統 統計的品質管理 理手法ナ ナビゲー ーション ンシステ テムの開 開発 パナソニッ ック株式会社 社 オートモーティブ& &インダスト トリアルシス ステムズ社 清水 清 貴宏 1.はじめ めに 2.本システム ムの開発背景 景 現在の社会 会活動におい いては,多くの の情報を的確 確に 当社 社では,統計 計的方法論を を用いた開発 発・技術・製 製 処理し,正しい方向性を を早期に決定 定することが が求 造の の各種課題の の解決を行っ ってきた.図.1 に示す. められてい いる. 特に,企業 活動におい いては,日常 常的に情報を を収 集・分析に に基づいて,様 様々な決断を を下している る. 収集した情 情報について分析・検証・管理を行う う場 合,一般的に に活用されて ているのが統 統計的方法論 論で ある.しかし,統計的方 方法論は,対象 象情報の活用 用目 図.1 課題解決 決支援方法 的や内容に に応じて有効性が異なる. この の方法は,支 支援者が従業 業員個人あるいはグルー ー 方法の選択 択を間違った た場合,誤った結果を導 導き, プを を対象に Man to Man で で業務内容・目的に応じ それに基づ づいた判断を を下せば,期待 待に反した結 結末 た情 情報収集内容 容・解決のア アプローチお および統計的 的 になることもある. 方法 法論について ての指導・支 支援を行う. そのため,情 情報を分析・ ・検証・管理 理,あるいは情 情報 それ れぞれが抱え える課題内容 容に応じて,指導・対応 応 を集めるた ための実験設 設計について て,適した方法 法論 を適 適切に行うこ ことで,解決 決達成率は 80~90%程度 8 度 を取捨選択 択し,使いこなす必要がある. と非 非常に高い. ところが, 日本におけ る過去の学校教育では は,統 しか かし,この方法には,支援 援者 1 人が,一度に対応 応 計的方法論 論について充 充分な学習が が実施されて てお でき きる対象が制 制限されると という欠点が がある.その の らず,また具 具体的な活用 用方法につい いての学習に につ ため め,支援者が がある課題支 支援に対応している場合 合, いては極め めて実施され れていなかった(平成 24 年 年度 その の間,その他の従業員・グ グループは,支援を待た からは改善 善されているようであるが が). なけ ければならな ない.非常に に時間的なロスを発生す す そのため,企 企業に所属 している従業員の多く は, るこ ことになる.図.2 に示す す. 従業員 業務を行う う際に,統計的 的方法論を適 適切に使うこ こと が極めて困 困難であり, また先輩社員に聞いて ても, その先輩社 社員自信が適 適切な方法が が活用できな ない ために,職 職場でのOJTで,その能 能力を身につ つけ ることは殆 殆ど期待でき きない.その結果,誤用が が多 くなり,統計 計的方法論が が非常に効果 果的であるこ こと を理解して ている従業員 員あるいは経 経営者は極め めて 図.2 2 個別支援 援のデメリット 少ないのが が現状である. この の問題を解決 決するために には,支援者 者を増加する Panasonicc Corporation 方法 法がある.し しかしながら ら,様々な統計的方法論 論 Automotivve & Induustrial Systems Companny の知 知識習得と,業務内容や や目的に応じ じた適切な方 方 Professionnal Business Support S Secto or 法の の使い分けを を個人レベル ルで行えるようになる Corporate Production Engineering E Center C ため めには,少なくとも 5 年 ~10 年の業 業務経験が必 必 RO SHIMIZU U TAKAHIR 要と と考える.つ つまり,支援者 者を短期間に増加させ せ ©2015, The Institute of JUSE. All rights reserved. ることは,現 現実的に不可 可能である. また た,そのステ テップの中で で,活用される統計的方 方 そこで,支 支援者の Knoww How を IT 技術を使っ って, ることに着眼 法論 論もある程度 度,限定される 眼した. いつでも・どこでも必要な従業員が が活用できる る方 問題 題・課題の解 解決だけでな なく,様々な な業務におい い 法がないか かを考えた.