Document 672065

その 1
平成 21 年度「土質力学 I」期末試験問題(後半・全般)模範解答
【問1】次の設問に答えよ。
(1)質量 3kg,含水比 10%のA試料と,質量 5 kg で含水比が不明なB試料とを攪拌混
合し,含水比 20%の試料を得た。B試料の含水比はいくらか? (10 点)
(2)図には,3 種類の土 A, B, C の粒径加積曲線が示してある。
次の設問に答えよ。(15 点)
< 設 問 >
(ⅰ) 有効径 D10 が最も大きいのは,A, B, C のいずれか ? また,最も小さい D10 はい
くらか?
(ⅱ) 均等係数 Uc は, B と C のどちらが大きいか ?
また,大きい方の Uc はいくら
か?
(ⅲ) B の曲率係数 Uc’を計算せよ。
(ⅳ) B の粘土分,シルト分,砂分はそれぞれ何%か ?
(ⅴ) 最も大きい乾燥密度に締固め得る(粒度の良い)のは,A, B, C のいずれか?
<<解答>>
(1)
A試料: m A  3.0kg , wA  10%
④式に (1  wB ) を乗じると
B試料: m B  5kg , wB  ? %
msA 
msB 
m
A
(1  wA )
mB
(1  wB )
C試料:
( wc  wA ) 
1  wB
 m A  ( wc  wB )  mB  0
1  wA
m
wA  wA
msA
①
mwB
msB
②
wC  wB

1  wA
③
wB  m B   m A    m A  wC m B
wB 
wc 
mwA  mwB
msA  msB
③式と①,②式を用いて
wc (msA  msB )  wA  msA  wB  msB
( wc  wA )msA  ( wc  wB )msB  0
故に, wB 
③´
① ,②式を③´式に代入すると
( wc  wA ) 
mA
mB
 ( wc  wB ) 
0
1  wA
1  wB
題意より
④
wB 
⑥
とおくと,
 m A  wC m B
mB  m A

⑤
⑦
wC  wB 0.2  0.1

 0.09
1  wA
1  0.1
 m A  wC m B 0.09  3  0.2  5

 0.27



5
0.09
3

mB m A
その 2
wB  27%
※数値による解答は読み取り個人差のため,正解には幅がある。
< 設 問 >
(ⅰ) 有効径 D10 が最も大きいのは,A, B, C のいずれか ? また,最も小さい D10 はい
くらか?
<<解答>> 最も大きいのは
A,
最も小さい D10 は試料 B で,
(ⅱ) 均等係数 Uc は, B と C のどちらが大きいか ?
らか?
Uc が大きいのは B, 試料 B のU c 
<<解答>>
B
D
D
D10
 0.003(mm )
B
また,大きい方の Uc はいく
60
10

0.05
 17
0.003
(ⅲ) B の曲率係数 Uc’を計算せよ。
<<解答>>
Uc
'

B
D 
2
30
D 10  D 60

 0.01
2
0.003  0.05
 0.67
(ⅳ) B の粘土分,シルト分,砂分はそれぞれ何%か ?
<<解答>>
粘土分=20%,
シルト分=72-20=52%,砂分=100-72=28%
(ⅴ) 最も大きい乾燥密度に締固め得る(粒度の良い)のは,A, B, C のいずれか?
<<解答>>
B
※「粒度の良い」とは「粒径小から粒径大まで偏在せずに存在し,よく絞め固まる」の意味
その 3
【問2】次の設問に答えよ。(30 点)
(1)
全漏水量が式(1)で与えられることを、図-1 を参考にして誘導せよ。(15 点)
Q  khB
N
N
f
………(1)
d
ここに,k :透水係数,h: :全水頭差,Nf : 流線に挟まれた全流路数,Nd : 等ポテンシャ
ル線に挟まれた帯の数,B : 奥行き幅である。
(2) 図-2 に示すような、透水係数 k = 4.5×10-3(cm/s)、奥行き幅 B = 20m,厚さ上流
側 16m,下流側 18m の一様な砂層の中に矢板を鉛直に打ち込んだときの流線網を描け。
(10 点)
(3)この場合の1日間の総漏水量を求めよ。(5 点)
図-1
図‐2
その 4
<<解答例>>
(1)図-2 の 1 要素にダルシー則を適用すると
dq  k
dh
 (db  1) (単位奥行当り)・・・・・・・・・・①
da
一方、総漏水量 Q  N f  dq ・・・・・・・・・・②
全水頭差 h  N d  dh ・・・・・・・・・・③
また②より Q  N f  k 
1 h

