「工f「-

1
5 パルス回路
【目的】
(
l
)CR微分回路、 (
2
)
C
R積分回路、 (
3
)トランジスタスイッチ回路、 (
4
)非安定マルチパイプレータ回路
を設計・製作し、その特性を測定してパルス回路についての基礎事項を学習する。
【原理】
1 CR微分回路
微分回路とは、入力信号をその回路に通した場合、その出力が時間に対して微分される回路をいう。
抵抗とコンデンサで構成した微分回路の回路図を図 1に示す。この回路にパルス信号として図 2
(
司の
、パルス波高 =E)を入力する。この場合、定常状態に
ような対称矩形波(パルス幅=パルス間隔 =T.
おける出力波形は以下の式になる。但し、 tは矩形波の立ち上がりからの時間とする。
E
a
a
、
唱
exp[-t
/
(
C
R
)
]
eR(t)=E--1+exp[-t/(CR)]
、‘,,,
-T5t50
,
,
o5t5T
+の/(CR)]
。
向)=-E-l+e
却[-T/(CR)]
exp[ー (
t
(
2
)
一
したがって、パルス幅 Tと時定数
,
=CRとの関係により図 2
(
ω、
(
c
)、(
d
)のような出力が得られる。
T>>CRの場合、波形は矩形波の微分形に近い。
図 1 CR微分回路
下Eム
0・t
{
a
}
E
.
「工f「~
T-CR
~ Tく C
R
図 2 対称矩形波(方形波)に対する応答出力
-116-
R
入
,
e
図 3 CR積分回路
I
f
=
斗T
d L
O-t
(
a
)
(
b
)
T>CR
士Fモ
ジF「
E
f¥
(
C
)
T--CR
何) Tく CR
図 4 対称方形波に対する出力応答出力
2 CR積分回路
積分回路とは入力信号が時間に対して積分される回路である。回路図を図 3に示す。この回路に図 4
(吋の矩形波を入力した場合、その出力は以下の式で与えられる。この回路に 1と同様の対称矩形波を
入力すると、定常状態における出力波形は以下の式になる。
Q
:
:
;
t
:
:
;
T
T
:
:
;
t
:
:
;
Q
r
e(
t
)=
E1
l
'
e
x
p[-t/(CR)] 1
L 1+exp[- T/(CR)]J
emト
e(
t
)=E-l
'
+の/(CR)]
(
t
1+exp[-T/(CR)]
(
3
)
(
4
)
したがって、パルス幅 Tと時定数 r=CRとの関係により図 4
(
ω、や)、何)のような出力が得られる。
T>>CRの場合、波形は矩形波の積分形に近い。
3 トランジスタスイッチ回路
パルス回路ではトランジスタは信号の増幅に使うだけでなく、ベースに加えた信号によって動作す
a
)に示す。これは npnトラン
るスイッチとして使うことが多い。 トランジスタスイッチ回路図を図 5(
ジスタを用いたエミッタ接地回路で、その出力特性は(
c
)のようになる。すなわち、ベースに正の電圧
0が流れたとき、負荷直線上の点 Aではコレクタ電流は大きく、コレクターエ
が印加しベース電流 1
ミッタ問電圧九Eはほぼ零である。したがって閉じた (on)スイッチとして動作する。逆にベースの電
圧が零か負で 1
0 = Qのとき点 Bではコレクタ電流はほぼ零であり、九E =九cとなる。この場合は聞い
たスイッチ (
o
f
f
)として動作する。このようなスイッチ動作を行わせるためにベースに加える電圧パル
スについて、理想トランジスタでの解析例を示す。
-117-
MA
th
一凡匂
Fh
d
川
山
一
⋮
﹀
オ
I
"C
勾
r
寸
AFE(min)
「
オ
シ
JI
BI I I
オ
フ
BI
D=0 I I I
」二一 l Lー」オフ
Yα(sat)h〔V〕
オン
y
J
t
it
l
iJ
2
オフ
to-I
.
t1一
│
E
2-
{
c
}
図 5 理想トランジスタスイッチ
トランジスタが閉じたスイッチ動作(飽和導通)しているとき、コレクタ電流がんであるとすると、
RLの値は、
t
O
す / ー ¥
RL = 九cμc
D‘
o
ぢ
い oSと ~J ヅ
(5)
----
になる。コレクタ電流はベース電流 I
Bによって制限され、その関係は直流電流増幅率九四を用いて、
•
0(
(
6
)
ん=hFEI
B 三 /
e,
0
(
"¥
00
0
¥0
で与えられる。入力電圧を +E
I
n(順方向バイアス)であるとすると、
EIn=
I
B
R
l+九E
!
