平成26年度 技術情報第4号 レタスべと病 平成 26 年 12 月 25 日 静岡県病害虫防除所長 県内でレタスべと病が多発しています。 病害の予防と感染の拡大防止に努めましょう。 1 発生状況 12 月中旬に行ったレタスの巡回調査では、榛原地区のべと病の平均発病株率 は 9.0%(平年 0.1%)、発生面積率は 30%(平年 3%)であり、森町でも平均 発病株率 6.2%(平年 1.5%)、発生面積率 60%(平年 6%)と平年より多い発 生であった。 (表1、図1,2) 2 発病条件 本病は発育適温 10~15℃と比較的低温を好む。また、胞子のう形成は湿度 90% 以上が最適であり多湿条件下で発生が助長される。1ヶ月予報によると、1月 の気温は低く、降水量は平年並~多いため、本病の発生に適する。 3 防除方法 (1)初発生を確認したら速やかに薬剤防除を実施する(表2)。特に、育苗期 に本病と疑われる症状があった場合や、周辺でべと病が多発している場 合など、感染源が多いと思われるほ場では注意する。 (2)耐性菌の発生を防ぐため、薬剤をローテーション散布する。特に耐性菌 発生リスクが高い薬剤を使用する場合は注意する(表2)。 (3)育苗期の発病株が伝染源になるので育苗期の防除を徹底し、発病株を本 ぽに定植しないよう苗を厳選する。 (4)多湿条件で蔓延しやすいため、トンネル被覆後は多湿にならないよう換 気に努める。 (5)周囲への感染拡大を防ぐため、被害株や被害残渣は早期に取り除き、ほ 場外で土中深くに埋める。 表1 レタスべと病の発生状況 榛原地区 発病株率 (%) 発生面積率 (%) 森町 11 月 12 月 1月 2月 11 月 12 月 1月 0.2 (0.02) 9.0 (0.1) - (0.3) - (0) 3.8 (0.04) 6.2 (1.5) - (1.5) 10 (1) 30 (3) ― (5) - (0) 10 (1) 60 (6) - (12) 1)( )内は平年値、-は未調査であることを示す 図1 べと病の葉表の病斑 図2 葉裏に形成された白い分生子 表2 レタスべと病の主な防除薬剤 商品名 使用 方法 希釈倍数 使用時期 耐性菌発 本剤の 生リスク 使用回数 アミスター20フロアブル 散布 2000 倍 収穫 7 日前まで 高 4 回以内 キノンドー水和剤 40 散布 600 倍 収穫 21 日前まで 低 5 回以内 ダコニール 1000 散布 1000 倍 収穫 14 日前まで 低 3 回以内 ライメイフロアブル 散布 2000 倍 収穫 3 日前まで 中 3 回以内 ランマンフロアブル 散布 2000 倍 収穫 3 日前まで 中 3 回以内 ※静岡県農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基準(http://www.s-boujo.jp)に掲載され ている薬剤から抜粋(平成 26 年 12 月 3 日時点 JPP-NET 配信データによる) 。耐性菌発生リ スクは、薬剤系統別耐性菌発生リスク(殺菌剤耐性菌研究会)から抜粋。農薬はラベルを 確認し使用すること。 問い合わせ先:静岡県病害虫防除所(TEL:0538-36-1543) 病害虫防除所 HP(URL): http://www.agri-exp.pref.shizuoka.jp/boujo/boujo.html 病害虫防除基準 HP(URL):http://www.s-boujo.jp/
© Copyright 2024