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印 度學佛教學研究第40雀第2號
Pancakrama
五
研 究
garjuna
に 帰 せ られ る
chen
然 る に,
po
Candrakirti
utpattikrama3)
(PK)
流
は,
壱 指 す と い う の が 一般
に よ る チ ベ ッ ト訳
の
2. Cittavisuddhikrama
4. (Paramarahasyasukha-)
Yuganaddhakrama
(D.1802,
Pradzpoddyotana
Na-
そ の名 め示 す 如 く五 つ の 実 践 階 梯
1. Vajrajapakrama,
3. Svadhisthanakrama,
及 び5.
bzan
Pancakrama
そ の 五 次 第 と は,
(Anuttarasatpdhi)1),
Rin
等
の 聖 者 流 に お い て 究 寛 次 第 の 根 本 テ キ ス ト と さ れ,
か ら 構 成 さ れ る が,
bodhikrama
(1)
次第の構成について
苫米地
Gmhyyasamajatantra
卒成4年3月
(PU)は
P. 2667)
Abhisam的 認 識 で あ り,
も 上 記 の 構 成 壱 持 つ。
そ の 冒 頭2)で
adau syan mantram-urtiprasadhakah/
cittanidhyaptimatram
to dvitiyali krama ucyate//
tTtiyas ca kramo ramyah
samvrteh
satyadarsanam/
satyasya samvrtehsuddhis
caturthakrama
pancamo yuganaddhakhyo
yat satyadvayayojanam/
と述 べ, 生起 次 第 壱 第1支
ucyate//
とす る 五次 第 壱 説 く。 この 様 な 五 次 第 の 構 成 に 関 す る
見 解 の相 違 は, 既 に松 長 有 慶 氏 に よ って注 目 され て い る4)。 しか し残 念 な が ら氏
の論 孜 は 紙 数 の 関 係 か ら極 め て 簡 略 で あ り, 相違 す る見 解 の 紹 介 と問 題 提 起 に と
どま って い る。 そ こで 本稿 は 主 と してPKに
対 す る イ ン ド撰 述 の諸 註 釈 壱基 に し
て この 問 題 壱再 考 し よ うとす る もの で あ る。
で は早 速, 諸 註 釈 に お け る 次 第 の 構 成 に つ い て 見 て み よ う。チ ベ ッ ト大蔵 経 に
は, 特殊 な 性 格 壱 もつ Naropa
の もの(P. 4789及 びD.
釈 と され る Aryad eva の Cmyamelapakapradipa
く と九種 のPK註
意趣
D.1803, P.2668) 壱 除
が 収 め られ い るが, これ らの 九 種 の 註 釈 は 次 第 の 構 成 に 関 して
三 系 統 に 大 別 し うる。す な わ ち,
で あ る Pindzkrama
(CMP,
2333, P. 4790)と,
上 記 のPUの
記 述 に 従 うもの5),
壱 含 む 六 次 第 に対 して 註 釈 壱 施 す も の6), 及 び
生起次第
Vajrajapa
以 下 の 究 寛 次 第 の 五 次 第 に註 釈 壱 施 す もの7)とい う三 系 統 で あ る。 こ こ で九 種 の
註 釈 全 て に 言 及す る こ とは 紙 数 が 許 さな い の で, 特 に 示 唆 的 な 記 述 の 見 られ る(A)
-895-
Pancakrama
系 統 の Munisribhabra
(Dl 1841, P. 2698)
研 究 (1)<苫 米 地)
註, (D.181S,
P.2691),
(193)
系 統 に 属 す る Samayav
そ し て Abhayakaragupta
註
1831, P. 2700
ajra 註
に 限 つて検 証
す る こ と に す る。
<1. Munisribhadra
註>
本 註 釈 の 特 徴 は, Pindikrama
壱 第 一 次 第,
vajrajapakrama
て 註 釈 し て い る こ と で あ り, さ ら に Cittavisuddhikrama
名 の 下 に 随 所 に 引 用 さ れ,
Munisribhadra
ucyate
PKか
が 上 記PUの
が Vajrajapakrama
k. 66cdに
cittanidhyaptimatralp
の
tudvitiyah
壱 意 味 す る と理 解 しつ つPUの
Anuttarasalpdhi
す る 説 壱 批 判,
は Anuttarasamdhi
ら独 立 した 文 献 ど し て 扱 わ れ て い る8)。 こ れ は,
記述中
め で あ る。 彼 は, Vajrajapakrama
し て 引 用 し,
壱 第二 次 第 と し
k. 5adに
記 述 に 従 つて い る た
対 す る 註 釈9)に お い てPU壱
に よ って 心 の観 察
Vajrajapakrama
krama
(cittanidhyap の
教証 と
が 得 られ る と
に 語 と 心 の 観 察 と 壱 配 当 し て い る。 さ ら に, 同
