その 1 平成 21 年度「土質力学 I」期末試験問題(後半・全般)模範解答 【問1】次の設問に答えよ。 (1)質量 3kg,含水比 10%のA試料と,質量 5 kg で含水比が不明なB試料とを攪拌混 合し,含水比 20%の試料を得た。B試料の含水比はいくらか? (10 点) (2)図には,3 種類の土 A, B, C の粒径加積曲線が示してある。 次の設問に答えよ。(15 点) < 設 問 > (ⅰ) 有効径 D10 が最も大きいのは,A, B, C のいずれか ? また,最も小さい D10 はい くらか? (ⅱ) 均等係数 Uc は, B と C のどちらが大きいか ? また,大きい方の Uc はいくら か? (ⅲ) B の曲率係数 Uc’を計算せよ。 (ⅳ) B の粘土分,シルト分,砂分はそれぞれ何%か ? (ⅴ) 最も大きい乾燥密度に締固め得る(粒度の良い)のは,A, B, C のいずれか? <<解答>> (1) A試料: m A 3.0kg , wA 10% ④式に (1 wB ) を乗じると B試料: m B 5kg , wB ? % msA msB m A (1 wA ) mB (1 wB ) C試料: ( wc wA ) 1 wB m A ( wc wB ) mB 0 1 wA m wA wA msA ① mwB msB ② wC wB 1 wA ③ wB m B m A m A wC m B wB wc mwA mwB msA msB ③式と①,②式を用いて wc (msA msB ) wA msA wB msB ( wc wA )msA ( wc wB )msB 0 故に, wB ③´ ① ,②式を③´式に代入すると ( wc wA ) mA mB ( wc wB ) 0 1 wA 1 wB 題意より ④ wB ⑥ とおくと, m A wC m B mB m A ⑤ ⑦ wC wB 0.2 0.1 0.09 1 wA 1 0.1 m A wC m B 0.09 3 0.2 5 0.27 5 0.09 3 mB m A その 2 wB 27% ※数値による解答は読み取り個人差のため,正解には幅がある。 < 設 問 > (ⅰ) 有効径 D10 が最も大きいのは,A, B, C のいずれか ? また,最も小さい D10 はい くらか? <<解答>> 最も大きいのは A, 最も小さい D10 は試料 B で, (ⅱ) 均等係数 Uc は, B と C のどちらが大きいか ? らか? Uc が大きいのは B, 試料 B のU c <<解答>> B D D D10 0.003(mm ) B また,大きい方の Uc はいく 60 10 0.05 17 0.003 (ⅲ) B の曲率係数 Uc’を計算せよ。 <<解答>> Uc ' B D 2 30 D 10 D 60 0.01 2 0.003 0.05 0.67 (ⅳ) B の粘土分,シルト分,砂分はそれぞれ何%か ? <<解答>> 粘土分=20%, シルト分=72-20=52%,砂分=100-72=28% (ⅴ) 最も大きい乾燥密度に締固め得る(粒度の良い)のは,A, B, C のいずれか? <<解答>> B ※「粒度の良い」とは「粒径小から粒径大まで偏在せずに存在し,よく絞め固まる」の意味 その 3 【問2】次の設問に答えよ。(30 点) (1) 全漏水量が式(1)で与えられることを、図-1 を参考にして誘導せよ。(15 点) Q khB N N f ………(1) d ここに,k :透水係数,h: :全水頭差,Nf : 流線に挟まれた全流路数,Nd : 等ポテンシャ ル線に挟まれた帯の数,B : 奥行き幅である。 (2) 図-2 に示すような、透水係数 k = 4.5×10-3(cm/s)、奥行き幅 B = 20m,厚さ上流 側 16m,下流側 18m の一様な砂層の中に矢板を鉛直に打ち込んだときの流線網を描け。 (10 点) (3)この場合の1日間の総漏水量を求めよ。(5 点) 図-1 図‐2 その 4 <<解答例>> (1)図-2 の 1 要素にダルシー則を適用すると dq k dh (db 1) (単位奥行当り)・・・・・・・・・・① da 一方、総漏水量 Q N f dq ・・・・・・・・・・② 全水頭差 h N d dh ・・・・・・・・・・③ また②より Q N f k 1 h (db 1) ・・・・・・④ da N d ここに、フローネットの性質より、 da ≒ db とおける。 