標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 小学校の復習⑴ 1 【指導のねらい】 ★小学校理科の重要事項の復習をする。特に物理,化学分野に対して行う。 ★小学校での履修事項を中学でどのように深めていくかに触れておく。 ★実際に取り扱うような実験で観察できる現象を例にして重要事項を整理する。 学 習 内 容 ◆指導ページ P.2 ~ 5 ◆ 補足知識・留意事項など 1 もののあたたまり方・燃え方 確認 1,演習 A1 1 もののあたたまり方・燃え方 ⑴ 温度と水の変化…水は 100℃で沸騰,0℃で氷になり始める。 ⑴ 標準状態で水が沸騰する温度を 100℃,凝固し始める温度を ⑵ もののあたたまり方 0℃と決めている ⇒ 「物質の状態変化」(中 1) ① 水・空気…あたためられた水や空気は上に向かい,冷たい ⑵ もののあたたまり方 ものは下に向かって対流し全体があたたまる。 ① 流体のあたたまり方は,鍋の中の対流(揺らいで見える)を ② 金属…熱せられたところから順にあたたまる。 思い出させる(密度勾配による屈折率の変化)。 ⑶ ものの燃え方…炭素をふくむものが燃えると,酸素が使われ, ② 金属…熱せられたところから順にあたたまる。 二酸化炭素ができる。空気中に少量含まれる。 暗記 ⑶ ものが燃えるには,酸素が必要である → 酸素を遮断 ① 酸素…ものを燃やすはたらきがある。二酸化マンガンにう (アルコールランプの消火) すい過酸化水素水(オキシドール)を加えると発生する。空気 ① 酸素 → 空気より少し重い。高いところでは酸素が薄い。 中の 2 割は酸素である。 (日常に関連づけを行うとよい) ② 二酸化炭素…空気中に約 0.03 ~ 0.04%ふくまれる。空気よ ② 二酸化炭素が溶けた水溶液 → 炭酸水 り少し重く,少し水にとける。石灰水を白くにごらせる(さ (炭酸飲料水の話を引き合いにするのもよいだろう) らに石灰水に通すと透明にもどる)。 ⇒ 「いろいろな気体」(中 1) 2 水溶液 確認 A2,演習 A2,演習 B2,B1 ⑴ 水溶液…ものが水にとけている透明な液。 水溶液の重さ=水の重さ+溶かしたものの重さ ⑵ 水にとけるものの量…決まった量の水にととけるものの量に は限りがあり,物の種類によってちがう。 ① 水の量ととける量…水の量が多いと,ものがとける量も多 い。 ② 水の温度ととける量…水の温度が高いと,ものがとける量 も多い。 ⑶ とけているもののとり出し方…水溶液を冷やしたり(結晶に して,水溶液から取り出す),水を蒸発させたり(水溶液から水 を蒸発させる)すると,とけているものをとり出せる。 ⑷ 酸・アルカリ…酸性の水溶液は青色のリトマス紙を赤色に変 化させ,アルカリ性の水溶液は赤色リトマス紙を青色に変化さ せる。 暗記 中性の溶液はどちらのリトマス紙も変化させない。 3 力 確認 3,演習 A3 ⑴ 空気と水…空気はおしちぢめられるが,水はおしちぢめられ ない。 ⑵ てこ…てこには,棒を支えられている支点,棒に力を加えら れている力点,力がはたらいている作用点の 3 つの点がある。 ⑶ てこのつり合い…左右のうでをかたむけるはたらきが等しい とつり合う。 理解 2 水溶液 ⑴ 水溶液…水(溶媒)に溶質が溶解している液体。 混合液(粒子が溶けていない,混ざっているだけの状態。)と 比較して説明するとよい。 水溶液の質量=溶媒(水)の質量+溶質の質量 ⑵ 溶質の溶解の性質 ① 溶解する溶質の体積は溶媒の体積量に正の相関がある。 ② 溶質の種類に溶解の体積は依存する。 ⑶ ・再結晶(溶液を凝固点の差を利用して,分離すること。) ・溶媒を気化させてしまう。 ⑷ 酸性の水溶液 ⇒ リトマス紙;青→赤 アルカリ性の水溶液はその逆(赤→青)と説明するとよい。 酸性の水溶液は赤色のリトマス紙は変化させない。赤色のリ トマス紙が変化しないという観察からでは酸性もしくは中性で あることまでしか断定できない。さらに青色のリトマス紙への 反応も調べる必要がある。 ⇒ 「いろいろな水溶液」(中 1) 3 力 ⑴ 空気 → 分子間距離に余裕がある。 水 → 分子間距離の余裕が小さい。 (氷は分子が結晶構造を取り,動かない状態をつくってい る。) その逆の例としては高い山に登ると,菓子の袋が膨れるが, 水筒の水は膨れることはない。 4 電気 確認 4,演習 A4 ⇒ 「物質の状態変化」(中 1) ⑴ 電流…電気の流れのこと。電流が流れる道すじを回路という。 ⑵ , ⑶ 図を見せながら実際に類題形式に計算して見せる。 ⑵ かん電池のつなぎ方 ⇒ 「力と運動」(中 3) ① 直列つなぎ…かん電池の+極と,別のかん電池の-極をつ なぐ。 