力学・波動 II 試験 2014 年 2 月 7 日 9·10 時限 学科 ( ) 学籍番号 ( ) 氏名 ( ) 解答はこの用紙に記入すること.計算用紙 (A4) は回収しません! 問 1 (x, y, z) 表示で A = (ax , ay , az ), B = (bx , by , bz ) と表されるベクトル A, B がある.下記の量をもとめよ. (1) |A| = 問 4 図のように,地上に固定した慣性系 Oxyz と, y z(=ζ) 軸まわりに一定の角速度の大きさ ω で 反時計回りに回転する座標系 Oξηζ がある. η Oxyz 系の基本ベクトルは i = (1, 0, 0),j = (0, 1, 0),k = (0, 0, 1),Oξηζ 系の基本ベク トルは eξ ,eη ,eζ である.それらの間には, z =ζ ωt eξ = cos(ωt)i+sin(ωt)j ,eη = − sin(ωt)i+ 0 cos(ωt)j ,eζ = k の関係がある.ω = weζ とし,以下の問いに答えよ. (1) 本文中の eξ ,eη から e˙ ξ ,e˙ η を求めよ.i,j を用いて記すこと. ξ x (2) A · B = (2) e˙ ξ と ω × eξ の間の関係式,e˙ η と ω × eη の間の関係式をそれぞれ示せ. (3) A と B がなす角度を θ としたときの cos θ の値 問 2 図のように,地上に固定した慣性系 Oxyz に対して一定の加速度 A で併進する座 標系 Ox y z がある.Oxyz 系および Ox y z 系から見た質点 P の位置ベク トルをそれぞれ r ,r とし,Oxyz 系か ら見た Ox y z 系の原点の位置ベクトル を R とする. z′ z R o x o′ y r′ x′ r y′ (3) Oξηζ 系から見た質点の位置ベクトルが r = ξeξ + ηeη として表されると き,速度 r˙ を v ,ω ,r を用いて表せ.ただし,v は Oξηζ 系から見た ˙ ξ + ηe ˙ η である.[ヒント:(2) の結果を用い 質点の速度,すなわち v = ξe る.] P (1) r を R と r を用いて示せ. r を a ,v ,ω ,r を用いて表せ.ただし, (4) (3) の r に対して,加速度 ¨ ¨ ξ + η¨eη である. a は Oξηζ 系から見た質点の加速度,すなわち a = ξe [ヒント:(2) の結果を用いる.] r をAと¨ r を用いて示せ. (2) 加速度 ¨ 問 3 問 2(2) の結果を用いて,加速中の電車の中で,大きさの無視できる質量 m の物体を真上に投げ上げるときの物体の運動について調べる.ここでは 図のように,地表に固定した静止座標系 (Ox,y 系) と電車に固定した加速 並進座標系 (Ox ,y 系) を用いる.Ox,y 系は,水平,鉛直方向にそれぞれ x,y 軸をとり,Ox ,y 系は,電車の床に沿った水平方向に x 軸,鉛直方 向に y 軸をとる.時刻 t (t 0) での電車の加速度 A は Ox,y 系から見 て A = (−2t,0) である.さらに,Ox ,y 系から見た t=0 での物体の位置 r0 と速度 v0 はそれぞれ r0 = (0,0),v0 = (0,v0 ) (v0 > 0) とする. ここで,ベクトルの表記 (X ,Y ) の X と y Y は各座標系の水平方向と鉛直方向の成 分をそれぞれ表す.なお,物体は電車の 電車 y′ 床以外には衝突しないものとし,さらに 空気の抵抗は無視できるものとする.ま 物体 た,重力加速度の大きさは g とする.以 x′ O′ 下の問いでは,物体が最初に床に衝突す x O るまでの運動を考える. (1) Ox ,y 系から見た物体の運動方程式を m,g などを用いて表せ.なお,Ox 系から見た物体の加速度は (¨ x, y¨ ) と書くこと. ,y (5) 質点の質量が m のとき,Oξηζ 系での質 点の運動方程式「ma = · · ·」の右辺に はコリオリの力 2m(v × ω) が含まれる.η 右図のように,ある時刻における質量 m の質点 A,B の Oξηζ 系から見た速度が それぞれ v = |v|eξ ,v = −|v|eξ で あったとする.このときの質点 A,B に z =ζ はたらくコリオリの力をそれぞれ矢印で 図示せよ.矢印の長さは 1 cm 程度とせ よ.なお,図には質点 A,B を通り ξ 軸 に直交した点線 (補助線) を記した. ,y 系から見た時刻 t での物体の速度 (x˙ , y˙ ) を示せ. ξ B A ωt x 0 問 5 図のように,滑らかな水平面上で,質量がともに M の 2 つの物体 A,B が一直線上で衝突する場合を考える.物体 A,B がそれぞれ速度 VA ,VB で衝突するとき,A,B の衝突後の速度はそれぞれ VA ,VB であった.ま た,衝突の際,A の運動エネルギーと B の運動エネルギーの和は保存され たとする.以下の問いに答えよ. VA (2) Ox y A VA′ VB B 衝突前 x A VB′ B 衝突後η x (1) A の運動量と B の運動量の和の保存の式を示せ. ωt z =ζ (2) A の運動エネルギーと B の運動エネルギーの和の保存の式を示せ. 