それが,今回 回報告するナ ナビ て,下記に示す す内容が共通 通的に存在す することに気 気 ゲーション ンシステムである. がつ ついた. ・比較の仕方 方がわからな ない. 3.課題と解決方法 ・妥当なサン ンプルの数が がわからない い. 3.1 課題 ・どんな実験 験をすればよ よいか分から らない. システムの の開発にあたり,はじめに に支援者の KKnow ・効率のよい い実験の方法 法がわからな ない How をフロー ーチャートに に整理するこ ことにした. ・管理の方法 法がわからな ない 当初,個々の の問題・課題 題をテーマに に解決内容の のフ ・分析の方法 法がわからな ない ローチャー ートを作成することにした. ・母集団の状 状態がわから らない しかし,この の方法は困難 難であること とが着手まも もな これ れらを課題解 解決,業務の の目的・内容 容の共通した く判明した た.個々の問題・課題の内 内容や状態に によ 要素 素として,そ その要素毎で で適切に活用 用されるべき って解決の のアプローチ チや活用する る方法論が異 異な 統計 計的方法論を を選択でき るシステムを開発する る内容につ ついて,解決のためのフローチャー トと, こと とに決定し,そのフロー ーチャートを を作成するこ その時に活 活用する統計的方法論を示した場合, ,思 とに にした.例を図.4 に示す す. 考の分岐が が無数に発生 生する.その のため,フロー ーチ ャートが膨 膨大となり,事実上,Kno ow How の整理 理が 行えない.つまり,システムの基本 本設計が行え えな い.図.3に に示す. 図.4 共通 通的な要素で でのフローチ チャート例 4.システム紹 紹介 図.33 個々の現 現象によるフローの分裂 開発 発着手時は,先に述べた 7 つの共通 通的要素毎に に フロ ローチャート トを作成して ていた. 3.2 解決方 方法 しか かし,大学・企業へのヒ ヤリングの の際に,下記 記 個々の問題 題や課題から支援者の Kn now How を整 整理 の指 指導・指摘が があった. することが が,現実的に困難であることが分かっ った. 『こ このシステム ムは,既にデ データを収集 集している. しかし,少 少し視点を変 変えれば,問題 題や課題につ つい ある るいは収集していなくて ても,今後,収集し統計 計 ての解決ア アプローチは QC ストーリーなど既に に標 なアプローチの重要性 的方 方法論を用い いた論理的な 性 準化された たものがある. を認 認識している る人を対象と としている. つまり,問題 題・課題ある るいは仕事の の内容は様々 々で そのものをどのように しか かし,実際に には,データそ に はあるが,そ それらを解決 決するステッ ップはある程 程度 取れ ればよいか,あるいはど どのようなデ データを扱う 限定される るのではないかと考えた. べき きかが判断で できない人も もいる.その の段階からの の ©2015, The Institute of JUSE. All rights reserved. ナビゲーシ ションが必要ではないか』 』 ことが想定さ される. のこ そこで,下記 記に示す 3 つの選択を加 つ 加えている. 『何 何らかの目的 的に応じて,,データを収 収集し,その の ・すでに にデータはあるが,どうす すればよいか か わから らない. デー ータを使って て何らかの処 処理を行おうとしてい い る』 』 ・今から らデータを集めようと思うが、方法や や 数がわ わからない この の『処理』に に該当するも ものを,以下 下のように考 考 えた た. ・どんな なデータを集めればよいか かわからない い ・比較をした たい:データ タ(情報)がな なければ比較 較 は出来 来ない 4.1 システ テムの特徴 本システム ムは,各画面に に表示される る質問に対し して, ・分析をした たい:結果と と原因の情報 報があって 初めて て分析が可能 能となる. 