必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 1 式の計算⑴ ◆指導ページ P.2 ~ 5 ◆ 【指導のねらい】 ★式の加法・減法の計算の仕方を身につける。 ★分配法則を利用した多項式の計算の仕方を身につける。 はじめに 〈導入〉 この課では,同類項の計算,式の加 法と減法,分配法則を使った計算の復 習内容を扱う。 分配法則においては既に中学 1 年で 学習し,頻繁に扱ってきた計算方法で あることから,多くの生徒が取り組み やすい内容であるので指導もしやすい であろう。 一方,式の加法・減法においては, まず途中式をていねいに書くことを再 認識させ,特に式の減法ではかっこを はずすときにかっこの中のそれぞれの 項の符号が変わることを強調してから 指導したい。 〈要点〉 例題 1 学習内容・補足事項 例題 1 項をまとめる A1,B1 ▷ 6x - 3y + 5y - 2x 加法の交換法則 = 6x - 2x - 3y + 5y 分配法則① =(6 - 2)x +(- 3 + 5)y = 4x + 2y ▷ 2x2 - 5x + x2 - 3x 加法の交換法則 = 2x2 + x2 - 5x - 3x 分配法則① =(2 + 1)x2 +(- 5 - 3)x = 3x2 - 8x x2 と x は文字の種類は同じだが,次数がちがうので同類項ではない。 例題 2 式の加法と減法 理解 A2,B1,3 ▷ (2x + 3y)+(5x - 4y) そのままかっこをはずす = 2x + 3y + 5x - 4y = 2x + 5x + 3y - 4y 分配法則① =(2 + 5)x +(3 - 4)y = 7x - y ▷ (7x + 2y)-(3x - y) ひく方の多項式の各項の符号を変えてかっこをはずす ・同類項のまとめ方…加法の交換法則, = 7x + 2y - 3x + y = 7x - 3x + 2y + y 分配法則①を使う。 分配法則① =(7 - 3)x +(2 + 1)y ・加法の交換法則… a + b = b + a = 4x + 3y ・分配法則①… mx + nx =(m + n)x ・同類項…文字の部分が同じである項 かっこの前が負の符号のときは,かっこのはずし方に注意する。 例題 2 ・かっこのはずし方 a + (b + c)= a + b + c a - (b + c)= a - b - c 例題 3 例題 3 数×多項式,多項式÷数 理解 A3,B2 ▷ - 2(x - 3xy) 分配法則② =(- 2)× x -(- 2)× 3xy =- 2x + 6xy ( 23 ) 逆数をかける 3 ・分配法則②… a(b + c)= ab + ac =(6a - 10b)×(- ) 2 ・多項式÷数…わる数の逆数をかける。 3 = 6a × (- 2 )- 10b ×(- 32 ) 分配法則② ・数×多項式…分配法則②を使う。 ▷ (6a - 10b)÷ - =- 9a + 15b ▷ (9x - 12y)÷ 3 逆数をかける 1 =(9x - 12y)× 3 分配法則② 1 1 = 9x × - 12y × 3 3 = 3x - 4y 分数でわるときは逆数を使って乗法になおすので,整数でわるときも分数でわるときと同 様に逆数を使って乗法になおした方が,考え方を統一できる。 必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 2 式の計算⑵ 【指導のねらい】 ★いろいろな式の加法・減法の計算を正確に処理できるようにする。 ★目的に応じて等式の変形ができるようにする。 ★文字式を利用して整数の性質を説明できるようにする。 ◆指導ページ P.6 ~ 9 ◆ はじめに 〈導入〉 この課では,いろいろな式の加法・ 減法,等式の変形,文字式を利用した 整数の性質の説明を扱う。 いろいろな式の加法・減法において は,正解率が低くなる分野であるので, 途中式をしっかりと書かせるなど,よ り丁寧に指導したい。特に分数式の計 算においては分母をはらってしまった り,分配法則を正しく使えなかったり する生徒が多いので注意したい。 等式の変形においては,苦手とする 生徒が多いので,それが移項している のか,両辺をわっているのかなどを 1 つ 1 つ丁寧に指導する必要がある。 