PRE-19-59

PRE-19-59
後頸部に対する電気刺激の刺激パラメータの違いが主観的正中方向に与える影響
Effects of various electrical stimulation parameters at the posterior neck
on subjective straight ahead
○藤田貴昭 (OT) 1),佐藤惇史 (PT) 2),笠原龍一 (PT) 2),大橋拓朗 (OT) 2),角井俊幸 (OT) 3)
1)
仙台リハビリテーション専門学校作業療法学科, 2)北福島医療センターリハビリテーション科, 3)
沖野内科医院リハビリテーション科
Key words: Occupational therapy intervention,Cognitive function,unilateral spatial
neglect
【導入と目的】
半側空間無視の治療の一つに後頸部への電気刺激療法があるが,これまでに最適な電気刺激の強度
や周波数等は検討されていない.本研究の目的は,臨床に向けた基礎研究として,健常者の主観的正
中方向(SSA)に影響を与える電気刺激パラメータを明らかにすることである.
【方法】
健常者7名を対象とし,左後頸部への電気刺激がSSAに与える影響を調べた.電気刺激は周波数2条
件(1 Hz,100 Hz),強度2条件(運動閾値(MT),感覚閾値(ST))を組み合わせた4条件と
し,5分間実施した.SSAは閉眼椅子座位にて指さし課題を行い,刺激前と電気刺激終了時に測定し
た.
【結果】
刺激前後のSSAの差(左側への偏位を正で示す)は,無刺激条件-0.6±0.7 cm,1 Hz・MT条
件-1.2±1.2 cm,100 Hz・MT条件2.0±2.0 cm,1 Hz・ST条件-0.1±0.8 cm,100 Hz・ST条
件0.2±0.7 cmであった.100 Hz・MT条件と1 Hz・MT条件,100 Hz・ST条件の間,および1
Hz・MT条件と100 Hz・ST条件の間に有意差を認めた(p <.05).
【考察】
100 HzかつMT条件がSSAを左方向に偏位させ,USN治療の最適刺激となる可能性が示唆され
た.先行研究において100 Hz・MT条件は臨床的有効性が報告されており,本研究はそれを支持する
結果となった.
【作業療法への貢献】
半側空間無視の治療で用いる電気刺激は100 Hz/MT条件が有効である可能性がある.