対 す る 註 釈10)に お い て も 同 様 の 解 釈 壱 示 し て い る。
<2. Samayavajra
samayav
註>
ajraは,
Cittavisuddhikrama
Pindikrama
壱 含 む 六 次 第 に 対 し て 註 釈 壱 施 し て い る が,
(Anuttarasamdhi)
に 対 す る 註 釈 の 冒 頭 で,「Nagarjuna
発 し た 徳 の 大 海 壱 五 次 第 に よ っ で ま とめ た 義 壱,
Sakyamitra
と い う方 が 再 び 一
つ に ま とめ て し め した 」11)と述 べ て い る。 即 ち 彼 は, Pindzkrama
visuddhikrama
壱除いた五次第壱以て
Pancakrama
よ り
壱含 み
Citta-
と し, Cittavisuddhikrama
は そ れ ら五 次 第 の略 説 た る別 個 の文 献 と して 位 置 づ け る解 釈 壱 しめ して い る の で
あ る。
<3. Abhayakaragupta
Abhayakaragupta
註>
も ま た, 上 記 の 六 次 第 に 対 し て 註 釈 壱 施 し て い る。 彼 は,
Cittavisuddhikrama
に 対 す る 註 釈 の 冒 頭 で Vajrajapakrama
こ の 偶 の 解 説 と し て Cittavisuddhikrama
に 含 ま れ,
Cittavisuddhikrama
引 用 し,
が 著 作 さ れ た とす る 立 場 壱 と っ て い
る12)。 こ の こ とか ら, 彼 も Munisribhadra
ama
k. 66cd壱
同 様,
心 の観 察 の段 階 は
を Vajrajapakrama
vajapakr-
の 内容 の敷 術 で あ る と
考 え て い る と見 ら れ る。
以 上 の 三 註 釈 の 記 述 か ら, PKの
ama
壱 第 一 次 第,
Vajrajapakrama
「五 次 第 」 と は 本 来,
壱 第 二 次 第 と し,
生 起 次 第 た る PindikrCittavisuddhikrama
壱含
ま な い 五 つ の 階 梯 で あ っ た 可 能 性 が 浮 上 し て く る。 こ の こ と は, Cittavisuddhikrama,
別名
Anuttarasamdhi
が そ の 著 者 壱 Nagarjuna
-894-
で は な く Sakyamitra
(194)
Pancakrama
研究(1)(苫米地)
とす る とい う事 実 や, Cittavisuddhikrama
が 生起 次 第 を も含 む 他 の 各次 第 壱 前
提 とす る記 述 を持 つ こ とゆ, 或 い は 他 の諸 次 第 に 共通 して 重要 な 主 題 で あ る 「三
智 ・三 空 」 を そ の 中心 的 内 容 とす る こ と14)などか ら もあ る 程 度 推 測 で きる。
以上 は, 三 種 の註 釈 文 献 の 記 述 に 基 づ い て 主 と して Valrajapakrama
visuddhikrama
と Citta-
の 内 容 的 関 係 か ら五 次 第 の原 初 的 構 成 に つ い て 考 察 した もの で あ
る が, 以 下 に は文 献 成立 史 の 観 点 か ら も同 様 の 推 測 が 可 能 であ る こ と壱PKの
趣 釈 と され る Aryadeva
一 般 にCMPはPKの
意
のCMPに
基 づ い て示 して み た い。
意趣 釈 と考 え られ て い る が, 必 ず し も完 成 形 態 のPKに
対 す る 註 釈 で は な く, 寧 ろPKが
現 在 の 形 を と る以 前 の 未 整 理 の 実 践 体 系 壱 叙 述
した文 献 と見 る の が 妥 当 で あ る。 この こ とは, CMPに
とそ の 引用 形 態 か ら推 測 し得 る。CMPに
み られ るPKと
ご見 られ るPKと
根 本 タ ン トラや 続 タ ン トラ, 及 び Vajmmala,
ン トラか ら の引 用 偶 であ るが, CMPは
の共通僑
の 共 通 偶 の 大 部 分 は,
Samdhivyakarana
な どの 釈 タ
そ れ ら の偶 に対 す る註 釈 を 意 図 して 引 用
した とい うよ りは, これ らの偏 壱 寧 ろ 教 証 と して 用 い て い る。 また, これ ら以 外,
つ ま り根 本 タ ン トラや 釈 タ ン トラ類 に典 拠 を 見 い だ せ な いPKと
見 られ るが, CMPに
の共 通 偶 も若 干
お いて そ れ らが 引用 され て い る箇 所 は現 在 のPKに
章 立 て とは必 ず し も対 応 しな い。 例 えば, CMPに
は Vajrajapakrama
の共 通 偶 が見 られ る15)が, そ の 引用 され る箇 所 はCMP末
約 す る偶 群 中 の一 つ と して現 れ る。 また,
通 偶 は Abhisambodhikrama
おける
k. 69と
尾 の 実践 の功徳壱要
Svadhisthanakramak
kk. 8, 9と の共
kk. 13, 14と の 共 通 偶 と同 一 の 引 用 偶 群 中 に 連 続
