2015年新春号 - 岡三アセットマネジメント

情報提供用資料
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コモディティ・マンスリーレポート
2015年 新春号
原油
原油市場は、世界の原油需要見通しが下方修正される中、需給緩和から底値模索
の動きになると予想する。産油コストの高い北米のシェールオイルなどは、開発
ペースの鈍化がみられるものの、産油量減少までには数ヵ月程度のタイムラグが
あると考えられ、供給過多の状態が当面続こう。
金
金市場は、最大の需要国であるインドの輸入回復観測などから堅調な動きになる
と予想する。原油価格下落を背景とした貿易収支の改善見通しを受けて、インド
MONTHLY REPORT
政府が金の輸入規制の一部撤廃を行っており、同国の需要は回復傾向を辿ろう。
関税を引き下げるとの見方が強まっていることも、金価格の強気材料となろう。
トウモロコシ
トウモロコシ市場は、足元の価格が生産コストとされる水準まで持ち直しており、
今後は生産者からの売却圧力が強まると予想されることから、上値の重い展開に
なろう。ただ、足元の米国産の輸出が堅調であることや、中国の輸入拡大観測な
どから下値も限定的と考える。
原油
供給過剰感の解消まで下値模索の展開
NYMEX原油先物価格の推移
(2014/1/2~2014/12/31
世界原油需要の推移
日次)
(1996~2015
(ドル/バレル)
年次)
(万バレル/日)
(%)
IEA予想値
9500
110
10
世界原油需要(左軸)
100
9000
90
8500
6
80
8000
4
70
7500
2
7000
0
60
50
2014/1/2
(年/月/日)
2014/4/29
2014/8/21
2014/12/15
8
対前年比(右軸)
6500
-2
1996
2000
2004
2008
2012
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
需要見通しの下方修正から下落
(年)
(出所)国際エネルギー機関(IEA)データより岡三アセットマネジメント作成
原油価格と非商業部門ネット建玉の推移
(2005/1/4~2014/12/30
12月の原油市場は、前半はサウジアラビアが
1月分の米国・アジア向け原油出荷価格を引き
下げた一方で産油量を維持するとの見方が強
まったほか、国際エネルギー機関(IEA)などが
来年の世界原油需要見通しを引き下げたことも
売り材料となり、軟調に推移した。その後は、
短期的な価格急落に対する警戒感から一旦は下
げ渋る動きとなったが、月末にかけては米国の
原油在庫の増加などを嫌気し、一段安の展開と
なった。
需要の伸びは低水準に留まろう
IEAは、昨年12月の月次報告において2015年
の世界原油需要見通しを前年比+90万バレルの
日量9334万バレルとし、2年連続で1%を下回る
伸びに留まるとの見方を示した。IMFのアナリ
ストは、原油安が2015年の世界経済の成長率を
0.3%~0.7%押し上げると予想しているものの、
需要の伸びを牽引する中国の景気減速が続くと
みられることから、大幅な需要増は期待し難い。
原油需給は暫く緩和状態が続くと考えられ、価
格は下値模索の動きとなろう。
1
週次)
(ドル/バレル)
(万枚)
100
ネット建玉(左軸)
原油先物価格(右軸)
80
150
125
60
100
40
75
20
50
0
25
-20
2005/1
0
2008/1
2011/1
2014/1
(年)
(年)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
供給量減少には時間を要そう
北米のシェールオイルの産油コストはバレル
当たり70ドル前後とみられ、足元では多くの油
井が採算割れとなっていると考えられる。米国
の石油リグ(掘削装置)の稼働数が減少傾向に
あり、開発ペースは鈍化しているとみられるも
のの、産油量減少には数ヵ月のタイムラグがあ
ると考えられ、供給過多の状態が当面続こう。
また、米国産原油先物の非商業部門建玉をみる
と、買い越し幅が27万枚超と依然高水準である
ことも、価格の潜在的な下落要因となろう。
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
ではありません。■本資料に掲載されている市況見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、将来の運用成
果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■
投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客様ご自身で行っていただきます
ようお願いします。
金
インドの需要回復観測などから堅調
COMEX金先物価格の推移
(2014/1/2~2014/12/31
インドの金輸入額と金価格の推移
日次)
(2008/1~2014/11
(ドル/トロイオンス)
月次)
(百万ドル)
(ドル/トロイオンス)
12000
1,500
インドの金輸入額(左軸)
金スポット価格(右軸)
2000
10000
1750
8000
1500
6000
1250
4000
1000
2000
750
1,400
1,300
1,200
1,100
2014/1/2
2014/4/29
2014/8/21
0
2008/1
2014/12/15
500
2010/1
2012/1
2014/1
(年/月)
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
欧州各国の10年国債利回りの推移
強弱材料が交錯し、一進一退
12月の金市場は、上旬はリース市場において
金現物のリースレート(貸出金利)が上昇した
ことや、ギリシャ政局の先行き不透明感が強
まったことなどが買い材料となり、堅調に推移
した。中旬は、米国の良好な経済指標などを背
景にドル高が進行したことを受けて、ドルと逆
行しやすい性質から下落する展開となった。月
末にかけては、中国政府による追加景気刺激策
への期待から、同国の金現物需要が増加すると
の見方が拡がり、底堅い動きとなった。
インドの現物需要は回復しよう
インドの金需要を み ると 、昨年 7-9月期は
225.1トンとなり、前年同期(161.6トン)を約