I
)
(
2u
2c下4ミLZ
1
、
。
8r/L→
J
L
.
t
"令
(
7
)
が成立つ。理想トランジスタであるので、九E =0とすると、 R1が求められる。したがって入力パル
スが加わったとき、閉じたトランジスタを飽和導通するのに必要なベース電流が流れ、 トランジスタ
を閉じたスイッチとして動作させる。
4 マルチパイプレータ回路
s
c
i
l
l
a
t
o
r
)でパルス発生回
マルチパイプレータはトランジスタを 2個用いた弛張発振器 (
r
e
l
a
x
a
t
i
o
no
路の代表的なものの一つである。大別すると次の 3つに分けられる。
-118-
(
1
) 非安定マルチパイプレータ
安定点を持たず回路の中の 2つの時定数によって定まる繰返し時間で自走するもの。発振器として
用いられる。
(
2
) 単安定マルチパイプレータ
通常は安定な状態を保ち、外部からのトリガ信号で一定な幅のパルスを発生する。波形整形に用いられる。
(
3
) 双安定マルチパイプレータ
2つの安定状態を持ち、 2つの入力端子の一方に入力信号が与えられると、 1つの安定状態になり、
別の入力端子に与えられると、他の安定状態に反転する。記憶素子、周波数カウンタとして用いられる。
ここでは、(1)について回路を作成し特性を測定する。
非安定マルチパイプレータはエミッタ接地増幅器を 2段従続に接続し、その出力を入力側に正帰還
したものである。図 6にトランジスタを用いて構成されたコレクタ・ベース結合型マルチパイプレー
タを示す。その動作波形を図 7に示す。 (
a
)、(
c
)はベース、 (
b
)、(
d
)はコレクタの波形である。この図に
r
lのベース電位は深く負
示されるように、 t= 0で Tr1が遮断、Tr2が導通になったとする。このとき T
電位になり、 Tr2のベース電位九e2は飽和ベース電位九e(
s
)と等しくなるように動作する。次に、
Oく tく T1の期間ではコンデンサ Cb1に蓄積されていた電荷が Rb1を通じて放電され、九elは時定数 Cb1Rb1
で指数関数的に上昇する。この結果、 t+T
1で、Vb
e
1はベースーエミッタ間遮断電圧九e(
0
)よりわずか
に大きくなり、れ 1のベース電流 1
四
・1
81が流れ始める。これにつれて 1
C1も h
81の割合で流れ始め、正
帰還作用により Tr
2は遮断状態
1は急速に導通状態となる。これと同時に凡e2は深く負になるので、 T
r
になり、
T
2の O
FFと ON状態は逆転する。回路条件は、 t
>0の時点で Tr2は導通状態にあるこ
r
r
lと T
とから、 Rb2、RL2は次式で与えられる。
h
u
a
e
・
・-'
九
a
'
E
E
EE
‘
‘
.
,
,
,
a
Trlのベース・エミッタ間
電圧波形
'nv
・
・
a
r
E
EE-E
Trlのコ νクタ・
エミッタ間電圧波形
形
-119-
形
被
タE
図 7 非安定マルチパイプレータの出力応答波形
技
に~ (
.
5
'
)
図 6 非安定マルチパイプレータ回路例
圧
ス電
コタ
W鵬
のツ
一間
のツ
九エ
ベタ
n4
何) f九2
T、
エ
、
、
ハ
υ
の
,
a
e
・
vリ
a
E
a
E
E
E
c
‘ EE'
‘
,
,‘
•• •.
y
e
a
hu
,
,‘
・
•.