文字式を利用した整数の性質の説明 においては,生徒の習熟度によっては 学習内容・補足事項 例題 1 かっこがある式の計算,分数をふくむ式の計算 理解 ▷ 3(2a - b)- 2(a - 3b) = 6a - 3b - 2a + 6b = 4a + 3b かっこをはずすときの符号に注意する。 4x - 2y x - 3y - 3 2 ▷ < 解き方 1> 2(4x - 2y) 3(x - 3y) - 6 で通分する 6 6 2(4x - 2y)- 3(x - 3y) = 6 分子のかっこ 8x - 4y - 3x + 9y をはずす = 6 5x + 5y = 6 = < 解き方 2> 1 1 = (4x - 2y)- (x - 3y) (4x - 2y)÷ 3 3 2 1 4 2 1 3 =(4x - 2y)× = x- y- x+ y 3 3 3 2 2 8 3 4 9 = x- x- y+ y 6 6 6 6 5 5 = x+ y 6 6 う。 〈要点〉 例題 1 ・かっこのはずし方…分配法則を使う。 ・x について解く… x =~の形に変形 すること 6 をかけて分母をはらう生徒が多いので,方程式との違いをしっかりと理解させたい。 途中式をしっかりと書くように指導する。 答えが 5x - 15y x - 3y 5x - 9y などのときは,約分して としなければいけないが,答えが 10 2 10 5x - 9y x - 9y などのときは,約分できない = とはできない ことを補足説明するのもよい。 10 2 1 1 最 初の問題の形が (4x - 2y)- (x - 3y)となっているときは,< 解き方 2> のように 3 2 4x - 2y x - 3y 分配法則を使って解き,最初の問題の形が - となっているときは,< 解き 3 2 ( 例題 3 ・整数の表し方 (文字は整数とする) 分配法則 = 6a - 2a - 3b + 6b 穴埋め形式の問題にするのもよいだろ 例題 2 A1,2,B1,2 奇数 2n - 1 または 2n + 1 偶数 2n ) 方 1> のように全体を 6 で通分して解いた方が誤答は少なくなる。 連続した 3 つの整数 x-1,x,x+1 連続した 2 つの奇数 2n-1,2n+1 連続した 2 つの偶数 2n,2n + 2 2 つの奇数 2m - 1,2n - 1 または 2m + 1,2n + 1 2 つの偶数 2m,2n 2 けたの整数 10a + b 3 けたの整数 100a + 10b + c 例題 2 等式の変形 理解 A3,B3 ▷ 10z = 4x - 5y を y について解け。 10z = 4x - 5y 両辺を入れかえる 4x - 5y = 10z 4x を移項する - 5y = 10z - 4x 両辺を- 5 でわる 10z - 4x y =- 5 4 それぞれの項を- 5 でわって,y =- 2z + x としてもよい。 5 例題 3 文字式の利用 理解 A4,B4 ▷ 連続した 2 つの奇数の和は 4 の倍数である。このわけを説明せよ。 n を整数とするとき,連続した 2 つの奇数は 2n - 1,2n + 1 と表される。 (2n - 1)+(2n + 1)= 2n - 1 + 2n + 1 =4 n は整数だから,4n は 4 の倍数である。よって,連続した 2 つの奇数の和は 4 の倍数である。 文字の置き方によって,途中の式や説明の仕方が異なるので,よりよい方法を見い出すた めに,いくつか文字の置き方を変えて説明してみるとよい。 必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 3 式の計算⑶ ◆指導ページ P.10 ~ 13 ◆ 【指導のねらい】 ★式の乗法・除法の計算を正確に処理できるようにする。 ★式の値の計算の仕方を理解する。 はじめに 〈導入〉 この課では,式の乗法・除法と式の 値を扱う。 式の乗法・除法においては,計算結 果の正負の符号,指数の扱い方,文字 の約分方法など,間違いがおきやすい 箇所がいくつもある。