in vitro におけるヒト上皮細胞周期停止と アポトーシスに対する Helicobacter hepaticus の細胞膨張化性致死毒の影響 抄 訳 中川 善文(大分大学医学部消化器内科) Contribution of Helicobacter hepaticus Cytolethal Distending Toxin Subunits to Human Epithelial Cell Cycle Arrest and Apoptotic Death in vitro Namal P.M. Liyanage,*,1 Rohana P. Dassanayake,*,2 Charles A. Kuszynski† and Gerald E. Duhamel* *School of Veterinary Medicine and Biomedical Sciences, University of Nebraska-Lincoln, Lincoln, NE, USA, †Department of Pathology and Microbiology, College of Medicine, University of Nebraska Medical Center, Omaha, NE, USA, 1Vaccine Branch, National Cancer Institute, Bethesda, 2Department of Veterinary Microbiology and Pathology, Washington State University, Pullman, WA, 99164, USA 要 約 背 景: 細 胞 膨 張 化 性 致 死 毒(Cytolethal Distending Toxin:CDT)は Helicobacter hepaticus (H. hepaticus )において唯一知られているビルレンス因子であり、マウスにおいては、大腸癌や肝細胞癌を 導く慢性の盲腸結腸炎や肝炎の原因となっている。CDT は、CdtA、CdtB、CdtC の 3 種のサブユニットか ら成り、培養細胞において細胞周期停止やアポトーシスを引き起こす。しかしながら、これらのプロセスに 対する各サブユニットの役割は未だ研究されていない。 対象と方法:HhepCDT ホロ毒素もしくは再構築組み換え HhepCDT を投与したヒト上皮 HeLa 細胞と INT407 細胞の細胞周期とアポトーシスの関連を、フローサイトメトリーを用いて継時的に調べた。HeLa 細 胞に再構築組み換え HhepCDT 蛋白サブユニットを個別もしくは組み合わせで形質移入することと、個々の サブユニットの濃度を変えて形質移入することによる遺伝毒性を、処理 72 時間後にフローサイトメトリーを 用いて評価した。 結果:HhepCDT による G2/M 細胞周期停止とアポトーシスをいずれの細胞においても同様のタイムコー スで認め、72 時間で最高値に達した。細胞周期停止とアポトーシスを最大限に引き起こすには、いずれの 細胞系においても、3 種すべての HhepCDT サブユニットの存在を必要とした。HhepCdtB の HeLa 細胞へ の形質移入は容量依存性に G2/M 細胞周期停止とアポトーシスを引き起こすが、同様のことは HhepCdtA と HhepCdtC では認められなかった。 結論:3 種すべての HhepCDT サブユニットが上皮細胞の細胞周期停止とアポトーシスを最大限に導くた めに必要であり、上皮細胞遺伝毒性としては、HhepCdtB サブユニットのみで必要十分条件を満たす。 キーワード:CDT、アポトーシス、細胞周期停止、Helicobacter hepaticus 対象と方法 細菌株と生育環境 寒天培地で増殖し、微好気性環境下 37℃でイン キュベートした。ケミカルコンピテントEscherichia Helicobacter hepaticus(H. hepaticus )マウス株 coli は Luria-Bertani(LB)寒天プレートにて 37℃ 3B1/Hh-1 は 5% 羊血清を加えたトリプチケースソイ 好気性環境下で培養した。形質転換体は、30 μg/ © 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 433–443 25 mL(w/v)のカナマイシンを含む LB 寒天に平板培 フローサイトメトリーによる細胞周期とアポトー 養することにより選別した。 シスの決定 コントロールと、HhepCDT 処理した HeLa 細胞、 HhepCDT ホロ毒素の調整 2 ~ 3 日 TSAB で 培 養 し た H. hepaticus は、 及び INT407 細胞の細胞周期とアポトーシスの評価 を二重標識フローサイトメトリーにより行った。1 × pH7.2 のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で培地表面 104 個の細胞中のアポトーシス、ネクローシス、生存 を洗浄し、その洗浄液を 20 分間 800 × g で遠心分 している細胞をカウントした。細胞周期の各ステー 離した。得られた沈殿を氷冷 PBS 1.0 mL に懸濁 ジの細胞数は、488 nm で励起し 630 nm で検出し し、超音波処理した。20 分間 60,000 × g の遠心分 定量した。 離でバクテリアと細胞成分を取り除いた後、上清 結 果 を 0.22 μm のフィルターでろ過し、- 20℃で保存し た。 組み換え HhepCdtA、CdtB、CdtC 融合蛋白の発 現と精製 H. hepaticus CdtA、CdtB、CdtC サブユニット融 合タンパク質の発現と精製 精製した再構築組み換え HhepCDT サブユニット は、CdtA は 28-kDa、CdtB は 32-kDa、CdtC は N 末端シグナル配列を伴わない全長 H. hepaticus 23-kDa であった。各蛋白の同定は抗 His6 抗体を用 cdtA 、cdtB 、cdtC 遺伝子を増幅させるようオリゴ いてイムノブロット法で行い、アミノ酸配列は質量 ヌクレオチドプライマーをデザインした。ポリメラー 分析法によって決定した。 ゼ連鎖反応(PCR)法による増幅後、制限酵素処理 を行った。