0 (3) VA ,VB を VA ,VB を用いて表せ. (3) 物体が床に衝突する時刻を示せ. (4) 物体が床に衝突する位置を Ox を用いて表せ. ,y 系で表すと (x1 ,0) となる.x1 を v0 ,g (4) (3) の結果を用いて,はね返り係数 e = −(VB − VA )/(VB − VA ) を求めよ. 問 6 図 の よ う に ,長 さ ,質 量 m の 一 様 な 棒 の 一 端 を ,摩 擦 の あ る 鉛 直 問 8 な壁に押し当て,他端には軽くて伸びない糸を結び,その糸の他端を y 棒が水平になるように壁に固定する.このと き,糸と棒のなす角は θ (> 0) とする.θ が (1) θ0 より大きいとき,棒は滑り出す.tan θ0 を 下記問いに順に答えることで求めよ.なお,物 糸 体と壁の間の静止摩擦係数は μ,重力加速度 壁 の大きさを g とする.また,図のように,棒 に沿って x 軸,壁に沿って y 軸,xy 面に垂 θ 棒 直に z 軸をとる.棒の端と壁との接点は原点 z x P G O であり,棒の他端を点 P ,棒の重心を点 G O とする.ベクトルは成分 (x, y, z) で表示せよ. − − → (1) OG を x 軸上を進む 2 つの波 y1 = A sin(kx − ωt),y2 = A sin(kx + ωt) (t は 時刻,x は位置,A,k,ω は正の定数) の合成波 y = y1 + y2 について以 下の問いに答えよ. y を x だけを変数とする三角関数と t だけを変数とする三角関数の積の形 で表せ. を用いて表せ. (2) 棒にはたらく力は,重力 fg ,壁からの垂直抗力 TO ,ひもからの張力 TP , 壁からの摩擦力 fO である.これらを M ,g ,θ ,T ,T ,f のうち必要な ものを用いて示せ.ここで T は壁からの垂直抗力の大きさ,T はひもから の張力の大きさ,f は摩擦力の大きさを表す. (2) (1) の y が x=0 で固定端 (節),x=L で自由端 (腹) となる定常波を表す とする.許される定常波の波長 λ を L と n(=0,1,2,3,· · ·) を用いて 表せ. • 棒にはたらく重力 fg = • 壁からの垂直抗力 TO = • ひもからの張力 TP = • 壁からの摩擦力 fO = (3) (2) の結果を用いて棒にはたらく力の合力 F を求めよ. (4) (1),(2) の結果を用いて原点 O まわりの力のモーメントの和 −→ − − → N =OP × TP + OG × fg を求めよ. 問 9 図のように,質量 M ,長さ の一様な棒に対して, 棒の重心 G から距離 h だけ離れた棒上の点を原点 O に固定する.ここで座標軸は,z 軸を鉛直下向き, xy 面を水平にとり,y 軸の正の向きは紙面裏から 表の向きになるようにとる.この棒を y 軸を回転軸 として xz 面内で小さく振動させた (振り子運動). 棒が z 軸となす角を図のように反時計まわりに測っ て θ とし,時刻 t での θ を θ(t) と表す.重力加速 度の大きさを g として,以下の問いに答えよ. y O x h θ G z (1) y 軸まわりの棒の慣性モーメント I を M , ,h を用いて表せ. (5) θ = θ0 のとき,f は最大静止摩擦力 fmax である.この fmax を μ,T を 用いて示せ. (2) 時刻 t のときを考える.原点 O まわりの棒の重力のモーメントの y 成分 Ny を M ,g ,h,θ(t) を用いて表せ. (6) θ = θ0 の場合を考える.(3),(4),(5) の結果と剛体のつり合いの条件式 (F =0,N =0) から T と T を消去して tan θ0 を求めよ. ¨ ,θ(t),M ,g ,h (3) 角運動量の y 成分 Ly についての運動方程式を I ,θ(t) を用いて表せ. 4 3 α β 2 y [m] 問 7 図のように x の正の向きに一定の速 さで進む波を考える.波は時刻 t=0 s のときは α の波 (実線) であり, 2π 2π x+ y = 3 sin [m] で表 3 3 される.時間 1 s の間に波は x の 正の向きに 2 m 進み,t=1 s では β の波 (点線) になる.以下の問い に答えなさい. (4) (3) の結果に対して,θ(t) が 1 より十分に小さい場合 (sin θ(t) ≈ θ(t) が成 ˙ = 0 とすると り立つとき) について考える.初期条件を θ(0) = θ0 ,θ(0) き,θ(t) を I ,M ,g ,h,θ0 ,t を用いて表せ.[ヒント:c, a, b を定数と 2 θ(t) の一般解は θ(t) = a cos(ct) + b sin(ct) である.] ¨ するとき,θ(t)=−c 1 0 –1 –2 –3 –4 –1 –0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 x [m] (1) 時刻 t [s],位置 x [m] での波の式を示せ. (2) この波の振幅 [m],波長 [m],波の速さ (位相速度の大きさ) [m/s],初期 位相 (t=0 s かつ x=0 m での位相) [rad],角振動数 [rad/s],周期 [s] を 示せ. 振幅: 初期位相: , 波長: , 角振動数: , 波の速さ: , 周期: (5) (4) の結果から,棒の振り子運動の周期 T を I ,M ,g ,h,円周率 π を用 いて表せ.
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