北米石油化学プラントの経済性比較 セミナー「カナダ・アルバータ州の シェールガス下流分野における事業展開」 (於東京) 2015年2月24日 [email protected] P.Eng, MBA, M.Eng はじめに プロジェクト出資者 • 元データ 2012年12月 • 主な変数のアップデート 2015年2月 アジェンダ 1. 動機 2. モデル・アプローチ 3. 結果 4. 影響 5. リスク分析 6. 競争上の地位 7. インプットとアウトプットのための輸送 1 動機 正確で論理的かつ再現可能な情報と、 典型的なキャッシュフローを提示し、 アルバータ州における石油化学プラン ト投資の多様なメリットとデメリット を示す カナダにおける資本投資 $450 $400 $350 Billions $300 $250 $200 $150 $100 $50 $- Rest of Canada Canada Housing (Ex-Alberta Alberta Oil & Gas Alberta 認識と現実 認識は「アルバータ州は資本コストが高いのでメキシコ湾沿岸と比べ て競争力が劣る」 ・オイルサンドのコスト超過は61~107%(それでもプロジェクトは高い収益性) ・ 理論上はオイルサンドのコスト超過が予測される: 採掘、スケジュール主導、新技術 ・アルバータの石油化学プロジェクトにはあてはまらない ・ ・ Dow Chemical LHC-1プロジェクトは予算を15%下回る データによれば、石油化学プロジェクトは、承認された予算を2~10%オーバー。 高騰 Escalation Feed原料 Stock Regulatory 規制制度 Regimes Complexity 複雑性 New Technology 新技術 Ownership 所有権 承認前のプ Project ロジェクト・ Planning プランニング prior to 60-85% Sanction 60-85% サイトおよび Site & プロジェクト Project 特有の条件 Specific 2 モデル・アプローチ 認識は正しいか? アプローチ • 石油化学プラントのライフサイクル コスト(メタノール) • 同一条件での比較 • 立地: アルバータ州ハートランド 工業団地(AIH)、米国メキシコ湾 沿岸(USGC)、ウッドバッファ ロー(RMWB) • 検証可能、客観的 • 投資家のための経済モデル なぜメタノールなのか? • • • • • 世界中で取引されている 用途が多様: ・ 燃料/バイオ燃料/希釈剤 ・ 原料 ・ プラスチック/ファイバー 世界規模のプラント 確かな技術 基準プラント なぜメタノールなのか? ・エネルギー用途に牽引され、8.2%のCAGRが見込まれる プラント概要 • • • • • メタノールプラント 10億米ドル 工期4年 処理能力3億ガロン/年 天然ガスを原料とする • 「クリーンで起伏の少ない敷地」 2CH4 + 3H2O => 2CH3OH + 2H2 + H2O 前提 1. 収入: 港湾渡し世界市場価格 1. 1.66米ドル/ガロン 2. 供給は価格に影響しない 3. ユニットトレインでバンクーバーに供給 2. 経済モデル - 100の変数 1. 「実態」モデル 2. 0.80カナダドル/米ドル 3. 加重平均資本コスト(WACC)8.9% 4. D/Eレシオ 1.63 5. 永久還元方式のターミナル・バリュー 3. クラスVの資本コスト 4. 天然ガス原料の市場価格 5. 政府の標準的税制措置 前提 モデルでは1.66ドル/ガロンの保守的な固定実勢価格を使用 資本コスト推定額 Inside Battery Limits (ISBL) USGC Standard Factor USGC US$ MM AIH US$ MM RMWB US$ MM 備考 Owner's Costs 7% $29 $29 $29 立地は無関係(同じ所有者) Equipment 20% $81 $82 $83 設備は全世界から購入 Materials 19% $77 $78 $79 材料および製品は全世界から 調達 Engineering 16% $67 $67 $67 ISBLは全世界から調達 (OSBLは現地調達) Construction 37% $179 $218 $345 $433 $475 $602 ISBL Total Total %USGC $824 $885 $1,075 100% 108% 133% 建設は現地の現場組み立て OSBL + ISBL + 運転資本 + そ の他のソフト 市場の過熱を考慮 ホットな市場 ・ 相場が上昇し ・ 生産性が低下 「市場の熱 計算式」 失業者数 求人数 = 市場の熱が生産性に与える影響 7=冷えた市場、20%のボーナス 3=中間 (国際水準を達成) 1=ホットな市場、25%のペナルティ 3 結果 では、アルバータ州は競争力が あるのか? 2015年の最新データ!! 