2014/07/07

12 回目授業レジュメ
電気工学科 講師 南政孝
http://www.kobe-kosen.ac.jp/˜minami/
平成 26 年 7 月 07 日 (月)
本日の内容
∫
1.3 線積分・面積分
V
1.3.4 発散定理
1.3.4 発散定理
S1 , S2 からなる. a = (ax , ay , az ) とすると,
∫∫∫
∂az
∇ · (az k) dV =
dxdydz
V ∂z
}
∫ ∫ {∫ f (x,y)
∂az
=
dz dxdy
D
g(x,y) ∂z
∫∫ {
}
=
az (x, y, f (x, y)) − az (x, y, g(x, y)) dxdy
D
一方,
∫
a · n dS
スカラー場の体積分
ある立体 V 上でスカラー場 φ(x, y, z) が与えられて
S
いる. 微小体積に対する次式の和を求める.
N
∑
φ(xk , yk , zk )∆x∆y∆z
k=1
∂r ∂r dxdy
=
a · n
×
∂x ∂y D
(
)
∫∫
∂r ∂r
=
a·
×
dxdy
∂x ∂y
D
∫∫
極限 ∆x → 0 かつ ∆y → 0 かつ ∆z → 0 において
(∆x∆y∆z = ∆V としたとき, ∆V → 0), 極限値が存
在するとき, その値をスカラー場 φ の立体 V に関す
る体積分と定義する.
∫
φ dV
:=
V
lim
N
∑
∆V →0
(N →∞) k=1
φk ∆V
ここで, S1 上, S2 上のそれぞれで,
(
) (
)
(
) (
)
∂r
∂f
∂g
∂r
∂f
∂g
= 1, 0,
, 1, 0,
,
= 0, 1,
, 0, 1,
,
∂x
∂x
∂x ∂y
∂y
∂y
(
) (
)
∂r ∂r
∂f
∂f
∂g
∂g
×
= − , − , 1 , − , − , 1 である.
∂x ∂y
∂x ∂y
∂x ∂y
∫∫∫
そして, 右辺の z 成分について S1 上, S2 上のそれ
左辺は,
φ dxdydz とも書く.
ぞれについて計算すると以下のようになる.
V
ガウスの発散定理
∫
∫∫
(az k) · n dS =
閉曲面 S で囲まれた立体 V がある. S の単位法
S1
線ベクトル n が S の外側を向くとき, V 上で定義
されたベクトル場 a に対して, 次式が成り立つ.
∫
∫
∇ · a dV =
a · n dS
∫∫
)
(
∂f
∂f
(az k) · − , − , 1 dxdy
∂x ∂y
D
=
az (x, y, f (x, y)) dxdy
D
{ (
)}
∂g
∂g
(az k) · n dS =
(az k) · − − , − , 1
dxdy
S2
∂x ∂y
∫D∫
[証明] 座標軸に平行な直線が S と高々2 点で交わ
= −
az (x, y, g(x, y)) dxdy
D
る場合について考える. S は D を定義域とする関数
V
∫
∫∫
S
z = f (x, y), z = g(x, y) (f (x, y) > g(x, y)) の表面
S = S1 + S2 なので, 以下のようになる.
∫
∫
∫
(az k) · n dS =
(az k) · n dS +
(az k) · n dS
S
S1
∫∫ {
=
D
1
S2
}
az (x, y, f (x, y)) − az (x, y, g(x, y)) dxdy
以上より,
∫
1
∫
∇ · (az k) dV
(az k) · n dS
=
ドリル
pp. 57–58
S
V
が成り立つ.
2
ax i, ay j についても同様にして,
∫
∫
(ax i) · n dS
∇ · (ax i) dV =
∫
V
問 11
S
∫
∇ · (ay j) dV
原点を中心とする半径 a の球面を S, a = (3x, 2y, z)
(ay j) · n dS
=
V
とするとき, ベクトル場 a の曲面 S 上の面積分の値
S
を体積分に直して求めよ.
が成り立つ. これら三式より,
∫
∫
∇ · a dV =
a · n dS
V
授業レポート
問 12
S
閉曲面 S で囲まれた立体 V の体積を V , n を S の
が成り立つことが証明された.
2
単位法線ベクトルとするとき, 次の等式が成り立つこ
とを証明せよ. ただし, r = (x, y, z) とする.
∫
1
V =
r · n dS
3 S
発散の物理的意味
ベクトル場: 力線 (line of force), 流線 (flow line)
例: 電気力線, 磁力線
練習問題 3 の 4
湧出点 (涌点) source 正電荷
スカラー場 φ, ψ の定義域内の閉曲面 S で囲まれた
流入点 (沈点) sink 負電荷
立体を V とし, n を S の外側に向く単位法線ベクト
これら以外で突然現れたり, 消滅したりしない
ルとする. このとき, 次の等式が成り立つことを証明
E: 電界の強さ, 電気力線の (面) 密度
I
Q
E · n dS =
ε0
S
∫
I
divE dV =
E · n dS
V
せよ.∫
∫
(1)
φ∇ψ · n dS =
(φ∇2 ψ + ∇φ · ∇ψ) dV
S
V
∫
(2)
S
S
この立体 V を縮めて 1 点にする.
I
E · n dS
S
divE = lim
V →0
V
(φ∇ψ · n − ψ∇φ · n) dS
∫
=
(φ∇2 ψ − ψ∇2 φ) dV
V
その 1 点が涌点 (divE > 0), 沈点 (divE < 0), それ
以外 (divE = 0)
番号:
2
名前: