工業熱力学演習問題 平成 26 年 6 月 5 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 ある理想気体が 600kPa, 6.00m3 の状態から、420kPa に P V =(一定) の変化 をする時の仕事量 kJ を求めよ。 【問題 2】 圧力 110kPa, 体積 0.345m3 のある気体を 20.6kNm の仕事で圧縮し,そのと き 6.80kJ の熱を放出した時、圧力 180kPa, 体積 0.221m3 となった。この気体 のエンタルピの変化量 kJ を求めよ. 【問題 3】 ◦ 空気を急速に、温度 190 C、体積 0.450m3 、圧力 140kPa から 100kPa まで変 化させた。変化を可逆断熱として変化後の体積を求めよ。ただし、空気の定 圧比熱とガス定数は、1.01kJ/kgK, 287J/kgK とする。 工業熱力学演習問題解説 平成 26 年 6 月 5 日 (木) 【解説 1】 ある理想気体が P V =一定の変化をするということは等温変化であるが、等温 変化であることを知らなくても計算はできる。仕事量 W とし、P V = P1 V1 = P2 V2 = C とする。 ∫ ∫ V2 W = V2 P dV = V1 V1 V2 P1 C dV = C ln = P1 V1 ln V V1 P2 であるので、値を代入すれば結果が正であるので、膨張仕事となる。 この式で、2つ目の = は、P V = C(一定) から P は V の関数であることで、 P = C/V になることを理解することが重要。これを理解すれば、定圧、定容、 断熱とは異なる式になることがわかるので、この手の問題は OK となる。 膨張仕事 1.28kkJ 【解説 2】 熱バランスは,出入りを明確にすると、入熱は Q > 0、圧縮仕事 W > 0 であ る。つまり、圧縮仕事を W > 0,放熱を Qo < 0 となる。単位 Nm は J であ ることも忘れてはならない。内部エネルギーは、 U1 + Qo + W = U2 と書ける.また、エンタルピは定義から H = U + P V であるので、 δH = H2 − H1 = (U2 + P2 V2 ) − (U1 + P1 V1 ) = (U2 − U1 ) + (P2 V2 − P1 V1 ) = W + Qo + (P2 V2 − P1 V1 ) = 20.6kJ + (−6.80kJ) + (P2 V2 − P1 V1 ) と計算できる。仕事 W =20.6kJ、熱 Qo =6.80kJ に与えられた圧力と体積を 代入して計算する。 赤字で書いた式は簡単な式。応用できるかどうかは、今までに復讐をきっち りして問題を解いているかどうかにかかっている。 エンタルピの増加量 15.7kJ 【解説 3】 断熱変化であるので、P V κ = 一定 である。つまり、P1 V1κ = P2 V2κ これから ( )1/κ P1 cp cp V2 = V1 = である。 で求める。ここで、κ = P2 cv cp − R 変化後の体積は 0.572m3
© Copyright 2024