計算ミスを少な 学習内容・補足事項 例題 1 単項式の乗法 ▷ (- 3a) =(- 3a)×(- 3a) =(- 3)×(- 3)× a × a 係数の積に文字の積をかける = 9a2 3 a2 × a3 =(a × a)×(a × a × a)= a5,(a2) =(a × a)×(a × a)×(a × a)= a6 など,具 体的な数字で示した方がより理解しやすい。 ①計算結果の正負の符号を判断する。 ③ 1 つの分数にまとめる。 n 指数法則を説明する場合,am × an = am + n,(am) = amn のように文字で説明する前に, くするために, ②除法は乗法になおす。 A1,B1 2 例題 2 単項式の除法 A2,B1 ( ) ( ) 調して指導したい。その際,式に直接 2 2 1 x y + - xy 3 3 除法は乗法になおす 2 2 3 = x y × - 3 xy 1 つの分数にまとめる 2×x×x×y×3 =- 3×x×y 数や文字を約分する =- 2x 代入した場合と,式を簡単にしてから 計算結果の負の符号は分数の前に出しておくとよい。 ④数や文字を約分する。 など,考え方や解き方をできるだけ統 一して問題を解くとよい。 式の値においては,式をできるだけ 簡単にしてから値を代入することを強 代入した場合の両方を解かせ,どちら が早く正確に処理できるかを実感させ ▷ るのもよいだろう。 〈要点〉 例題 1 ・単項式の乗法…係数の積に文字の積 をかける。 例題 2 ・単項式の除法…逆数を使って,乗法 になおして計算する。 例題 3 ・単項式の乗除 AB A × B ÷ C = C AC A ÷ B × C = B A A ÷ B ÷ C = BC 例題 4 ・式の値…式を簡単にしてから数を代 入する。 1 1 xy xy の逆数を 3xy としないように注意する。その際, xy = であることを説明する 3 3 3 とよい。 例題 3 乗法と除法の混じった計算 理解 A3,B1,3 ▷ a ÷ ab × b2 除法は乗法になおし,1 つの分数にまとめる a × b2 = ab a×b×b = a×b 数や文字を約分する = b ▷ 12x2y × y ÷(- 4xy) 除法は乗法になおし,1 つの分数にまとめる 12x2y × y =- 4xy 12 × x × x × y × y =- 4×x×y 数や文字を約分する = - 3xy 例題 4 式の値 理解 A4,B2 ▷ x =- 2,y = 5 のとき,次の式の値を求めよ。 ⑴ 2(x + y)- 3y = 2x + 2y - 3y = 2x - y x =- 2,y = 5 を代入して,2 ×(- 2)- 5 =- 4 - 5 =- 9 負の数を代入するときは,かっこをつけて代入することに注意する。 ⑵ 6xy2 ÷(- 2xy) 6xy2 =- 2xy =- 3y y = 5 を代入して,- 3 × 5 =- 15 必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 4 連立方程式⑴ ◆指導ページ P.14 ~ 17 ◆ 【指導のねらい】 ★連立方程式を加減法または代入法で解く手順を身につける。 ★かっこや分数,小数をふくむ連立方程式を正確に処理できるようにする。 はじめに 〈導入〉 この課では,簡単な連立方程式の計 算から,かっこや分数,小数をふくむ やや複雑な連立方程式の計算までを扱 う。 加減法・代入法のどちらも 1 つの文 字を消去することに変わりはないが, 各問題において加減法と代入法のどち らで解く方が適切かを見抜くことは, 早く正確に解くことにつながる。 したがって,明らかに代入法の方が 早く解けるであろう問題を加減法で解 いている場合や,その逆のときは,適 切な解き方を一言助言するとよい。 また,分数の連立方程式では分母を はらうことができるので,2 課の分母 がはらえない分数式の通分計算との違 いをここで再度説明するのもよいだろ う。 〈要点〉 例題 1 学習内容・補足事項 例題 1 加減法 A1,B1,2 ▷ 次の連立方程式を加減法によって解け。 2x + 4y = 8 ……① 3x - 7y =- 1……② ①× 3 6x + 12y = 24 ②× 2 - 6x - 14y =- 2 26y = 26 x を消去した y= 1 ……③ ③を①に代入して,2x + 4 = 8 これを解いて,x = 2 よって,x = 2,y = 1 答えは,(x,y)=(2,1)の書き方もある。 