4 電気 ② 並列つなぎ…かん電池の+極どうし,-極どうしをまとめ ⑴ 電流…電気の流れのこと。 てつなぐ。 (実際は金属中の自由電子(負電荷)が移動する。これは正電 ⑶ 電磁石…コイルに鉄しんを入れて電流を流し,鉄しんが磁石 荷が逆向きに移動することと等価であり,電流の向きは電子の になったもの。コイルの巻き数が多いほど,流れる電流が強い 移動方向と逆向きで定義されている。) ほど,磁石のはたらきが強い。 理解 ⑵ 図を書いて説明する。同じ電源を 2 つつなぐとき,並列つな 中に鉄しんを通さなくても同様に磁石のはたらきをするが,鉄 ぎでは抵抗にかかる電圧は 1 つ分で,直列つなぎでは 2 つ分の 心を通すほうがその働きは大きい。 総和になる。 ⑶ 電磁石…電流の時間変化および単位体積当たりの電流量が大 きいほど,つまり磁界の時間変化が大きいほど磁石のはたらき が強い。 ⇒ 「電流とその利用」(中 3) 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 小学校の復習⑵ 2 ◆指導ページ P.6 ~ 9 ◆ 【指導のねらい】 ★小学校理科の重要事項の復習をする。特に生物,地学分野に対して行う。 ★小学校での履修事項を中学でどのように深めていくかに触れておく。 ★生徒の趣向に関わらず,スムーズに学習に進んでいけるように復習し,予習的に備える。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 植物のからだとはたらき 確認 1,演習 A1,演習 B1 ⑴ 植物の発芽の条件…水,空気,適当な温度 ⑵ 植物の成長の条件…発芽の条件,日光,肥料 ⑶ 実のでき方…花のめしべの先 (柱頭)に花粉がつく(受 粉)とめしべのもとの子房が育って実になり,中に種子 ができる。 ⑷ 光合成…葉で日光を受けて,二酸化炭素と水からでん ぷんをつくり酸素を出す。 暗記 ⑸ 水の通り道…根・茎・葉には,根から吸収した水が通 る決まった通り道がある。 ⑹ 蒸散…植物のからだから,水が水蒸気となって葉の気 孔から出て行くこと。 1 植物のからだとはたらき ⑴ 植物の発芽の条件…水,空気,適当な温度( ← 小学校での植物 の観察や今までの植物を育てる体験を引き合いにすると記憶に残りや すい。) ⑵ 植物の成長の条件…発芽の条件,日光,肥料( ← これも上記に 同様) ⑶ みつばちなどの昆虫が受粉を助ける。 ⑷ 光合成 → 葉緑体がその機能を果たしている ⑸ 水の通り道…道管 ( 師管→生成された養分などの通り道) ⑹ 気孔…葉の裏側に多い( → 雨やちり・ほこりで覆われにくい。) A2,演習 A2,演習 B2 2 動物のからだとはたらき 確認 らん ⑴ メダカのたんじょう…めすの卵 + おすの精子 ― 受精→ 受精卵 ⑵ 人のたんじょう…女性の卵子 + 男性の精子 ―受 精→ 受精卵 ⑶ 人のからだ ① 呼吸…空気中から酸素をとりこみ,空気中に二酸化 炭素を出している。肺で,酸素は血液にとりこまれ, 血液から二酸化炭素が出される。 ② 消化・吸収…おもに口,胃,小腸で,消化液によっ て養分を体内に吸収しやすいものに消化する。消化さ れた養分は,小腸から血液中に吸収される。 ③ 血液の循環…血液は心臓のはたらきで全身に送り出 され,酸素,養分,二酸化炭素などを運ぶ。 2 動物のからだとはたらき ⑴ メダカ(魚類) → 卵生 ⑵ 人(哺乳類) → 胎生 ⑶ 人のからだ ① その他の生物にみられるような,えら呼吸でも同様に酸素と二酸 化炭素の交換を行っている。 ② 小腸の柔毛から血液中に吸収される。 ③ 血液によりが全身に酸素や養分を巡らせること,二酸化炭素や老 廃物などを処理器官に運ぶことを行っている。 3 天体の動き・天気の変化 ⑴ 星は一晩かけて下図のように動いていく。 東 西 北 南 北極星 陽が東から昇って西にしずむのと同様に星も,東から西に移動し 太 ているように見えることを言及すると理解が深まる。 ⑵ 月も同様で一晩かけて,東から西に動いて見える。 また月は地球の衛星で公転周期は 1 カ月であり,満ち欠けもその一 カ月を単位としている。下の図参照。 上げんの月 三日月 月 満月 北極 地球 新月 太 陽 の 光 3 天体の動き・天気の変化 確認 3,演習 A3,演習 B3 ⑴ 星…北極星を中心に,反時計回りに動いて見える。季 節によって見える星座が変わる。 ⑵ 月…太陽の光に照らされてかがやいている。東からの ぼり,西にしずむ。 ① 月の満ち欠け…月は太陽の光を受けながら地球のま わりを回っているので,位置によって,地球から見た とき輝いている部分の範囲が変わる。新月→三日月→ 上げんの月→満月→下げんの月→新月の順に満ち欠け する。 ⑶ 太陽…光を出してかがやいている。