家族性不整脈の遺伝子解析に関するお知らせ(医療従事者向け)

家族性不整脈の遺伝子解析に関するお知らせ (医療従事者向け)
長崎大学分子生理学教室では、家族性不整脈の遺伝子解析依頼を受けております。以下の
情報をご覧になって、遺伝子解析を希望される場合は教授 蒔田直昌
([email protected])までご連絡ください。
1. 対象
先天性 QT 延長症候群、Brugada 症候群、QT 短縮症候群、特発性心室細動、進行性心臓伝
導障害などの致死性不整脈と、家族性心房細動、家族性洞不全症候群など明らかな遺伝性
を有する不整脈を対象にしております。いわゆる無症候で家族性のない Brugada 型心電図、
症状のない早期再分極パターン、孤発例の心房細動や脚ブロックなどは基本的には対象に
しておりません。
2. 遺伝子解析手法
遺伝子解析としては、現在までの原因遺伝子として確立しているものをスクリーニングす
る「ターゲット遺伝子解析」をまず行います。QT 延長症候群では 6~7 割の症例がこの手
法で変異が同定されます。しかしそれ以外の不整脈では、変異検出率が極めて低いのが現
状です。そこでこのような場合、未知の原因遺伝子を解明するために、条件が整えば、次
世代シークエンサーを使った全エクソン解析(exome)などの網羅的遺伝子解析を行うことが
できます。我々は、遺伝子採血を行う場合には、あらかじめ網羅的な解析を可能にするた
めの同意書を取得しております。
3. 検体
発端者の遺伝子採血は EDTA 採血管(紫の真空採血管)7cc 2 本、ご家族は 7cc 1 本です。新生
児などで十分量採血ができない場合は、EDTA 採血管 2cc でとれる分で結構です。ヘパリン
採血や凝固した血液は不可です。遠心も凍結もしないでください。保冷剤とともにクール
宅急便(冷蔵)などで以下にお送りください(送料のご負担をおねがいします)。平日着
が望ましいですが、土日着になる場合はあらかじめご連絡ください。
〒852-8523 長崎市坂本 1 丁目 12-4
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 分子生理学 教授 蒔田直昌
電話(095) 819-7031
口腔粘膜、RNA 解析用検体、心筋生検検体からの遺伝子解析に関しては別途ご相談ください。
4. 同意書(協力説明文)
協力依頼文を用いて研究の内容を説明し、同意書に本人または代諾者のサインをもらい、
実物またはコピーを検体とともにお送りください。
(なお、再同意書は、ターゲット遺伝子
解析に同意した被験者に、その検体を網羅的な遺伝子解析に流用することについて同意を
もらうためのもので、初回の同意書として提出する必要はありません。)
5. 費用
研究目的であるため、現時点では当科では検査費用はいただいておりません。
6. その他の必要文書
心電図・症例登録用紙などの必要書類の提出をお願いすることになります。詳細は遺伝子
解析を依頼された際にお知らせしますが、QT 延長症候群、Brugada 症候群・特発性心室細
動、心臓伝導障害の登録用紙は Word を載せておきます。各施設で変更・流用されても結構
です。
7. その他
研究機関及び責任者、共同研究者の氏名・機関名、個人情報の保護、研究協力の任意性・
撤回の自由、研究協力者の利益・不利益、遺伝子解析結果の開示、研究結果の公表、デー
タの共有、研究期間の延長・新たな研究、費用負担・謝礼、知的財産権、遺伝子カウンセ
リング、研究終了後の資料文書の取り扱い、研究資金は研究依頼文に書かれている通りで
す。