例題 2 代入法 A2 ▷ 次の連立方程式を代入法によって解け。 x = y + 1 ……① - x + 2y = 0……② ①を②に代入して, -(y + 1)+ 2y = 0 - y - 1 + 2y = 0 y-1=0 x を消去した y = 1 ……③ ③を①に代入して,x = 1 + 1 = 2 よって,x = 2,y = 1 式を代入するときは,かっこをつけるように注意する。 ・加減法…左辺どうし,右辺どうしを 加えたりひいたりして,1 つの文字 を消去して解く方法。 例題 2 ・代入法… y =~ ,または x =~の 式を他の式に代入して,1 つの文字 を消去して解く方法。 例題 3 例題 3 かっこをふくむ連立方程式 A3,B1 ▷ 2x + y = 3 3x - 2(x + y)= 4 かっこをはずして整理すると, 2x + y = 3 ……① x - 2y = 4 ……② ① 2x + y = 3 ②× 2 - 2x - 4y = 8 5y =- 5 加減法 x を消去した y =- 1 ……③ ・かっこのはずし方…分配法則を使う。 ③を②に代入して,x - 2 ×(- 1)= 4 例題 4 ・分数をふくむ連立方程式…両辺に分 母の最小公倍数をかけて分母をはら う。 ・小数をふくむ連立方程式…両辺を 10 倍,100 倍… して,係数を全部 整数にする。 x = 2 よって,x = 2,y =- 1 かっこをふくむ連立方程式は,かっこをはずし,整理してから解く。 例題 4 分数や小数をふくむ連立方程式 A3,B1 ▷ 次の連立方程式を解け。 ⑴ 3x + y = 18……① ⑵ 4x - y =- 2 ……① 0.2x + 0.1y = 0.8……② 1 2 ②の両 x + y = 6……② 2 3 ②の両 ① 4x - y =- 2 辺 10 倍 辺6倍 ① ②× 10 + 2x + y = 8 3x + y = 18 する する 6x = 6 ②× 6 - 3x + 4y = 36 ……③ x= 1 - 3y =- 18 ……③ y= 6 ③を①に代入して,4 - y =- 2 ③を①に代入して,3x + 6 = 18 - y =- 6 3x = 12 y=6 x=4 よって,x = 1,y = 6 よって,x = 4,y = 6 ⑴で右辺を 6 倍するのを忘れて,3x + 4y = 6 とする生徒が多いので注意する。 必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 5 連立方程式⑵ ◆指導ページ P.18 ~ 21 ◆ 【指導のねらい】 ★ A = B = C の形の連立方程式の解き方を理解する。 ★連立方程式を利用した文章題の解き方を理解する。 はじめに 〈導入〉 この課では,A = B = C の形の連 立方程式の計算と,代金,速さ,割合 などの連立方程式を利用した文章題を 扱う。 文章題においては,代金の問題は比 学習内容・補足事項 例題 1 A = B =Cの形の連立方程式 ▷ x + y =- x + 7y = 4 A=C x + y = 4 ………① とする内容である。 文章題を苦手とする生徒は,連立方 程式の立式において,何と何が等しい かを見抜けないことが多い。 ① ② 係を見つけ出すことを丁寧に指導する とよい。 また,速さの問題においては,等し + -x + 7y = 4 ……③ y=1 ③を①に代入して,x + 1 = 4 x = 3 よって,x = 3,y = 1 A=B A=B A=C A = B = C の連立方程式は,㋐ ㋑ ㋒ のどれを利用しても A=C B=C B=C よいので,解きやすいものを選択する。 文章を正確に読み取らせながら,数直 き込み,その中から等しい数量間の関 x+ y=4 8y = 8 指導する際は,立式に重点を置き, 線,図,表などに読み取った情報を書 例題 2 代金の問題 理解 るのか分であるのかなど)も確認する A2,3,B2,3,6 ▷ 1 個 30 円のみかんと 1 個 80 円のりんごを合わせて 20 個買ったら,代金は 900 円であっ た。みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか求めよ。 