して 引か れ て い る16)ので あ る。 これ らの こ とか ら, CMPの
Kは 未 だ現 在 の形 を と って お らず, 現 在 のPKに
成 立 した 時 点 で はP
対 す る 素 材 は あ る程 度揃 って い
た もの の独 立 の文 献 と して は整 理 され て い な か った と見 られ る の で あ る。 と ころ
が一 方 で, 根 本 タ ン トラ ・釈 タ ン トラに典 拠 を 求 め な い 共 通偶 の 中 に あ って, 出
典 を 明示 し且 つ ま とま った形 で 引用 され る一 連 の偶 が存 在す る。 即 ち それ は 他 な
らぬ Cittavisuddhikrama
(CMPで
らの 引用 で あ る17)。つ ま り, PKの
Cittavisuddhikrama
CMPや
は Anuttarasalpdhi
の 名 称 で 引 か れ る)か
他 の章 が 未 整 理 で あ つた 段 階 に お い て, 既 に
こ
だ け は一 定 の形 態 を 以 て 成 立 し て いた も の と見 られ (PU,
他 の 次 第 の 内 容 を 前 提 とす るk. 47cd以
降 壱 除 く), そ の成 立 がPKと
は独 立 した もの で あ つた こ とが 文 献 成 立 史 の上 か ら も十 分 推 察 出来 る の であ る。
以 上, PKの
原 初 的 構 成 にお け る Cittavisuddhikrama
の位 置 づ け, 即 ちそ れ
が 本 来 「五 次 第 」 体 系 に 含 まれ な い 独 立 の 文 献 であ つた こ とを 示 唆 す る事 例 壱,
-393-
Panoakrama
研究(1)(苫米地)
(195)
極 め て 僅 か では あ るが 示 した。 これ に よ つて 本 稿 冒頭 に引 用 したPUの
記述に見
られ る一 見 特 異 な 次 第 構 成 が, 寧 ろ本 来 的 な も の であ った と結 論 す る の はや や 性
急 の き らい はあ る も の の, と りあ え ずPKの
成 立 に関 す る 当面 の マ ク ロな 仮 説 を
以 下 に図 示 して 本 稿 壱 終 え る こ と とし, 各 次 第 の個 別 の成 立 過 程 な どの解 明 に よ
る, よ り厳 密 な成 立 事 情 の検 証 を 今後 の課 題 と した い。
●五 次 第 の成 立 に 関す る仮 説
根 本 タ ン トラ
原 五次第
釈 タ ン トラ
その他
(生 起 次 第, Vajrajapa,
Svadhisthana,
Abhisambodhi, Yuganaddha)
諸 伝 承18)
Pindikrama
<Caryamelapakaprdipa,
Pradipoddyotana>
Anuttarasamhi
略号
1)
D.=sDe
dge
前半
edition,
梵 本 のcolophonで
P.=Peking
は,
Pancarama
同6後
半
edition
Sarvasuddhivisuddhikrama
と な っ て い る が,
こ こで ば
一般的 に
こ通 用 し て い る 名 称 を 用 い た。
2)
skt. ed. by Chintaharan
3)
skt. ed.の
4)
松 長 有 慶 「無 上 喩伽 密 教 の実 践 体 系 に関 す る一 考 察 」 『宗 教 研 究 』150号
5)
6)
7)
<D. 1813, P. 2691
<D. 1838, P. 2696><D.
<D. 1840, P. 2697><D.
8)
kk.33ab,
9)
11)
79ab,
36,
Chakravarti,
p. 1
を 男 性形 に 訂 正 した。
1839><D. 1841, P. 2698><D.
1831, P. 2700>
1830, P. 2699><D. 1833, P. 2702><D. 1842, P. 2705>
37,
67-68が
D. 169b1-4, P. 399a7-bl
D. 176b1-2, P. 198a2-4
13)更
14)
-kramam
各 章 に わ た っ て 引 用 さ れ る。
10)
12)
に, kk. 80-81はCMP壱,
D. 179b2-5, P. 412b7-413a3
D. 190b4-5, P. 267a8-bl
k.93はPU壱
そ れ ぞ れ 予 想 す る と見 られ る。
三 智 ・三 空 に つ い て は, 吉 水 千 鶴 子 「Panmkrama
svara」(『成 田山 仏 教 研 究所 紀 要 』11号
に お け る三 智 ・三 空 と prabha-
仏 教 思 想史 論 集) に詳 しい。
15 D. 106b4, P. 121a6-7
16) D. 99b3-5, P. 88a 1-3
17)
D.79b1-4,
47abが
18)
PUに
P.90a2-5
にkk.
30-34abが,
D.82a6-b2,
P.93a5-b1にkk.41cd-
そ れ ぞ れ 引 用 さ れ る。
引用 され る
<キ ー ワ ー ド> Panoakrama,
Arsavyakhyana
な ど が 想 定 さ れ よ う。
Cittavisuddhikrama,
次第構成
(京 都 大 学 大 学 院)
-892-