東からのぼり,西 にしずむ。 ⑷ 1 日の気温の変化…晴れの日は大きく,くもりの日は 小さい。午後 2 時ごろに気温が最高となる。 4 大地のつくり 確認 4,演習 A4 下げんの月 ⑴ 地層…砂やねんどなどが積み重なって層になったもの。 流れる水による,しん食(土地をけずる),運ぱん(土砂 ⑶ 太陽の日周運動は地球の自転運動(自転周期は 24 時間)による。 を運ぶ) ,たい積 (土砂を積もらせる)のはたらきによっ て,長い年月をかけて海底にできる。 理解 4 大地のつくり 確認 4,演習 A4 ⑵ 化石…大昔の生物のからだや,生活のあとが地層の中 ⑴ 地層を調べることで,その土地がどのような地殻環境にあったかを に残ったもの。 知ることができる。その地層に分布する火成岩や堆積岩および化石な ⑶ 火山…地下のマグマが地表に出たり,地面をおし上げ どから知ることができる。 てできる。 ⑵ 化石を起源として,原油・石炭などの天然資源がつくられる。化石 ⑷ 地震…地下で,大地が動いたときに起きる地面のゆれ。 燃料ともよばれる。 ⑶ 九州地方は「火の国」と称され,火山活動の盛んな山々がある。 ⑷ 地震…断層の急激なずれによりずれ動くこと。 → 日本は火山活動の盛んな地震列島 (地震には他国よりも耐性がある。) 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 3 さまざまな生物の観察/花のつくりとはたらき 【指導のねらい】 ★ルーペと顕微鏡の使い方を整理する。特に顕微鏡は機能面に注意しながら整理する。 ★水中のプランクトンを整理し,代表例は暗記する。 ★種子植物について,被子植物・裸子植物の観点から,からだのつくりを理解する。 ◆指導ページ P.10 ~ 13 ◆ 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 ルーペ・顕微鏡の使い方 確認 1,演習 A1,演習 B1 ⑴ ルーペの使い方…ルーペは目に近付けて持ち,観察するものを動か す。 (観察するものが動かせない場合は自分がルーペを持って動く。) ⑵ スケッチのしかた…線を 2 重にしたり,影を付けたりせず,細い線 ではっきりかく。 ⑶ 顕微鏡の使い方 暗記 ① 直射日光の当たらない明るい場所に置く。 ② プレパラート → 水を 1 滴落としたスライドガラスに試料を置 き,気泡が入らないように,カバーガラスを一方からそっとかぶせ る。 ③ 観察手順 反射鏡としぼりを調整して,視野を一様に明るくする。 →ス テージにプレパラートをのせ,真横から見ながら,プレパ ラートと対物レンズを近づける。 →接眼レンズをのぞき見ながら,プレパラートと対物レンズを遠 ざけていき,ピントを合わせる。 ④ 高倍率ほど,視野がせまく,暗くなる。 1 ルーペ・顕微鏡の使い方 ⑴ 眼鏡と同じであると説明すると定着しやすい。 ⑵ 実際にスケッチを描くことを要求する問題もある。 ⑶ 顕微鏡の使い方 以下は補足的事項であり,左記の内容が基本の重要事 項である。理解度に応じて,説明したい。 ① 目を傷める可能性がある。 ② プレパラート作成時,余分な水はろ紙で吸い取る。 ③ プレパラートの位置を変えるときは,対物レンズか らのぞいて見える方向とは逆に動かす。 ④ 倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率 また,接眼レンズと対物レンズは低倍率から高倍率 に変えていく。 2 水中の小さな生物 確認 2,演習 B2 ⑴ よく動く生物…ミジンコ,ツリガネムシ,ゾウリムシ,アメーバな ど。 暗記 ⑵ からだが緑で動かない生物…アオミドロ,ハネケイソウ,ミカヅキ モなど。 暗記 2 水中の小さな生物 ⑴ よく動く生物 → 動物プランクトン ⑵ からだが緑で動かない生物 → 植物プランクトン また以下のプランクトンは図で見て,特定できるよう にする。 アオミドロ,ミジンコ,ミカヅキモ,ハネケイソウ, ゾウリムシ,アメーバの 6 種 代表的なプランクトンのおよその倍率 → ミジンコ(10 倍),ゾウリムシ(100 倍),アオミド ロ(100 倍), ア メ ー バ(120 倍), ミ カ ヅ キ モ(180 倍),ハネケイソウ(500 倍) 3 花のつくりとはたらき 確認 3,演習 A2,演習 B3 ⑴ 種子植物…花がさき,種子ができる植物。 ⑵ 花のつくり…がく,花弁(花びら),おしべ,めしべがある。 ① 子房…めしべのもとの部分。成長すると果実になる。 3 花のつくりとはたらき ② 胚珠…子房の中にあり,成長して種子になる。 ⑴ 春に見られる植物 ③ 受粉…おしべの花粉がめしべの柱頭につく。 ハルジョン,シロツメクサ,カラスノエンドウ,ナズ ⑶ 被子植物…胚珠が子房に包まれている植物。