融合蛋白の純度を SDS- ポリアクリルア ミドミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)で確認し、 HhepCDT による細胞周期の停止とアポトーシス HhepCDT による G2/M 期細胞周期停止と アポ マウスモノクローナル抗 -His6 免疫グロブリンG1 抗 トーシスは、HeLa 細胞と INT407 細胞いずれも 72 体を用いて免疫ブロット法で分析を行った。精製し 時間以内に最高値に達し、同様のタイムコースを た CDT 融合蛋白のアミノ酸配列は質量分析計を用 示 し た。 一 方、HhepCDT ホ ロ 毒 素 で 処 理 し た い行った。 HeLa 細胞は、処理後 12 ~ 24 時間で著しい G2/M 期細胞周期停止を示したが、アポトーシスは 24 ~ 培養したヒト上皮細胞の intoxication 48 時間で著しく増加した。同様に、再構築組み換 HeLa 細胞もしくは INT407 細胞の intoxication え HhepCDT で処理した HeLa 細胞は処理後 12 ~ は HhepCDT ホ ロ 毒 素 か、 再 構 築 組 み 換 え 24 時間に著しい G2/M 細胞周期停止を示し、アポ HhepCDT 融合蛋白サブユニットを各々もしくは組 トーシス に 関 しても 同 様 の 結 果 であった( 図 1 み合わせて加えることで行った。再構築組み換え A2)。同様の結果が、INT407 細胞でも認められた HhepCDT 融合蛋白サブユニットとして、精製した (HhepCDT ホロ毒素処理: 図 2B1、B2、再構築 各々のサブユニットを様々な組み合わせで混合し、 組み換え HhepCDT 処理:図 1B1、B2)。 組 み 合 わせた CDT 複 合 体 を HeLa 細 胞 もしくは INT407 細胞に加えた。 最大の遺伝毒性を示すためには 3 種すべての HhepCDT 蛋白サブユニットが必要である。 HeLa 細胞( 図 3 A1、A2)と INT407 細胞( 図 3 B1、B2)を 3 種すべての再構築組み換え HhepCDT 26 Helicobacter hepaticus Cytolethal Distending Toxin in vitro におけるヒト上皮細胞周期停止とアポトーシスに対する Helicobacter A1 B1 A2 B2 Liyanage et al. hepaticus の細胞膨張化性致死毒の影響 図 1. 再構築組み換え Helicobacter hepaticus CDT による HeLa 細胞と INT407 細胞の細胞周期停止とアポトーシスの動態。 Figure HhepCDT 2 Kinetics ofホロ毒素処理後 HeLa and INT407 cell cycle arrestHeLa and apoptosis induced by reconstituted recombinant Helicobacter hepaticus CDT. Simulta96 時間までの 細胞(A)と INT407 細胞(B)の G2/M 細胞周期停止(□ A1、B1)と 4 個細胞あたりの平均と標準偏 neous quantitative flow cytometry analysis of HeLa (A) and INT407 (B) G2/M cell cycle arrest (open squares) and apoptosis (solid circles in A1 and アポトーシス(● A1、B1; ■ 早期アポトーシス、□後期アポトーシス A2、B2 )。1 × 10 B1; solid bars and white bars in A2 and B2 represent early and late apoptosis, respectively) over 96 hours post-treatment with reconstituted 差を表示。 recombinant HhepCDT (12 lg/mL final total protein concentraton). Each point and bar represents mean percent and standard deviation of 1.0 9 104 cells in three independent experiments. All Three HhepCDT Protein Subunits are Required 融合蛋白サブユニットで処理した場合は、G2/M 細 for Maximum Genotoxicity 胞周期停止( 33.6 ± 0.6%、対照群:10.3 ± 0.3%、 further insight into the relationship between cell pTo <gain 0.0001 )と アポトーシス( 39.2 ± 0.5%、対照 cycle arrest and apoptotic cell death, we assessed HeLa 群:3.0 ± 0.4%、 0.0001) and INT407 cells p for<cell cycle は最高値を示した。 and apoptosis following treatment with individual and combinations of reconstituted recombinant HhepCDT fusion protein subunits. Helicobacter hepaticus (H. hepaticus )CdtB While HeLa (Figs 3A1 and A2) and INT407 (Figs は 3B1 and B2) cells treated with individual recombinant 遺伝毒性として必要かつ十分である HhepCDT fusion proteins displayed background levels 個々の HhepCDT サブユニットの遺伝毒性に対す genotoxicity, cells treated with HhepCDT consisting of る影響を評価するために、HeLa 細胞に 4 ~ displayed 20 μg/ all three reconstituted fusion protein subunits maximum levels of G /M cell cycle arrest (33.6 0.6%; 2 mL の各濃度の CdtA、CdtB、CdtC を形質移入し control 10.3 0.3%, p < .0001) and apoptotic death た。