E
C一九e
ω
Rb2=
(
8
)
I
B2
E
C一 九 ω
RL2=
(
9
)
I
C2
RLl、Rblも同様にして得られる。次に発振の周期は Tr1とTr2のベースが Ecへと急激に跳躍し、 V
b
e
ω
に達するときで決る。その時間を T
lとすると九elは近似的にぜロと見なせるので、次式が成り立つ。
/(C
O=E
I
C
R
L
l
)e
却 ト T1
l
)]
b
1Rb
c一弘 +
(
10
)
これより、
E
'
c+I
C
I
R
L
l
T1=CblRblln
E
c
(
1
1
)
=
c ICIRLlが成り立つので、 T
l主 O
.7CblRblになる。同様に T2についても同じ関係が成
が得られ、 E
り立ち、これより発振周波数は供給電圧には無関係で、単に回路の時定数で決り、
1
1
f = =
T
l+T
2 O
.7(Cb
2+C
b
2
R
b
2
)
1Rb
(
12
)
となる。
【実験方法】
用意するもの: 2現像オシロスコープ、 1対 1プローブ 2本、矩形波発振器、定電圧電源(+
10V)、
ハンダごて、道具箱(ニッパ、ピンセットなど)、基板等回路部品
CR微分回路
図 1の微分回路を以下の 3種類の抵抗とコンデンサの組み合せについて基板上に組み立て、発振器
、パルス幅 1
0
0}
l
Sの矩形波を入力し、出力波形の測定を行う。波形の測定はオシロス
から波高値 5V
コープを使い、入力および出力の電圧波形と振幅を測定し、同一グラフ用紙に同一時間目盛りで波形
を描き、測定した代表的数値を入れる。~、
①短い時定数の回路
R=l00w C=
(
l
0
0
p
F
)
'
②中間時定数の回路
R=l00w C=1 OpF
③長い時定数の回路
R=l00kn C=O.OlpF
∞
-120-
2 CR積分回路
1で作成した微分回路の配線を図 2の様につなぎ変えて積分回路にし、発振器から波高値 5V
、パル
1
0
0
1
1
Sの矩形波を入力し、 1と同様に 3種類の時定数の回路について出力波形の測定を行う。
ス幅
3 トランジスタスイッチ
a
)に示す回路において、与えられたトランジスタ
図 5(
(
2
S
C
1
8
1
5
)を用い、次の特性を持つスイッチ
回路を設計し、基板上に回路を組立て特性を測定する。
出力電圧波形
1
0
V
コレクタ電流
5
0mA
入力電圧波高値
:
!
:4
v
繰返し周波数
1
0
k
Hzの矩形波
① 参考の特性図・表を参照して必要な素子値(Rt、RL)を決定する。トランジスタは理想的と仮定する。
②
回路を基板上に配線する。
③
入力電圧、出力電圧波形をオシロスコープを用い測定記録し、
t
d
. t
r
. t
o
n
. t p• t
r(【参考】参照)など
を測定し波形に付記する。
④ ベース電流を 2倍にするための R
t
'を計算し、この R
t
'を用いた回路について出力波形がどのよう
i
;
Z
L
Z
t
f
z
:
;
ィ
⑤に
を元の
1
/
3に 町 こ と を … 睡 訴 訟 ⑩
のコンデンサをスピードアップコンデンサ(【参考】参照)として Rtに並列に入れ、波形と ι
について
調べよ。
4 非安定マルチパイプレータ
(
1
) 下記の条件の非安定マルチパイプレータを設計し、基板上に回路を組み立て、その特性を測定
する。
E
c= 1
0
V
、IC(on)= 5
0mA
パルス幅
①
5
0
1
1
S
、パルス間隔 5
0
1
1
S(Tt=T2の対称矩形波)
図 6を見て素子値を計算によって求める。
② 決定した素子を用いて回路を組み立てる。
③
各部の出力波形を読取り、図 7と同様な動作図表を作成する。
④
パルス幅、パルス間隔および発振周波数を実測する。
⑤ パルス波高値を実測する。
(
2
) 作成したマルチパイプレータのベースに発振器からのトリガ信号を印加して発振器の周波数を分
周する実験を行う o 最初発振器からの周波数fはマルチパイプレータの周波数の約
1
2倍とする。
①
図 8に示すようにベースにトリガ信号を加える回路(【参考】の分周の項参照)を作成する。
②
/l0に同期する発
発振器の出力を OVから徐々に上げ、非安定マルチパイプレータの周波数がf
-121-
4
弥之Z
'
一
図 8 分周囲路
振器の出力電圧を記録し、そのときの発振器の出力波形、マルチパイプレータのコレクタ出力波
形、ベース電圧波形を記録する。
③
/
2に同期する出力電圧を測定し、そのときの、入力波形、出力
さらに出力を上げ、最終的に1
波形、ベース電圧波形を記録する。
④
1
/
2に同期した状態で発振器の周波数を変えても、マルチパイプレータの発振周波数は同期し
て追従することを確認する。追従可能な周波数範囲を測定せよ。
【参考】
1 CR微分回路の解析
(
ω なるステップ入力電圧を印加した場合、回路に流れる電流を 4
、コンデンサに
CR微分回路に図 9
貯えられる電荷を qとすると次式が成り立つ。
l
Ri+-Jidt=E
C
dq 1
R一
一 +-q=E
(3)
d
t C
q= CE+A
e
-tICR
但し、 i
=dq/dtである。初期条件として t=0で q=Oとなるから、 qは次式となる。
q=
CE0-e
-tICR)
(4)
式 (3)、 (4)より Rの両端の出力電庄内は次式となる。
d
q
e
R
(
t
)=Ri=R一一=E
e
-tt
d
t
(
5
)
侃
,
式 (5)において定常状態、すなわち s
→∞では {
e
R
(
t
)
/
E
}→∞ = 0となる。
1
2
2-
)041
い
E!
l
斗!
(
b
) 0
O
l
t=O
J
t=T
一- t
図 9 ステップ電圧の合成による方形波パルス
eR
」一一一一ー
図1
0 パルスの 1周期の出力波形
次に図 9
(
c
)なるステップ電圧を印加すると、入力は Eだけ降下することになるが、そのとき容量 C
の電圧は瞬間的に変化しないので、出力向も Eだけ降下する。したがって t=T+(T+=T+llt)では、
ωと(c)のステップ電圧を重ね合せると図 g(a)のような方
C
R
e
R
(
T
+
)=
Ee-T
+
/ -Eとなる。ここで図 9の
形波パルスとなり、パルス幅 Tと時定数 CRの関係が、 T/CRく 1のとき、出力応答は図 1
0のように
なる。この場合内 (
T
+
)はEより小さくなるので、電圧は負となる。 T5
.t5
.2Tの領域では出力が指数
関数的に減少して Oに向かう。よって次式が成り立つ。
C
R
e
R{
t
)=
E(
1-e
-T
/
)e
(
Tーの /
C
R
(
16
)
次に│図 2(
a
)の振幅 E なる対称方形波パルス e
i
(
t
)を t= 0で印加した場合を考える。この対称方形
波は、
l
正の振幅 Eで 2T時間ずつ遅れたステップ電圧、
EuW. E u{
t-2M. E u{
t- 4 M
と 負 の 振 幅 一 Eで 2T時間ずつ遅れた電圧、
-Eu(t-T
)
. -Eu(t- 3T). -Eu(t-5T)
とを重ね合せたものと考える (u{
t
)はステップ関数)。このときの回路の出力応答は初期条件を考慮に
入れて求めると一般に次式のようになる。
-123-
2πT~t 豆 (
2
η +1
)T
O
.1
.2
.……)
旬 =
(
17
)
(
π=1
.2
.……)
(2n- 1
)T~ t~ 2nT
=-E
e
2
n
T
I
C
R
e-h-ω ー })T}I
C
R
1+e-T1CR
唱 _
e
R
(
t
)
日
(
18
)
図 2(
b
)、(
c
)、(
d
)は、定常状態における出力波形 e
R
(
t
)を示したものである。定常状態の e
R
(
t
)の最大
値、最小値を図 2(c) のように、 El、 El'~ E2および E2'と定義し、これらを求めることにする。
)で η →∞とおくと次式を得る。
式 (7)および式(18
1
一=:-E
El=
T
I
C
冗
e
El'=
1+e
-T1CH
侃
1
-T
-e
-1
E?
E
1+e-T1CR
E
E?'=
1+e-T1CR
(
19
)
E
1+e-T1CR
式(1
9
)より、 T/CR<<1の関係があるならば、
開 (-~)~(1- 卦 1
が適用できるので、出力波形はほとんど入力波形と同じようなものとなる。言い換えれば微分作用を
していないことである。そこで入力波形と出力波形がどの程度違っているかを百分率で表示すると次
%
α
T一
噌EA
一
×
一一リプ
E一
2
E一
一
一
P
一
∞∞
式を得る。
(
2
0
)
ここで、 Pは出力波形の傾斜を%で表示したもので、 Pが小さいほど出力波形は入力波形に近づくこ
とになる。
2 CR積分回路の解析
図9
{
防のステップ入力に対する CR積分回路のコンデンサの出力電圧 e
C
l(
t
)は次式となる。
知
(hZ=E(1-rt/CR
(
21
)
式(11)において eCl/Eは時間の経過とともに変化し、定常状態 t
→∞で定常値は {
e
C
l(
t)/E},
→∞ =1と
なる。
1
2
4-
e
c(
t
)
0
.
