平成 26 年度農作物病害虫発生予察技術資料第 10 号 平成 27 年(2015 年)3 月 25 日 山 口 県 病 害 虫 防 除 所 ムギ類の赤かび病の防除について 本年のムギ類の出穂は 11 月中旬頃に播種したほ場では平年並~やや早い見込みです。 ムギ類赤かび病の防除は第1回目の防除が最も重要であることから、時期を逸しない よう下記により防除の徹底をお願いします。 記 1 防除時期(表1) 1回目:小麦 :開花始め(穂揃期後2~3日頃) 裸麦 :開花始め(穂揃期~穂揃期後2日頃) 二条大麦:穂揃期後 10 日頃(葯殻抽出期) 2回目:第1回目の防除後、7~10 日頃 3回目:第2回目の防除後、7~10 日頃 表1 防除時期の目安(山口県農林総合技術センターほ場:平成 26 年 11 月 14 日播種) 麦 種 品 種 1回目 穂揃期 注1) 防除時期の目安 本年予測 平年 平年比 小麦 小麦 裸麦 二条大麦 せときらら ふくさやか トヨノカゼ アサカゴールド 4/13~15 4/13~15 4/7~10 4/16~17 4/11~12 4/11~12 4/7~8 4/6~7 4/14 4/14 4/7 4/7 やや早い やや早い 平年並 平年並 注1) 推定有効茎数の約 80~90%が出穂した日で、出穂期(全茎数の約 40~50%が 出穂した日)の約2日後。 注2) 防除時期は、播種時期や肥培管理、出穂期前後の気象条件で前後するため、 ほ場をよく観察する。 2 3 防除薬剤 表2、3による。 防除上注意すべき事項 (1) 11 月中旬までに播種したほ場の出穂期では、平年並~やや早く、11 月下旬以降 に播種したほ場の出穂期は平年並~やや遅い見込みであるため、今後の出穂状況に 注意する。 (2) 穂に症状(桃色のかび)が認められるのは乳熟期以降であるため、症状がみられ なくても、3回の防除を必ず実施する。 (3) 開花期が最も感染しやすいので、防除時期(表1)が遅れないようにする。 (4) 農薬使用基準を遵守する(表2、表3)。なお、農薬散布の際は他作物に飛散し ないように注意する。 (5) ほ場近辺の枯草やイナワラは、伝染源となるので除去する。 表2 ムギ類赤かび病の主要防除薬剤(平成 27 年3月25日現在) 麦類、麦 系統 殺 菌 剤 コ ー ド ベンゾイミ ダゾール 1 ステロ -ル生 合成阻 害 一般名 商品名 有機リ ン,ベンゾ イミダゾー ル トップジンM水和剤 1000~1500倍、60~150 収穫30日前まで (普)(A) リットル/10a チオファネートメチ ル粉剤 2% トップジンM粉剤DL 4kg/10a (普)(A) トリフルミゾール水 トリフミン水和剤 和剤 30% (普)(B) ワークアップフロア ブル(普)(B) ワークアップ粉剤D L (普)(B) ストロビーフロアブ ル(普)(B) サルファーゾル M2 水和硫黄剤 52% (普)(A) 石灰硫黄合剤 M2 石灰硫黄合剤 27.5% (普)(A) 1 使用時期 (収穫前日数) チオファネートメチ ル水和剤 70% 3 メトコナゾール水和 剤 18% メトコナゾール粉剤 DL 0.7% メトキシアク クレソキシムメチル 11 リレート 水和剤 44.2% - 希釈倍数・使用量 散布液量 MEP・チオファネー スミトップM粉剤 トメチル粉剤 3,2% (普)(B,A) 使用回数 成分含む 使用回数 使用方法 備考 3回以内(但し、出穂期 散布 以降は1回以内) チオファネートメチル3 回以内(但し、種子への 処理は1回以内、出穂 期以降は1回以内) 「麦類(小麦を除く)」で適用 1000~2000倍、60~150 収穫14日前まで リットル/10a 3回以内 散布 トリフルミゾール3回以内(但 し、種子粉衣は1回以内) - 2000倍,60~150リットル 収穫14日前まで /10a 2回以内 散布 メトコナゾール2回以内 「麦類(大麦を除く)」で適用 3kg/10a 2回以内 散布 