従って④は、 Q k h Nf Nd (単位奥行当り) ・・・・・・・・・・⑤ 奥行幅 B の場合の Q は、 Q (単位奥行当り) B より Q k hB 図-1 Nf Nd (2)フローネットの解答例を図‐3に示す。 図‐3 (3)図-3のフローネットから, N f =5, N d =10 より, Q khB Nf Q 4.5 103 600 100 Nd 135(cm / s ) 3 135 10 m 60 2 12(m / d ) 3 3 2 24(m / d ) 3 5 10 その 5 【問3】高さ 5m、天端幅 10m、法面勾配 1:1.5 の盛土を施工した。盛土の単位体積 t 1.7 tf m 3 として、地表面下 z 5m における盛土中心直下の点 A、中心から 7m はなれた 点 B、中心から 15m はなれた点 C での鉛直増加応力 z , z A グの影響線図を利用して求めよ。 , z B をオスターバー C その 6 《解答例》 q H 1.7 5 8.5(tf / m ) 3 t z 2qI A a / z 7.5m / 5m 1.5, b / z 5m / 5m 1.0 I 0.464 z A 2qI 2 8.5 0.464 7.9(tf / m ) z B qI 1 q 2 q q I 1 2 1 1 I q I 2 2 3 q 5.5m 2 8.5 0.73 6.2(tf / m ) 7.5m q 2m 2 8.5 0.27 2.3(tf / m ) 7.5m a / z 7.5m / 5m 1.5, : b / z 12m / 5m 2.4 I 1 0.485 I 2 a / z 5.5m / 5m 1.1, : b/ z 0 I 2 0.27 I 3 a / z 2m / 5m 0.4, : b/ z 0 I 3 0.125 z qI 1 q B z C I 1 I q I 2 2 8.5 0.485 6.2 0.27 2.3 0.125 5.5(tf / m ) 2 3 q( I 1 I 2 ) 1 : a / z 7.5m / 5m 1.5, b / z 20m / 5m 4.0 I 1 0.496 I 2 : a / z 7.5m / 5m 1.5, b / z 2.5m / 5m 0.5 その 7 I 2 0.405 z q( I 1 I 2) 8.5 (0.496 0.405) 8.5 0.091 0.77(tf / m ) 2 C その 8 【問4】次の(1)~(2)の設問に答えよ。(20 点) 標準圧密試験の結果、図-1 のように、荷重強度を p1から p2に増加したとき、間隙比 e は e1から e2に減少した。圧縮指数 Ccは e-log10p 曲線の勾配(正符号)意味し、次式で与 えられる。 Cc e2 e1 log10 P2 log10 p1 e p p log10 1 p1 (1) (1)標準圧密試験においては、体積ひずみ V / V ( VV / V ) と鉛直ひずみ h / h は等しいこと を知って、体積ひずみ V / V と間隙比変化 e( e1 e2 ) の関係式(2)を求めよ。(10 点) (2)いま、式(1)と設問(1)で求めた関係式(2)を用いて、厚さ H、初期間隙比 e0 の粘土層に おいて、粘土層中央部の有効土かぶり圧 zi 、上載荷重による粘土層中央部の増加鉛直 応力 z であるとき、最終圧密沈下量 Sfが、次式で与えられることを誘導せよ。(10 点) Sf z Cc H log 10 zi zi 1 e0 (3) 図-1 その 9 <<解答例>> (1) Vv V e V h e s V h Vs Vv Vs Vv 1 e1 よって V e V 1 e1 (2) 圧密沈下量 Sf 砂層 砂層 間隙比 e0 H H-Sf 粘土層 載荷前 Sf z h H z h hdz z h H z h 間隙比 e0-Δe 粘土層 載荷後 e0 e2 e e e dz 0 2 H H 1 e1 1 e1 1 e0 ① ここで、圧縮指数 Cc は e log10 曲線より求めると Cc e0 e 2 log10 zi' log10 z 2 e z log ' zi ①、②式より Cc zi' z Sf H log10 1 e1 zi' ' zi ②
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