その結果、HhepCdtB (39.2 0.5%; control 3.0 処理した細胞のみで、容 0.4%, p < .0001). Interestingly, intermediate levels of apoptosis, but not cell cycle 量依存性に細胞周期停止とアポトーシスの増加を arrest, were found with HeLa (26.8 0.5%; control 認めた。 3.0 0.4%; p < .0001) and INT407 (30.8 0.5%; control 4.1 0.2%; p < .0001) cells treated with di-protein combination consisting考 察 of HhepCdtAB. Similarly, HeLa cells treated with di-protein combinations consisting of Helicobacter hepaticus(H. hepaticus )による細 438 HhepCdtBC (25.8(Cytolethal 0.4%, p < .0001) and HhepCdtAC 胞膨張化性致死毒 Distending Toxin: (21.7 0.4%, p < .0001) displayed intermediate levels of apoptosis. Similar levels of apoptosis were seen with (EHS) やいくつかのグラム陰性菌病原体と同様に intoxicated INT407 cells (Figs 3B1 and B2). In parallel control experiments, treatment of each cell line with in vitro で真核生物の細胞周期停止とアポトーシス irrelevant recombinant HhepPutA protein, expressed を引き起こす。しかしながら、HhepCDT による細 and purified using the same expression vector and protocol [50], did not induce significant cell cycle arrest or 胞周期停止とアポトーシスの関連については詳細に apoptosis confirming the specificity of the recombinant は検討されていない。HeLa 細胞と INT407 細胞を HhepCDT-induced genotoxicity. Taken together, the data further demonstrated the requirement for all three HhepCDT ホロ毒素か再構築組み換え HhepCDT で HhepCDT subunits to achieve maximum cell cycle arrest 中毒を起こすと G2/M 細胞周期停止とアポトーシス and apoptosis of HeLa and INT407 cells in vitro and sugに関して同様のタイムコースを示し 72 時間以内に gested significant but lower levels of apoptotic cell death with di-protein subunit combinations. 最高値に達することが判明した。どちらの細胞系 CDT)産 物 は、 他 の enterohepatic Helicobacter でも HhepCDT により細胞周期停止のほうがアポ H. hepaticus CdtB is Necessary and Sufficient for トーシスより多かったことは、細胞周期停止に陥っ Genotoxicity た細胞の大多数はアポトーシスを起こすことを示し To assess the contribution of individual HhepCDT subunits to genotoxicity, HeLa cells were transfected ていると考えられるが、中毒細胞の一部は早期老 化を起こしている可能性もある。 © 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 433–443 27 G2/M cell cycle arrest and apoptotic death with both HeLa and INT407 cells reaching a maximum within 72 hours. While HeLa cells treated with HhepCDT holotoxin showed significant arrest at the G2/M phase of the cell cycle between 12 and 24 hours post-treatment arrest than apoptotic death with HhepCDT suggested that the majority of the cells undergoing cell cycle arrest underwent apoptotic death; however, a subset of intoxicated cells might be undergoing premature senescence. A1 B1 A2 B2 Figure 1 Kinetics of HeLa and INT407CDT cell cycle Helicobacter hepaticus CDT 図 2.Helicobacter hepaticus ホ ロarrest 毒 素 and に よapoptosis る HeLainduced 細 胞 とbyINT407 細胞 の細胞周 期holotoxin. 