受粉すると子房は果実 ナ,カタバミ,ホトケノザ,ハコベ,ノゲシ,スズメノ になる。エンドウやアブラナなど。 暗記 カタビラなど ⑷ 裸子植物…子房がなく胚珠がむき出しの植物。マツやイチョウなど。 雄花のりん片には花粉のう,雌花のりん片には胚珠がある。 暗記 タンポポ 日本タンポポ → がくが下に反り返っていない。 セイヨウタンポポ → 比較的に大型でがくが下に反 り返っている。 ⑵ 完全花 → がく,花弁(花びら),おしべ,めしべが ある。 不完全花 → 上記のうち一つでも欠ける場合 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 4 植物のつくりとはたらき/光合成と呼吸 ◆指導ページ P.14 ~ 17 ◆ 【指導のねらい】 ★植物の根・茎・葉のつくりを整理する。 ★蒸散の植物のからだへの役割を理解する。 ★ふ入りの葉を用いた光合成の原料および生産物を調べる実験を通し,光合成を段階的に理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 根・茎・葉のつくり 確認 1 ⑴~⑷,演習 A1,演習 B1 1 根・茎・葉のつくり ⑴ 根のつくり…主根,側根,ひげ根 根のつくり,茎の断面(維管束の分布の様子)および葉脈の対応関係 ① 根のはたらき…水や水にとけた肥料分の吸収。からだ を意識しながら,説明するのもよい。 を支える。 ⑴ 単子葉類 → ひげ根,平行葉脈 ② 根毛…根の先にあり,糸のように細かい。根の表面積 双子葉類 → 主根・側根,網目状脈 が大きくなり,水や肥料分を効率よく吸収できる。 なる対応は次の章で整理する。 ⑵ 茎のつくり…維管束(道管と師管の集まり)がある。 根毛…根の表皮細胞の一部が変形して突き出たもので,一つの細 暗記 胞からできている。その生命は数日間程度と短く根が伸びるにつれ, ① 道管…根から吸い上げた水や水にとけた肥料分が通る。 根毛帯も根の先端の方に徐々に移動する。以下の性質を持つ。 ② 師管…葉でつくられた養分が通る。 ・土や砂粒のすき間に入り込んで根を地中に固定する。 ⑶ 葉のつくり…葉脈がある。 ・細胞膜が他の表皮細胞に比べて薄く水や養分を吸収する ① 葉脈…葉のすじのように見える部分。維管束が通る。 ・根毛の形状は吸収面積が大きく養分を効率的に吸収できる。 ② 気孔…葉の表皮にあるすき間。気体が出入りする。 ⑵ ① 道管を通る肥料分 → 土壌中の無機養分(人口肥料を含む) ③ 細胞…生物のからだをつくる小さな部屋のようなもの。 ② 師管を通る肥料分 → 有機養分(葉でつくった栄養分) 葉の多くの細胞には,葉緑体がある。 環状除皮…木の枝の形成層から外の部分を環状にはぎ取る。剥い だ部分より先を立ち枯れさせることができる。 2 蒸散 確認 1 ⑸,演習 A2,演習 B2 ⑶ 気孔を構成する孔辺細胞には,表皮細胞には見られない葉緑体が ⑴ 蒸散…植物のからだから水が水蒸気になって出て行くこ 含まれている。光合成を行う。 と。 ⑵ 蒸散が行われる場所…葉の気孔。気孔は葉の裏側に多い。2 蒸散 暗記 ⑵ 孔辺細胞は,細胞内に水分が多くなったりして細胞内の圧力が高 ⑶ 蒸散の役割…植物体内の水の量を調節し,根からの水や まると反り返り,気候を開かせ,圧力が少なくなると伸びて気孔を 肥料分の吸収をさかんにする。 閉じさせる。 ⑶ 水の気化熱により,植物のからだの温度を下げる。 3 光合成 確認 2,演習 A3,A4,演習 B3 (打ち水の原理と同様である。) ⑴ 光合成…植物が太陽の光を受けてデンプンなどの養分を つくり出すはたらき。葉の葉緑体で行われる。 3 光合成 ⑵ 光合成の材料と光合成によってつくり出されるもの。 ⑴ 光合成でつくられた酸素は気孔から空気中に放出される。またデ ① 材料…空気中から吸収した二酸化炭素と,根から吸収 ンプンは,夜になると水に溶ける糖に変えられる。この糖は師管を した水。 通って植物のからだの各部に行き渡り,細胞のエネルギー源として ② つくり出されるもの…デンプンと酸素(体外へ放出)。 与えらえる。デンプンは糖の結合体であり,ネギ・ユリなどは光合 ⑶ 光合成に必要なものを調べる実験 理解 成で糖を生成するが,それをデンプンには変えない。また,糖の一 ① 光…太陽の光に当てた葉と暗室に入れておいた葉で比 部は,細胞の中で脂肪に変えられたり,根から吸収された窒素化合 べる。→ 太陽の光に当てた葉だけがヨウ素液で反応が 物と結びついて,たんぱく質を合成する。 ある。 ⑵ 3 大肥料…土壌中には窒素・リン・カリウムなどが少なく,肥料 ② 葉緑体…ふ入りの葉の緑色の部分とふの部分で比べる。 として補う必要がある。 → ふの部分は,ヨウ素液で変化しない。 ⑶ 模式図を参照しながら,説明したい。このとき,各工程の目的を ③ 二酸化炭素…植物を入れた容器に呼気をふきこんだも 補足するとさらなる理解が深まる。 のとふきこまないものを比べる。 → 呼気をふきこん お湯 → 細胞壁を壊し,葉緑体が流失できるようにする だものだけに気泡(酸素) エタノール → 葉緑体は水でなく有機溶媒であるエタノールに溶 解する。 4 植物の呼吸 確認 3,演習 A3,A4,演習 B3 このように脱色することで,ヨウ素デンプン反応が観察しやすくな ⑴ 呼吸…生物が酸素をとり入れて二酸化炭素を放出するは る。 たらき。 ⑵ 昼間の気体の出入り…光合成と呼吸が行われる。光合成 4 植物の呼吸 の方が気体の出入りが多い。 ⑴ 無気呼吸…菌類や細菌類は酸素のないところでも有機物を分解し ⑶ 夜間の気体の出入り…呼吸だけが行われる。 生活活動のエネルギーを得ている。これを無気呼吸とよぶ。 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 植物のなかま 5 ◆指導ページ P.18 ~ 21 ◆ 【指導のねらい】 ★種子をつくる植物について,根・茎・葉のつくりから分類整理する。 ★種子をつくらない植物,主に,シダ植物,コケ食物の種子植物との違いを理解し覚える。 ★上記の分類に属する具体的な植物の例を覚える。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 子葉 1 種子をつくる植物 確認 1,演習 A1,A2,演習 B1,B2 1 種子をつくる植物 ⑴ 種子植物…花をさかせ,種子でふえる植物。被子植物 3 章で種子植物は扱ったがここでは,被子植物について根・茎・葉の と裸子植物に分けられる。 構造的側面から,細分的に分類する。左記の内容は下図を参照しながら, ⑵ 被子植物…胚珠が子房に包まれている。受粉後,果実 説明するとよい。実際の出題でも図を見て答える問題もある。 ができ,種子はその中にある。子葉の数によって,以下 双子葉類 単子葉類 に分類される。 1枚 ① 双子葉類…子葉が 2 枚の植物。根は主根と側根,茎 2枚 の維管束は輪のように並び,葉脈は網状脈。花弁のつ き方によって,以下のように分けられる。 暗記 ・合弁花類…花弁のもとがくっついている 例 アサガオ,キク,ツツジなど ・離弁花類…花弁が 1 枚ずつ離れている 例 アブラナ,エンドウ,サクラなど。 ② 単子葉類…子葉が 1 枚の植物。根はひげ根。茎の維 ひげ根 管束は全体に散らばり,葉脈は平行脈。 暗記 側根 主根 例 トウモロコシ,ユリ,ツユクサ,イネなど。 ⑶ 裸子植物…子房がなく,胚珠がむき出しになっている。 種子はできるが,果実はできない。胚珠のある雌花と, 花粉のうのある雄花がさく。 例 マツ,イチョウ,スギ,ソテツなど。 輪の形 散らばっている 根 茎 植物 胞子による 網状脈 平行脈 2 種子をつくらない植物 シダ植物は地下茎を有し,地上にあるのは葉であることを強調してお きたい。ここでも下図を参照しながら説明するとよい。 ▼シダ植物 イヌワラビ スギナ 葉 葉 茎 (地下茎) 根 根 茎 (地下茎) ▼コケ植物 ゼニゴケ スギゴケ 雄株 植物のなかまの分類 種子植物 葉 2 種子をつくらない植物 確認 2, 確認 3, 演習 A3, 演習 B3 ⑴ シダ植物…イヌワラビ,スギナ,ゼンマイなど。 ① 葉緑体を持ち,光合成を行う。 ② 葉の裏にある胞子のうにできる胞子でなかまを増や す。 ③ 根・茎・葉の区別がある。 ④ 茎に維管束があり,根から吸収した水を通す。 ⑤ 茎は土中に伸びる地下茎であり,地上にあるのは葉 の部分である。 ⑵ コケ植物…ゼニゴケ,スギゴケなど。 ① 葉緑体を持ち,光合成を行って,養分をつくってい る。 ② 雄株と雌株があり,雌株にできる胞子でなかまを増 やす。 ③ 根・茎・葉の区別がない。 ④ 維管束がなく,体の表面から水を吸収する。 ⑤ 根のように見える仮根は,からだを地表に固定する はたらきをする。 被子植物 裸子植物 シダ植物 コケ植物 双子葉類 単子葉類 雄弁花類 合弁花類 雌株 雄株 雌株 スギナは春に胞子のう(胞子茎)をともなう,つくしを出す。つくしの 頭(胞子のう)をはたくと出る粉粒子は胞子である。 ⑴,⑵ 花のさかない植物…種子をつくらない。 ・胞子でふえる…胞子植物 ① シダ植物…根・茎・葉および維管束をもつ ② コケ植物…雄株と雌株。 ③ 藻類…水中生活 ④ カビ・キノコ類…光合成をしない。 ・分裂で増える ① ランソウ類…ユレモ・ジュズモなど ② 細菌類…乳酸菌・根粒菌・結核菌など 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 身のまわりの物質とその性質 6 ◆指導ページ P.22 ~ 25 ◆ 【指導のねらい】 ★種子をつくる植物について,根・茎・葉のつくりから分類整理する。 ★種子をつくらない植物,主に,シダ植物,コケ食物の種子植物との違いを理解し覚える。 ★上記の分類に属する具体的な植物の例を覚える。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 金属と非金属 確認 1,演習 B1 ⑴ 金属と非金属 暗記 ① 金属 ・電気をよく通す(電気伝導性) ・熱をよく伝える(熱伝導性) ・特有のかがやきがある(金属光沢) ・広げたり(展性),のばしたり(延性)できる。 ② 非金属 → 金属以外の物質 ⑵ 磁石につく金属とつかない金属 ① 磁石につく金属…鉄 ② 磁石につかない金属…アルミニウム,銅,金,銀。 2 有機物と無機物 確認 2,演習 A1,演習 B1 ⑴ 有機物…炭素をふくむ物質。加熱すると燃えて二酸化炭素を発生さ せ,こげて黒くなる。 例 木,紙,プラスチック,エタノール,砂糖など。 ⑵ 無機物…有機物以外の物質。金属はすべて無機物である。加熱して 燃えても二酸化炭素は発生しない。 例 金属,ガラス,セラミックス,水,食塩など。 3 密度 確認 3,演習 A2,演習 B2 ⑴ 重さ…物体にはたらく重力の大きさ。 ⑵ 質量…物体そのものの量。単位は g や kg。 ⑶ 密度…物質 1cm3 あたりの質量。一定の温度では,物質により決 まっている。 物質の質量[g] = 密度 [g/cm3] 部室の体積[cm3] 4 プラスチック 確認 4,演習 A3,演習 B3 ⑴ プラスチック…石油などの原料として人工的に合成された物質。合 成樹脂ともいう。非金属で有機物。 ⑵ プラスチックの特徴 ① 金属よりも軽い。 ② 電気を通さない。 ③ 燃えると二酸化炭素を出す。 ④ さびない。 ⑤ 熱や力を加えると加工しやすい。 ⑥ くさらない。 ⑶ プラスチックの種類…ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリ エチレン (PE) ,ポリプロピレン (PP) ,ポリスチレン(PS),ポリ塩化 ビニル (PVC)など。 5 ガスバーナーの使い方 確認 5 理解 ① ガス調節ねじ,空気調節ねじが閉まっていることを確認する。 ② ガスの元栓,コック(ある場合)を開く。 ③ マッチに火をつけてから,ガス調整ねじをゆるめて点火する。 ④ ガス調整ねじを押さえながら,空気調整ねじを開き青い炎にする。 ⑤ 消すときは,ねじや元栓などを,点火の逆の順で閉める。 ▼ガスバーナーの使い方 ガスと空気 空気の 入るあな ガスの 出口 ガスの 出口の 調節棒 の混合気体 開く 空気 調節ねじ ガス 調節ねじ コック 1 金属と非金属 確認 1,演習 B1 ⑴ 金属と非金属 ① 電気伝導性は金属中に存在する自由電子の移動によ り説明される。熱伝導性は金属結晶を構成する格子 (原子)の振動により説明される。電気と熱という物理 量の違いであるが,物理としては全く異なる。しかし, 微小ながら電子も熱エネルギーを伝搬している(電子 比熱)。 ② 非金属でも上記の現象により,電気や熱を伝搬させ るが,自由電子の数密度や格子振動の励起のし易さの 違いにより,金属ほどはそれらの伝導性はよくない。 ⑵ 磁石につく金属とつかない金属 ① 磁石につく金属 → 強磁性体 ② 磁石につかない金属 → 非磁性体 磁性は電子の有する磁気モーメントで決まり,その 大きさで強磁性体と非磁性体に分けられる。 2 有機物と無機物 確認 2,演習 A1,演習 B1 炭素を含む糖類である砂糖(ショ糖)は加熱していくと, やがて黒く焦げるが,塩化ナトリウムである食塩は変化し ない。これが水溶液である場合,砂糖水は同様に黒く焦げ るが,食塩水は結晶が生じ,元の溶かす前の状態の食塩が 出てくる。 溶質と溶媒の分離についても言及するとよい。 また,金属を加熱したときに表面につくすすは金属が化 学変化したものではない。燃料や表面に付着していた別の 物質が炭化している(もちろんその金属に有機物が混在し ていた場合は焦げて黒くなる。)。 3 密度 確認 3,演習 A2,演習 B2 ⑴,⑵ 月では重さは 6 分の 1 になる(質量は変化しない) ことを例として説明するとよい。 ⑶ 標準状態,体積 1[cm3]の質量を 1[g]と定義している (テキストの表も合わせて参照)。密度の定義式は実際に, 例を計算してみたら良いだろう。構成する物質が同じ場 合,密度はつまり具合を表す。 4 プラスチック 確認 4,演習 A3,演習 B3 ⑴ プラスチック…石油などの原料として人工的に合成さ れた物質。