4割上回った。その後の輸入額をみても、10月
が41.8億ドル(重量換算で106トン)、11月が
56.1億ドル(同148トン)と需要の回復傾向が
確認できる。原油価格の下落を受けた貿易収支
の改善見通しを受けて、インド政府は金の輸入
規制を緩和している。さらに、関税を引き下げ
るとの見方が拡がっていることも、金価格の強
気材料となろう。
2
(2014/1/3~2014/12/26
週次)
(トン)
(%)
12
ドイツ
ポルトガル
スペイン
ギリシャ
10
8
6
4
2
0
2014/1/3
2014/5/3
2014/9/3
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
ギリシャ問題が下支え要因に
ギリシャ議会が解散されたことを受けて、同
国の政局不安が再び高まっている。1月25日に
議会選挙が行われる予定であるが、世論調査で
は緊縮財政に反対する急進左派連合(SYRIZA)
が優勢となっている。同政党が政権をとった場
合、従来政権が進めてきた財政再建路線の修正
に踏み切ると予想され、ユーロ圏離脱の可能性
も浮上してこよう。ギリシャの政局不安は、安
全資産としての金の投資需要を高めると考えら
れ、価格の下支え要因となろう。
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
ではありません。■本資料に掲載されている市況見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、将来の運用成
果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■
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トウモロコシ
生産者の売却圧力から上値の重い展開
CBOTトウモロコシ先物価格の推移
(2014/1/2~2014/12/31
米国トウモロコシの生産コストの推移
日次)
(2010~2014
(セント/ブッシェル)
(セント/ブッシェル)
年次)
(ドル/エーカー)
550
800
700
500
(ドル/ブッシェル)
種子
肥料
土地
ブッシェル当たりコスト(右軸)
機械等減価償却
6.0
その他(左軸)
5.31
5.5
600
5.0
500
450
4.26
4.17
400
4.5
3.98
400
4.0
3.60
300
3.5
200
350
3.0
100
300
2014/1/2
2014/4/29
2014/8/21
2014/12/15
0
2.5
2010
2011
2012
2013
2014
(年/月/日)
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
南米の豊作観測などから下落
12月のトウモロコシ市場は、上旬は世界的な
豊作を背景に需給緩和観測が強まる一方、米国
産の好調な輸出が下値を支える要因となり、底
堅い動きとなった。中旬は、米農務省の需給報
告において期末在庫見通しが引き下げられたほ
か、中国政府が遺伝子組み換え品種の輸入規制
を緩和するとの観測が相場の支援材料となり、
堅調に推移した。月末にかけては、南米の穀倉
地帯において好天が続いていることを受けて、
豊作観測が強まり、下落する展開となった。
(年)
(年)
(出所)米農務省(USDA)データより岡三アセットマネジメント作成
米国産トウモロコシの輸出量の推移
(2010/9/2~2014/12/25
週次)
(万トン)
5000
2011~2013年度平均
2014年度(2013/9~2014/8)
4000
2015年度(2014/9~2015/8)
3000
2000
1000
0
9月
12月
3月
6月
(出所)米農務省(USDA)データより岡三アセットマネジメント作成
生産者の売却圧力が強まろう
堅調な輸出が下値を支えよう
米農務省は今年の米国産トウモロコシの平均
生産コストについて、1エーカー当たり690.59
ドル(前年比+2.0%)と見積もっており、最新
の予想イールド(単位面積当たり収穫量)から
計算したブッシェル当たりの生産コストは3.98
ドルである。足元で先物価格が1ブッシェル=
4ドル近辺まで持ち直しており、採算面を考慮
すると、売り渋っていた生産者からの売却圧力
が次第に強まってくることが予想され、価格の
上値を抑える要因となろう。
米国産の2015年度(2014/9~2015/8)の輸出
をみると、2014年12月25日時点で1210.5万トン
と前年度を7%上回っている。米農務省は2015
年度の輸出見通しを前年比1割減と見込んでい
るものの、足元の輸出ペースが続いた場合、見
通しを上回る可能性が高い。また、中国政府は
スイスの農薬・種苗大手シンジェンタ社が開発
した遺伝子組み換え品種の輸入を正式に承認し
ており、同国向けの輸出拡大も期待され、堅調
な輸出は価格の下値を支える要因となろう。
3
■本資料は、投資環境に関する情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したもの
ではありません。■本資料に掲載されている市況見通し等は、本資料作成時点での当社の見解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、将来の運用成
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•
•
•
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せん。
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商
号:岡三アセットマネジメント株式会社
事 業 内 容:投資運用業、投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業
登
録:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第370号
加 入 協 会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会
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(作成)