5.1 基本事項 5.1.3 基礎梁の設計用応力組み合わせ 5.1.3 基礎梁の設計用応力組合せ INDEX: 基礎梁の設計対象応力・「大きい方」方式・「加算する」方式 (1)基礎梁の設計対象応力 基礎大梁、基礎小梁の設計では上部架構解析の応力に基礎架構解析の応力を加えて設計用応力とする。 基礎大梁、基礎小梁の設計対象応力を下図に示す。 上部架構解析 長期荷重 (地震)荷重 QL QE RE RL WL 接地圧計算 WE 接地圧計算 QFL 基礎架構解析 WL QFE WE QH H 図-5.1.3.1 基礎梁の設計対象応力 上図の記号は下記の意味である。 QL :長期荷重による上部架構解析の部材応力 QFL :長期荷重に対する接地圧による部材応力 QH :水圧による部材応力 QE : (地震)荷重による上部架構解析の部材応力 QFE : (地震)荷重に対する接地圧による部材応力 杭基礎の場合には QFL、QFE には長期荷重に対する杭の偏心モーメントによる応力、 (地震)荷重に対 する杭の偏心モーメントと杭頭モーメントによる応力が含まれている。 基礎梁の設計用応力組合せの計算方法には「大きい方」方式と「加算する」方式があり、建物全体とし てどちらかを指定する。 なお、基礎小梁は通常長期設計用応力組合せのみが指定されている。その場合には長期についての組合 せのみで設計用応力が決定される。短期設計用応力組合せを指定すると長期および短期の組合せで決定 される。 B-5.1.3-1 5.1 基本事項 5.1.3 基礎梁の設計用応力組み合わせ (2) 「大きい方」方式 「大きい方」方式を指定した場合、基礎梁は部材ごとに応力組合せによる始終端せん断力の合計値を比 較し、下表の選択条件欄に示した条件により①または②の応力組合せを選択する。設計用応力組合せ欄 はそのとき採用される応力組合せを示しており、選択された応力組合せによりその部材の全ての設計を する。杭基礎で「大きい方」方式を指定した場合は警告が出力される。 表-5.1.3.1 基礎梁の設計対象応力組合せ 選択条件 ①QFL≧QH ②QFL<QH 長期設計用応力組合せ QL+QFL QL+QH 短期設計用応力組合せ QL+QFL+QE+QFE QL+QH+QE この選択条件と応力組合せは短期設計については常に安全側にはならない。常に安全側を保証するには 下表の選択条件と応力組合せが必要である。レアケースであるが下表の④に相当する場合には上表の比 較は危険側になる。個別に検討する必要がある。 表-5.1.3.2 基礎梁の完全な設計対象応力組合せ(参考) 長期設計 選択条件 設計用組合せ ①QFL≧QH QL+QFL ②QFL<QH QL+QH 短期設計 選択条件 ③QFL≧QH ④QFL-QH<QFL+QFE-OH ⑤QFL+QFE<QH 設計用組合せ QL+QFL+QE+QFE QL-QH+QFL+QFE+QE QL+QH+QE (3) 「加算する」方式 「加算する」方式を指定した場合、常に下記による。 長期設計用応力組合せ QL+QFL+QH 短期設計用応力組合せ QL+QFL+QH+QE+QFE 杭基礎の場合は前述のように杭にかかわる応力は全て QFL、QFE になるから、必ず「加算する」方式 を指定しなければならない。 杭基礎以外で「加算する」方式を指定した場合は、警告が出力される。 B-5.1.3-2
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