以降に「肝機能障害、黄疸」関連の症例の概要を記載しておりますので、併せてご参照 ください。 (2) その他の副作用 【自主改訂】 本剤との関連性が否定できない「顔面浮腫」 、 「眼瞼浮腫」及び「脱力感」の報告が国内におい て集積されたため、 「その他の副作用」の項に追記しました。 −2− 【症例の概要】 1.<肝機能異常> 患 者 本剤使用理由 性 年齢 原疾患(合併症) 女 アルツハイマー型 80代 認知症 (糖尿病) (便秘) 副作用名:肝機能異常 1日投与量 投与期間 備考 経 過 及 び 処 置 本剤投与開始日: 認知症による不穏あり、いろいろなものを噛みちぎってしまう。 本剤5mg/日を胃瘻より投与開始。 投与8日目: 本剤10mg/日に増量。 投与15日目: 本剤15mg/日に増量。 投与18日目(発現日): 09:00 BT37.7℃ 活気あるがやや傾眠あり。 14:00 採血の結果、GOT 1053、GPT 1000、ALP 1684、LDH 900 とアンモニア 82、肝機能障害が急に出現。腹部CT異常なし。意識 障害、黄疸は認められなかった。内服薬全て中止、食止め、補液1日 1500mL、インスリン スライディングスケール実施。 発現5日目: 肝機能障害改善傾向、点滴終了、経管栄養を再開。 発現12日目: シタグリプチンリン酸塩水和物、ボグリボース投与再開。 発現22日目: GOT 16、GPT 13、ALP 345、LDH 157と改善。 その後、事象の再発なし。 5mg 7日 10mg 7日 15mg 4日 併用薬:シタグリプチンリン酸塩水和物、ボグリボース、酸化マグネシウム 臨床検査値 投与開始 112日前 投与97日前 投与82日前 投与59日前 投与31日前 投与6日前 ALT(IU/L) 13 11 10 - 13 14 AST(IU/L) 16 15 14 - 17 16 ALP(IU/L) 312 299 311 - 318 341 T-Bil(mg/dL) 0.2 0.3 0.4 - 0.3 0.3 CPK(IU/L) - 18 23 - - - CRE(mg/dL) 0.27 0.34 0.38 0.31 0.32 0.36 LDH(IU/L) 137 143 137 - 146 163 BUN(mg/dL) 22.8 23.1 24.1 - 18.4 19.9 投与18日目 (発現日) 発現2日目 発現5日目 発現8日目 発現17日目 発現22日目 ALT(IU/L) 1000 620 156 67 - 13 AST(IU/L) 1053 349 25 19 - 16 ALP(IU/L) 1684 1400 820 614 - 345 T-Bil(mg/dL) 1 1.4 0.8 0.5 - 0.4 CPK(IU/L) 55 46 44 43 - - CRE(mg/dL) 0.3 0.3 0.2 0.2 0.37 - LDH(IU/L) 900 206 131 138 - 157 BUN(mg/dL) 20.4 19.6 8.3 10.5 - - −3− 2.<薬剤性肝障害> 患 者 本剤使用理由 性 年齢 原疾患(合併症) 副作用名:薬剤性肝障害 1日投与量 投与期間 女 アルツハイマー型 70代 認知症 (急性肝炎) (胆管炎) (便秘) (胃食道逆流性疾患) (うつ病) (胃炎) 備考 経 過 及 び 処 置 本剤投与開始25日前: AST 29、ALT 25、γ-GTP 15。 本剤投与開始日: 本剤5mg/日 投与開始。 投与15日目: 本剤10mg/日に増量。 投与29日目: 本剤15mg/日に増量。 投与198日目(発現日): 朝より食思低下、肝機能異常発現。AST 2119、ALT 1139、γ-GTP 285、LDH 1939、T-Bil 1.7。薬剤性肝障害を疑い、一旦内服薬を全 て中止。 その後、症状の改善を認めた。 発現6日目: AST 46、ALT 123、γ-GTP 151、LDH 214、T-Bil 0.8。 発現7日目(発現日): 再び内服薬再開。 発現10日目: AST 783、ALT 615、γ-GTP 546、LDH 552、T-Bil 0.9。薬剤性 肝障害と診断して全ての内服薬を中止すると症状改善を認めた。 発現12日目: AST 88、ALT 240、γ-GTP 362、LDH 172、T-Bil 0.3。 発現21日目: 軽快。 5mg 14日 10mg 14日 15mg 170日 不明 4日 併用被疑薬:エソメプラゾールマグネシウム水和物、モサプリドクエン酸塩水和物、ミルナシプラン塩酸塩、 酸化マグネシウム その他併用薬:なし 臨床検査値 投与開始 342日前 投与25日前 投与6日目 投与14日目 投与36日目 ALP(IU/L) 307 312 - 346 355 ALT(IU/L) 13 25 25 23 24 AST(IU/L) 15 29 22 20 21 BUN(mg/dL) 19.7 23.6 18.0 15.2 20.4 CRP(mg/dL) ≦0.02 1.48 - 0.02 0.05 γ-GTP(IU/L) 13 15 16 15 16 Hb(g/dL) 13.0 13.0 13.2 13.1 13.5 LDH(IU/L) 163 312 - 156 172 PLT(×10 /μL) 22.8 22.1 21.1 20.6 18.7 CRE(mg/dL) 0.70 0.65 0.67 0.67 0.68 T-Bil(mg/dL) 0.6 0.6 - 0.6 0.8 WBC(×103/μL) 5.4 6.0 5.3 5.0 5.1 4 −4− 投与198日目 (発現日) 発現2日目 発現3日目 発現6日目 発現8日目 ALP(IU/L) 1169 989 856 755 675 ALT(IU/L) 1139 679 379 123 80 AST(IU/L) 2119 480 135 46 44 BUN(mg/dL) 24.3 16.0 14.4 11.9 18.0 CRP(mg/dL) 1.40 8.01 12.36 5.00 2.48 γ-GTP(IU/L) 