9
0
.
1
0
図1
1
次に t=T+の領域で図 9(
c
)なるステップ入力電圧を印加した場合の出力応答 eC2(t)は次式となる。
1
C
R)e
e
C
2
(
t
)=E (
1-e-T
(
tーのI
C
R
式(
21
)
、
(
2
2
)
(
2
2
)より、回路に図 9(
a
)なる方形波パルスを印加した場合、各部の電圧は回路の時定数 CR
に従って、上昇したり下降したりする。
21)、図 1
1より立上がり時間 t
rを e
c
(
t
)の最終値 e
ω の 10%から 90%までに要する時間と定
次に式 (
義すれば次式となる。
2
.
2 0
.
3
5
21
C
1
1 1
1
=2.2CR=一
一一=一一一
(お)
次に図 4(
a
)の対称方形波パルス e
iを t=0で印加した場合、コンデンサ Cの両端に現れる電圧 e
c
(
t
)
は次式となる。
2πT三 t三 (
2
π +1
)Tのとき
2
n
T
E
1
1+(
2_e-T1me2m-1le
er
.
(
t
)=
l
- ¥1+e-
十
ぽ
I
1
T)I
2
n
C
R
(
2
4
)
(
2
η ーI)T孟 t~ 2
旬 Tのとき
唱
=
t
) E
e
.
r(
_
e
2
n
T
I
C
R
2
n-l
)T
}
/
C
R
一{tー (
1+e-T1CR
e
)
(
18
c
)、(
d
)は、定常状態における出力応答波形を示したものである。定常状態における e
図4
(
ω、(
c
(
t
)の
一
(
c
)のように定義すると、 E
)、(15
)をπ→∞とおく
最大値 E
m
a
xと最小値 E凶を図 4
m
a
xとE附は、式(14
ことによって次のように求めることができる。
九
(
2
6
)
-125-
E
J
-R
臼一千
-c
,
‘
,
T-e
- 噌 EA
.
e一
+
醐
E
-
(
2
7
)
3 スイッチング時間
実際のトランジスタスイッチ回路に入力パルスが加わったとき、 トランジスタは瞬間的にオンにな
らない。ターンオン時間(t
o
n
)とはコレクタ電圧が加えられた'Vc
cの 1
0%にまで減少するのに要する時
t
t
)とから成り立つている。遅延時間は出
間である。 t
o
nは 2つの部分、遅延時間 (
d)と立ち上がり時間 (
r
力電圧が九の 9
0%まで減少するのに要する時間である。これが図 1
2に示されている。
oまではエミッターベース接合とコレクターベース接合はともに逆バイアスされている。した
時刻 t
v
Jで充電され、コレクタ四ベース接合容量は九と九cとの和
がってエミッターベース接合容量は九 [
の電圧で充電されている。時刻 t
oに入力パルスが加えられても、コレクタ電流は、エミッターベース
接合が実際に順方向にバイアスされるまで流れることができない(遅延時間)。またコレクタ電流は瞬
時に飽和に達することは不可能である。というのは、コレクターベース接合容量の電荷が、キャリア
がベース領域ヘ拡散することによって、流出しなければならないからである。
lにおいて入力パルスが終っているが、コレクタ電流は入力パルスが加えられていたときに流
時刻 t
れていた値に等しいか、あるいはそれに近い値にとどまっており、出力電圧も
Ovあるいはそれに近い
lにおいて、ベース電流は、確実に飽和が
値に保持されている。入力パルスが加えられていた時刻 t
起るのに十分な大きさであった。トランジスタが飽和しているとき、ベースに注入される電荷の流れは、
ベースから出る電荷の流れよりも大きくなければならない。したがって飽和が存在するためには、コレ
クタ電流は、ベース電流によって制限されるのではなく、外部負荷抵抗 (R
Jによって制限されなければ
ならない。したがって入力パルスが終ったとき、ベースには、過剰電荷が蓄積されている。コレクタ
)と呼ぶ。
電流はベースから過剰電荷を流し去るまで流れ続ける。このために必要な時間を蓄積時間Ct
s
+
ti
n
0
官
pnu
9
'∞%
︹﹀︺
t
o
10%
時間(s)
o
t
11d-It
rl-
ー
t
t
o
n
ト
-it
st4 ドー
t
r
-11
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一
一,
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(
1
to
t
l
t2
図1
2 実際のトランジスタスイッチ(飽和形〉
1
2
6-
図1
2に示すように、蓄積時間のために、出力パルスの幅は入力パルスの幅よりも大きくなる。入力
