資料6

振動相談1
(設備はポンプ、ブロワです)
第6回ミーティング資料
定期振動計測(毎月等)で、データを採取して傾向管理する場合、
インバータ制御にて回転数が毎回異なる場合、定常回転ではないので
計測データを並べても、善し悪しの比較は出来ないと思いますが、
この様な場合、他の方はどうされているのでしょう?
第6回ミーティング
私は、回転数が遅ければよりしきい値を上げて判断しています。
(ゆっくり回っていて、加速度値が大きいのは異常と判断)
事前メール受付による振動相談の紹介
回答:横軸を回転速度にとって、振動値を縦軸にプロットをして、閾値を決めています。
閾値曲線は、斜め線とか2次関数とかで、データをフィッティングして、標準偏差
の5倍の曲線を算出しています。
振動コミュニティ幹事
(株)東芝エンジニアリングサービス㈱
渡部幸夫
回転数変化の縦型ポンプの例
振動相談 2
キャビテーションが常態化している様なポンプで、
ベアリング異常を早期に見分けるコツは?
H-5 起動試験 RIP(J)ケーシング振動X方向
2N
10
ZN
N~2N
2N ~ ZN
注意値
ZN 以上
振動値(mm/s 0-P)
1/2N以下
大気圧
核加熱
TC1
TC2
TC3
TC6
9
振幅
1/2N
N
8
7
6
5
回答:キャビテーションは、5kHzから15kHzで運転中周波数が
4
3
2
⼀定なので、その卓越スペクトル領域をカットした波形の
1
0
0
周波数(Hz)
20
40
60
80
100
包絡線処理をすると軸受のフレーキングを⾒つけられる。
RIP速度(%)
H-5 起動試験 RIP(J)ケーシング振動X方向 N成分ベクトル
mm/s 0-P
90°
10
大気圧
核加熱
TC1
TC2
8
振幅 A m(平均値)
6
注意値のしきい値
TC3
TC6
4
2
角度θm(平均値)
180°
0°
0
-10
N成分の振動ベクトル(A m,θm)
-8
-6
-4
-2
0
-2
2
4
6
8
10
mm/s 0-
キャビテーションが常態化しているポンプ軸受摩耗診断の例
Y
加速度計 (X,Y)
インペラ
動解析モデル
D&D2000,452より
X
ロータ、ケーシング、軸受要素
2層系振動応答モデル
流体力
回転中心
ケーシング:
インペラ
ライナリング
インペラ摺動部
流体力:
上部軸受
・軸回転中心測定結果を基に推定
流体力
シャフト
ロータ
電磁力
ステータ
下部軸受
・配管を考慮した3次元FEMモデル
・固有振動数測定結果で検証
加速度計
電磁力:
・軸受摩耗量変化にともなう
電磁力変化を考慮
電磁力
ケーシン
グ
キャンドポンプ構造とセンサ位置
解析/試験結果(軸受芯ずれ)
解析/試験結果(軸受摩耗)
ライナリング
ケーシング
加速度[G]
ケーシング加速度
[G]
ケーシング加速度[G]
0.10
●
0.08
▲
下部軸受摩耗(試験)
(解析)
上下軸受摩耗(試験)
(解析)
X方向(試験)
〃 (解析)
0.1
0.08
上部軸受
Y方向(試験)
〃 (解析)
芯ずれ量
0.2mm偏心
0.06
0.06
Y方向
0.04
0.02
下部軸受
下部軸受クリアランス大
0.04
下部軸受バネ定数小
0.02
上部軸受荷重分担増
0
X方向
0.00
1
正規
1.5
2
クリアランス倍率
2.5
3
摩耗
(下部軸受荷重分担減)
-0.2
-0.1
0
0.1
芯ずれ量[mm]
0.2
振動相談 3
振動モード計測
X
Y
Y
Y
X
X
ケーシング
上部加速度
同じ仕様の5.5kWモー
タ横型遠心ポンプ3台
に発生。
Y
Y
ケーシング
下部加速度
X
Z
正常時
正常時
Y
X
劣化時
劣化時
分解点検から3~10日後に異音が発生。
振動値
次数成分外
振動データ
1/2N
ケーシング上部振動X
aA1
aA2
aA3
aA4
aA5
ケーシング上部振動Y
aB1
aB2
aB3
aB4
aB5
aB6
ケーシング下部振動X
aC1
aC2
aC3
aC4
aC5
aC6
ケーシング下部振動Y
aD1
aD2
aD3
aD4
aD5
aD6
監視項目
近年は、超音波振動計
を使用して、回転軸の
相対振動を監視
X
信号
次数振幅
N
2N
ZN
aA6
:基準ベクトル
シールドタイプの深溝軸受
600Hz
「封入グリースの約60%減少」
「外輪・内輪転走面における転動体転がり痕の中心外れ」
深溝玉軸受6208ZZ
両側の深溝玉軸受に傷発生
深溝玉軸受6308ZZ
3相誘導モータ
・2極5.5kW
重ね板バネタイプの
カッププリング
・締結ボルト
片吸込み遠心ポンプ
ウェーブワッシャ
再点検後は3台ともに運転良好。
外輪の摩耗は、周方向不均一では?
不均一なら軸受
ミスアライメント
の影響大
「外輪嵌め合いの固着」
「ウェーブワッシャの動作不良」
「軸受組込不良(組込ミス)」と推測した。
工事担当メーカーの見解は「軸受の不良ロット(不良品)の使用」
3台とも発生は、不可解。他の原因は?
・軸受組込不良(組込ミス)可能性大
・ポンプとのアライメント調整ミスも要因 ・カップリングボルト締結トルク過大は、可能性小(荷重小)
振動相談 4
Q:本体側プーリの軸受外輪に重⼤な損傷が発⽣した場合、振動加速度は増加するが、
振動速度の増加は発⽣するのか?
→イメージでは・・・・◎本体側のプーリはモータ側プーリに“回される”側であるため、モータ側が安
定していれば常に規定の回転数を与える。
◎ベルト駆動であるため、本体側プーリの軸受で発⽣した損傷はモータ側に
伝播しない。
以上のことから、本体側プーリの軸受に損傷が発⽣しても、速度パラメータでの異常は出難いのでは?
モータ側プーリ
本体側プーリ
軸受損傷
加速度計
回転数:2820rpm
回転数:5500rpm
・モータの軸受位置の加速度監視では、本体側の軸受診断は出来ない
・転がり軸受の劣化はころがり疲労なので、最低周波数大の本体側プーリのベルト方向加速度計測が必要
・転がり軸受劣化が進行すると振動速度実効値が大きくなるので、経験的に速度実効値で監視している。