みかんを x 個,りんごを y 個とすると, い数量間の関係を見つけ出すと同時に, x + y = 20 単位がそろっているか (km であるの 30x + 80y = 900 か m であるのか,あるいは時間であ B=C - x + 7y = 4……② 較的易しいと感じる生徒は多いが,速 さ,割合においては多くの生徒が苦手 A1,B1 個数の関係 代金の関係 こ れを解くと,x = 14,y = 6 これは問題に適している。よって,みかん… 14 個,りんご …6個 必要がある。 〈要点〉 例題 1 ・A = B = C の連立方程式の解き方 A=B A=B A=C ㋐ ㋑ ㋒ A=C B=C B=C 例題 2 ・文章題を解く手順 ①何を x,y とおくかを決める。 ②数量間の等しい関係を 2 つ見つけ 例題 3 速さの問題 理解 A4,B5 ▷ ある人が峠をこえて,A 町から B 町までの間を往復するのに,行きは 1 時間,帰りは 1 時間 30 分かかった。坂の上りは時速 3km,下りは時速 6km であったとして,A 町から峠 までの道のりと,峠から B 町までの道のりを,それぞれ求めよ。 A 町から峠までの道のりを xkm,峠から B 町までの道のりを ykm とすると, y x + =1 3 6 y 3 x + = 6 3 2 時速 3 km A町 単位を[時間]でそろえる 帰り これを解くと,x = 1,y = 4 時速 6 km 峠 km 時速 6 km 3 時間 2 km 行き 1 時間 B町 時速 3 km これは問題に適している。 よって,A 町から峠まで… 1km,峠から B 町まで… 4km て,x,y の連立方程式をつくる。 ③連立方程式を解く。 例題 4 割合の問題 理解 ④解が問題に適するかを確かめる。 ▷ ある中学校の今年度の入学者数は,昨年度の入学者数と比べて 4 人増加し,279 人であっ 例題 3 ・速さ・道のり・時間の関係 …速さ=道のり÷時間 道のり=速さ×時間 時間=道のり÷速さ 例題 4 ・増減の問題…次の①,②についての 方程式を連立させると計算が簡単に なることが多い。 ①もとの量について ②増えた量について A5,6,B4 た。これを男女別にみると,昨年度より男子の人数は 6%増加し,女子の人数は 4%減少し た。今年度の入学者の男子と女子の人数をそれぞれ求めよ。 昨年度の入学者の男子を x 人,女子を y 人とすると, x + y = 279 - 4 0.06x - 0.04y = 4 これを解くと,x = 150,y = 125 今年度の入学者数は, もとの量(昨年度)を x,y とおく 男子 昨年度の入学者(人) x 増えた人数(人) 0.06x 今年度の入学者(人) 1.06x 男子が 150 ×(1 + 0.06)= 159(人) 女子が 125 ×(1 - 0.04)= 120(人) これは問題に適している。 よって,男子… 159 人,女子… 120 人 x + y = 275 計算が大変ではあるが, を解いてもよい。 1.06x + 0.96y = 279 女子 合計 y 279 - 4 - 0.04y + 4 0.96y 279 必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント 6 1 次関数 【指導のねらい】 ★ 1 次関数について理解する。 ★変化の割合を理解し,正確に処理できるようにする。 ★傾きと切片と 1 次関数のグラフとの関係を理解する。 ◆指導ページ P.22 ~ 25 ◆ はじめに 〈導入〉 この課では,1 次関数の式,変化の 割合,1 次関数のグラフを扱う。 1 次関数の式においては,中学 1 年で 学習した比例・反比例の復習から始め るのもよいだろう。特に比例は 1 次関 数の式につながるのでぜひ取り入れた い。このときに,「関数」という言葉 の説明を再確認するのもよい。 変化の割合においては,中学 3 年で 学習する「y が x の 2 乗に比例する関 数」にもつながるので,その求め方を しっかりと身につけさせ,y = ax + b において,変化の割合が a の値と一致 することも繰り返し強調して指導した い。 1 次関数のグラフにおいては,比例 のグラフとのつながりが深いので,比 例のグラフの確認から入るのもよいだ 学習内容・補足事項 例題 1 1 次関数 理解 ▷ 長さ 15cm のろうそくがある。