パルス終了後、出力電圧が+九にもどるのに要する時間をターンオフ時間と呼ぴ、記号 t
o
r
rで表す。ター
ンオフ時間は、
3つの異なった時間一一蓄積時間(ら)、立ち下がり時間ω
(ならひ・に遅延時間 (td)ーー
から成り立っている。
4 スピードアップコンデンサ
立ち上がり時間を減らし、それによってトランジスタをより迅速にターンオンさせるためには、パ
ルスを最初加えたとき、キャリアでベースを迅速に飽和させることが必要である。この初期飽和後、
3(
b
)を見ると、抵抗 R
}に並
ベース電流を飽和を確保するのに必要な最小値に減らすべきで、ある o 図 1
列にコンデンサ Cを入れておけば、パルスが加わったとき、コンデンサの充電電流が立ち上がり時間
を減らすのに必要な電流の補助電源として用いられる。充電電流は、コンデンサが印加入力電圧の値
にまで充電されると、流れなくなる。このコンデンサ充電電流はベース電流の一成分である。という
のは、それはベースから発生するからである。入力パルスが加わった瞬間に、 2つの成分からなるベー
2
)入力パルスの振幅と R
}の値とによって決定さ
ス電流が生ずる。すなわち、(1)コンデンサ充電電流、 (
れる正規のベース電流である。
2つの各成分はそれぞれに分けて解析できる。図 1
3(
a
)はベース電流のコンデンサ充電電流成分を示
し、回路は微分器の変形である。エミッターベース接合の抵抗は一定であると仮定する。入力パルス
oにおいて加わると、電圧波形が示すように全入力電圧はエミッターベース接合抵抗に加わる。
が時刻 t
時間が増加すると、コンデンサは印加入力電圧にまで充電される。充電されるや否や充電電流(ベース
電流)は、図
1
3(
a
)に示すベース電流波形のように、零に減衰する。入力パルスが時刻 t
}で終ると、充
+to
6in
(a)
+
ぷ
可
等
平
VBE
6c
ら
C
I
B
O
(b)
I
B
ー
-
.
一
図1
3
1
2
7-
,
t 時間
電されたコンデンサ Cは、エミッターベース接合を逆バイアスする極性を有する電圧源として動作す
る。この逆バイアス動作は蓄積時間を減らすのを助ける。コンデンサは Cは、このコンデンサを充電
する際の立ち上がり時間を減らすのに要する補助ベース電流を供給する。充電されると、このコンデ
ンサは蓄積時間を減らすのに必要な、望ましい逆バイアスを供給する。このコンデンサをスピードアッ
プコンデンサと呼んでいる。
3
(
b
)は実際の複合回路および理論ならびに実際のベース電流波形を示す。理論ベース電流波形は
図1
エミッタベース接合容量が無視できると仮定して示してある。この 2
つの事柄により、実際と理論電
流波形との聞の差が生ずる。次にこの Cの値の決め方の例を示す。
図1
3より
1=子 、 ま た
Q =偲 故 に 、
I
t
c=玄
(
2
8
)
、
,
、
.r
、
ー
、
ー
・
曹
、
ー
噌9
Q =電荷量 [
C
]
1=ゐ、要求される駆動ベース電流 [
A
]
t=ら立ち上がり時間 [
s
]
E =入力パルスの振幅 [
V
]
c =容量 [
F
]
5 分 周
ある発振器の発振周波数 fを基準にそれに同期した整数分の lの発振周波数を発生させることを分
周という。非安定マルチパイプレータのベースに図 8のようにコンデンサを通して外部の発振器から
の信号を加える場合を考える。図 1
4に示すように o
f
f側のトランジスタのベース電位が徐々に上昇し
てきてトランジスタが反転する前にこの同期信号が重なると、そこでベース電位はいきなり持ち上げ
られてトランジスタが反転する。この結果、マルチパイプレータは回路で決った固有周波数で発振せ
ず、外部の発振器に同期して発振する。この同期信号の周波数は、 トランジスタが一度反転してから
何番目の入力信号で反転するかにより、外部周波数の整数分の lになる。すなわち、マルチパイプレー
タを使って分周できる。
ここでベースに加える信号のように引金として使う信号をトリガ信号という。トリガ信号は主回路
であるトランジスタを反転させる極めて短い時間のみ必要で、その他は主回路を乱さないことが望ま
しい。そこで、微分回路を用いて周期 Tの方形波を微分して立ち上がりと立ち下がり部分に幅の狭い
bが微分回路の抵抗にある。しかし、この幅がマルチパイプ
パルスにして用いる。図 8の回路では R
レータの立ち上がり時間 tより短いと応答できないので、結局、微分回路の時定数 Tは次の関係を満
たすように選ぶ。
1
2
8-
(
a
)
T
o
。
3T
,
(
c
)
T1
o
図1
4(
a
)入力矩形波、 (
ωベース電位、 (
c
)コレクタ電圧
Ju
1
.