メトコナゾール2回以内 - 「麦類(小麦を除く)」で適用 収穫14日前まで 収穫14日前まで 2000~3000倍,60~150 収穫14日前まで リットル/10a 3回以内 散布 クレソキシムメチル3回 以内 400倍 - - 散布 - - 50~60倍 - - 散布 - - 4kg/10a 収穫14日前まで 1回 散布 MEP1回,チオファネートメチル 3回以内(但し、種子への処理 は1回以内、出穂期以降は1 回以内) 「麦類(小麦を除く)」で適用 アブラナ科作物には、薬害を生 じるおそれがあるので、かから ないよう注意して散布する。 成分含む 使用回数 備考 小麦 系統 殺 菌 剤 コ ー ド ベンゾイミ ダゾール 1 一般名 商品名 希釈倍数・使用量 散布液量 チオファネートメチ ル水和剤 70% トップジンM水和剤 1000~1500倍、60~150 (普)(A) リットル/10a チオファネートメチ ル粉剤 2% トップジンM粉剤DL 3~4kg/10a (普)(A) 使用時期 (収穫前日数) 使用回数 使用方法 3回以内(但し、出穂期 散布 以降は2回以内) チオファネートメチル4回以内 (但し、種子への処理は1回以 内、散布及び無人ヘリ散布は合 計3回以内、出穂期以降は2回 以内) - 1000~2000倍,60~150 収穫3日前まで リットル/10a 3回以内 散布 プロピコナゾール5回以内(但 し、根雪前は2回以内、春期以 降は3回以内) - テブコナゾール水和 シルバキュアフロア 2000倍,60~150リットル 収穫7日前まで 剤40% ブル(普)(B) /10a 2回以内 散布 テブコナゾール3回以内(但し、 根雪前は1回以内、融雪後は2 回以内) - メトキシアク クレソキシムメチル ストロビーフロアブ 2000~3000倍,60~150 11 収穫14日前まで リレート 水和剤 44.2% ル(普)(B) リットル/10a 3回以内 散布 クレソキシムメチル3回 - 以内 ステロ -ル生 合成阻 害 - プロピコナゾール乳 チルト乳剤25 剤 25% (普)(B) 収穫14日前まで 3 イミノクタジンアルベ ベルクート水和剤 M7 シル酸塩水和剤 (普)(A) 40% 1000~2000倍,60~180 収穫21日前まで リットル/10a 3回以内(但し、出穂期 散布 以降は1回以内) イミノクタジン4回以内(種子へ の処理は1回以内、散布及び 無人ヘリ散布は合計3回以 内、出穂期以降は1回以内) - - イミノクタジン酢酸 -,ベンゾ M7, 塩・チオファネートメ ベフトップジンフロア イミダゾー 800~1000倍 1 チル水和剤 ブル(劇)(A,A) ル 15.7,26.2% 収穫14日前まで 3回以内(但し、出穂期 散布 以降は1回以内) イミノクタジン4回以内(但し、 種子への処理は1回以内、散 布及び無人ヘリ散布は合計3 回以内、出穂期以降は1回以 内),チオファネートメチル4回以 内(但し、種子への処理は1回 以内、散布及び無人ヘリ散布 は合計3回以内、出穂期以降 は2回以内) 有機リ ン,ベンゾ イミダゾー ル 収穫14日前まで 1回 MEP1回,チオファネートメチル4 回以内(但し、種子への処理は1 アブラナ科作物には、薬害を生 回以内、散布及び無人ヘリ散布 じるおそれがあるので、かから は合計3回以内、出穂期以降は ないよう注意して散布する。 