停 止 と アSimultaneous ポ ト ー シ スquantitative の 動 態。 flow cytometry analysis of HeLa (A) and (B) G2/M cell cycle arrest (open squares)細胞(B)の and apoptosis (solid 細胞周期停止(□ circles in A1 and B1;A1、 solid B1)と bars and HhepCDT ホロ毒素処理後 96INT407 時間までの HeLa 細胞(A)と INT407 G2/M 4 個細胞あたりの平均と標準偏 white bars in A2 and B2 represent early■and late apoptosis, respectively) over 96 hours post-treatment with holotoxin (50 lg/mL final アポトーシス(● A1、B1; 早期アポトーシス、□後期アポトーシス A2、B2 )。1 × 10HhepCDT total protein concentration). Each point and bar represents mean percent and standard deviation of 1.0 9 104 cells in three independent 差を表示。 experiments. 次に HhepCDT サブユニット個々のもしくは組み とき最も多くアポトーシスが起こることを見出した。 437 © 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 433–443 合わせの HeLa 細胞と INT407 細胞に対する影響を また 2 種のサブユニットの組み合わせでは細胞周期 検討した。最大限に細胞周期停止及びアポトーシス 停止に大きな影響を及ぼさなかったが、アポトーシ を起こすためには、3 種すべてのサブユニットが必 スに関して中等度の増加を認めたことは、アポトー 要であることを示した。また面白いことに、2 種の シス活性化の代替経路の存在を示唆している。 サブユニットの組み合わせがアポトーシスを中等度 個々の HhepCDT 融合蛋白サブユニットの遺伝毒 のレベルで起こしたが、細胞周期停止に関してはよ 性 活 性 に 関 し て HeLa 細 胞 を 用 い て 検 討 し た。 り低いレベルであった。 HhCdtB のみが容量依存的に G2/M 細胞周期停止 HducCDT、AactCDT、CjejCDT、EcolCdtB-V とアポトーシスを起こし、HhCdtB 単独でも遺伝毒 などのホロ毒素により様々な標的細胞がアポトーシ 性 として 必 要 十 分 条 件 を 満 たすと 考 えられる。 スを起こすことは実証されているが、H. hepaticus CDT 蛋白サブユニットの細胞遺伝毒性のメカニズ によって産生された個々の CDT サブユニットのアポ ムに関しては不明な点が多く、更なる検討が望ま トーシスに対する影響を検討した報告は初めてであ れる。 る。筆者らは、HeLa 細胞と INT407 細胞において 結論として、今回の報告では、ヒト上皮 HeLa 細 は、3 種すべての HhepCDT サブユニットがそろった 胞と INT407 細胞の HhepCDT による G2/M 細胞周 28 Liyanage et におけるヒト上皮細胞周期停止とアポトーシスに対する al. Helicobacter hepaticus Cytolethal Distending Toxin in vitro Helicobacter hepaticus の細胞膨張化性致死毒の影響 35 30 30 25 25 % G2/M B1 40 35 % G2/M A1 40 20 15 20 15 10 10 5 5 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 CdtA – + – – + + – + CdtA – + – – + + – + CdtB CdtC – – + – + – + + – – + – + – + + – – – + – + + + CdtB CdtC – – – + – + + + 40 40 % Apoptosis B2 50 % Apoptosis A2 50 30 20 10 0 30 20 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 CdtA – + – – + + – + CdtA – + – – + + – + CdtB – – + – + – + + – + – + – + + – – – + – + + + CdtB CdtC – CdtC – – – + – + + + 図 3.33 All 種すべての Helicobacter hepaticus CDT HeLa HeLa 細胞及び INT407 Figure three Helicobacter hepaticus CDT subunits areサブユニットが required for maximum and INT407 cell細胞の細胞周期停止とアポトーシス cycle arrest and apoptotic cell death. を引き起こすのに必要である。再構築組み換え 融合蛋白サブユニット処理 細胞(A)と arrest (A1 and B1 open bars)72 and時間後の apoptosis HeLa (solid bars and white Quantitative flow cytometry analysis of HeLa (A) and INT407 (B) HhepCDT G2/M cell cycle G2/M細胞周期停止(A1、B1) A2、 bars in INT407 A2 and B2細胞(B)の represent early and late apoptosis, respectively) 、アポトーシス(■ 72 hours post-treatment早期アポトーシス、□後期アポトーシス with individual and combinations of recombinant HhepCDT fusion protein subunits (12 lg/mL final total protein concentration). Each bar represents mean percent and standard deviation of B2)の割合。