.
ムムム
図1
5 整流したトリガ・パルス
(
2
9
)
t三 T三 T
また、この場合正のパルスのみが必要なので、負パルスを除去するためには図 1
5に示すようにダイ
オードで整流して用いるのが望ましい。
【参考図書】
(
1
) パルス回路:三宅・石橋著、朝倉書庖
(
2
) パルス回路の設計:猪飼著. CQ出版社
-129-
2
S
C
1
8
1
5データーシート
シリコン NPNエピタキシャル形 (PCT方式)
25C1815
用
幅
泊周
圧幅
00
電増
波段
周振
川低励
F
出
、
単位
mm
高耐圧でしかも電流容量が大き b。
、
:VCEO=50V(最小), IC=150mA(最大)
直訴C
電流増幅率の電流依存性が優れています。
:hFE(2)=100(保準)(VCE=6V,IC=150mA)
:hFE(
I
C=O
.
lmA)IhFE(
!
C=2
mA)=0
.
9
5(擁準)
A4FO
PO=10W用 ア ン プ の ド ラ イ パ お よ び ー 紋 ス イ ッ チ ン グ 用 に 適 し て
います。
f
=1kHz)
雑 音 指 数 の 管 理 を し て い ま す 。 :NF=1dB(標準)(
2SAI015とコンブリメンタリになります。 (0,Y,GRクラス)
I
頁
目
コレクタ・ベース間電庄.
コレクタ・ニミッタ間電圧
エミッタ・ベース間電圧
コ
ク
レ
一
ベ
ー
.
4
レ
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長
タ
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記号
,
疋
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VCEO
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IC
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B
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j
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60
V
50
V
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5
0
ImA
mW
400
。
C
1
2
5
。
C
-55-125
4
き
晶.
エミッタ
.
2コレクタ
│
最大定格 (Ta=2
5て)
│単位
JEDEC
TO-92
EIAJ
SC-43
東芝
2-5FIB
=
電気的特性 (Ta 2
50C)
1
f
t
同
記号
m~J
,
疋
ー
.
流
電
流
増
高
中
率
コレクタ・エミッタ間飽和電圧
ベース・エミッタ間飽和電圧
トランジション周波数
コ
レ ク タ 出力容量
ベース拡がり抵抗
雑
z
日
r
.
指
注:hFE(l)分類
件
かj
、│係構
I
VCB=60V,IE=0
一
"
'
{
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B
_
=
?
V,IC=0
一
7
0
,Ic=2mA
hE
E
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l
J
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王) VCE=6V
2
5
Ki
2
1 VCE=6V,IC=150mA
hE
VCE(sat) Ic=100mA,IB=10mA
一
VBE(sat) Ic=100mA,IB=10mA
一
8
0
VCE=1
OV_
,IG~ lm~
f
T
IVCB=lOV.IE=O,f=J._~IHz I 一
Cob
lmA
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1
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b
b
'
一
f=30MHz
lVCE41c=01mA,
ト
;
F
一
f=1kHz,R(j=10kn
コレクタしゃ断電流
ICBO
エ ミ ッ タ し ゃ 断 電 流 │ IEBO
直
、
久
打
l
哲
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立
pA
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一
V
V
MHz
一
3
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5 I pF
50
一
1
0
0
o:
70-140, Y:120-240
, GR:
200-400, BL :350-700
1
3
0-
最大
一
1
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