合成樹脂ともいう。非金属で有機物。 ⑶ 主なものは下図参照。 ポリエチレンテレフタラート (PET)透明,じょうぶ,薬品 に強い。 ポリエチレン (PE)薬品に強い。 閉める 空気 ガス ポリプロピレン (PP)熱,折り曲げ に強い。 ポリスチレン (PS)透明,かたい が割れやすい。 ポリ塩化ビニル (PVC)燃えにく い,じょうぶ, 薬品に強い。 5 ガスバーナーの使い方 確認 5 模式図を見せながら,①~④を説明する。 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 気体の性質/水溶液の性質 7 ◆指導ページ P.26 ~ 29 ◆ 【指導のねらい】 ★気体の性質を理解し,それをふまえた置換法の対応を整理して覚える。 ★水溶液の質量パーセント濃度を正しく計算できるようにする。 ★溶解および再結晶の実験例を題材として,それらの現象を理解する。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 気体の性質 確認 1,演習 B1 暗記 下図参照 種類 酸素 二酸化炭素 アンモニア 窒素 水素 性質 色 無色 無色 無色 無色 無色 におい ない ない 刺激臭 ない ない 密度〔g/cm3〕 0.00133 0.00184 0.00072 0.00116 0.00008 少し重い 重い 軽い 少し軽い 非常に軽い とけにくい 少しとける 非常に よくとける とけにくい とけにくい 空気と 比べた重さ 水への とけやすさ 気体の 集め方 その他 下方置換法 上方置換法 水上置換法 水上置換法 (水上置換方) ものを燃やす 石灰水を白く 燃えて 有毒 空気の約 8 割 空気の約 2 割 にごらせる 水ができる 水上置換方 1 気体の性質 <気体の発生方法> ⑴ 二酸化マンガン + オキシドール(過酸化水素水) → 酸素 ⑵ 石灰石 + うすい塩酸 → 二酸化炭素 ⑶ 亜鉛 + うすい塩酸 → 水素 (金属にうすい塩酸を加える。) ⑷ 塩化アンモニウム + 水酸化カルシウム → アンモニア (アンモニア水の加熱でも得られる。) ・石灰水に二酸化炭素を通すと,水に溶けない炭酸カルシウムができ, 石灰水は白くにごる。しかし,多量に通すと,水に溶けやすい炭酸 水素カルシウムができ透明な水溶液となる。 <⑷のアンモニアを生成する実験> ▼気体を発生させる実験(アンモニア) 2 気体の集め方 確認 2,演習 A1,演習 B1 試験管の口を少し ⑴ 水上置換法…水に溶けにくい気体の集め方。気体と水 下げて加熱する。 かわ 乾いた試験管 が置き換わるので,空気が混じらずに気体を集められる。 塩化アンモニウムと 水酸化カルシウム ⑵ 上方置換法…水に溶けやすく,空気より軽い気体の集 め方 赤色 青色に変化する。 リトマス紙 ⑶ 下方置換法…水に溶けやすく,空気より重い気体の集 め方 ・試料の入った試験管は口の部分が下を向くようにする。 (発生する水が加熱部分に流れて急膨張して破裂するのを防ぐため) 3 水溶液 確認 3 ・収集容器(試験管)は充分に乾燥させておく。 ⑴ 溶質…液体に溶けている物質 (生成されるアンモニアが試験管に付着する水に溶けていってしま ⑵ 溶媒…溶質を溶かしている物質 う。) ⑶ 溶液…溶質が溶媒に溶けている液全体 ⑷ 水溶液…溶媒が水である溶液。透明で濃さが均一。 2 気体の集め方 図を参照しながら説明するとよい。置換法は基本的には水上置換法を 4 質量パーセント濃度 確認 4,演習 A2 用いる。収集量が視覚的に分かり,他の気体と混ざることなく収集でき ⑴ 質量パーセント濃度…溶質の質量が溶液の質量の何% るからである。 水にとけにくい気体 水にとけやすい気体 にあたるかで,水溶液の濃さを表したもの。 理解 溶質の質量[g] 質量パーセント濃度[%]= × 100 溶液の質量[g] 水上置換法 気体 気体がたまる。 空気より軽い 空気より重い 上方置換法 下方置換法 気体が 気体 上から たまる。 空気 5 溶解度 確認 5,演習 A1,演習 B1 ⑴ 飽和水溶液…溶ける限度の量まで溶質が溶けた水溶液。 気体が ⑵ 溶解度… 100g の水に溶質を溶かして飽和させたとき, 下から 水 気体 空気 たまる。 溶けた溶質の質量[g] 水 ⑶ 結晶…物質に特有の規則正しい形をした固体。 ⑷ 再結晶…溶液の温度を下げたり,溶液を蒸発させたり 3 水溶液 して,溶質の物質を再び結晶として取り出すこと。 ⑴ 親水性の物質は溶媒を水としているが,溶媒をアルコールとするこ ともある。油性ペン(親油性物質)のしみはアルコールに溶かして除去 する。 4 質量パーセント濃度 数学の文字式などで扱う水溶液の濃度と同じ数量である。