自然災害における安全対策について 発注者 新庄河川事務所 施工者 羽

自然災害における安全対策について
発注者
新庄河川事務所
施工者
羽陽建設株式会社
工事名
志津地すべり大越川第2号集水井ほか工事
発表者
○現場代理人
中川
欣哉
監理技術者
松井
憲之
1.はじめに
本工事は、最上川水系における地すべり対策事業の一環として、西川町志津地区において、集水井
工等を施工する工事です。
施工箇所は地すべりブロック内に位置していることから、自然災害への対応が安全対策を検討する
上で、最も配慮しなければならないと考えられます。そこで本報告では、工事において安全対策に取
り組んだ内容について述べたいと思います。
2.自動観測システムの活用について
工事着手前に、地すべり等の自然災害時に影響が確認され易い箇所について、現地踏査を行い、計
器の設置位置を選定、傾斜センサー及び雨量計を設置し、日々観測を行いました。
観測データは、インターネットで確認できるため、現場に異常がないか日常監視を的確に行うこと
ができます。また、本工事で設定した安全管理基準を上回った場合には、現場内に設置した回転灯及
びサイレンが作業すると共に、現場担当者の携帯電話にメール連絡が入るため、自然災害発生時に作
業中止及び緊急体制への周知が速やかに行うことができます。
3.建設安全気象モバイル「KIYOMASA」の活用について
本工事専用の気象情報サイトを構築し、施工箇所の詳細な気象予測を行えるよう配慮しました。こ
れにより、1 時間毎の 24 時間先降水予測を把握し、大雨等への対策を事前に行うことにより、安全確
保に効果を得ることができました。
気象予想データ
気象予想データ
4.自然災害に対する工夫について
自然災害等が発生した場合に備え、作業員がすぐ避難できるよう「緊急避難路マップ」を作成し、
新規入場者教育時に説明し、現場内に緊急避難路の掲示を行い、緊急時に直ちに確認できるよう配慮
しました。
緊急避難路マップ(説明資料)
緊急避難路マップ(現場内掲示)
また。安全教育時に緊急避難路マップを元に、避難訓練を実施し避難経路を再確認すると共に、実
際に避難した場合に問題等がないか作業員全員で考え、検討することにより万が一に備えることがで
きました。
安全教育(緊急時の対応等)
4.おわりに
今回の取り組みの中で、現場の作業開始前に観測データを確認し、ミーティング時に活用すること
により、作業員の意識の向上が得られたと感じています。作業期間中は、安全基準を上回ることもな
く自然災害もありませんでしたが、安心して現場作業を進めるために自然災害に備えることの大切さ
を、改めて認識することができました。