2回以内) 1 MEP・チオファネー スミトップM粉剤 トメチル粉剤 3,2% (普)(B,A) 4kg/10a 散布 大麦 系統 ステロ -ル生 合成阻 害 殺 菌 剤 コ ー ド 一般名 メトコナゾール水和 剤 18% テブコナゾール水和 3 剤 40% プロピコナゾール乳 剤 25% 商品名 ワークアップフロア ブル(普)(B) シルバキュアフロア ブル(普)(B) チルト乳剤25 (普)(B) 希釈倍数・使用量 散布液量 使用時期 (収穫前日数) 2000倍、60~150リットル/10a 収穫14日前まで 2000倍,60~150リットル 収穫14日前まで /10a 1000~2000倍,60~150 収穫21日前まで リットル/10a 使用回数 使用方法 成分含む 使用回数 備考 2回以内 散布 メトコナゾール2回 - 2回以内 散布 テブコナゾール2回以内 - 1回 散布 プロピコナゾール1回 - 表3 無人ヘリコプター用のムギ類赤かび病の主要防除薬剤(平成 27 年3月25日現在) 麦類 系統 殺 菌 剤 コ ー ド ベンゾイミ ダゾール 1 一般名 チオファネートメチ ル水和剤 40% 商品名 トップジンMゾル (普)(A) 希釈倍数・使用量 散布液量 8倍,0.8リットル/10a 使用時期(収穫前 日数) 収穫21日前まで 使用回数 3回以内(但し、出穂期 以降は1回以内) 成分含む使用回数 備考 チオファネートメチル3回以内(但し、種 子への処理は1回以内、出穂期 小麦を除く 以降は1回以内) 注) 本表の薬剤については、麦類の使用方法(無人ヘリ)に対し登録がある場合、すべて記載しています(但し、有機リン剤を含む薬剤 および本県で流通がない薬剤を除く)。 小麦 系統 殺 菌 剤 コ ー ド ベンゾイミ ダゾール 1 ステ ロール 生合成 阻害 3 一般名 チオファネートメチ ル水和剤 40% 商品名 トップジンMゾル (普)(A) プロピコナゾール乳 チルト乳剤25 剤 25% (普)(B) 希釈倍数・使用量 散布液量 使用時期(収穫前 日数) 使用回数 成分含む使用回数 備考 8倍,0.8リットル/10a 収穫14日前まで 3回以内(但し、出穂期 以降は2回以内) チオファネートメチル4回以内 (但し、種子への処理は1回以 内、散布及び無人ヘリ散布は合 - 計3回以内、出穂期以降は2回 以内) 8倍,0.8リットル/10a 収穫7日前まで 3回以内 プロピコナゾール5回以内(但し、 - 春期以降は3回以内) 収穫7日前まで 2回以内 収穫14日前まで 3回以内(但し、出穂期 以降は1回以内) テブコナゾール水和 シルバキュアフロア 16培,0.8リットル/10a 剤 40% ブル(普)(B) イミノクタジン酢酸 -,ベンゾ M7 塩・チオファネートメ ベフトップジンフロア イミダゾー 8倍,0.8リットル/10a 1 チル水和剤 ブル(劇)(A,A) ル 15.7,26.2% テブコナゾール3回以内(但し、 根雪前は1回以内、融雪後は2 - 回以内) イミノクタジン4回以内(但し、種 子への処理は1回以内、散布及 び無人ヘリ散布は合計3回以 内、出穂期以降は1回以内),チ オファネートメチル4回以内(但 - し、種子への処理は1回以内、 散布及び無人ヘリ散布は合計3 回以内、出穂期以降は2回以 内) 注) 本表の薬剤については、小麦の使用方法(無人ヘリ)に対し登録がある場合、すべて記載しています(但し、有機リン剤を含む薬剤 および本県で流通がない薬剤を除く)。 大麦 系統 ステ ロール 生合成 阻害 殺 菌 剤 コ ー ド 一般名 商品名 プロピコナゾール乳 チルト乳剤25 剤 25% (普)(B) 3 希釈倍数・使用量 散布液量 8倍,0.8リットル/10a 使用時期(収穫前 日数) 使用回数 成分含む使用回数 備考 収穫21日前まで 1回 プロピコナゾール1回 - テブコナゾール水和 シルバキュアフロア 16倍,0.8リットル/10a 剤 40% ブル(普)(B) 収穫14日前まで 2回以内 テブコナゾール2回以内 - メトコナゾール水和 ワークアップフロア 剤 18% ブル(普)(B) 収穫14日前まで 2回以内 メトコナゾール2回以内 - 10~16倍,0.8リットル /10a 注) 本表の薬剤については、大麦の使用方法(無人ヘリ)に対し登録がある場合、すべて記載しています(但し、有機リン剤を含む薬剤 および本県で流通がない薬剤を除く)。
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