定義を確認 し,実例を計算しながら計算するとよい。 また, ・100g の水に 5g の食塩を溶かした時の質量パーセント濃度 ・5g の食塩を水に溶かしてつくった 100g の食塩水の質量パーセント濃 度はそれぞれ異なる濃度であると言及するとよいだろう。 5 溶解度 ⑵ 一般に溶液の温度が高くなると溶解度は大きくなる(活性化した溶 質分子が水分子のすき間に入り込む。)。気体ではその逆である(活性 化した分子が水分子のすき間から飛び出してしまう。)。 その事実くらいは言及しておくとよい。 標準新演習 夏期テキスト 中 1 理科 指導のポイント 物質の状態変化 8 ◆指導ページ P.30 ~ 33 ◆ 【指導のねらい】 ★物質の状態変化を分子結晶・分子間の距離に注目し整理する。 ★純粋な物質や混合物の状態変化における温度の変化を理解し,覚える。 ★水とエタノールの分離実験を通して,蒸留の基本操作を覚える。 学 習 内 容 補足知識・留意事項など 1 物質の状態変化 確認 1,演習 A1,演習 B1 ⑴ 物質の状態変化…物質が温度によって固体・液体・気体に 状態を変えること。 ⑵ 状態変化と体積・質量…体積は変化するが,質量は変化し ない。 ① 体積・密度の変化 体積;固体<液体<気体 密度;固体>液体>気体 ただし,水は,体積;液体<固体<気体 ② 質量 → 状態変化があっても質量は変化しない。 ⑶ 物質をつくる粒子…物質は非常に小さい粒子からできてお り,状態変化は,この粒子の並び方や運動のようすが変わる ことで起こる。 ⑷ 温度と「物質をつくる粒子」の関係…温度が高くなると, 物質をつくる粒子の運動が激しくなる。粒子の運動が激しく なるにつれ,固体→液体→気体と状態変化する。 加熱 冷却 冷却 液体 100℃ 沸とうが 終わる 融解が 始まる 気体 2 状態変化と温度 確認 2,演習 A2,演習 B2 ⑴ 融点…固体がとけて(融解して)液体になるときの温度。 ⑵ 沸点…液体が沸とうして気体になるときの温度。 沸とう…液体内部からも気体が発生している状態。 ⑶ 氷から水蒸気までの変化…固体→液体→気体の変化 ⑷ 純粋な物質と混合物 混合物…純粋な物質が何種類か混ざっているもの。 ① 純粋な物質…物質の量に関係なく,融点,沸点は物質の 種類で決まる。 ② 混合物…融解中,沸騰中も温度は変化する。 0℃ 氷 氷+水 水 融解が 終わる 時間 水 + 水蒸気 水蒸気 ⑷ 純物質と混合物は状態変化における特性で区別できるが,それ の定義自体は左記のように決められる。 例 塩化水素 → 純粋な物質 塩酸(塩化水素と水溶液) → 混合物 3 蒸留 <水とエタノールの分離の実験(頻出)> テキストの図を見せながら,実験の手順を説明する。 ▼水とエタノールの分離 水とエタノールの混合物 3 蒸留 確認 3,演習 A3 ⑴ 蒸留…液体を加熱して沸とうさせ,出てくる気体を冷やし て再び液体にして集めること。 ⑵ 蒸留による混合物の分離…混合物を加熱すると,含まれる 物質のうち,沸点が低い方の物質が先に気体となって出てく る。これを利用して,2 つの物質を分離することができる。 理解 2 状態変化と温度 確認 2,演習 A2,演習 B2 ⑴~⑶下図を参照しながら説明する。 加熱中,相が混在する状態で等温が実現する。 沸とうが始まる 温度 固体 加熱 1 物質の状態変化 ⑴ 物質の状態変化は化学変化とはことなる。構成分子自体の構造 が変化するわけではない。構成分子は変化せず,それらが構造化 する物質の状態が変化する。分子間の距離が変わる。 ⑵ 水溶液は固体になるとき体積が膨張する。 容器に入った飲料水を冷凍庫に入れるときは注意することに言 及すると定着しやすい。 ⑶ 以下の図を参照しながら説明したい。分子間の距離が変化し, 固体では結晶をつくっている。 ⑷ 結晶を構築している分子は熱運動が盛んになると,分子結合を 上回るような分子間距離をとる。さらに,熱運動が盛んになると, 分子同士の結合を切り離し,気体として分子が飛び出す。 温度計 温度計の球部は枝と 同じ高さにする 枝付き フラスコ 沸とう石 集まった液中に ガラス管の先が 入らないように する 急に沸とうする のを防ぐために 入れる 冷たい 水 ・沸とう石…急沸を防ぐ。 (沸とう石 → 孔質で空気が多く含まれており,穏やかな沸 とうを誘発する。) ・温度計の高さ…フラスコの枝に入り込む気体の温度を測定する。 目的の試料の沸点を越えると別の試料まで収集してしまう。 ・ガラス管の先は収集液の中につけない…過熱を止めるとフラス コ内の気圧が下がり逆流してしまう。
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