7 余りに注目した数列 2次方程式 x2 − 4x − 1=0 の2つの実数解のうち

7 余りに注目した数列
2次方程式 x2 − 4x − 1 = 0 の2つの実数解のうち大きいものをα, 小さいものを
β とする。
n = 1, 2, 3, …に対し sn = αn + β n とおく。
(1)s1 , s2 , s3 を求めよ。また、n ≧ 3 に対し、sn を sn−1 と sn−2 で表せ。
(2)β 3 以下の最大の整数を求めよ。
(3)α2003 以下の最大の整数の1の位の数を求めよ。
(1) 解と係数の関係から
s1 = α + β = 4…(答)
α2 = 4α + 1, β 2 = 4β + 1 であるから
s2 = α2 + β 2 = (4α + 1) + (4β + 1) = 4s1 + 2 = 18 …(答)
s3 = α3 + β 3 = (4α2 + α) + (4β 2 + β) = 4s2 + s1 = 76…(答)
また、n ≥ 3 に対して、αn = 4αn−1 + αn−2 , β n = 4β n−1 + β n−2 であるから
sn = αn + β n = 4αn−1 + αn−2 + 4β n−1 + β n−2 = 4sn−1 + sn−2 …(答)
√
√
(2)β = 2 − 5, 2 < 5 < 3 から
−1 < β < 0 ∴ −1 < β 3 < 0
ゆえに、β 3 以下の最大の整数は − 1 である。
(3)α2003 = s2003 − β 2003 と − 1 < β 2003 < 0 から
s2003 < α2003 < s2003 + 1
また、(1) の漸化式と s1 , s2 の値から、s2003 は整数である。
よって、α2003 以下の最大の整数は s2003 である。
一般に自然数 a, b に対して、a の1の位の数と b の1の位の数が等しいとき、a ≡ b
と書くことにすると自然数 a, b, c, d に対して
(ア)a ≡ b, c ≡ d ならば a + c ≡ b + d
(イ)a ≡ b ならば ca ≡ cb
が成り立つことは明らかである。
よって (1) の漸化式を用いて次々に
s1 ≡ 4, s2 ≡ 8, s3 ≡ 4・8 + 4 ≡ 6, s4 ≡ 4・6 + 8 ≡ 2
s5 ≡ 4・2 + 6 ≡ 4, s6 ≡ 4・4 + 2 ≡ 8
(1) の漸化式から、連続2項で次の項が決定するので、数列 {sn } の各項の1の位
の数は4,8,6,2の繰り返しとなる。
2003を4で割った余りは3であるから、s2003 の1の位の数は6である。
ゆえに、α2003 以下の最大の整数の1の位は6である。…(答)
1