キウイフルーツの結果枝の強さと果実肥大との関係について

キウイフ1レーツの結果枝の強さと果実肥大との関係について
1.試験のねらい
キウイフルーツの果実肥大特性を明らかにするため昭和61∼62年に結果枝の長さと果実肥
大との関係を検討した。
2.試験方法
ω 供試品種ヘィワード(昭和61年6年生)1樹
(2)供試場所 栃木農試ほ場
(3)調査内容 結果枝の長さ別の花芽着生及び果実肥大,収穫時の果実重量
3.試験結果及び考察
結果枝の強さ別の花芽着生分布は図一1のとおリで,花芽着生がユ個というのはいずれの枝
もきわめて少なく,弱い枝は2∼4個,中ようの枝は4∼5個,強い枝は3∼4個のものが・
それぞれ多かった。従って,工新しょう当たりの花芽着生数は中ようの枝が多いといえる。
結果枝の強さ別新しょう長及び葉数の増加率と,収穫果重との関係をみたのが表一工である。
葉数15枚以上の強い枝は,新しょうの伸び率及び葉数の増加率が高く,収穫果重も114.79
と,いづれも葉数14枚以下の中程度及び弱い枝より高い数値であった。葉数10∼ユ4枚の中
程度の枝は,新しょうの伸び率,葉数の増加率が弱い枝と同程度であったが,果重は98.89
と比較的大きい傾向であった。このことから,1009以上の果実を得るには葉数15枚以上
の結果枝に着果させれぱ良く,また,10∼14枚程度の結果枝でも着果管理を適正に行えば
1009程度のものが得られる。
結果枝の長さ別果実肥大を経時的にみたのが図一2である。満開後30日頃までは結果枝の
長さに関係なくほぼ同じ肥大をするが,その後は,50㎝以下の結果枝に着果させた果実の肥
大が劣リ,70㎝以上の結果枝に着果させた果実の肥大が上回った。
4.成果の要約
キウイフルーツで1009程度の果実を生産するためには,仕上げ摘果時(6月下旬)の葉
数が10枚以上,長さが50㎝以上の比較的強い枝に着果させることが必要である。また,キ
ウイ・フルーツは満開後50目頃までが果実肥大の旺盛な時期なので,この時期よりできるだけ
早く摘果を行うことが大切である。
(担当老 果樹部 山崎1義※)
※現農業大学校
一111一
分40
布
弱中強
いよい
枝う枝
割30
合
20
の
↓枝
%
↓↓
)10
1個 2個 3個 4個 5個
1新しょう当たり花芽着生数
図一1 結果枝の強さ別花芽着生分布 強い枝…葉数15枚以上
(5月)(中よう枝…〃10∼14枚)
弱い枝… 〃9枚以下
表一1
結果枝の強さと果実との関係
新しょ享長
結果枝
の強さ
摘果時
収穫時
強 い 枝
101,0
133,1
中よう枝
.弱い枝
葉 数
㎝
伸び率%
摘果時
収穫時 増加弗
132
18,0
29.9 166
114,7
51.8
52.3
101
14.3
14.8 103
98,8
ユ2.8
132
103
7.7
8.2 106
95.2
注1.摘果時6月30目,収穫時11月工0日調査
2.伸び率,増加率は摘果時に対する割合
3.着果は1果当たリ5葉とした
(切
50
横
径
収穫
果重9
40
70㎝以上の新しよう
の果実
30
50㎝以下の新しょう
の果実
20
10
20 40 60 80 100 120 140 ’
満開後の日数
図一2 新しようの長さ別果実肥大
一112一
収獲当日