285 241 197 151 139 Hb(g/dL) 13.5 12.4 13.0 12.0 12.3 LDH(IU/L) 1939 320 195 214 217 4 PLT(×10 /μL) 14.7 11.6 10.6 16.4 19.9 CRE(mg/dL) 0.65 0.69 0.61 0.58 0.54 T-Bil(mg/dL) 1.7 2.8 1.8 0.8 0.4 9.2 13.4 9.0 6.3 8.5 3 WBC(×10 /μL) 発現10日目 発現12日目 発現15日目 発現19日目 発現36日目 ALP(IU/L) 1666 1234 767 619 517 ALT(IU/L) 615 240 111 61 21 AST(IU/L) 783 88 46 32 23 BUN(mg/dL) 14.0 18.4 24.2 23.7 19.6 CRP(mg/dL) 1.32 0.36 0.07 0.06 0.05 γ-GTP(IU/L) 546 362 224 161 56 Hb(g/dL) 12.5 11.8 11.2 11.9 12.6 LDH(IU/L) 552 172 159 152 158 PLT(×10 /μL) 23.7 28.8 27.6 24.7 18.5 CRE(mg/dL) 0.63 0.58 0.53 0.60 0.58 T-Bil(mg/dL) 0.9 0.3 0.3 0.3 0.4 WBC(×103/μL) 4.9 4.9 6.5 4.5 4.4 4 −5− 3.<肝機能障害、黄疸> 患 者 本剤使用理由 性 年齢 原疾患(合併症) 1日投与量 投与期間 男 認知症 70代 (タバコ使用者) (アルコール摂取) 5mg 7日 10mg 70日 15mg 7日 20mg 108日 副作用名:肝機能障害、黄疸、全身のだるさ 経 過 及 び 処 置 使用開始時期は不明だが、多数のサプリメント(詳細不明)を服用して いる患者であった。 本剤投与開始 958日前: アルツハイマー型認知症に対し、ドネペジル塩酸塩 5mgの投与を開始。 投与278日前: 近医にてフルスルチアミン塩酸塩 75mgの投与を開始。 投与144日前: 近医にてサルポグレラート塩酸塩 300mgの投与を開始。 本剤投与開始日: 本剤 5mgの併用を開始。 投与8日目: 本剤 10mgに増量。 投与15日目: 本剤 15mgに増量。 投与22日目: 本剤 20mgに増量。 投与130日目: 全身のだるさが認められたため、本剤 10mgに減量。 投与178日目: 他院へ転院のため、ドネペジル塩酸塩の投与を終了。 投与185日目(発現日): 食 欲不振のため、近医受診。採血にて、T-Bil 11.4、AST 1608、 ALT 652、ALP 558、γ-GTP 284と黄疸、肝機能障害を認めた。 発現3日目: 報告医療施設受診。緊急性はないと判断し、発現6日目の入院予約を 行い、帰宅となる。 発現6日目: 入院。採血、エコー、CT、MRCPの結果、薬剤性肝機能障害を疑い、 フルスルチアミン塩酸塩、サルポグレラート塩酸塩の投与を中止。 ウルソデオキシコール酸内服開始。グリチルリチン・グリシン・ L-システイン配合剤静注を開始。 発現8日目: 本剤の投与を中止。 発現12日目: 肝機能の改善乏しく、プレドニゾロン(30mg/日)の内服を開始。 発現13日目: 直近に投薬内容に変更があった本剤に対してDLSTを施行したとこ ろ、陽性であった。 発現19日目: プレドニゾロン内服中止。プレドニゾロン酢酸エステル(50mg/日) の点滴静注を開始。 発現23日目: プレドニゾロン酢酸エステル点滴静注を40mg/日へ減量。 発現24日目: ウルソデオキシコール酸 6錠×3 へ増量。 発現28日目: プレドニゾロン酢酸エステル点滴静注を30mg/日へ減量。 発現29日目: ウルソデオキシコール酸 9錠×3 へ増量。 発現30日目、31日目: 肝機能改善乏しく、ビリルビン吸着施行するも改善乏しい。 発現33日目: 死亡(剖検無し)。 併用薬:サルポグレラート塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩 −6− 備考 臨床検査値 投与38日目 投与152日目 投与185日目 (発現日) 発現6日目 発現7日目 発現9日目 ALT(IU/L) 14 24 652 318 211 184 AST(IU/L) 26 40 1608 212 131 124 ALP(IU/L) 276 - 558 547 432 483 T-Bil(mg/dL) 2.3 - 11.4 20.8 17 20.8 CRE(mg/dL) 0.72 0.81 - - 0.77 0.79 LDH(IU/L) 227 308 - 453 327 333 BUN(mg/dL) 7.5 5.1 - 8.8 9.8 11.4 γ-GTP(IU/L) 47 143 284 193 139 129 発現11日目 発現13日目 発現15日目 発現18日目 発現20日目 発現22日目 ALT(IU/L) 154 130 139 130 145 152 AST(IU/L) 122 129 123 110 120 116 ALP(IU/L) - 447 460 434 450 477 T-Bil(mg/dL) 21.3 20.5 21.9 18.3 18.7 19 CRE(mg/dL) 0.88 0.9 0.85 0.86 0.9 0.96 LDH(IU/L) - 332 327 283 294 295 BUN(mg/dL) 9.1 14.2 13.6 15.3 16.9 21.7 γ-GTP(IU/L) - 100 114 94 94 90 発現25日目 発現29日目 発現31日目 (1回目) 発現31日目 (2回目) 発現32日目 ALT(IU/L) 157 159 162 133 179 AST(IU/L) 109 106 106 88 135 ALP(IU/L) 512 527 471 - - T-Bil(mg/dL) 20.1 21.2 20.4 11.4 19.6 CRE(mg/dL) 0.81 0.99 1.73 - 1.55 LDH(IU/L) 342 370 356 - - BUN(mg/dL) 22.2 22.9 38.9 - 38.2 γ-GTP(IU/L) 90 85 62 - - ☆添付文書全文については弊社ホームページに掲載しておりますので、併せてご参照いただきま すようお願い申し上げます。