第5章 基本伝達関数の特性

第5章 基本伝達関数の特性
5.1 基本伝達関数
一般にn次のシステムの伝達関数は,sの多項式の
比で表される.
ここで分子分母の多項式を使い
の根を考える
根は実数か共役複素数対(a + jbとa - jb)
•  分子Y(s)=0の解をG(s)の零点
•  分母X(s)=0の解をG(s)の極
これらの根を使ってG(s)を表す
すなわちG(s)は
n次の伝達関数G(s)は次の基本伝達関数の積
で表される
•  定数
•  1次要素
•  2次要素
•  基本伝達関数の特性を知っておけば、高次
のシステムの場合の取扱いも容易となる
5.2 比例要素
•  比例要素の例:ポテン
ショメータ,理想演算増
幅器
•  角周波数に依存しない
ため,ゲインはKで一定,
位相も常に0 [deg]
•  直流ゲインとも呼ばれる
G(s)=15の場合のボード線図
5.3 微分及び積分要素
•  微分要素の例:
–  インダクタンスL
C R
–  微分回路
図5.1 微分回路
(vR(t) ≪ vc(t)が成り立つ場合)
•  伝達関数
積分要素
•  積分要素の例:
–  キャパシタンスC
R
C
–  積分回路
図5.2,積分回路
(vR(t) ≫ vc(t)が成り立つ場合)
•  伝達関数
5.3.2 時間応答と周波数応答
1.  時間応答 (ステップ応答を考える)
–  微分要素の場合
積分要素のステップ応答
つまり線形で単調に増加
微分要素の周波数応答
ナイキスト線図
ボード線図
積分要素の場合
ナイキスト線図
ボード線図
5.4 1次遅れ要素
5.4.1 伝達関数
vR(t) ≫ vc(t)が成り立たない場合
R
C
ラプラス変換すると
図5.2,積分回路
(vR(t) ≫ vc(t)が成り立たない場合)
1次遅れ要素とは一般に
伝達関数が次の形の要素
よって伝達関数は
5.4.2 時間応答と周波数応答
(1)時間応答(ステップ応答)
ラプラス変換すると
すなわち
Tを時定数
時間応答が最終値の約63%に
(2) 周波数応答
ナイキスト線図
(2) 周波数応答 ボード線図
ゲイン
T=1の場合
(2) 周波数応答 ボード線図
位相
T=1の場合
5.5 1次進み要素
•  5.5.1 伝達関数
–  直列RL回路
伝達関数は
図5.11 直列RL回路
5.5 1次進み要素
(1)時間応答(ステップ応答)
ラプラス変換すると
図5.11 直列RL回路
すなわち
(2) 周波数応答 ナイキスト線図
ナイキスト線図
1次進み要素の周波数伝達関数は
ナイキスト線図はx=1の直線
(2) 周波数応答 ボード線図
ゲイン
やはりゲインは折れ線で近似でき
ω=1/Tが折点
T=1の場合
(2) 周波数応答 ボード線図
位相
T=1の場合