1 × 104 個細胞あたりの平均と標準偏差を表示。 1.0 9 104 cells in three independent experiments. 期停止とアポトーシスを実証した。H. hepaticus は with increasing concentrations from 4 up to 20 lg/mL EHS 種のプロトタイプであるので、今回の結果は of either His6-tagged CdtA, CdtB, or CdtC. Transfection of HeLa cells with CdtA or CdtC did not result in significant G2/M arrest or apoptosis (Fig. 4A and B). By contrast, transfection of HeLa cells with HhepCdtB subunit alone resulted in dose-dependent cell cycle arrest (Fig. 4A) and apoptosis (Fig. 4B). At 72 hours posttransfection of HeLa cells with HhepCdtB, increasing H. hepaticus 感染マウスでは、細胞膨張化性致死 percentages of cells arrested at the G2/M phase of the (CDT) cell 毒 cycle fromが、大腸癌や肝細胞癌を導く慢性の盲腸結 19.5 7% with 4 lg/mL to 30.0 3% with腸炎の原因となっていることが報告されている。今回 8 lg/mL to 41.7 4% (PBS, 11.1 3%; p < .0001) with 20 lg/mL (Fig. 4A) were seen. の 報 告 に お い て 筆 者 ら は、 ヒ ト HeLa 細 胞 と Similarly, the percentages of HeLa cells in early and late phases of apoptotic cell death に steadily increased with INT407 細 胞 の HhepCDT よ る G2/M 細胞周 期 increasing concentrations of HhepCdtB from 11.6 4% 停止とアポトーシスを実証し、さらに CDT 各サブユ with 4 lg/mL to 15.8 2% with 8 lg/mL to (CDTA、CDTB、CDTC) 24.5ニット 2% with 20 lg/mL (PBS 7個々、もしくは組合 2%; p < .0001; Fig. せによる影響も検討している。臨床においては、ヒト 4B). Taken together, these findings demonstrate for the first time that HhepCdtB subunit is necessary and © 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 433–443 他の EHS の CDT 遺伝毒性に関しても当てはまる sufficient for both epithelial cell cycle arrest and 可能性がある。 apoptotic death. Discussion The CDTs produced by H. hepaticus as well as by other EHS and several Gram-negative bacterial pathogens cause cell cycle arrest and apoptotic death of eukaryotic における H. hepaticus の消化管及び肝疾患への関与 cells in vitro [1–3,33,38]. However, the relationship は 明 ら かHhepCDT-induced に さ れ て い な いcell が、cycle 患 者 arrest 血清中 の抗 between and apoptosis has not been investigated in detail. In the present H. hepaticus 抗体を ELIZA 法で測定し、肝疾患、特 study, simultaneous analysis of the same cell preparaに肝硬変患者において有意に抗体価が高いとの報告も tion for cell cycle and apoptosis parameters allowed detailed assessment of the kinetics of each genotoxinがヒトにおいても、これらの 疾 あり、H. hepaticus induced process. We found that HeLa and INT407 cells 患に関与している可能性はある。CDT がヒトにおい intoxicated with either HhepCDT holotoxin or reconstiてマウスと同様の機序で各疾患に関与しているのか否 tuted recombinant HhepCDT displayed similar time course for G2/M cell cycle arrest and apoptotic death か今後の検討課題である。 reaching a maximum within 72 hours. These findings 439 29
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