このろうそくに火をつけると,1 分間に 0.6cm の割合で減っ ていく。火をつけてから x 分後のろうそくの長さが ycm であるとして,次の問いに答えよ。 ⑴ y を x の式で表せ。 1 分間に 0.6cm の割合で減るので,x 分後には 0.6xcm 減ることになる。ろうそくのもとの 長さは 15cm なので,x 分後のろうそくの長さ ycm は,(15 - 0.6x)cm になる。 よって,y =- 0.6x + 15 1.8cm … と説明すると,x 分で 0.6xcm ということがわかりやすくなる。 y が x の 1 次式で表される場合,y は x の 1 次関数であるという。 よって,いえる。 比 例 y = ax は 1 次式であるので, 比例は 1 次関数に含まれることを補足説明するのもよい。 例題 2 値の変化と変化の割合 〈要点〉 例題 1 ・1 次関数の式 y = ax + b (a,b は定数) 例題 2 ・ 変 化 の 割 合 … 1 次 関 数 y = ax + b では, y の増加量 変化の割合= =a x の増加量 例題 3 ・1 次関数 y = ax + b a …傾き,b …切片 ・y = ax + b の グ ラ フ … 点(0,b)を 通り,傾きが a である。 暗記 A3 ▷ 1 次関数 y = 2x + 3 について,次の問いに答えよ。 ⑴ 変化の割合を求めよ。 y = ax + b において,変化の割合は a の値に等しい。 よって,2 せ,グラフのかき方,読み方,2 つの と指導したい。 ろ うそくの減る長さが,1 分では 0.6cm,2 分では 0.6 × 2 = 1.2cm,3 分では 0.6 × 3 = ⑵ y は x の 1 次関数であるといえるか。 ろう。傾きと切片をしっかりと理解さ グラフの交点の出し方などをしっかり A1,2,B1 右の表のように,適当な(x,y)の値をとり,いくつかの値で x -2 0 2 5 y の増加量 を計算し,どの値でも変化の割合は等しくなるこ x の増加量 y -1 3 7 13 とと,その値が a の値と等しくなることを説明するとよい。 ⑵ x の値が 2 から 5 まで増加したとき,y の値はいくら増加するか。 y の増加量 (解き方 1) 変化の割合= より, x の増加量 (y の増加量)=(変化の割合)×(x の増加量)だから,2 ×(5 - 2)= 6 (解き方 2) x = 2 のとき y = 7,x = 5 のとき y = 13 なので,y の増加量は,13 - 7 = 6 (解き方 1)では,等式の両辺に(x の増加量)をかけていることをしっかりと説明するとよい。 例題 3 1 次関数のグラフ⑴ 理解 A4,B2,3 ② ● ① ● ▷ 右の①,②のグラフの式を求めよ。 5 グラフの傾きが a,切片が b の直線の式は, y = ax + b と表すことができる。 ① x が 1 増すと,y は 2 増すから,グラフの傾きは 2。 O −5 グラフは y 軸上の点(0,- 1)を通るので,切片は- 1。 5 よって,y = 2x - 1 ② x が 1 増すと,y は- 1 増す(1 減る)から, グラフの傾きは- 1。グラフは y 軸上の点(0,3)を通るので, −5 切片は 3。よって,y =- x + 3 y の増加量 傾きは,a = で求め,切片は x = 0 のときの y の値で求める。 x の増加量 例題 4 ・2 直線の交点の座標…連立方程式の 解 例題 4 1 次関数のグラフ⑵ 理解 A5 ▷ 次の連立方程式の解を,グラフをかいて求めよ。 x + y =- 2 ……① ① ● 5 x - 2y =- 5……② ①のグラフは,2 点(0,- 2),(- 2,0)を通る直線で, ②のグラフは(1,3),(- 5,0)を通る直線である。 ② −5 ● O 5 この 2 つのグラフをかいて交点を求めると,x =- 3,y = 1 ①は y =~の形になおして,傾きと切片からグラフをかい −5 てもよい。 連立方程式を計算でも解かせ,連立方程式の解とグラフの交点の座標が一致することを実 感させるとよい。
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