全自動化学発光免疫測定装置 CL-JACK 専用試薬「デタミナーCL 風疹 IgG」の開発と基礎的検討 ◎山本真也、小嶌志穂、濱野康之、寺岡正志、真柴新一、早瀬 泰行 株式会社 いかがく 【はじめに】風疹は,一般的には予後良好な感染症である. 【結果】1)同時再現性は CV = 2.9~3.8%であった.2)日 しかし,妊娠初期の妊婦が罹患した場合,経胎盤感染により 差再現性は CV = 3.2~5.3%であった.3)希釈直線性はほぼ 出生児に先天性風疹症候群(CRS)を生じることが問題とさ 原点を通る直線が得られた.4)最低検出感度は抗体価 0.2 れる.この風疹ウイルスへの感染歴把握や,ワクチン接種後 であった.5)プロゾーン現象は抗体価 170.0 まで認められ の効果確認に,抗風疹ウイルス IgG 抗体の測定は有用であ なかった.6)共存物質の影響はいずれの共存物質について る.従来,風疹ウイルスの抗体測定法には用手法の HI が推 も測定値への影響は認められなかった.7)交差反応は,各 奨されてきたが,近年の風疹流行の際には,原料不足から 検体について抗風疹ウイルス IgG 抗体の測定を行った結果, HI 検査キットの供給不足が起こり問題となった.今回,我々 いずれも陰性であった.8)他法との相関関係は,回帰式 y = は全自動化学発光免疫測定装置 CL-JACK 専用試薬「デタミ 1.024 x + 2.542,相関係数 r = 0.955 であった. ナーCL 風疹 IgG」を開発し,その基礎的検討を行ったので 【まとめ】上記の検討結果から,本試薬は良好な基礎性能を 報告する. 有することが確認された.また,本試薬の測定システムは, 【対象・方法】共存物質の影響の検討には「干渉チェック・ 簡便迅速に多項目同時測定が可能であり,かつ用手法に比べ A プラス」及び「干渉チェック・RF プラス」 (シスメックス) 測定誤差が抑えられるため,検査の効率化およびデータ精度 を用いた.交差反応の検討には,風疹と症状の類似する 10 の維持向上への寄与が期待される.以上の点より,本試薬は 種類のウイルス性疾患として, それぞれの抗ウイルス IgG 抗 抗風疹ウイルス IgG 測定試薬として有用であると考えられ 体陽性検体を用いた.他法との相関は,n = 121 で「ウイル た. ス抗体 EIA「生研」ルベラ IgG」(デンカ生研)との相関性 を検討した.
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