(db  1) ・・・・・・④
da N d
ここに、フローネットの性質より、 da ≒ db とおける。
従って④は、
Q  k h
Nf
Nd
(単位奥行当り) ・・・・・・・・・・⑤
奥行幅 B の場合の Q は、 Q (単位奥行当り)  B より
Q  k hB
図-1
Nf
Nd
(2)フローネットの解答例を図‐3に示す。
図‐3
(3)図-3のフローネットから, N f =5, N d =10 より,
Q  khB
Nf
 Q  4.5  103  600  100 
Nd
 135(cm / s ) 
3
135 
10 m   60
2
 12(m / d )
3
3
2
 24(m / d )
3
5
10
その 5
【問3】高さ 5m、天端幅 10m、法面勾配
1:1.5 の盛土を施工した。盛土の単位体積
 t  1.7 tf m 3 として、地表面下 z  5m における盛土中心直下の点 A、中心から 7m はなれた
点 B、中心から 15m はなれた点 C での鉛直増加応力  z ,  z
A
グの影響線図を利用して求めよ。
, z
B
をオスターバー
C
その 6
《解答例》
q   H  1.7  5  8.5(tf / m )
3
t
 z
 2qI
A
a / z  7.5m / 5m  1.5,
b / z  5m / 5m  1.0
 I  0.464
 z
A
 2qI  2  8.5  0.464  7.9(tf / m )
 z
B
 qI 1  q
2
q
q
I
1
2
1
1
I q I
2
2
3
 q
5.5m
2
 8.5  0.73  6.2(tf / m )
7.5m
 q
2m
2
 8.5  0.27  2.3(tf / m )
7.5m
a / z  7.5m / 5m  1.5,
:
b / z  12m / 5m  2.4
 I 1  0.485
I
2
a / z  5.5m / 5m  1.1,
:
b/ z  0
 I 2  0.27
I
3
a / z  2m / 5m  0.4,
:
b/ z  0
 I 3  0.125
 z
 qI 1  q
B
 z
C
I
1
I q I
2
2
 8.5  0.485  6.2  0.27  2.3  0.125  5.5(tf / m )
2
3
 q( I 1  I 2 )
1
:
a / z  7.5m / 5m  1.5,
b / z  20m / 5m  4.0
 I 1  0.496
I
2
:
a / z  7.5m / 5m  1.5,
b / z  2.5m / 5m  0.5
その 7
 I 2  0.405
 z
 q( I 1  I 2)  8.5  (0.496  0.405)  8.5  0.091  0.77(tf / m )
2
C
その 8
【問4】次の(1)~(2)の設問に答えよ。(20 点)
標準圧密試験の結果、図-1 のように、荷重強度を p1から p2に増加したとき、間隙比 e
は e1から e2に減少した。圧縮指数 Ccは e-log10p 曲線の勾配(正符号)意味し、次式で与
えられる。
Cc  
e2  e1

log10 P2  log10 p1
e
p  p
log10 1
p1
(1)
(1)標準圧密試験においては、体積ひずみ V / V ( VV / V ) と鉛直ひずみ h / h は等しいこと
を知って、体積ひずみ V / V と間隙比変化 e( e1  e2 ) の関係式(2)を求めよ。(10 点)
(2)いま、式(1)と設問(1)で求めた関係式(2)を用いて、厚さ H、初期間隙比 e0 の粘土層に
おいて、粘土層中央部の有効土かぶり圧  zi 、上載荷重による粘土層中央部の増加鉛直
応力  z であるとき、最終圧密沈下量 Sfが、次式で与えられることを誘導せよ。(10
点)
Sf 
    z
Cc
H log 10 zi
 zi
1  e0
(3)
図-1
その 9
<<解答例>>
(1)
Vv
V e
V h
e


 s

V
h Vs  Vv Vs  Vv 1  e1
よって
V
e

V
1  e1
(2)
圧密沈下量 Sf
砂層
砂層
間隙比 e0
H
H-Sf
粘土層
載荷前
Sf  
z h H
z h
hdz  
z h H
z h
間隙比 e0-Δe
粘土層
載荷後
e0  e2
e e
e
dz  0 2 H 
H
1  e1
1  e1
1  e0
①
ここで、圧縮指数 Cc は e  log10  曲線より求めると
Cc 
e0  e 2

log10  zi'  log10  z 2
e
    z
log
'
  zi
①、②式より
Cc
 zi'   z
Sf 
H log10
1  e1
 zi'
'
zi



②