(https://www.medicallibrary-dsc.info ) −7− NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤(メマンチン塩酸塩製剤) 〔 ※2015 年2 月改訂〕 【効能・効果】 【用法・用量】 【使用上の注意】 禁忌 【禁忌】 (次の患者には投与しないこと) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 効能・効果 中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制 2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという 成績は得られていない。 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確 認されていない。 1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。 通常、成人にはメマンチン塩酸塩として 1日 1回 5mgから開始し、1 週間に 用法・用量 5mgずつ増量し、維持量として1日1回 20mgを経口投与する。 2. 高 度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある 患者には、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、維持量は 1日 1 回 10mg とすること( 「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照) 。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 3. 医療従事者、家族等の管理の下で投与すること。 1. 1 日 1回 5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、 4. OD 錠は口腔内で速やかに崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果 発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。 維持量まで増量すること。 1 .慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 4 .副作用 (1)てんかん又は痙攣の既往のある患者[発作を誘発又は悪化させること がある。] 国内におけるメマリー錠承認時までの臨床試験において、1,115 例中 408 例( 36.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、めまい4.7%( 52 例) 、 (2)腎機能障害のある患者[本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能障害の ある患者では排泄が遅延する(「用法・用量に関連する使用上の注意」 便秘3.1%(35 例) 、体重減少2.2%( 24 例) 、頭痛2.1%( 23 例)等であった。 〔承認時〕 ( 1)重大な副作用 及び「薬物動態」の項参照)。] ( 3)尿 pHを上昇させる因子(尿細管性アシドーシス、重症の尿路感染等) を有する患者[尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下し、本 1)痙攣(0.3%) :痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 2)失 神(頻度不明注))、意識消失(頻度不明注)) :失神、意識消失があ 剤の血中濃度が上昇するおそれがある。] (4 )高度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく、安全性が確立していない。 ] 2 .重要な基本的注意 らわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (1 )投与開始初期においてめまい、傾眠が認められることがあるので、患 3)精神症状(激越:0.2%、攻撃性:0.1%、妄想:0.1%、幻覚、錯乱、 者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合は、投与を中止す せん妄:頻度不明注)) :精神症状(激越、幻覚、錯乱等)があらわれ るなど適切な処置を行うこと。また、これらの症状により転倒等を伴 ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に うことがあるため、十分に注意すること。 は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (2 )通常、中等度及び高度アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等 注) 注) 、黄 疸(頻 度 不 明 ) :AST( GOT) 、 ※ 4)肝 機 能 障 害(頻 度 不 明 ) 使 危険を伴う機械の操作能力が低下することがある。また、本剤により、 ALT( GPT) 、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸 用 めまい、傾眠等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら 上 自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。 れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 の (2 )その他の副作用 (3)他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。 注 (4)本剤投与により効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。 下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合 3 .相互作用 には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 意 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等 ドパミン作動薬 レボドパ等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 ドパミン作動薬の作用を 本剤のNMDA ( N-メチル 増強させるおそれがある。-D-アス パラギン酸)受 容体拮抗作用が、ドパミ ン遊離を促進させる可能 性がある。 ヒドロクロロチアジド ヒドロクロロチアジドの 機序は不明である。 血中濃度を低下させる。 腎尿細管分泌 (カチオン 本剤の血中濃度が上昇す 本剤は一部が尿細管分泌 輸送系)により排泄され るおそれがある。 (カチオン輸送系)により る薬剤 排 泄 され るた め、同じ シメチジン等 輸 送 系を介 する薬 剤と 競合する可能性がある。 尿 アルカリ化を 起 こす 本剤の血中濃度が上昇す 尿のアルカリ化により、 薬剤 るおそれがある。 本 剤 の 尿 中 排 泄 率 が アセタゾラミド等 低下するため。 NMDA受容体 拮 抗作用 相互に作用を増強させる 両薬剤ともNMDA受容体 を有する薬剤 おそれがある。 拮抗作用を有するため。 アマンタジン塩酸塩、 デキストロメトルファン 臭化水素酸 塩 水 和物 等 −8− ※ 過敏症 1 ~ 5% 未満 1% 未満 発疹 頻度不明注) 顔面浮腫、 眼瞼浮腫 精神神経系 めまい、頭痛 傾眠、不眠、徘徊、 歩行障害、 不穏、易怒性、 不随意運動(振戦、 不安 チック、ジスキネジー 等) 、活動性低下、 鎮静 腎 臓 頻尿、尿失禁、 尿潜血、BUN 上昇 肝 臓 肝機能異常 消化器 便秘、食欲不振 消化管潰瘍、悪心、 嘔吐、下痢、 便失禁 循環器 血圧上昇 血圧低下、 上室性期外収縮 ※ その他 血糖値上昇、転倒、貧血、倦怠感、発熱、脱力感 浮腫、体重減少、 コレステロール上昇、 CK( CPK)上昇 トリグリセリド上昇 注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。 5 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ( 1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険 性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [動物実験(ウサギ) で胎児への移行が認められている。また、動物実験(ラット)で胎児及び 出生児の体重増加抑制が認められている。] (2 )授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与す 行うこと。なお、尿の酸性化により、わずかに排泄が促進したとの報告 がある。 る場合は、授乳を避けさせること。 [動物実験(ラット)で、乳汁中への 8 .適用上の注意 移行が認められている。] (1)薬 剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用する 使 6 .小児等への投与 よう指導すること。 ( PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜 用 上 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立し へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発す ていない(使用経験がない)。 ることが報告されている。 ) の 7 .過量投与 ( 1)症状(外国人における報告) ( 2)服用時: 1)OD錠は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なし 注 メマンチン塩酸塩400mg服用患者において、不穏、幻視、痙攣、傾眠、 で服用可能である。また、水で服用することもできる。 意 昏迷、意識消失等があらわれ、また、メマンチン塩酸塩 2,000mg服用 2 )OD 錠は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。 患者において、昏睡、複視及び激越があらわれ、それぞれ回復したと の報告がある。 (2 )処置 9 .その他の注意 ラットの高用量投与実験(メマンチン塩酸塩 100mg/kg単回経口投与、 25mg/kg/ 日以上 14 日間反復経口投与、又は 100mg/kg/ 日 14 日間混餌 過量投与に対する特異的な中和剤は知られていない。過量投与と考え 投与)において、脳梁膨大皮質及び帯状回皮質に神経細胞の空胞化又は られる症状がみられた場合には、投与を中止し、適切な対症療法等を 壊死が認められた。 注)( )薬食安通知による改訂、 ( )自主改訂 〈製品情報お問い合わせ先〉 第一三共株式会社 製品情報センター TEL:0120-189-132〔受付時間 9:00〜17:30(土、日、祝祭日、当社休日を除く)〕 −12− MEM7OS0301 2015年 2 月作成
© Copyright 2024