鈴木元治郎 - プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究

平成25年度プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班研究成果
酵母におけるプリオンタンパク質凝集体の不均等分配の
メカニズム
研究分担者:独立行政法人理化学研究所.・脳科学総合研究センター 鈴木元治郎
1. mlp変異株におけるプリオンタンパク質凝集体の不均等分配
DAPI�
100 Hsp104 localization (%)�
Hsp104-GFP� Alexa-ConA�
娘細胞
野生型
Hsp104
核
Alexa-ConA�
母細胞
90 WT
Δmlp1mlp2
Δmlp1mlp2+MLP1
80 70 60 50 40 30 20 10 0 Δmlp1mlp2
1 2 2. プリオンタンパク質(プロパゴン)の不均等分配
娘細胞のプロパゴンの数 400
wt WT�
300
3. プリオンタンパク質凝集体の不均等分配モデル
Δ
mlp1mlp2�
mlp ユビキチン�
Δmlp1mlp2�
200
核�
Mlp1/2�
WT�
100
プリオンタンパク質凝集体�
シャペロンなど�
母細胞�
0
0
100
200
娘細胞�
娘細胞�
300
400
核�
核膜孔複合体�
核�
母細胞�
核�
Δmlp1mlp2�
野生型
細胞質�
核�
Mlp1/2�
プリオンタンパク質凝集体�
母細胞のプロパゴンの数 解 説
1. 
タンパク質凝集体のマーカーであるHsp104の凝集体が母細胞と娘細胞のどち
らに局在するか調べたところ、野生株(WT)では母細胞に不均等に局在するが、
mlp1mlp2二重変異株ではランダムに局在していた。
2. 
母細胞と娘細胞に含まれるプリオンタンパク質の凝集体(プロパゴン)を定量し
たところ、野生株では母細胞に多くのプロパゴンが含まれていたが(青)が
mlp1mlp2二重変異株では同程度含まれていた(赤)。
3. 
プリオンタンパク質などの凝集体は核膜孔に存在するMlp1/Mlp2に保持される
ことによって母細胞に不均等に分配されると考えられる。