第14回 (2014/07/17)

工業熱力学演習問題
平成 26 年 7 月 17 日 (木)
各問題は 10 点。
【問題 1】
◦
完全ガス (比熱比 1.66,定圧比熱 5.19kJ/kgK)2.00 kg を動作ガスとして、127 C
◦
と 27.0 C の間で動作する理想カルノーサイクルがある。このカルノーサイク
ルで、高温での等温膨張でガスの体積が 1.00 m3 から 5.00 m3 に変化した.1
サイクルに動作ガスが高温源から受ける熱量とサイクルが出力する仕事量を
求めよ.
【問題 2】
定圧比熱とガス定数がそれぞれ 1025.0, 315J/kgK の気体がある。最初この
◦
気体 5.00kg が温度と圧力が,10.0 C, 103kPa であった。変化後,温度と圧力
◦
が,140 C, 340kPa になった。この気体のエントロピ変化 J/K を求めよ.
【問題 3】
◦
15.0 C の理想気体 (cv =805J/kgK,ガス定数 316J/kgK) を急速に体積が元
の体積の 70.0% になるまで圧縮した。すると、不可逆断熱変化をして温度が
◦
62.0 C になった。この気体 1kg 当りの増加したエントロピを求めよ。解答に
は正しく単位を付けること。
工業熱力学演習問題解説
平成 26 年 7 月 17 日 (木)
【解説 1】
難しかったのか正解者は極めて少なかった。丁寧に記号式で計算すればでき
る。カルノーサイクルでは等温膨張の仕事
W3→4(は受ける熱量
Q1 に等しい.
)
∫ V2
V2
高温側 T1 では,Q1 = P1 V1
。カルノーサイクルの
P dV = mRT1 ln
V1
V1
T2
であり、サイクルの仕事量は,W = ηQ1 である。こ
熱効率 η は,η = 1 −
T1
れを計算すればよい。
(
W = ηQ1 = mRT1 η ln
V2
V1
)
= mR(T1 − T2 ) ln
(
V2
V1
)
受ける熱量 2.66MJ と仕事量 664kJ
【解説 2】
エントロピ変化は公式通り
∆s = m{cp ln
T2
P2
− R ln }
T1
P1
T2
P2
−R ln
T1
P1
と私がカッコを付け忘れた。この式で計算した人にも点をあげることにした。
である。これに正しく値を代入すればいい。授業では ∆s = mcp ln
エントロピ 55.5J/K 増加
【解説 3】
次の 式 が エ ン ト ロピ の式 であ る 。こ れ を 使 え ば 計 算 で き る 。こ こ で 、
V2 /V1 =0.700 であり、温度は絶対温度と用いる。
∆s = cv ln
T2
V2
+ R ln
T1
V1
増加したエントロピは 9.07 J/kgK