RN-Sure Single Step Reagent

シングルステップの RNA 抽出試薬
RN-Sure Single Step Reagent
Cat NO. HS-51-100
【使用方法】
【目的・用途】
RN-Sure Single-Step Reagent は、シングルステップで RNA を抽出するた
めの、フェノールとグアニジンイソチオシアネート用いる手法を改良した試
薬です。細胞破砕・溶解時に本試薬を共存させることで、RNase を迅速に不
活性化します。その後、クロロホルムを添加すると、RNA は水層(上部透明
の層)に、タンパク質は有機層(下部赤色の層)に、DNA は両層の界面に移
動し、RNA を分取する事が可能です。得られた精製 RNA は、RT-PCR・マイ
クロアレイ・ poly(A) + RNA セレクションなどに適用できます。
また、必要に応じて、DNA やタンパク質の層も分取し、エタノールやイソ
プロパノールを用いて沈殿させることができます。
基本プロトコール
1) サンプルの溶解 ①
■ 組織の場合■
100mg 以下の組織片に 1mL の RN-Sure Single-Step Reagent を加えて
ホモジナイザーを用いてサンプルを破砕した後、室温で 5 分間静置し
ます。
■ 培養細胞 (浮遊細胞)の場合■
106 の細胞を遠心分離で回収し、1mL の RN-Sure Single-Step Reagent
を加えてピペッティングで細胞を溶解しした後、室温で 5 分間静置し
ます。
【特徴】
【注意】RN-Sure Single-Step Reagent を添加するまえに細胞ペレット
1)
シングルステップの RNA 抽出が可能
2)
組織・培養細胞・バクテリア・植物・酵⺟等幅広い試料に適応
3)
操作時間は 1 時間以内
4)
下流の様々な実験に適用可能
を洗浄しないでください。
■ 培養細胞(接着細胞)の場合 ■
10cm2 ディッシュあたり 1mL の RN-Sure Single-Step Reagent をディ
ッシュに直接加え、ピペッティングで細胞を溶解しした後、室温で 5
分間静置します。
【キット内容】
RN-Sure Single-Step Reagent
内容
RN-Sure Single-Step Reagent
2) RNA の分離
容量
100 mL
RN-Sure Single-Step Reagent 1mL あたり、0.2mL のクロロホルムを添
加し、ボルテックスミキサーで激しく混合します。その後、4℃で 12,000
×g、2 分間遠心します。一番上層の水相(RNA)を別のマイクロチュー
ブに分取します。
【使用期限】
3) RNA の沈殿
2〜8℃(遮光)にて 12 ヶ月
得られた水相(RNA 溶液)と等量のイソプロパノールを加えてボルテッ
クスミキサーで混合した後、室温で 10 分間静置します。その後、4℃で
【本品以外に準備が必要な試薬・器具】
•
クロロホルム
•
イソプロパノール
•
75%エタノール
•
氷
12,000×g、15 分間遠心し、上清を除去します。
4) RNA の洗浄
:
特級試薬をご使用ください
0.5mL の氷冷した 75%エタノール RNA ペレットを洗浄します。その後、
4℃で 12,000×g、1 分間遠心し、上清を除去します。
•
メスシリンダー
•
マイクロピペット、ピペットチップ
5) ペレットの乾燥・再溶解
•
ディスポーザブル手袋
RNA ペレットがチューブ壁に沈殿していることを確認しながら、余分な溶液
•
ボルテックスミキサー
を除去します(※)。その後、少量の RNase-Free 水 等で再溶解します。
【注意】この際、ペレットにチップが触れないように十分注意してください。
•
冷却遠心機
•
1.5mL, 2mL マイクロチューブ
また、RNA ペレットは完全に乾燥してしまうとその後の溶解度が
•
RNase-Free 水
著しく低下しますので完全に乾燥する前に再溶解してください。
【Q&A】
Q1
相が完全に分離しない
クロロホルムの純度が低い
・ イソアミルアルコール等の混入がない精製度の高いクロロホ
ルムを使用する。
サンプルとクロロホルムの混合不足
サンプルと クロロホルムの混合不足
・ クロロホルム添加後、激しく混合する。相が分離していない
場合、再度、15 秒以上激しくボルテックスミキサーで混合・
遠心を実施する。
サンプルに有機溶媒等が含まれている
・ スタートサンプルがエタノールや DMSO などの有機溶媒や
強いアルカリ性溶液を含まないことを確認する。
Q2
RNA ペレットが再溶解できない
ペレットを乾燥させすぎた
・ 真空乾燥せずに自然乾燥にするなど、乾燥の具合を弱める。
・ 再溶解に使用する RNase-Free 水の量を増やす。
RNA ペレットにイソプロパノールが
ペレットに イソプロパノールが残っている
イソプロパノールが残っている
・ 75%エタノールでの洗浄を確実に実施する。
・ 再溶解に使用する RNase-Free 水の量を増やす。
Q3
RNA の収量が低い
ホ モジナイズが不十分
・ サンプル量を減らすか加える RN-Sure Single-Step Reagent
の量を増やす。
RNA ペレットが完全に溶解していない
・
Q4
ペレットが残っていないか確認する。
A260/A280 が低い
RNRN -Sure SingleSingle -Step Reagent が少ない
・ サンプル量を減らすか加える RN-Sure Single-Step Reagent
の量を増やす。
水相に有機相がコンタミネーションしている
・ 水相を分取する際、有機相が混入しないよう注意する。
タンパク質が溶解して
タンパク質 が溶解していない
が溶解して いない
・ ホモジナイズ後の室温で 5 分間静置する工程を確実に実施
する。この工程によって核タンパク質等が溶解される。
純度測定時の RNA 溶液の希釈を水で実施している
溶液の 希釈を水で実施している
・ 純度測定時の RNA 溶液希釈には、10mM Tris-HCl, pH7.5 等
を使用する。