前立腺癌に効果の期待されるサプリメントの 3 回目となりました。 今回は、アガリクスについてです。 本邦で抗がん剤の治療歴を受けた人のうち、もっとも多くの人が使用しているのが、きのこ類です。 特に、アガリクスは、きのこ類の中でももっとも有名な商品です。 もともとは、ブラジルのサンパウロ郊外のピエター山中が原産で、そこでしか自生しないために、長く「幻のキノ コ」といわれてきました。しかしその地で暮らす住民たちが長寿であることに着目した、アメリカペンシルバニア大 学の研究班が、1960 年代から「アガリクス茸」の研究を開始しました。 その結果、アガリクス茸には他に類を見ない貴重な成分が含まれていることが分かり、世界的に注目を集めまし た。。 前立腺癌に関係する成分としては、テストステロンを低下させる抗がん作用と、β グルカンを有することに由来す る免疫賦活作用の両面があり、これらが、前立腺癌に対しても治療効果を有すると考えられています。 京都大泌尿器科で行なった研究(吉村、井上ら)では、前立腺癌の根治療法後(前立腺全摘や放射線療法)の PSA 上昇に対して、アガリクスを使用した34例の検討を行い、アガリスクを飲んでいる期間の PSA の倍加時 間は、飲んでいなかった期間に比べて、30%延長させたと報告しています。 PSA が下がる症例は、時々あります。どのような症例で、PSA が低下するのか、どうして低下するのか、詳細な 機序は不明です。ですが、シンポジウムの発表を行なった井上先生も、「時に、非常に効果的な症例がある」と 述べていました。 写真は、アガリスク茸とこの成分の商品化で、もっともきちんと製造している仙生露です。
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