該当する内 内容を回答す する対話型シ システムとし して いる.図.5 に開始ページ ジを示す. データ タがなければ ば分析不可. たい:データ タ(情報)があ あって, ・数を知りた はじめ めて,適正な数 数など, 求めた たいものが発 発生する. ・管理をした たい:データ タ(情報)があ あれば, 管理状 状態を確認で できるが, なけれ れば確認はで できない. ・予測をした たい:データ タ(情報)があ あれば予測も 出来る るが,なければ ばその術が ない. こで,『すで でにデータは はあるがどうしたらよお お そこ 図.5 システ テム開始ペー ージ いか かがわからな ない』を選択 択すると上記 記5つの項目 が選 選択できる画 画面が表示さ される.図.7 に示す. 開始ページ ジの『はじめます』でシス ステムは開始 始す る.次に,使 使用者のデータ収集状況など,その時 時点 での状況が が質問形式で表示され,状 状況に応じて て回 答する.図 図.6 に示す. 図.7 既に にデータがあ ある場合の次 次の画面 この の場面で,使 使用者が『持 持っているデ データを使っ て分 分析したかっ ったんだ』と と考えれば,『分析方法 法 を選 選びたい』を を選択するこ ことになる. 図 図.6 使用者の仕事の状況 況把握 例えば,使用 用者が,『既にデータはあるが,どう うし た統計的方法論が選択 次の の画面から目的に応じた 択 され れる画面とな なる.図.8 に に示す. てよいかが がわからない い』という状 状況であれば ば,次 ©2015, The Institute of JUSE. All rights reserved. 図.8 図.11 1 実験設計 計の違いの解 解説 分析方法 法選択の初期 期画面 統計的方法 法論で使用さ される用語等 等についても も,説 最後 後に,業務の の目的・内容 容に応じた統 統計的方法論 論 明画面が用 用意されている.例を図.9 9 に示す. が表 表示される.具体的にデ データを処理 理する場合を を 想定 定して StatW Works の対象 象コンテンツ ツや参考図書 書 が表 表示されるよ ように開発し した.図.12 に示す. に 応報 報論が 図.9 統計的方法論 論に使われる る用語説明 さらには,JJIS の抜取検 検査表(図.10 0)や最適値探 探索 図.12 統計的方法 法論の提示画 画面 法の中心複 複合計画とボ ボックスベー ーンケンの違 違い についての の解説(図.11)などが,必 必要な場面で で表 5.システムへ への期待 示されるよ ように開発した. 本シ システムは,開発間もな ないシステム ムである.ま だま まだ改良の余 余地はあると と考えている るが,少しで で も実 実際の業務の の中で誤用少 少なく統計的方法論が が 活用 用され,経営 営成果創出あ あるいはお客 客様に安心・ 安全 全な製品をお お届けるす るその一助になればと 期待 待している. 参考 考文献 (社 社)日本品質管 管理学会 関 関西支部 第 100 回研究発 発表会(2012..9.14) 統計 計的品質管理 理手法の選択 択ナビゲーシ ション 図.10 抜取検査表 シス ステムの開発 発 ©2015, The Institute of JUSE. All rights reserved. 本著作物は原著作者の許可を得て,株式会社⽇本科学技術研修所(以下弊社) が掲載しています.本著作物の著作権については,制作した原著作者に帰属 します. 原著作者および弊社の許可なく営利・⾮営利・イントラネットを問わず,本 著作物の複製・転⽤・販売等を禁⽌します. 所属および役職等は,公開当時のものです. ■公開資料ページ 弊社ウェブページで各種資料をご覧いただけます http://www.i-juse.co.jp/statistics/jirei/ ■お問い合わせ先 (株)⽇科技研 数理事業部 パッケージサポート係 http:/www.i-juse.co.jp/statistics/support/contact.html ©2015, The Institute of JUSE. All rights reserved.
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