周辺視目視検査を模擬したインライン外観検査の一手法LCI法と簡易3D

周辺視目視検査を模擬した
インライン外観検査の一手法
─LCI法と簡易3D計測による「発見」と「精査」の分離─
広瀬 修
住友化学株式会社 工業化技術研究所
ヒューマンビジョンによる外観検査において近年注目されている「周辺視目視検査」の機能を
インラインで自動化するための試みである。目視作業の最大の利点である2次元画像処理をイン
ラインで処理するためのLCI法について紹介し、周辺視目視検査とLCI法がともに検査作業を
「異常の発見」と「欠陥の精査」に明確に区別していること、発見に特化することによって検査
性能を向上させていることを示す。
1
持して自由に動かしながら 3 種の光学条件下での
欠陥検査の従来法とその課題
検査を並行して実施できるが、ラインセンサを用
いる場合は撮影条件をいずれかに固定しなければ
一般に工業製品の外観検査にはラインセンサが
ならない。そのため、図1
(b)
に破線で示したよう
用いられる。製品の機能を阻害する欠陥は、図1
なライン上をそれぞれ撮影するよう、3 系列のライ
に示すように、その見え方に基づいて A. 暗視野、
ンセンサが必要となる。このことは検査にかかる
B. 明暗境界、C. 明視野の条件下で視認される 3 種
コスト増加など、多くの課題の原因となっている。
類に大別できる。目視検査の場合、被検査体を把
図1
70 ︱March 2015
eizojoho industrial