累積正味現在価値(NPV) $1,500 GC AIH RMWB NPV $1,217 $1,560 $1,225 IRR 21.3% 22.8% 18.6% $1,000 Aberta Industrial Heartland NPV (US$ MM) $500 $0 - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 Gulf Coast ($500) RMWB ($1,000) ($1,500) Execution Year 営業利益 $250 $200 NPV (US$ MM) Aberta Industrial Heartland $150 Gulf Coast $100 RMWB $50 $0 - 2 4 6 8 10 12 14 Execution Year 16 18 20 22 24 $600.0 $500.0 $400.0 Gulf Coast $300.0 AIH RMWB $200.0 NPV Cost (U$ Millions) NPV ライフサイクル比較 $800.0 $700.0 $100.0 $0.0 Capital Renewal ISBL Maintenance Capital Renewal OSBL Other Project Expenses OSBL Corporate Tax Payable Distribution Costs ISBL Natural Gas Proforma Cash Flow Line Item 比較 メキシコ湾沿岸(GC) 対 NPVの差 アルバータ州ハートランド工業団地(AIH) 感受性 GC-AIHの正味現在価値(NPV) GC - AIH Net Present Value 4 影響 主な違いは何か? 1. 税 2. 製品流通 3. 天然ガス価格 4. 建設にかかる人件費 1 税率 アルバータ州 25% ルイジアナ州 43% • 予算が安定し、バランスが ・ 交渉力 取れている自治体 ・ 巨額の赤字を • 年間2,900万~6,600万ドル 背負う自治体 • NPVへの影響3億1,200万ドル 2 流通コスト AIH USCG ・ユニットトレインから ・ゼロ! 海上輸送へ ・年間2,400万ドル ・NPVへの影響は1億5,000万ドル 3 天然ガス価格 0.88ドル/100万BTUの差 $0.88 /MMBTU differential 年間1,900万ドル $19MM annually NPV 1億1,800万ドル $118MM NPV $10 US$ / MMBtu $8 $6 $4 $2 $2025+ 2024 Spread USD/MMBTU 2023 Alberta Plant Gate (AIH) 2022 Henry Hub Nymex (GC) 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 Year 4 建設費 AIHのペナルティ 生産性20% 進捗3分の1で冬季35% = 12% ホットな市場24% 絶対値 =9% 遠隔地要因=0% 為替レート=(19%) =建設費コストペナルティ22% 資本コストペナルティ8% 6,100万ドル NPV 5,000万ドル 5 感受性 1. WACC - 大きくなるとUSGCが有利 2. ガス価格の変動 - AIHが有利 3. カナダドル安 - AIHが有利 4. 金利 - 上昇するとUSGCが有利 5. 市場の熱 - AIHが有利 Year Market Heat USGC AIH 2012 2.4 0.6 2014 1.8 1.1 2015 1.7 0.9 5 リスク分析 他の要因はどうか? リスク=確率×影響 リスク・ブレークダウン・ ストラクチャー (RBS) • 政治 • 経済 • 社会 • 技術 • 法律・規制 • 環境 リスク評価のマトリクス ス コ ー プ 、 ス ケ ジ ュ ー ル 、 予 算 へ の 影 響 破壊的 甚大 多大 限定的 影 響 の 増 大 微小 発生の確率の増大 ほ と ん ど な い 考 え に く い 発生の確率 起 こ り う る 起 き る 可 能 性 が 高 い ほ ぼ 確 実 に 起 き る 質的評価はAIHに有利 リスクの内容 P1 政情不安 P2 利益の本国送金 Ec4 他のプロセスインプットのアベイラビリティ Ec6 通貨変動 T1 サイトのアベイラビリティ S1 社会的認証 L2 法律 Ev2 環境脆弱性 Ev1 気象条件 Ec5 市場へのアクセス L1 規制の効率と効果 Ec3 労働力のアベイラビリティ Ec2 原料 Ec1 資本コストとスケジュールの変動 USGC AIH 6 競争力確保のための対策 さあ、どうするか? 競争力確保のための対策 ・現地消費 ・燃料 ・希釈剤 ・化学品生産 ・冬季建設 ・モジュラー化 ・個々の状況に応じたプランニング ・現地状況の理解と適応 ・利益に集中 ・政治的支援 EETP輸送路の整備 . まとめ AIH USGC ✔ 税率が低い ✔ 原料価格 ✔ 原料のアベイラビリティ ✔ カナダドル安 × 冬季建設 × 市場へのアクセス+ ✔ ✔ × × × × 資本コストが小さい 海上輸送 極端な気象条件 環境的脆弱性 社会的認証 原料の競争 アルバータ州は米国メキシコ湾 沿岸に対して競争力がある アルバータ州: コストが大きい 利益が大きい ご質問は?
© Copyright 2024